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「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書 723) 新書 – 2024/3/27
山中俊之
(著)
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NYタイムズではアート関連の記事が頻繁に1面を飾るなど、アートは欧米エリートにとって不可欠な教養である。他方、日本でそのようなことはなく、アートに対する扱いの差が、まさに欧米と日本のイノベーション格差の表れであると、世界97カ国で経験を積み、芸術系大学で教鞭をとる元外交官の著者は言う。アートに向き合うとき最も重要なのは、仮説を立てて思考を深めることである。そこで本書ではアートを目の前にして、いかに問いを立て、深い洞察を得るかについて解説。読み終わる頃にはアートの魅力が倍加すること必至の一冊
- 本の長さ296ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2024/3/27
- 寸法1.2 x 11 x 17.5 cm
- ISBN-10434498725X
- ISBN-13978-4344987258
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商品の説明
著者について
著述家・ファシリテーター。芸術文化観光専門職大学教授。神戸情報大学院大学教授。株式会社グローバルダイナミクス取締役。一九六八年兵庫県西宮市生まれ。東京大学法学部卒業後、一九九〇年外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアへ赴任。対中東外交、地球環境問題などを担当する。二〇二四年現在、世界九十七カ国を訪問し、先端企業から貧民街、農村、博物館・美術館を徹底視察。京都芸術大学卒(芸術教養)。ケンブリッジ大学大学院修士(開発学)。高野山大学大学院修士(仏教思想・比較宗教学)。ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA、大阪大学大学院国際公共政策博士。著書に『世界96カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養「世界の民族」超入門』(ダイヤモンド社)などがある。
登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2024/3/27)
- 発売日 : 2024/3/27
- 言語 : 日本語
- 新書 : 296ページ
- ISBN-10 : 434498725X
- ISBN-13 : 978-4344987258
- 寸法 : 1.2 x 11 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 7,690位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自己紹介…の本からの山中ファンです。彼の本は全部読む。外務省退官後、朝4時半起きで刻苦勉励されていたエピソードが印象的。こういう努力していた人の言には説得力がある。ミレー『晩鐘』私も買いました笑
2024年4月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
"アートは宗教、民族性、歴史とは分かち難く結びついており、言葉というある種『限界があるコミュニケーションツール』にはない"表現力"を内包しています。2024年発刊の本書は特にビジネスパーソンに向けて『世界のエリートたちの共通認識』としてのアート、その魅力を解説した一冊。
個人的にはメタバース上で芸大の設立準備を進めていることから、テキスト候補として本書を手にとりました。
さて、そんな本書は外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアへと赴任した元外交官であり、現在は芸術大学で教鞭をとる著者が、アート鑑賞は欧米エリートにとって不可欠な教養どある一方【日本ではそのようなことはない】という扱いの差がイノベーション格差として表れているのではないか。と『理解すると視野が広がる、アートの基本』『西洋アートから民族を読み解く』『現代アートの底力』の三部構成、約20の名画を題材にしながら。また自身の豊富な海外経験や仮説を交えつつ、アートを目の前にして【いかに問いを立て、深い洞察を得るか】について、わかりやすく解説を加えてくれているのですが。
個人的にかじってきた西洋美術史については、よく知る作品を題材にさらに理解やネタが深まる内容で、とても勉強になりました。
また、中東やアフリカやカナダ、ラテンアメリカ、南アジア、東南アジア、中国事情に関しては全く疎かったので。著者が体験を通じて、補助線を引いてくれているのは助かりました。
読み物、対話のきっかけとして西洋美術史、現代アート事情を知りたい方にオススメ。
個人的にはメタバース上で芸大の設立準備を進めていることから、テキスト候補として本書を手にとりました。
