Kindle 価格: | ¥1,186 (税込) |
獲得ポイント: | 262ポイント (22%) |
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
息吹 (ハヤカワ文庫SF) Kindle版
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2023/8/2
- ファイルサイズ3332 KB
この本を読んだ購入者はこれも読んでいます
商品の説明
著者について
1967年、ニューヨーク州ポート・ジェファーソン生まれ。ブラウン大学でコンピュータ・サイエンスを専攻。現在はフリーランスのテクニカルライターをしながら創作活動を続けている。1990年に発表したデビュー作「バビロンの塔」がSF作家によって選ばれるネビュラ賞を受賞。以後、発表する作品は、SF界最大の賞であるヒューゴー賞ほかを受賞。現代SF界を代表する作家の一人と言われている。代表作「あなたの人生の物語」は、2016年にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の手により映画化され(映画化名「メッセージ」)、アカデミー賞にノミネートされるなど高評価を得て、原作者チャンの名はジャンル・国を越えて世界中に広まった。
登録情報
- ASIN : B0CCTYHPCQ
- 出版社 : 早川書房 (2023/8/2)
- 発売日 : 2023/8/2
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 3332 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 477ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 10,529位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
SF翻訳家、書評家、アンソロジスト。
1961年2月2日、高知県高知市生まれ。高知市立追手前小学校、土佐中・高等学校を経て、京都大学文学部文学研究科卒(英語アメリカ文学専攻)。
1986年、マリオン・ジマー・ブラッドリー『惑星救出計画』でSF翻訳者デビュー。訳書は、バリントン・J・ベイリー『時間衝突』『ロボットの魂』(以上、創元SF文庫)、P・K・ディック『ザップ・ガン』、コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』『航路』など約100冊。共訳書に劉慈欣『三体』三部作、『円』『球状閃電』『超新星紀元』、『カート・ヴォネガット全短篇』全4巻(以上、早川書房)など。
編訳書に、シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』『輝く断片』(河出文庫)、コニー・ウィリス『最後のウィネベーゴ』(河出書房新社)、『マーブル・アーチの風』、(早川書房)など。
スタージョン「ニュースの時間です」、テッド・チャン「商人と錬金術師の門」、劉慈欣「流浪地球」(共訳)の翻訳により、第36回、第40回、第54回星雲賞海外短編部門を受賞。ベイリー『時間衝突』、劉慈欣『三体』『三体Ⅱ 黒暗森林』で星雲賞海外長編部門受賞。
〈小説奇想天外〉の翻訳SF時評「海外SF問題相談室」を皮切りに、各紙誌にコラム・書評を連載。〈本の雑誌〉新刊SF時評は1990年から(二度の中断をはさみ)継続中。
2004年3月に豊崎由美との共著『文学賞メッタ斬り!』を刊行。
2008年からアンソロジストとしても活動。創元SF文庫『年刊日本SF傑作選』(日下三蔵と共編)とその後継の『ベストSF』(竹書房文庫)、『不思議の扉』(角川文庫)の各シリーズや、『ゼロ年代日本SFベスト集成』全2巻、『時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ』などのSFアンソロジーを編纂。責任編集の河出文庫『NOVA 書き下ろし日本SFコレクション』全10巻で、第34回日本SF大賞特別賞、第45回星雲賞自由部門受賞。
著書に『20世紀SF1000』、『新編 SF翻訳講座』、『50代からのアイドル入門』、『現代SF観光局』など。
1995年4月に開設したウェブサイト(http://www.asahi-net.or.jp/~KX3M-AB/)の日記は、その一部が、『狂乱西葛西日記20世紀remix SF&ミステリ業界ワルモノ交遊録』にまとめられている。
ツイッターのアカウント(@nzm)は、http://twitter.com/nzm/
日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブ、日本SF作家クラブ会員。「ゲンロン 大森望 SF創作講座」主任講師。
カスタマーレビュー
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
購入。わかりやすい話から想像力を働かせないと何を語っているのかわからない話まで、どっぷりと世界観にハマって楽しめた。SFでありながら近年のデジタル技術の発展によってありうるかもと思える話も多くて、楽しめました。
