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石に泳ぐ魚 単行本 – 2002/10/1
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2002/10/1
- ISBN-104104017019
- ISBN-13978-4104017010
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2002/10/1)
- 発売日 : 2002/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 190ページ
- ISBN-10 : 4104017019
- ISBN-13 : 978-4104017010
- Amazon 売れ筋ランキング: - 166,108位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,252位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
劇作家・小説家。1968年、茨城県土浦市生まれ。神奈川県横浜市育ち。
高校中退後、ミュージカル劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年に演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で第37回岸田國士戯曲賞を最年少で受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を文芸誌「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞を受賞。1999年、『ゴールドラッシュ』で第3回木山捷平文学賞を受賞。2001 年、『命』で第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞。
2012年3月16日より福島県南相馬市の臨時災害放送局「南相馬ひばりエフエム」にて「柳美里のふたりとひとり」をスタートさせる。番組は2018年3月の閉局まで続き、約600人の地元住民の話を放送する。
2015年4月、福島県南相馬市原町区に転居。2017年7月、同市小高区に転居。
2018年4月、自宅一部を改装し本屋「フルハウス」を開業。9月、青春五月党復活公演vol.1「静物画」、10月、復活公演vol.2「町の形見」を小高にて上演。2019年「ある晴れた日に」を上演。
2020年3月、ブックカフェ「フルハウス」としてリニューアルオープン。
2020年、『Tokyo Ueno Station(JR上野駅公園口)』で全米図書賞(翻訳部門)を受賞。
2022年、第5回バークレー日本賞を受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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このパターンだと、地裁の段階で和解勧めると思いますけど…。
担当誰だったの?って裁判記録が閲覧できないんでしたっけ?
表現の自由だもん、しかも処女作だもん、的な主張は「作品の真実」
とは殆ど関係ないと思われますが。
通常の青春小説として読みました。柳美里氏、内省しないタイプなのか、
「文章」を産出する間に何らかの心理的ブロックが掛かるタイプなのか。
男性でも女性でも、若い頃に一度は経験した覚えのある
同性への恋とも執着とも反発とも割り切れない「青春の思い」ですね…。
書けば書くほど官能性やエロティシズムから遠ざかる柳氏の文体のなかで、
朴さんほど、瑞々しく官能的に美しく描写された人はいないのでは。
分類すると恋文なので、そりゃあ、本人に確認取れなかっただろうなあ…。
他の誰でもない「彼女」への執着であるが故に、著者本人もワケ分からなく
なりながら泥沼に沈んでいく感じ、これこそがひとつの「青春」なのか。
今後、本作の読者が増えることがあるとは思えないので、2箇所ほどの
引用(以下「」内)をお許しください。男性との描写は夢も希望もないのに、
この落差は何だ…。清純派の恋愛小説の一節と見紛うばかり…。
「私と里花は肩や肘が打つかるほど近づいて歩いていた。寒風に
舞い上がった彼女の髪に首筋をくすぐられた。(中略)里花と私の
手の甲が擦れると、彼女は二三歩前に出た。私は彼女に引き離されまいと
早足で歩いた。彼女との距離が縮まるのを怖れるのと同時に、
彼女との距離が離れるのも許されないことに思えた。」
「空地を見まわすと、沖へ沖へと流されるボートに里花と二人きりで
乗っている気がする。(中略)『明日早いからもう帰ったほうがいいよ』
私はボートの上から海へ飛び込んで岸に向かって泳ぎ出したかった。
里花は私の方に向き直ってポケットの中から手をすっと出し、
私の指を握った。頭の中がじんと痺れたようになり力が抜けていった。
(中略)私と里花の指は絡まったまま離れない。軀の他の部分は
凍っているのに、里花と繋がっている指だけが汗ばんでいる。
私が眼を伏せたまま『伯母さんの家、遠いね』というと、里花は
私の手をぎゅっと握りしめ『もう見えてるよ』熟れた果物を思わせる
笑みを浮かべた。里花の声は風よりももっと弱々しかった。」
係争中の8年間、「彼女」の最も傍に(ストーカーの如く)寄り添い続けたのは
柳氏だったのに、本人に気付いてさえ貰えない、このせつなさ。
別著の記載ですが、原告側の記者会見に同席した3人の教官(当時)のお名前に、
勝手に身悶えしました。「実は私…」「えっ、そりゃ大変だ」って、
会話が聞こえてくるようで。だって、普段は小説なんて読まないじゃん…。
柳美里氏が人魚姫のように儚く泡に還るお話。☆は2か3でも読後感を
裏切ることにはなりませんが、「片想いの青春小説」がこんなにも
シガラミを負って存在することを想うと同時に、散見される
卓越した描写を称えて☆4で。それにしても、何故、柳氏の小説には
必ず蛆虫攻撃があるのか。処女作から一貫してるのね。イヤだなあ。
私が読書を断念するのはあまりないのですが、私には合ってませんでした。
なお、改訂版では腫瘍のくだりは大幅に削られている。
在日、血族、祖国、孤独、虚無、セックス、芸術など
主題がコラージュ風に散りばめられ物語は展開していきます。
柳美里の作品にはニヒリズムに徹した主人公が多いが、
この作品の主人公・秀香も同様です。ただ丁寧に読み解いていくと、
秀香は世界に対して憎しみをもって接しているものの、その性格は実は人懐っこい気づきます。
弟が精神病院に入院すればすぐに見舞いに行き、
友人が新興宗教に入信すれば引き止めに即座に韓国へと旅立ちます。
憎しみ嫌悪を抱きながらも、他者に対して救いの手を差し延べようと行動します。
自分の無力感に苛まれつつも。
人懐っこい性格をキーワードに読み進めるのも、この処女小説以後の柳作品を解読する上で、
有効なのではと思うのですが。
あと人物描写がえげつなくてリアリティが無い。読んでて何度かだるくなり、何度も読み飛ばしました。
あとこの作品は被害者の女性の事を考えてないというか、文学者である柳さんが傲慢なだけでは?と痛感。