著者が会社を設立した2007年頃から、現在のサブスクリプションのトレンドを予期しており、先見の明は素晴らしい。
また、サブスクリプションとは、サブスクライバーの利用状況やニーズによって柔軟に課金形態を変更できることが必須となるため、課金形態が月額または年額のビジネスモデルはサブスクリプションではないとの指摘は面白い。
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サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル Kindle版
アドビ、ネットフリックス、コマツ、フェンダー、ニューヨークタイムズ……急成長をとげる継続課金(リカーリング)ビジネスの全貌と導入ガイド。サブスクリプションは単なる課金形態の変更ではなく、ビジネスモデルの変革である――。サブスクリプション・ビジネスの支援で世界をリードするZuoraの創業者兼CEOが初めて明かす! 「USAトゥデイ」「LAタイムズ」ベストセラー!!
【内容紹介】
ネットフリックス、スポティファイ、セールスフォースなどの企業は、サブスクリプション・モデルの氷山の一角にすぎない。本当の変革、そして本当のチャンスは幕を開けたばかりである――。
ビジネスの世界は、いま2つの大きな変化に直面している。1つは企業視点で、従来のプロダクト販売モデルでは成長し続けるのが難しくなっていること。もう1つは消費者視点で、消費者の関心が「所有」から「利用」へと移行していることだ。
これらの問題に企業はどう対処すべきか? その解決策として注目を集めているのが、サブスクリプション型のビジネスモデルである。サブスクリプションは古くから新聞の定期購読などで知られており、一定の利用期間に応じて料金を支払う方式。
このモデルがいま注目されている背景には、顧客との取引がデジタルデータで生成されるようになったことがある。企業はサブスクライバーIDをきめ細かく管理し対応することにより、顧客との長期的なリレーションシップを構築することができる。
実際、サブスクリプション企業はS&P500社の9倍もの速さで成長をとげている。その理由は、彼らは顧客一人ひとりが異なる顔を持っているということを認識し、その認識の上にビジネスを構築しているからだ。これは、誰が顧客かを知らずにモノを売っているプロダクト販売モデルとは大きく異なる。
では、これらのサブスクリプション企業は、どのようにして顧客との関係性を築いたのか。第1部では、小売り、メデイア、運輸交通、新聞・出版、テクノロジー、製造など各業界の世界の最先端事例を詳しく紹介する。
そして第2部では、従来のプロダクト販売モデルの企業がサブスクリプション・モデルに移行するために組織をどう変えればよいのかを、イノベーション、マーケティング、営業、ファイナンス、ITといった機能別に解説する。
【内容紹介】
ネットフリックス、スポティファイ、セールスフォースなどの企業は、サブスクリプション・モデルの氷山の一角にすぎない。本当の変革、そして本当のチャンスは幕を開けたばかりである――。
ビジネスの世界は、いま2つの大きな変化に直面している。1つは企業視点で、従来のプロダクト販売モデルでは成長し続けるのが難しくなっていること。もう1つは消費者視点で、消費者の関心が「所有」から「利用」へと移行していることだ。
これらの問題に企業はどう対処すべきか? その解決策として注目を集めているのが、サブスクリプション型のビジネスモデルである。サブスクリプションは古くから新聞の定期購読などで知られており、一定の利用期間に応じて料金を支払う方式。
このモデルがいま注目されている背景には、顧客との取引がデジタルデータで生成されるようになったことがある。企業はサブスクライバーIDをきめ細かく管理し対応することにより、顧客との長期的なリレーションシップを構築することができる。
実際、サブスクリプション企業はS&P500社の9倍もの速さで成長をとげている。その理由は、彼らは顧客一人ひとりが異なる顔を持っているということを認識し、その認識の上にビジネスを構築しているからだ。これは、誰が顧客かを知らずにモノを売っているプロダクト販売モデルとは大きく異なる。
では、これらのサブスクリプション企業は、どのようにして顧客との関係性を築いたのか。第1部では、小売り、メデイア、運輸交通、新聞・出版、テクノロジー、製造など各業界の世界の最先端事例を詳しく紹介する。
そして第2部では、従来のプロダクト販売モデルの企業がサブスクリプション・モデルに移行するために組織をどう変えればよいのかを、イノベーション、マーケティング、営業、ファイナンス、ITといった機能別に解説する。
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2018/10/24
- ファイルサイズ11455 KB
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商品の説明
出版社からのコメント
はじめに
----------------------------------------------------------------
第 I 部 サブスクリプション・エコノミーの到来
----------------------------------------------------------------
第1章 製品中心から顧客中心へ――すべては顧客を知ることから始まる
第2章 小売業にまつわる誤解――古い「筋書き」を逆転させる
第3章 メディアの隆盛――新たな黄金時代の幕開け
第4章 飛行機、電車、自動車――サービスとしてのモビリティ
第5章 新聞・出版――かつて新聞を出していた会社
第6章 テクノロジー産業の復活――〝魚〟を飲み込め!
