ホラージャンルはほとんど読まないのですが、著者の前作である『遠の朝廷にオニが舞う』から興味を惹かれて手に取りました。
廃坑という限定された異空間での、圧迫感極まる描写。
そして民俗の暗がりから近代史への闇へと深度を増す物語。
背筋を冷たく這い登る恐怖感とともに、あまりにも哀しい史実が胸を抉ります。
怪異・民俗・医療、そして近代産業史の暗部を見事なまでに融合させた作品でした。
他人には滅多に「これを読め」とは言わないのですが、友人にすすめたい一冊です。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ウラヤマ ペーパーバック – 2022/5/31
珠下なぎ
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,500","priceAmount":1500.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,500","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"4rkVYruCSGdr%2BNquTr9PiG4AY6A6sibYzpAPCHgXOysJ1p1MKXKAZHg5zlwdCqVtOm7kBwN7WgEj9jX1mj4%2BANOUmUHE3QXYR1LhAQmshe22xR6ZNFzpAMoph%2FZnnoWKj1DfBI3Cu0s%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
中学受験を終えて最初の夏休み。オカルトマニアの諒太は、同級生の健人を誘って、古いトンネルを探検することに。古ぼけた社、赤い掌の跡、想像以上の不気味さに戸惑う二人の前を、不気味な声と共に赤い影が横切る。途端に健人は激しい足の痛みに襲われ、二人は慌てて逃げ出す。3日後、もう一人の同級生・拓海と共に同じ場所を訪れるが、今度はトンネルの奥から謎の老人が現れ、「近づくな」と謎の警告を発して倒れてしまう。その後、三人の身に、次々と怪異が降りかかり始め……。「ウラヤマ」、その言葉の意味するものとは?近代史の闇を描く、ライトホラーミステリー。
- 本の長さ235ページ
- 言語日本語
- 発売日2022/5/31
- 寸法12.7 x 1.5 x 18.8 cm
- ISBN-13979-8824220391
登録情報
- ASIN : B0B2TNPJGG
- 出版社 : Independently published (2022/5/31)
- 発売日 : 2022/5/31
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 235ページ
- ISBN-13 : 979-8824220391
- 寸法 : 12.7 x 1.5 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,609,463位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 104,012位絵本・児童書 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
心療内科医。学生時代より創作活動を開始し、現在は医師として勤務する傍ら、地方やマイノリティの歴史や伝承をテーマとした作品を執筆。
7世紀末の太宰府を舞台とした歴史ファンタジー『遠の朝廷にオニが舞う』の原作が、第60回講談社児童文学新人賞並びに第26回児童文学ファンタジー大賞の最終候補作となる。
2022年発売、日本児童文学者協会編『1話ごとに近づく恐怖①憤怒の恐怖 百物語』に短編『図書室の恐怖』掲載。
古代史や鬼関連の歴史に造詣が深く、LTA出版事業部のブログでは、鬼・民俗学・歴史・社会問題などについての記事を公開している。
LTA出版事業部:https://ltap.website/
カスタマーレビュー
星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
7グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年8月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今作は前作「遠の朝廷にオニが舞う」から一転して、時代は現在。主人公は普通の中学生3人ですが、舞台は著者の地元・九州がモデルのようです。主人公たちが地元の心霊スポットを探検したことがプロローグ。しかしそれは、地元にまつわる、近代史の闇への入り口。
中盤までは謎また謎で、伏線的な事件が次々と発生しますが、終盤で一気に加速し、伏線を回収しながらクライマックスになだれ込む、社会派ミステリー+ファンタジーとなっています。今作でも医師や医療がキーとなっていて、現役医師である著者の経験や知見、そして歴史的事実のリサーチが効果的に盛り込まれています。