さて、そんな本書は外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアへと赴任した元外交官であり、現在は芸術大学で教鞭をとる著者が、アート鑑賞は欧米エリートにとって不可欠な教養どある一方【日本ではそのようなことはない】という扱いの差がイノベーション格差として表れているのではないか。と『理解すると視野が広がる、アートの基本』『西洋アートから民族を読み解く』『現代アートの底力』の三部構成、約20の名画を題材にしながら。また自身の豊富な海外経験や仮説を交えつつ、アートを目の前にして【いかに問いを立て、深い洞察を得るか】について、わかりやすく解説を加えてくれているのですが。
個人的にかじってきた西洋美術史については、よく知る作品を題材にさらに理解やネタが深まる内容で、とても勉強になりました。
また、中東やアフリカやカナダ、ラテンアメリカ、南アジア、東南アジア、中国事情に関しては全く疎かったので。著者が体験を通じて、補助線を引いてくれているのは助かりました。
読み物、対話のきっかけとして西洋美術史、現代アート事情を知りたい方にオススメ。
2024年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
興味深く一気に読みました。
難しいテーマでも、「アート」を介して様々な「対話」が生まれてくるような、
そんなきっかけになる本だと思いました。
著者の見方を一つの参考にして、色々なアイデアを交換する機会にする、その
活用には良い本だと思いました。
難しいテーマでも、「アート」を介して様々な「対話」が生まれてくるような、
そんなきっかけになる本だと思いました。
著者の見方を一つの参考にして、色々なアイデアを交換する機会にする、その
活用には良い本だと思いました。
2024年5月25日に日本でレビュー済み
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著者の山中俊之氏は1968年生まれの元外務官僚で、現在は芸術文化観光専門職大学と神戸情報大学院大学で教授を務める人物。海外のビジネスマンであれば当然身につけているアートに対する知識と鑑賞力が日本人にはないことを憂いて物したのがこの書です。
古代から現代までの西洋美術の何たるかを駆け足で見ていくには好適の書です。普段から美術関連書籍には目を通すようにしている私にも勉強になった事柄がいくつかありました。
◆ジャック=ルイ・ダヴィッドが描いた『皇帝ナポレオン1世と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠式』ではナポレオンがジョゼフィーヌに冠を授けている。革命後のフランスは政教分離なので、教皇ではなくナポレオンが授けている。
◆1861年、ロシアのアレクサンドル2世は農奴解放令を発令。この背景にはツルゲーネフの『猟人日記』があったと言われる。
◆イスラム教では人間は偶像崇拝に当たるので描いてはならない。また、ムハンマドの言行録「ハディース」で動物を描くことは神の創造に挑戦する罪深い行為と捉えられている。一方、幾何学文様は「無限の連続」こそ神に通じるとするイスラムアートの真髄である。
◆フランスのマクロン大統領はかつてフランスの植民地だったダホメ王国(現ベナン共和国)から略奪したアートの返還に動き出した。これはアフリカで存在感を増す中国とロシアへの対抗策の意味もある。文化と人権への意識が高いことをアピールし、旧植民地との関係を改善し、アフリカでの影響力の維持と拡大に努めたい思惑がある。
◆1960年代の日本には「もの派」と言われる芸術運動があった。石や鉄板、木などを加工せず自然のまま活用して芸術作品にする。韓国出身で現在は日本を拠点に活動する李禹煥(リ・ウファン)がこの「もの派」の代表的なアーティスト。モノへの敬意を払う日本的心性を著者は「すべては関係性で成り立っているということに敬意を払っている」と解釈していて、なかなか含蓄があると思いました。
◆アートの歴史において、創作者はかつて職人として位置づけられた。それがアーティストという創造者になり、現代アートでは社会変革者へと立場を変えつつある。中国の艾未未(アイ・ウェイウェイ)は中国共産党の政策に批判的な芸術作品で知られる。
ただ、この書には首を傾げる点もあります。
◆エマヌエル・ロイツェ『デラウェア川を渡るワシントン』を指して著者は、「川を渡るワシントンの表情や佇まいに、新しい清教徒の国をつくるという強固な意志」(202頁)が感じられると記しています。ですが、ジョージ・ワシントンが清教徒だったという話は聞いたことがありません。ワシントンの先祖はむしろ清教徒(革命)によって追放された英国国教会の聖職者だったと聞いています。それに独立戦争時に採択された「バージニア権利章典」の第16条には自由な信仰の権利が定められているので、清教徒オンリーの国家建設がワシントンによって提唱されたとはとても考えられないのですが。
◆メキシコの画家フリーダ・カーロを紹介したくだりで著者は「ドイツ生まれの父と先住民の血も引く母。フリーダ・カーロは、血統的に典型的なラテンアメリカ人と言えます」(238-239頁)と記しています。この「血統的に典型的なラテンアメリカ人」の意味を測りかねました。両親のうちの一方が白人でもう一方が先住民である場合を「血統的に典型的なラテンアメリカ人」と定義づけしているのでしょうか?