第7章 IoTと製造業の興亡――モノを売る時代は終わった
第8章 所有から利用へ――あらゆるビジネスに広がる成長機会
----------------------------------------------------------------
第 II 部 サブスクリプション・モデルで成功をつかむ
----------------------------------------------------------------
第9章 企業がサブスクリプション・モデルを選択するとき
第10章 イノベーション――永遠のベータ版にとどまれ
第11章 マーケティング――4つのPが変わった
第12章 営業――8つの新しい成長戦略
第13章 ファイナンス――新しいビジネスモデルの構造
第14章 IT――製品ではなくサブスクライバーを中心に置く
第15章 組織にサブスクリプション文化を根づかせる
巻末資料 サブスクリプション・エコノミー・インデックス
原注
索引
----------------------------------------------------------------
第 I 部 サブスクリプション・エコノミーの到来
----------------------------------------------------------------
第1章 製品中心から顧客中心へ――すべては顧客を知ることから始まる
第2章 小売業にまつわる誤解――古い「筋書き」を逆転させる
第3章 メディアの隆盛――新たな黄金時代の幕開け
第4章 飛行機、電車、自動車――サービスとしてのモビリティ
第5章 新聞・出版――かつて新聞を出していた会社
第6章 テクノロジー産業の復活――〝魚〟を飲み込め!
第7章 IoTと製造業の興亡――モノを売る時代は終わった
第8章 所有から利用へ――あらゆるビジネスに広がる成長機会
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第 II 部 サブスクリプション・モデルで成功をつかむ
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第9章 企業がサブスクリプション・モデルを選択するとき
第10章 イノベーション――永遠のベータ版にとどまれ
第11章 マーケティング――4つのPが変わった
第12章 営業――8つの新しい成長戦略
第13章 ファイナンス――新しいビジネスモデルの構造
第14章 IT――製品ではなくサブスクライバーを中心に置く
第15章 組織にサブスクリプション文化を根づかせる
巻末資料 サブスクリプション・エコノミー・インデックス
原注
索引
著者について
[著者]
ティエン・ツォ (Tien Tzuo)
Zuora 創業者兼 CEO
セールスフォース・ドットコムの創業期に入社し、
CMO(最高マーケティング責任者)やCSO(最高戦略責任者)を歴任。
同社での経験から「サブスクリプション・エコノミー」の到来をいち早く予見し、
2007年にZuoraを創業しCEOに就任。
Zuoraは、従来のプロダクト販売モデルからサブスクリプション・モデルへの
ビジネスモデル変革と収益向上を支援するSaaSプロバイダで、
世界に1,000社以上の顧客を持つ。
2018年4月にニューヨーク証券取引所に上場。
ゲイブ・ワイザート (Gabe Weisert)
Zuoraの『Subscribed』誌編集長。
これまでにヤフー! 、フォーブス・ドットコムで執筆・編集業務に携わったほか、
アンドリュー・ハーパー・トラベルのシニアウェブエディターを務めた。
[監訳者]
桑野順一郎 (Junichiro Kuwano)
Zuora Japan 株式会社 代表取締役社長
日本DEC、PTCジャパンを経て、ライトナウ・テクノロジーズ日本代表、
キリバ・ジャパン代表取締役社長を歴任。
その後、Zuora Japanの立ち上げに携わり、
2015年に同社代表取締役社長に就任、現在に至る。
[訳者]
御立英史 (Eiji Mitachi)
ビジネス書出版社で書籍編集に携わった後、翻訳者として活動。
訳書にケン・ブランチャードほか著『社員の力で最高のチームをつくる』、
ヨハン・ガルトゥング著『日本人のための平和論』(共にダイヤモンド社)などがある。
ティエン・ツォ (Tien Tzuo)
Zuora 創業者兼 CEO
セールスフォース・ドットコムの創業期に入社し、
