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脳科学で解く心の病: うつ病・認知症・依存症から芸術と創造性まで 単行本 – 2024/4/1
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ニューロン同士が正確に繋がることで、コミュニケーションを取っている。
ニューロンとニューロンの繋がりは、ケガや病気によって変化してしまう。
また、成長の過程で繋がりが正常に発達しなかったり、全く形成されなかったりすることもある。
そうした事態に陥ると、脳機能に混乱が生じて、
自閉スペクトラム症、うつ病、統合失調症、パーキンソン病、
依存症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など
精神疾患の原因となる。
こうした脳の混乱がどのように生じるかを研究し、その治療法の可能性を探ることは、
私たちの思考、感情、行動、記憶、創造性がどのようにして脳で生み出されているのか、
その解明にも繋がっていく。
神経科学者たちの研究成果、精神疾患の当事者や家族の声、治療法の歴史を踏まえながら、
ノーベル賞受賞の脳科学の第一人者が心の病と脳を読み解く。
- 本の長さ360ページ
- 言語日本語
- 出版社築地書館
- 発売日2024/4/1
- 寸法13.6 x 2.6 x 19.5 cm
- ISBN-104806716642
- ISBN-13978-4806716648
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出版社より
主な目次1
第1章 脳障害からわかる人類の本質
第2章 人類のもつ強力な社会性──自閉スペクトラム症
第3章 感情と自己の統一感──うつ病と双極性障害
第4章 思考、決断、実行する能力──統合失調症
第5章 自己の貯蔵庫である記憶──認知症
第6章 生来の創造性──脳障害と芸術
主な目次2
第7章 運動──パーキンソン病とハンチントン病
第8章 意識と無意識の感情の相互作用──不安、PTSD、不適切な意思決定
第9章 快楽の原理と選択の自由──依存症
第10章 脳の性分化と性自認
第11章 今も残る脳の大いなる謎──意識
商品の説明
著者について
科学医療ジャーナリスト。翻訳家。
朝日新聞社科学医療部専門記者(医療担当)などとして医療と生命科学を中心に取材・執筆し、2020 年4 月からフリーランスに。
同社在籍中に執筆した連載「清原和博、薬物依存と向き合う」は2022 年、「依存症問題の正しい報道を求めるネットワーク」のグッド・プレス賞受賞。
シンガポール国立大学医学部教授、熊本大学国際先端医学研究拠点卓越教授。
臨床医として勤務した後、幹細胞・発生学の基礎研究に専念するようになる。
現在はシンガポールと日本を行き来しながら研究を続ける。慶應義塾大学名誉教授。
登録情報
- 出版社 : 築地書館 (2024/4/1)
- 発売日 : 2024/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 360ページ
- ISBN-10 : 4806716642
- ISBN-13 : 978-4806716648
- 寸法 : 13.6 x 2.6 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 7,198位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 10位脳神経科学・神経内科学
- - 38位脳・認知症
- - 869位科学・テクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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脳イメージング研究により、精神疾患で異常の生じる脳組織部位も特定がされてきているとのことで、関連する神経伝達物質の作用と合わせた解説で、より具体的に精神疾患について理解ができた。
本書ではさらに、脳に由来する創造性やジェンダーの自己認識まで話が及び、幅が広いが、全体的、統一的な理解ができるのも良い。
残念なのは、米国では2018年出版の本なので、邦訳出版の2024年現在からすると6年前の知識の内容であること。それでも、脳神経科学の始まりからの100年近い歴史を振り返って解説しているため、読み応えは十分である。翻訳ラグが1年程度であればもっと良かったが、脳科学に関する良い知識基盤ができたので、今後の新刊や別の書籍で補いたい。
著者は記憶と学習の研究でノーベル賞を受賞した脳科学の第一人者である。お偉い先生は必ずしも一般向けの説明がうまいわけではないことも多いが、本書はそういうことはなく、なかなかわかりやすく書かれていると感じる。