ですがラテンアメリカは国によって人種構成はかなり違いがあります。フリーダ・カーロのメキシコの人種構成は、メスティーソ(スペイン系等の欧州系と先住民の混血)が 60%、先住民が 30%、スペイン系等の欧州系が 9%、その他が 1%程度ですから、「血統的に多数派のメキシコ人」という表現であれば間違いありませんが、ボリビアやブラジルなど他のラテンアメリカではこの人種構成が全く異なるので、「血統的に典型的なラテンアメリカ人」という表現は事実上困難です。そもそもこのフリーダ・カーロのくだりで人種構成に言及した著者の意図もわかりませんでした。
◆衍字がありました。「フリーダ・カーロもカーロも婚外恋愛は激しく」(240頁)
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私がお勧めしたい類書を紹介しておきます。
◇木村 泰司『 世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」 』(ダイヤモンド社)
:著者は1966年生まれの西洋美術史家。国際的な仕事をするビジネスマンが素養として備えておくべき西洋美術史を、紀元前のギリシア美術から、おおよそ19世紀末までたどって記しています。
◇木村 泰司『 名画の読み方 世界のビジネスエリートが身につける教養 』(ダイヤモンド社)
:上記の書の続編です。国際的な仕事をするビジネスマンが素養として備えておくべき西洋美術を、かつてフランスなどのアカデミーが分類し、19世紀まで根強く画壇を支配したジャンル別に解説していきます。
◇木村 泰司『 世界のビジネスエリートは知っている ルーヴルに学ぶ美術の教養 』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
:パリのルーヴル美術館が所蔵する作品を多数とりあげながら、ルネサンスからロマン主義までの西洋絵画を読み解く知識を教授してくれます。
◇とに~『 ようこそ! 西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ: ポップカルチャーで読み解く世界の名画 』(誠文堂新光社)
:著者は元吉本興業所属の芸人で、現在はアートテラーという独自の造語のもと、美術講座の講師などを務めているという人物。ラスコー壁画から説き起こし、現代ポップカルチャーまでの西洋美術史を、若い読者が理解しやすいようにコミカルな例え話を駆使しながら解説していくという趣向の書です。
◇伊藤 敏『 ビジネスエリートが知っておきたい 教養としてのヨーロッパ史 』(PHP研究所)
:著者は筑波大学大学院で修士号を取得後、高校非常勤講師などを経て、2019年から代々木ゼミナール講師として活動している人物。受験生向けの世界史入試問題対策風の作りではなく、日本のビジネスエリート層が欧米のカウンターパートとがっぷり四つに組むことを想定したような硬派で高度な内容になっています。
◇永山 久夫『 外国人にも話したくなる ビジネスエリートが知っておきたい 教養としての日本食 』(KADOKAWA)
:監修者は1932年生まれの食文化研究家。寿司やコロッケ、カレーライスや納豆、鰹節や懐石料理など日本人が口にする食べものにまつわるあれやこれやの歴史的背景をそれぞれ2~3頁ずつあてて解説した一冊です。
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著者の山中俊之氏は1968年生まれの元外務官僚で、現在は芸術文化観光専門職大学と神戸情報大学院大学で教授を務める人物。海外のビジネスマンであれば当然身につけているアートに対する知識と鑑賞力が日本人にはないことを憂いて物したのがこの書です。
古代から現代までの西洋美術の何たるかを駆け足で見ていくには好適の書です。普段から美術関連書籍には目を通すようにしている私にも勉強になった事柄がいくつかありました。
◆ジャック=ルイ・ダヴィッドが描いた『皇帝ナポレオン1世と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠式』ではナポレオンがジョゼフィーヌに冠を授けている。革命後のフランスは政教分離なので、教皇ではなくナポレオンが授けている。
◆1861年、ロシアのアレクサンドル2世は農奴解放令を発令。この背景にはツルゲーネフの『猟人日記』があったと言われる。
◆イスラム教では人間は偶像崇拝に当たるので描いてはならない。また、ムハンマドの言行録「ハディース」で動物を描くことは神の創造に挑戦する罪深い行為と捉えられている。一方、幾何学文様は「無限の連続」こそ神に通じるとするイスラムアートの真髄である。
◆フランスのマクロン大統領はかつてフランスの植民地だったダホメ王国(現ベナン共和国)から略奪したアートの返還に動き出した。これはアフリカで存在感を増す中国とロシアへの対抗策の意味もある。文化と人権への意識が高いことをアピールし、旧植民地との関係を改善し、アフリカでの影響力の維持と拡大に努めたい思惑がある。