CMO(最高マーケティング責任者)やCSO(最高戦略責任者)を歴任。
同社での経験から「サブスクリプション・エコノミー」の到来をいち早く予見し、
2007年にZuoraを創業しCEOに就任。
Zuoraは、従来のプロダクト販売モデルからサブスクリプション・モデルへの
ビジネスモデル変革と収益向上を支援するSaaSプロバイダで、
世界に1,000社以上の顧客を持つ。
2018年4月にニューヨーク証券取引所に上場。
ゲイブ・ワイザート (Gabe Weisert)
Zuoraの『Subscribed』誌編集長。
これまでにヤフー! 、フォーブス・ドットコムで執筆・編集業務に携わったほか、
アンドリュー・ハーパー・トラベルのシニアウェブエディターを務めた。
[監訳者]
桑野順一郎 (Junichiro Kuwano)
Zuora Japan 株式会社 代表取締役社長
日本DEC、PTCジャパンを経て、ライトナウ・テクノロジーズ日本代表、
キリバ・ジャパン代表取締役社長を歴任。
その後、Zuora Japanの立ち上げに携わり、
2015年に同社代表取締役社長に就任、現在に至る。
[訳者]
御立英史 (Eiji Mitachi)
ビジネス書出版社で書籍編集に携わった後、翻訳者として活動。
訳書にケン・ブランチャードほか著『社員の力で最高のチームをつくる』、
ヨハン・ガルトゥング著『日本人のための平和論』(共にダイヤモンド社)などがある。
登録情報
- ASIN : B07HY1TND9
- 出版社 : ダイヤモンド社; 第1版 (2018/10/24)
- 発売日 : 2018/10/24
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 11455 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 375ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 38,741位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 5,072位ビジネス・経済 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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2022年5月8日に日本でレビュー済み
レポート
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2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2021年12月30日に日本でレビュー済み
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表現などはそれぞれですが、内容や伝えたいことは他のカスタマーサクセス関連の本と大きく違いはないように感じます。
しかし、うまく読者を惹きつけるようなエピソードでカスタマーサクセスの基本的な考え方が抑えられていると思います。
カスタマーサクセス関連の書籍をたくさん読まれている方にはさほど大きな驚きや発見はないかもしれませんが、これからカスタマーサクセスに携わる方にはちょうど良いかもしれません。
ただ、青い本よりは読みやすくて短いですが、入門書としてはやや文章量が多めなので留意が必要かもしれません。
しかし、うまく読者を惹きつけるようなエピソードでカスタマーサクセスの基本的な考え方が抑えられていると思います。
カスタマーサクセス関連の書籍をたくさん読まれている方にはさほど大きな驚きや発見はないかもしれませんが、これからカスタマーサクセスに携わる方にはちょうど良いかもしれません。
ただ、青い本よりは読みやすくて短いですが、入門書としてはやや文章量が多めなので留意が必要かもしれません。
2021年9月21日に日本でレビュー済み
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プレスリリース等で「定期購入」を”サブスク”と書いている企業がありますが、本著を読み全く異なる概念であることに気づきました。世の中で使われている言葉の定義を見つめ直す1冊かと思います。
2020年7月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
顧客第一!
