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認められぬ病―現代医療への根源的問い (中公文庫) 文庫 – 1998/2/18
柳澤 桂子
(著)
- ISBN-104122030676
- ISBN-13978-4122030671
- 出版社中央公論新社
- 発売日1998/2/18
- 言語日本語
- 本の長さ252ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1998/2/18)
- 発売日 : 1998/2/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 252ページ
- ISBN-10 : 4122030676
- ISBN-13 : 978-4122030671
- Amazon 売れ筋ランキング: - 374,163位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の勇気に拍手を送りたい。患者の気持ちも医師の気持ちもわかるし、こうなるのは仕方ないかもという社会の雰囲気もわかる。だからこそ、こう考えていくべきではという提案に心から賛同できた。
2021年9月5日に日本でレビュー済み
この本には、著者の十五年にも及ぶ闘病生活の記録が書かれている。また、この本を出版してから六年後には、「六年後に」というあとがきの中で、自分は三十歳で発病してから三十年近くもの間、医療と闘ってきた、とある。
さてその十五年において、私のざっとした計算では通算十七回、お医者さんを替えている(同じ医師に戻ったことも別々に計算して)。自分を苦しめる病気を解明したい、病気を治して通常の生活に戻りたい、という執念にただただ感服するばかりである。同時に、丹念に記録して、小説風に仕立てたその根気強さにも驚く。私も、五十年にわたる慢性病(柳澤氏と比べて、日常生活への影響がはるかに少ない)に苦しめられ、また同時に作家へのあこがれを持ち続けているため、余計、柳澤氏の偉大さが分かる。気に入った箇所は随所に見出されたが、その一つを挙げておこう。
「現在の社会では一般に、人格的な欠点はその人の個人的な責任とされる傾向が強い。しかし、私たち人間というものをよく考えてみると、感情を含めた私たちのすべての営みは生命現象の一面にすぎないことに気づくであろう」
これは、要するに私たちが、自分の肉体や精神のすべてをコントロールしているなんてとても言えない(遺伝子の情報によって物質が作り出され、それらの物質による化学反応によってすべての生命現象が営まれている、とも書かれていた)、ということであろう。私は、長年、自分と言う人間は自分の意志次第だ、と考える人の存在にうんざりさせられてきた。
ところで、最後に一点だけ私独特の感想を述べたい。著者は、闘病の過程で、psycho-somatic(心身症)だと言われたり、たった三十分の問診で術後自律神経失調症だと決めつけられたり、あるいは森田療法を勧められたりしている。そして、それらの診断を一応は真摯に受け止めている。しかしながら、著者ほどの人なら、自分の身体的症状、及び客観的に見た自分の性格から判断して、それらの診断は明らかに間違っていると即座に思ったことだろう。
さてその十五年において、私のざっとした計算では通算十七回、お医者さんを替えている(同じ医師に戻ったことも別々に計算して)。自分を苦しめる病気を解明したい、病気を治して通常の生活に戻りたい、という執念にただただ感服するばかりである。同時に、丹念に記録して、小説風に仕立てたその根気強さにも驚く。私も、五十年にわたる慢性病(柳澤氏と比べて、日常生活への影響がはるかに少ない)に苦しめられ、また同時に作家へのあこがれを持ち続けているため、余計、柳澤氏の偉大さが分かる。気に入った箇所は随所に見出されたが、その一つを挙げておこう。
「現在の社会では一般に、人格的な欠点はその人の個人的な責任とされる傾向が強い。しかし、私たち人間というものをよく考えてみると、感情を含めた私たちのすべての営みは生命現象の一面にすぎないことに気づくであろう」
これは、要するに私たちが、自分の肉体や精神のすべてをコントロールしているなんてとても言えない(遺伝子の情報によって物質が作り出され、それらの物質による化学反応によってすべての生命現象が営まれている、とも書かれていた)、ということであろう。私は、長年、自分と言う人間は自分の意志次第だ、と考える人の存在にうんざりさせられてきた。