◆1960年代の日本には「もの派」と言われる芸術運動があった。石や鉄板、木などを加工せず自然のまま活用して芸術作品にする。韓国出身で現在は日本を拠点に活動する李禹煥(リ・ウファン)がこの「もの派」の代表的なアーティスト。モノへの敬意を払う日本的心性を著者は「すべては関係性で成り立っているということに敬意を払っている」と解釈していて、なかなか含蓄があると思いました。
◆アートの歴史において、創作者はかつて職人として位置づけられた。それがアーティストという創造者になり、現代アートでは社会変革者へと立場を変えつつある。中国の艾未未(アイ・ウェイウェイ)は中国共産党の政策に批判的な芸術作品で知られる。
ただ、この書には首を傾げる点もあります。
◆エマヌエル・ロイツェ『デラウェア川を渡るワシントン』を指して著者は、「川を渡るワシントンの表情や佇まいに、新しい清教徒の国をつくるという強固な意志」(202頁)が感じられると記しています。ですが、ジョージ・ワシントンが清教徒だったという話は聞いたことがありません。ワシントンの先祖はむしろ清教徒(革命)によって追放された英国国教会の聖職者だったと聞いています。それに独立戦争時に採択された「バージニア権利章典」の第16条には自由な信仰の権利が定められているので、清教徒オンリーの国家建設がワシントンによって提唱されたとはとても考えられないのですが。
◆メキシコの画家フリーダ・カーロを紹介したくだりで著者は「ドイツ生まれの父と先住民の血も引く母。フリーダ・カーロは、血統的に典型的なラテンアメリカ人と言えます」(238-239頁)と記しています。この「血統的に典型的なラテンアメリカ人」の意味を測りかねました。両親のうちの一方が白人でもう一方が先住民である場合を「血統的に典型的なラテンアメリカ人」と定義づけしているのでしょうか?
ですがラテンアメリカは国によって人種構成はかなり違いがあります。フリーダ・カーロのメキシコの人種構成は、メスティーソ(スペイン系等の欧州系と先住民の混血)が 60%、先住民が 30%、スペイン系等の欧州系が 9%、その他が 1%程度ですから、「血統的に多数派のメキシコ人」という表現であれば間違いありませんが、ボリビアやブラジルなど他のラテンアメリカではこの人種構成が全く異なるので、「血統的に典型的なラテンアメリカ人」という表現は事実上困難です。そもそもこのフリーダ・カーロのくだりで人種構成に言及した著者の意図もわかりませんでした。
◆衍字がありました。「フリーダ・カーロもカーロも婚外恋愛は激しく」(240頁)
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私がお勧めしたい類書を紹介しておきます。
◇木村 泰司『 世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」 』(ダイヤモンド社)
:著者は1966年生まれの西洋美術史家。国際的な仕事をするビジネスマンが素養として備えておくべき西洋美術史を、紀元前のギリシア美術から、おおよそ19世紀末までたどって記しています。
◇木村 泰司『 名画の読み方 世界のビジネスエリートが身につける教養 』(ダイヤモンド社)
:上記の書の続編です。国際的な仕事をするビジネスマンが素養として備えておくべき西洋美術を、かつてフランスなどのアカデミーが分類し、19世紀まで根強く画壇を支配したジャンル別に解説していきます。
◇木村 泰司『 世界のビジネスエリートは知っている ルーヴルに学ぶ美術の教養 』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
:パリのルーヴル美術館が所蔵する作品を多数とりあげながら、ルネサンスからロマン主義までの西洋絵画を読み解く知識を教授してくれます。
◇とに~『 ようこそ! 西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ: ポップカルチャーで読み解く世界の名画 』(誠文堂新光社)
:著者は元吉本興業所属の芸人で、現在はアートテラーという独自の造語のもと、美術講座の講師などを務めているという人物。ラスコー壁画から説き起こし、現代ポップカルチャーまでの西洋美術史を、若い読者が理解しやすいようにコミカルな例え話を駆使しながら解説していくという趣向の書です。
◇伊藤 敏『 ビジネスエリートが知っておきたい 教養としてのヨーロッパ史 』(PHP研究所)
:著者は筑波大学大学院で修士号を取得後、高校非常勤講師などを経て、2019年から代々木ゼミナール講師として活動している人物。受験生向けの世界史入試問題対策風の作りではなく、日本のビジネスエリート層が欧米のカウンターパートとがっぷり四つに組むことを想定したような硬派で高度な内容になっています。
◇永山 久夫『 外国人にも話したくなる ビジネスエリートが知っておきたい 教養としての日本食 』(KADOKAWA)
:監修者は1932年生まれの食文化研究家。寿司やコロッケ、カレーライスや納豆、鰹節や懐石料理など日本人が口にする食べものにまつわるあれやこれやの歴史的背景をそれぞれ2~3頁ずつあてて解説した一冊です。
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