2020年9月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他の部分は読み物として面白い。
著者の会社であるZuoraの株、業績はIPO後冴えていないので、本の内容は多少割り引いて読みました。
ヒロセタカオ氏(@hirosetakao)の推薦です。
著者の会社であるZuoraの株、業績はIPO後冴えていないので、本の内容は多少割り引いて読みました。
ヒロセタカオ氏(@hirosetakao)の推薦です。
2019年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
サブスクリプションは、単なる従量課金と思っている人にはおススメです。
サブスクリプションとは、新しいビジネス概念
要するにに、顧客エンゲージメントです。
サブスクリプションとは、新しいビジネス概念
要するにに、顧客エンゲージメントです。
2019年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「顧客をサブスクライバ―に変えて、定期収入がもたらされる構造を築く」ことが競争優位になる缶雇用が著者の言う「サブスクリプション・エコノミー」である。その急拡大の背後にあるのは、消費者の関心が所有から利用へ、価値の中心が製品からサービスへ加速度的に移行していることだと著者は指摘する。サブスクリプション・モデル自体は新しいものではない。光熱費や通信費の定額部分や雑誌の定期購読や、ゴルフクラブやスポーツクラブの会費などはインターネット以前から存在した。この本が扱っているのは、インターネット以後のデジタル・サブスクリプション・ビジネスの話である。前半は、小売、エンタテインメント、運輸、新聞・出版、テクノロジーなどの分野で、このデジタル・サブスクリプション・ビジネスによってどんな変革が起こっているか、という話。後半は、サブスクリプション・エコノミーで成功するためのマーケティング、営業、ファイナンス、組織の考え方について。
非常に象徴的なのがエレキギターのメーカー、フェンダーの事例だ。ギターは習得するのが難しい楽器のため、市場が縮小していたが、定額利用のオンライン教育動画サービスを開始しその後、チューニング用無料アプリを開始し、ギブアップ率(ギターを買っても上達しないでやめてしまう人)を下げるとともに、チューニング用無料モバイルアプリを通じて、利用者が技術的にどこでつまづくのか、といったことを理解するための膨大なデータを集めた。ギブアップ率を10%下げるだけで売上が倍増するという。ギターを割賦で買うのと、会員制のオンライン動画サービスを利用するのでは、同じ「定額」でもその意味合いが全然違う。
もうひとつ面白かったのが「空のウーバー」とも呼ばれるサーフエア。メンバーは定額で無制限に飛行機に乗れるそうだ。フランスのSNCFは16歳から27歳の若者向けに月額79ユーロで乗り放題というサービスを開始。数カ月で年間成長目標を達成するだけの成果をあげているという。移動は「日常生活にシームレスに埋め込まれた直観的なサービスに急速に進化している」。移動においてのサブスクリプション・ビジネスの成功は、アライアンス戦略が握っているといってもいいだろう。よほどの車好きや鉄道好きなどを除けば、消費者にとって移動とは「早い、安い、手間がかからない」というのが最大の価値だろう。それを実現するにはバス、電車、飛行機、場合によってはマイカーや自転車なども組み合わせた移動手段の最適な組み合わせを提供する必要がある。目指すべくは「どこでも定期」みたいなサービスだ。意外だったのは、アメリカではいま、総人口の16%もの人がオンラインニュースにお金を払っているという事実だ。しかもその数は増えている。一方で、バスフィード、マッシャブル、デイリービーストといった無料の(広告ベースの)新興ニュースメディアは収益的に厳しいという。なぜこのようなシフトがおきているのか、ひとつには、広告が読者にとっては邪魔なものでしかなく、広告主にとっても効率の悪い投資であるということがある。また、広告モデルはメディアのフォーカスを顧客ニーズからクリック数に向けさせてしまい、その結果、読者が離れていき、広告主にとってのメディアの魅力も失われるという悪循環が生じている。その点定額サービスだと、メディアはコンテンツの中身に注力できる。読者のニーズに合うコンテンツを提供することが定額サービスのサブスクライバ―を増やすことにつながる。つまり、質の追求によって量的な目標も達できるという好循環を生むのがサブスクリプション・ビジネスなのだ。ただし、正しく行った場合に限る。