ある超常的存在が物語の重要なキーなんですが、その設定には、医師ならではの視点、そして歴史的事実が入っており、ボクの想定を超えて、物語を深めています。タイトルの「ウラヤマ」の正体も、おそらく、大半の読者の想定の斜め上を行っていることでしょう。ラストバトル的な展開になりますが、何度かのどんでん返しと、力による解決ではない決着も見どころ。もちろん伏線もきれいに回収されます。
前後しますが、時限爆弾的な伏線もあるので、いい意味で油断できません。著者・なぎさんが常々ブログで書かれている、社会への目線、特に虐げられた人への想いも、テーマとして伝わってきます。このように、前作同様、基本的には児童文学ですが、一般読者をもうならせ、楽しませてくれることでしょう。
普通に☆5つなんですが、ボクの期待した女の子キャラの活躍が少な目でしたので、4つとさせていただきます。次回作への期待も込めて…。
中盤までは謎また謎で、伏線的な事件が次々と発生しますが、終盤で一気に加速し、伏線を回収しながらクライマックスになだれ込む、社会派ミステリー+ファンタジーとなっています。今作でも医師や医療がキーとなっていて、現役医師である著者の経験や知見、そして歴史的事実のリサーチが効果的に盛り込まれています。
ある超常的存在が物語の重要なキーなんですが、その設定には、医師ならではの視点、そして歴史的事実が入っており、ボクの想定を超えて、物語を深めています。タイトルの「ウラヤマ」の正体も、おそらく、大半の読者の想定の斜め上を行っていることでしょう。ラストバトル的な展開になりますが、何度かのどんでん返しと、力による解決ではない決着も見どころ。もちろん伏線もきれいに回収されます。
前後しますが、時限爆弾的な伏線もあるので、いい意味で油断できません。著者・なぎさんが常々ブログで書かれている、社会への目線、特に虐げられた人への想いも、テーマとして伝わってきます。このように、前作同様、基本的には児童文学ですが、一般読者をもうならせ、楽しませてくれることでしょう。
普通に☆5つなんですが、ボクの期待した女の子キャラの活躍が少な目でしたので、4つとさせていただきます。次回作への期待も込めて…。
2021年8月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
恐れられる話には、それなりの理由がある。
怖い、怖いと言って、蓋をしていたら、実態を知ることはできない。この話は、3人の中学生がキャラクターの違いをうまく使い、読者に霊界の謎解きをしてくれている。
幽霊が出るという古いトンネルで、過去に何が起こったのか。そして、それらの霊は何が望みなのか。成仏しなかった魂は、何故今もさ迷っているのか。読み進めていくうちに、このトンネルで起こった悲惨な事故が明るみになる。
3人の中学生と謎の老人とで、過去の実態をさらけ出し、それと同時に成仏しない魂の哀しさも解き明かしてくれている。ただ単に、ホラーというだけではなく、心に突き刺さる物語である。それと、読み終えた後の何とも言えない充実感も味わえられ、満足のいく作品に仕上がっており、作者の力量を充分感じられる小説で素晴らしい。
怖い、怖いと言って、蓋をしていたら、実態を知ることはできない。この話は、3人の中学生がキャラクターの違いをうまく使い、読者に霊界の謎解きをしてくれている。
幽霊が出るという古いトンネルで、過去に何が起こったのか。そして、それらの霊は何が望みなのか。成仏しなかった魂は、何故今もさ迷っているのか。読み進めていくうちに、このトンネルで起こった悲惨な事故が明るみになる。
3人の中学生と謎の老人とで、過去の実態をさらけ出し、それと同時に成仏しない魂の哀しさも解き明かしてくれている。ただ単に、ホラーというだけではなく、心に突き刺さる物語である。それと、読み終えた後の何とも言えない充実感も味わえられ、満足のいく作品に仕上がっており、作者の力量を充分感じられる小説で素晴らしい。
2021年11月11日に日本でレビュー済み
子どものころって、家庭と学校と住んでいる町、あとは自分が好きなもの(スポーツや本や音楽、芸能など)が世界のすべてだった気がします。知らないことは「ないのといっしょ」で、自分の住んでいる町でかつて起こったことですら、知らなければ「なかったことといっしょ」……だからこそ、怪談話にキャーキャー言ったり怖がったりしたのかもしれません。
この物語はそんな自分の好きなことに一生懸命な男の子たちが、日常のほんの先に忘れられていた闇に絡め取られていく物語です。
そして最後には、町の空気が忘れよう、なかったことにしようとしていた悲しみに触れ、自分のなかに受け入れていきます。
児童書として書かれた作品かと思いますが、大人も十分も怖がり、楽しめ、考えさせられる作品です。
この物語はそんな自分の好きなことに一生懸命な男の子たちが、日常のほんの先に忘れられていた闇に絡め取られていく物語です。
そして最後には、町の空気が忘れよう、なかったことにしようとしていた悲しみに触れ、自分のなかに受け入れていきます。
児童書として書かれた作品かと思いますが、大人も十分も怖がり、楽しめ、考えさせられる作品です。