自閉症では、社会的な活動を担う脳のネットワーク(顔認識、共感、感情、心の理論などをつなぐ部分)に不具合が生じている。通常思われるのと逆に、自閉症の人は共感を覚えないのではなく、むしろあまりにも多くの刺激に圧倒されストレスに押しつぶされている状況だという。
7番染色体のある部分に余分なコピーが生じると、自閉症リスクが大きく高まる。逆にこのコピーが欠損すると、ウィリアムズ症候群という、極端にコミュニケーションを好む(見知らぬ人さえ容易に信用してしまう)症状を示す。
遺伝子については、デノボ(新生)変異についても最近明らかになってきている。これは、親由来ではなく、その子に新たに生じた遺伝子変異のことである。男親の年齢が上がると精子異常が増え、これがデノボ変異につながる(卵は生まれた瞬間から保存されるので、デノボ変異とはあまりつながらない)。近年の自閉症の増加は、特に男の親の年齢上昇と関係があるという。
うつ病については、セロトニンとノルアドレナリンの不足が原因とされており、それに対する治療薬が作られている。最近、高濃度コルチゾールによって作られるグルタミン酸を標的とした新しいタイプの治療薬(ケタミン)が作られたことで、うつ病の機序の理解も進んだ。精神療法もまた脳の生物学的側面に働きかけるものとして科学的に特徴づけることが出来るという。
統合失調症では、シナプスの過剰な刈り込みが起きている。うつ病や双極性障害は、脳そのものは正常に発達していて、その機能が異常をきたしているので、うまい方法で直せる可能性が十分あるが、統合失調症や自閉症は解剖学的なレベルで欠陥を伴う(神経回路が適切に発達していない)ので、シナプス成長促進などの処置が必要である。その一方、統合失調症、自閉症、双極性障害には共通の遺伝子レベルの要因がありそうなことが分かってきているという。
認知症の要因には、骨密度が下がってオステオカルシンの分泌が減ることが挙げられている。運動が認知症に効くというのは根拠があるのである。アルツハイマー病は、アミロイドβや神経原繊維変化と呼ばれる正常に折りたたまれないたんぱくが集まり、それが悪さをしてニューロンの死滅につながる。タンパク質の折り畳みの異常は、ハンチントン病、クロイツフェルト・ヤコブ病でも見られ、驚くべきことに遺伝子ではないにもかかわらず、異常なたんぱくは感染して増える(異常なたんぱくは他のたんぱくを異常にする役割を果たしている)。
パーキンソン病は、ニューロンの活動低下ではなく過剰で生じる(統合失調症とパーキンソン病とは、ドーパミンの過剰と不足という形で裏表でつながっている)。そのため、一部のニューロンの活動を電気などで外から抑制すると、症状が治まることがある。
狭間で脳障害のある人の驚くべき創造性の話が出ている。本書では、脳のある種の抑制機能が脳障害で弱まることで、本来その人の脳が備えていた能力が劇的に開花するという側面が指摘されている。同じような機構は、ピアニストが即興演奏する際にもみられるという。
もう一つ、狭間で出ている性の話も興味深い。脳には(一部違いはあるものの)男女どちらの神経回路も割と備わっており、どちらの性の回路を発動させどちらを抑制するかがホルモンで制御される。特定遺伝子の変異(例えば先天性副腎過形成)は、テストステロンを過剰生成するために女性でも男性的な行動をとるようになりやすい。解剖学的な性と性自認がしばしば乖離する(性同一性障害、トランスジェンダー)のは、こうした背景がある。
性転換してホルモン投与を受けると、性転換前後で空間把握能力について「男性的/女性的」とされる違うが見られるようになるというのも、ホルモンが男女を作る要因を担うことを示唆している。本書では、出生後の社会環境が性自認や性的志向に影響するという立場は否定されている。
「心の病」がここまで脳という生物学の基盤に基づいて理解されてきていることに、非常に驚かされる。脳は特に理解しづらい器官だが、きちんと理解を進めていくことにより、心の病に対しても他の病気のような強力な治療がなされるようになることを願うばかりである。
ちなみに、最初の章で、遺伝子のノックアウトの例を引きながら「異常によって脳の機能が分かる」という話が出ているので、心の病気(脳のある機能の不具合)から脳のメカニズムに迫る面もある本かと思ったが、そういう側面はそこまで強くなく、タイトル通り心の病を考察した本であった(脳の異常から脳機能に迫る本としては、 脳はいかに意識をつくるのか―脳の異常から心の謎に迫る がある)。ただ、治療薬開発によって、病気の機序の理解が深まる事例は複数出ている。
解説を飛ばした依存症や不安、記憶の話については、それぞれ 快感回路---なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか (河出文庫) や 記憶と情動の脳科学―「忘れにくい記憶」の作られ方 (ブルーバックス) などの本がすでに出ているので、興味のある人はこちらを読んでみるといいだろう。
本書は、既存の本ではそこまで細かくは扱っていなかった「心の病」に脳科学から深く切り込んだ好著だと思う。