本書の後半は、サブスクリプション・エコノミーで成功するためのマーケティング、営業、ファイナンス、組織の考え方について書かれている。日本でも、サブスクリプション流行だが、某紳士服チェーンが鳴り物入りで始めた定額スーツレンタルサービスは、開始から半年余りであえなく幕を閉じた。公式な理由は「申し込み多数による品不足」だが、より本質的な誤算があったように思う。本書に紹介されている「産業史に残るアドビの決断」の内容は、まだ十分に収益を生んでいたパッケージソフトの販売を止めて、一気にサブスクリプションモデルに転換した、というものだ。選択肢として、パッケージソフトと並行しながらサブスクリプションサービスを始めるという「ソフトランディング」もあったが、アドビはそれをしなかった。株価は一時暴落し、翌年の収入は35%減少したが、その後株価は急回復し、現在は総収益の70%以上を定期収益が占めているという。
ポイントは、サブスクリプション・ビジネスを「既存ビジネスの売上減少を補うための手段」と位置付けるとうまくいかないということだろう。前述の定額スーツレンタルサービスも、既存店舗の売り上げ減少を補うためのEC戦略として開始された。「既存ビジネスの売上減少を補う」という位置づけだと、スピーディな収益化が必須であり、本書P131にあるようなサブスクリプション・ビジネスへの移行期に表れる一時的なコスト増と収益減(フィッシュ)に耐えられない。「申し込み多数による品不足」であれば、申し込みに見合うだけの品を用意すればよいのでは、と思うのだが、それをしなかったというのは、「金のなる木」が育つまでの手間や時間の計算を間違えていたのではないだろうか。スーツのような「モノ」は、デジタルコンテンツやソフトウエアに比べて在庫、輸送、修理などのコストが高く、サブスクリプション・モデルへ移行のハードルは高いと思うが、それだけ大きな「フィッシュ」を呑みこむ覚悟がなければ始めるべきではないだろう。
モノ余り、カネ余り、デジタルがデフォルトの時代に私たちの生活のすみずみにまでサブスクリプション・ビジネスが浸透していくのは必然といえる。さまざまなサービスがシームレスにつながって、消費者のストレスは全般的に減るだろうが、もう一つの必然は消費者が格付けされるということだ。より高額のサブスクリプションフィーを払える人はよりストレスがなく、プレミアムなサービスが受けられるようになる。飛行機のビジネスクラス/ファーストクラス、アミューズメントパークのファストレーンのような「目に見える」差別が一方では増えるのだろう。消費者リテラシーをどう高めていくか。そういった課題もある。
非常に象徴的なのがエレキギターのメーカー、フェンダーの事例だ。ギターは習得するのが難しい楽器のため、市場が縮小していたが、定額利用のオンライン教育動画サービスを開始しその後、チューニング用無料アプリを開始し、ギブアップ率(ギターを買っても上達しないでやめてしまう人)を下げるとともに、チューニング用無料モバイルアプリを通じて、利用者が技術的にどこでつまづくのか、といったことを理解するための膨大なデータを集めた。ギブアップ率を10%下げるだけで売上が倍増するという。ギターを割賦で買うのと、会員制のオンライン動画サービスを利用するのでは、同じ「定額」でもその意味合いが全然違う。