1作目は、「証人と錬金術師の門」歳月を隔てて一つの門があった。過去にも未来へも行けるが、あったことはなかったことにできないし、なかったことはあったことにできないのだった。この門をくぐった人物たちの物語だった。とても感心させられる物語だった。ハヤカワSF文庫の時間SFアンソロジー『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』でも読んでいた。
2作目は、「息吹」主人公は人間ではない。機械人間である。空気圧の差で思考する機械である。一体の機械人間が自分を解剖してわかったことだった。いつか空気圧が平衡状態になって、自分たちが二度と思考できなくなる日がくることを知った。ハヤカワSF文庫の『SFマガジン700 創刊700号記念アンソロジー 海外篇』でも読んだ。
3作目は、「予期される未来」予言機なるものがある。スイッチを入れるまえに光るのである。そこから、人々は3分の1が思考停止状態に陥った。思考停止状態に陥るのも運命だった。それは誰に訪れるかわからない。自由選択の余地のないものである。
4作目は、「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」コンピューター内で学習能力のあるキャラクターたちを育てている主人公。キャラクターは法人になりたがった。キャラクターたちはセックスを目的とする会社と契約するのを良しとした。ハヤカワSF文庫の『2010年代海外SF傑作選』でも読んだ。
5作目は、「デイシー式全自動ナニー」数学者デイシーが開発した全自動のお手伝いさんロボットの話。博士は自分の子を育てさせた。その子も数学者となり、全自動のお手伝いさんを改良して自分の子を育てさせた。一時期、養護施設に入れたが、ふたたび全自動のお手伝いさんに自分の子の面倒を見させた。
6作目は、「偽りのない事実、偽りのない気持ち」デジタル記憶というのがあって、客観的な事実を記憶しているのだが、主観的な事実とは異なっていた。人間は物語でできている。主人公は自分が客観的な事実、デジタル記憶と違っている主観的な事実のもとで生きているのを実感している。
7作目は、「大いなる沈黙」オウムが知能を持っている。彼ら自身の神話を持っているという話。
8作目は、「オムファロス」考古学者が主人公。地球を創造した神について、新しい天文学の発見から考察する。
さいごの9作目は、「不安は自由のめまい」プリズムという名前の機械を使って、パラレル・ワールドの人間と情報のやりとりをする社会。そこでは、パラレル・ワールドにいる自分とも会話できたりする。
本書は9つの短編が盛り込まれていますが、それぞれがとてもユニークで粘着性があり、ストーリーやそこから浮かび上がる情景を当分忘れないだろうなと感じました。クライマックス感やラストの驚きなどはないかもしれませんが、まるでカズオ・イシグロ作品のような静かな深い感動を与えてくれる作品とも思いました。さらに言えば、SF作品というよりは未来社会の課題や機会を純文学作家がSF調で書きました、というような印象すら持ちました。時間や空間、自由意思などを哲学的に扱う点は、ミヒャエル・エンデ作品をほうふつさせます。ただエンデ作品よりはだいぶリアリティ度が高いですね。AIや量子コンピュータなどの進化によって近未来に実現していそうなストーリーが描かれています。
本書のタイトルになっている「息吹」という作品も非常に面白かったですが、私が個人的に最も興味を持ったのは「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」です。これは長編とでもいえるような分量なのですが、AIが進化し、バーチャル世界だけでなく、フィジカル世界にもハードウェアをまとって登場するのは時間の問題です(というかすでにまとっているロボット犬などもいる)。そのような新しい「存在」が一般社会に浸透した世界観がかなりリアリティをもって語られていて、いろいろと考えさせられました。もはやSF作品を超えて、学校の哲学や社会学、心理学などの授業でも教材として取り上げられるべきではないかと感じました。
繰り返しになりますが、あっと驚くような結末や、クライマックス感には乏しいかもしれませんが、感動が長時間持続するような、味わい深い短編集でした。
美味しいと評判の飲食店に行ったら、料理が舌に合わなかった感じ。
どの作品も鳥肌が立つ瞬間がある傑作揃いだが、中でも表題の息吹は格別だった。
テッド・チャンは中国系アメリカ人2世であり、両親とも移民だが、アメリカ生まれである。
チャンの作品には中国文化から特に影響を受けたものは、私の知る限り無かったはず。
ケン・リュウも中国系アメリカ人作家とされており、作風も中国を意識させるものが多いが、Wiredの記事で「違和感があるんだ」と答えている。三体でおなじみワン・チャイの作品は間違いなく中国SFだろう。
しかし、人種だけでSFをカテゴライズすれば、アメリカの作家は全滅。とくにアシモフは旧ロシア生まれのユダヤ人で革命後移住してきており、アナタの作品は何系?と尋ねたら、鼻を鳴らされそうだ。