ところで、最後に一点だけ私独特の感想を述べたい。著者は、闘病の過程で、psycho-somatic(心身症)だと言われたり、たった三十分の問診で術後自律神経失調症だと決めつけられたり、あるいは森田療法を勧められたりしている。そして、それらの診断を一応は真摯に受け止めている。しかしながら、著者ほどの人なら、自分の身体的症状、及び客観的に見た自分の性格から判断して、それらの診断は明らかに間違っていると即座に思ったことだろう。
2015年2月26日に日本でレビュー済み
現代医学では原因が分からず、様々な診断や手術をされ、入院・退院を繰り返した著者の闘病記。
「病気の原因が精神的なものであるといわれたことではなく、精神的な原因で病気になるような人には手を貸す必要がないという態度で接せられたこと」
著者が今回の病気の体験でもっともつらかったと訴えていることである。
医学は万能ではないため、病気の診断がつかないこともままある。その場合、当然精神的な疾患も検討されるべきである。しかし、精神的な疾患が原因の場合、それで患者の人間的な価値が下がるのかと著者は問いている。
医師からサイコソマティック(心身症)という分かりにくい英語を使われたり、お腹が痛いと訴えても放っておかれたり、病気を治したくて入院しているのに今後の説明もなく気が済めばいつでも退院してよいと言われたりと、明らかにおかしな患者さん扱いされる対応は、悲惨なものだった。
今でこそ、「不定愁訴」という現代医学的に原因が不明であっても患者さんが苦痛や不快感を訴えることも十分考えられることがだいぶ知られてきたが、この当時は本当につらかったと思う。
「老いの苦しみを生き抜くのは大切なことでそれこそが自己の尊厳を貫くことである。過度の医療による延命は必要ないが、自然の状態で与えられた命を生き尽くす勇気こそが尊い」
このような体験をした著者が述べる死生観は説得力があった。自分が動けなくなって病むことの苦しみは、人のために何かをしてあげることができなくなることで、人のために何かをすることで心を満たされるという考え方はもっともだと思った。
病気に苦しんでいる多くの方々に読んでいただきたい書籍である。
「病気の原因が精神的なものであるといわれたことではなく、精神的な原因で病気になるような人には手を貸す必要がないという態度で接せられたこと」
著者が今回の病気の体験でもっともつらかったと訴えていることである。
医学は万能ではないため、病気の診断がつかないこともままある。その場合、当然精神的な疾患も検討されるべきである。しかし、精神的な疾患が原因の場合、それで患者の人間的な価値が下がるのかと著者は問いている。
医師からサイコソマティック(心身症)という分かりにくい英語を使われたり、お腹が痛いと訴えても放っておかれたり、病気を治したくて入院しているのに今後の説明もなく気が済めばいつでも退院してよいと言われたりと、明らかにおかしな患者さん扱いされる対応は、悲惨なものだった。
今でこそ、「不定愁訴」という現代医学的に原因が不明であっても患者さんが苦痛や不快感を訴えることも十分考えられることがだいぶ知られてきたが、この当時は本当につらかったと思う。
「老いの苦しみを生き抜くのは大切なことでそれこそが自己の尊厳を貫くことである。過度の医療による延命は必要ないが、自然の状態で与えられた命を生き尽くす勇気こそが尊い」
このような体験をした著者が述べる死生観は説得力があった。自分が動けなくなって病むことの苦しみは、人のために何かをしてあげることができなくなることで、人のために何かをすることで心を満たされるという考え方はもっともだと思った。
病気に苦しんでいる多くの方々に読んでいただきたい書籍である。
2005年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
"Differentiation" 等々、一流の国際的な学術誌に毎年のように優秀な論文を発表していた、感受性豊で優秀で、且つ、非常に寛大な精神の持ち主の現代医療批判でもある半生記、或は闘病記です。様々な観点から読んで得るところ大な書です。医療従事者、殊に、若き医学生、看護学生には是非味読熟読して欲しい本と思います。
2003年6月7日に日本でレビュー済み
この本を婚約者にも読んでもらいました。私には持病があり、また病名がはっきりしないため、著者の境遇に似ているとも言えます。著者に比べずっと症状の軽い病気ですが、やはり結婚は遠慮すべきと考えていました。婚約者は楽天的な性格で、未来のパートナーの病気についても、何とかなるさ、が口癖でした。しかしこの本の読後は、病気に対する考え方、具体的治療法の検討など、論理的に前向きになってくれました。
何年かかっても私の治療のサポートをすると言ってくれ、感激しました。私も著者のように強い女性になって、いつか幸せになりたいと思っています。
何年かかっても私の治療のサポートをすると言ってくれ、感激しました。私も著者のように強い女性になって、いつか幸せになりたいと思っています。