もうひとつ面白かったのが「空のウーバー」とも呼ばれるサーフエア。メンバーは定額で無制限に飛行機に乗れるそうだ。フランスのSNCFは16歳から27歳の若者向けに月額79ユーロで乗り放題というサービスを開始。数カ月で年間成長目標を達成するだけの成果をあげているという。移動は「日常生活にシームレスに埋め込まれた直観的なサービスに急速に進化している」。移動においてのサブスクリプション・ビジネスの成功は、アライアンス戦略が握っているといってもいいだろう。よほどの車好きや鉄道好きなどを除けば、消費者にとって移動とは「早い、安い、手間がかからない」というのが最大の価値だろう。それを実現するにはバス、電車、飛行機、場合によってはマイカーや自転車なども組み合わせた移動手段の最適な組み合わせを提供する必要がある。目指すべくは「どこでも定期」みたいなサービスだ。意外だったのは、アメリカではいま、総人口の16%もの人がオンラインニュースにお金を払っているという事実だ。しかもその数は増えている。一方で、バスフィード、マッシャブル、デイリービーストといった無料の(広告ベースの)新興ニュースメディアは収益的に厳しいという。なぜこのようなシフトがおきているのか、ひとつには、広告が読者にとっては邪魔なものでしかなく、広告主にとっても効率の悪い投資であるということがある。また、広告モデルはメディアのフォーカスを顧客ニーズからクリック数に向けさせてしまい、その結果、読者が離れていき、広告主にとってのメディアの魅力も失われるという悪循環が生じている。その点定額サービスだと、メディアはコンテンツの中身に注力できる。読者のニーズに合うコンテンツを提供することが定額サービスのサブスクライバ―を増やすことにつながる。つまり、質の追求によって量的な目標も達できるという好循環を生むのがサブスクリプション・ビジネスなのだ。ただし、正しく行った場合に限る。
本書の後半は、サブスクリプション・エコノミーで成功するためのマーケティング、営業、ファイナンス、組織の考え方について書かれている。日本でも、サブスクリプション流行だが、某紳士服チェーンが鳴り物入りで始めた定額スーツレンタルサービスは、開始から半年余りであえなく幕を閉じた。公式な理由は「申し込み多数による品不足」だが、より本質的な誤算があったように思う。本書に紹介されている「産業史に残るアドビの決断」の内容は、まだ十分に収益を生んでいたパッケージソフトの販売を止めて、一気にサブスクリプションモデルに転換した、というものだ。選択肢として、パッケージソフトと並行しながらサブスクリプションサービスを始めるという「ソフトランディング」もあったが、アドビはそれをしなかった。株価は一時暴落し、翌年の収入は35%減少したが、その後株価は急回復し、現在は総収益の70%以上を定期収益が占めているという。
ポイントは、サブスクリプション・ビジネスを「既存ビジネスの売上減少を補うための手段」と位置付けるとうまくいかないということだろう。前述の定額スーツレンタルサービスも、既存店舗の売り上げ減少を補うためのEC戦略として開始された。「既存ビジネスの売上減少を補う」という位置づけだと、スピーディな収益化が必須であり、本書P131にあるようなサブスクリプション・ビジネスへの移行期に表れる一時的なコスト増と収益減(フィッシュ)に耐えられない。「申し込み多数による品不足」であれば、申し込みに見合うだけの品を用意すればよいのでは、と思うのだが、それをしなかったというのは、「金のなる木」が育つまでの手間や時間の計算を間違えていたのではないだろうか。スーツのような「モノ」は、デジタルコンテンツやソフトウエアに比べて在庫、輸送、修理などのコストが高く、サブスクリプション・モデルへ移行のハードルは高いと思うが、それだけ大きな「フィッシュ」を呑みこむ覚悟がなければ始めるべきではないだろう。
モノ余り、カネ余り、デジタルがデフォルトの時代に私たちの生活のすみずみにまでサブスクリプション・ビジネスが浸透していくのは必然といえる。さまざまなサービスがシームレスにつながって、消費者のストレスは全般的に減るだろうが、もう一つの必然は消費者が格付けされるということだ。より高額のサブスクリプションフィーを払える人はよりストレスがなく、プレミアムなサービスが受けられるようになる。飛行機のビジネスクラス/ファーストクラス、アミューズメントパークのファストレーンのような「目に見える」差別が一方では増えるのだろう。消費者リテラシーをどう高めていくか。そういった課題もある。