この本を読むと、JavaScriptは奇っ怪な動きをする言語であり、プログラマはその仕様を理解して乗りこなさなければいけない。けれども、それも時代や流行で変わってきているんだと教えてくれます。
それでもJavaScriptにはクラスは存在しないし、その正体はコンストラクタだったとか。
配列こそがJavaScriptの本体だということを知ります。
そういった言語の異端性を理解した上で、JavaScriptの成り立ちを学びます。とくにES6以降は「別言語」ですから、我々が懸念している負の部分は軽減しており、初学者でも十分に学べる代物と化しています。
この本のお気に入りは関数型についてです。それまでオブジェクト指向（クラス）だった業界に、Reactを台頭にして普及したように思います。
Rustもそうですが、言語全体の主流が関数型に移行してきています。改めてその重要性が認識されていると感じます。
本書を学べばthisの影響でまともなクラス設計はできず、またプロトタイプとの相性の悪さも知るはずです。
関数型を利用すると結果として高階関数を使い、コンポーネント化し、将来的にはWebComponentに使えるメリットが見えてきます。
将来的にエンジニアは直接JavaScriptを触ることはなくなるでしょう。TypeScriptやSvelteの方が優秀だからです。しかし、「JavaScriptにはオーバーロードが存在しない。代入方法は=のみ」という知識を本書で知り得たなら、それらAltJSやコンパイラがどういう形で最適化処理をしているのか想像がつくようになるはずです。ポインタの知識と同じで、この本から学べるものは陳腐化することがないでしょう。
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