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さよなら妖精 (創元推理文庫) 文庫 – 2006/6/10
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- ISBN-104488451039
- ISBN-13978-4488451035
- 出版社東京創元社
- 発売日2006/6/10
- 言語日本語
- 寸法14.9 x 10.5 x 1.5 cm
- 本の長さ362ページ
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2006/6/10)
- 発売日 : 2006/6/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 362ページ
- ISBN-10 : 4488451039
- ISBN-13 : 978-4488451035
- 寸法 : 14.9 x 10.5 x 1.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 31,375位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 106位創元推理文庫
- - 162位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
米澤 穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。2001年、第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を『氷菓』で受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』(東京創元社)で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』(新潮社)で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』、15年刊の『王とサーカス』(東京創元社)はそれぞれ3つのミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続3冠を達成。
(本データは「いまさら翼といわれても 「古典部」シリーズ」が刊行された当時に掲載されていたものです。「BOOK著者紹介情報」より)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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あらすじはシンプル。マーヤは地元の高校生と友情をはぐくみ、やがて内戦が起こった祖国に帰っていく。主人公君は悲惨なニュースが流れる戦地に渡航しようとするが……
最初は外国人のマーヤの小さな疑問や勘違いから始まる、日本でのありきたりな場面を小さなミステリーとして謎解きが続く。読者たる私はそのプロセスで登場人物の人となりを知り、感情移入していった。
描写は長いが冗長に感じない。なぜなら、文章がうまい。無駄がないのだ。読んだ文章は全て、結末に強い感情を与えるべくなっていた。
私が注目したのはマーヤの国家感だ。
マーヤの父は恐らく共産党エリート官僚で、マーヤ自身も政治家を目指している。
今はなきユーゴスラビアは六つの国家でなりたっていた。
マーヤはユーゴスラビアという連邦自体を七つ目の国家として考え、自分はそれに属する新しい国民だと宣言した。
彼女が政治家を目指すのは、そういう信念あればこそ。
すごく素敵ではないの?
だが、ユーゴは崩壊した。時代、そして人間の考え方の変化にマーヤは悲しむ。理想のもとに一つにユーゴスラビアが、ばらばらに戻ったからだ。感情移入した私も悲しい。
共産主義も連邦制も理想だ。残念ながら人間は理想だけでは生きてはいない。美しい理想だけでなく、醜い内面もある。嫉妬、マウンティング、金銭欲、肉欲……。それらは理想に巣食う癌で、理想は永続しない。
最近は日本でも外国人差別や排斥があり、一昔前の理想が鼻で笑われている。そういう意味でも心にささる小説だった。ディズニーのIt’s a small world は人気がないのか?
肝心のミステリーについては、私は楽しめた。地理をもとにしたミステリーが斬新だ。地図帳の挿絵など有れば、もっと楽しめただろう。私のように「大航海時代」というゲームが好きな人なら、絶対に楽しめる。
語り部は守屋君だけれども、「王とサーカス」には登場していなかった様な。
読み返してみると、ここでの大刀洗はマーヤに持って行かれた感が有ってちょっと可哀想かな。
この物語は語り手の守屋の物語だから仕方がないのかな。
創元推理文庫だよね、ミステリが読みたいんですよ、私は
ユーゴスラビアの事よく調べてるし、人物描写も良
残念なのは裏表紙の【最大の謎解き】が、ヒロインがどこの国から来たか?
え?それだけ?
日常ミステリの小ネタが2つか3つありましたが、単なる箸休め
本編をもう少し短くして、短編サイズの事件があれば☆☆☆☆なんですが
かえりみると、著者による数々のミステリーのなかでは、現代の歴史、現実が、きわめてていねいに、選ばれた要素の集合のなかで構成されていることがわかります。そこには、選ばれた現代、選ばれた現実が機能しているのです。
王とサーカスを読む上で必須ではないけれども太刀洗シリーズファンとして読んでみたかった。
構成や文体が時を経て練られる前の若々しさを感じられるのではないか。
妖精とは何を指すのだろう。それぞれのなかの幼い部分かもしれないと思った。
(東欧だからコマネチを連想したよ、っていうと年よりはって言われますねw)
好きな作品なので単行本も購入。
加筆等はしてないようですが、
書き下ろしの短編が新たに追加されています。
構成としては主人公の守屋とその友人が、
ユーゴからやってきたマーヤと過ごした
2ヶ月間を回想するというようなスタイルです。
ジャンルとしては「青春」ミステリということで、
主人公の守屋も青春らしい痛々しさがあります。
でもそれは誰もが共感でき、
そして誰もが通る道ではないでしょうか。
中二病と言えば陳腐になってしまいますが
果たしてこんな生活を送っていていいのか、
などと思うことは誰しもあるはずです。
近くに平凡ではない人がいれば尚更。
(ここではマーヤが平凡ではない人でしょう)
終盤、守屋はあらためて無力さに気付きます。
それは彼の大人への成長であり、
子どもらしさの消失でもあるように感じます。
長々と書きましたが、
青春の瑞々しさ、ほろ苦さを
美しく描いた良作です。
米澤先生の魅力がしっかり詰まった作品なので、
私自身何度も読み返すこととなるでしょう。