本書は自衛隊・防衛大学校と言う圧倒的男性優位、男性的価値観が支配する社会にあって、絶対的マイノリティとしてもがき苦しみながらも、成長と発展を遂げ、創設以来30年の今日に至る「防大女子」の過去と現在の姿・未来への希望を描いたものです。その取材対象は、現役自衛官・防大生だけでなく、道半ばにして去っていった多くのOGにも及んでおり、その広範な取材力と、コツコツとここまで纏め上げた根気、そして文章力には、自身が「防大女子」であった著者ならでは成せる技と、頭が下がります。本当に賞賛の言葉しか思い浮かびません。
入校の動機は様々でも、少なくとも一度はキャリアを志して、その世界に足を踏み入れた18-9の少女たちが、どのように学業や仕事へのやりがいを感じ、また体力面でのハンデなど様々な苦難を乗り越えて成長を遂げていったか、或いは「ハラスメント問題」「公(仕事)と私(生活)の両立」など、様々な困難にやりきれない思いを抱き、挫折して行ったかが赤裸々に語られ、その生々しい声に同世代の娘を持つ親として、時に胸を熱くし、あるいは涙しながら何度も読み返しました。防大生活や自衛隊の中における女性キャリアの進路と言う、なかなか語られることの無い、むしろ「秘密保全」のヴェールの奥に隠れ、現役が口に出す事さえ憚られる数々のエピソードについても本当に活き活きと描かれています。男女問わず、これから防大を志す方の道標、あるいはその親御さんにとっても、きっと参考になる良書だと思います。
また、本書は経営者やビジネスマンの方にも是非読んで頂きたい、参考になる良書だと思います。実は本書に描かれた防大・自衛隊の負の部分は、決して閉鎖的な組織「自衛隊」ならではの問題ではありません。「医大入試における女子差別事件」など、一般社会においても、雇用機会均等法施行後・半世紀、女性活躍推進法施行後5年を経てもなお、無くなっていない男女差別問題がありますが、その根底には「男尊女卑」に隠れた「長時間労働・やりがい搾取・人権無視」と言う大きな問題が潜んでいます。日本企業全体が持続的に発展して行くためには、今後突破しなければならない大きな課題であり、その解決無くして、真の「SDGs」の実現はありません。こうした、未だ解決されない社会の深部に潜む病巣・社会の縮図が、まさに防大・自衛隊と言う社会で濃厚に表出してしまっているという実態があり、彼女ら「防大女子」を苦しめる元凶であると言うことは、本書をお読みいただければわかると思います。ここに描かれた声なき声は、決して「防大女子」だけの声ではありません。本書を他山の石として活用し、女性だけでなくLGBTと言ったマイノリティの活用に活かして行くことが、次の時代に持続的成長を遂げることが出来る社会を築いて行くのだと思います。約40年前に防大を卒業したOBの一人として、このような社会を作ってしまった責任を強く感じています。だからこそ、未来ある方々には同じ後悔をして頂きたくない。そう思って、この本を強くお薦めしたいと思います。
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防大女子 - 究極の男性組織に飛び込んだ女性たち - (ワニブックスPLUS新書) 新書 – 2021/10/8
松田 小牧
(著)
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購入オプションとあわせ買い
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「究極の男性組織」に身を置いた「防大女子」の生活、人生とは?
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
防衛大学校の全学生に女子学生が占める割合はわずか12%。
一般の「女子大生」とはまったく違う世界に飛び込んだ彼女たちの
生活、苦悩、そして喜びを、自身が「防大女子」だった著者が詳細に描く。
実体験に加え、多くの防大OG、女性自衛官にも取材し、
特殊な環境で働く女性たちの本音にせまり、課題を提示する
【本書の内容より】
防衛大学校とはどんな組織か
意外に多い「文系」出身者
女子が防大を目指す理由
テレビなし、毎日腕立て伏せの日々が始まる
わずか5日で1割退校
防大生の1日
「空」と「陸」どっちが「ラク」か?
防大生の「目指すべきあり方」とは
防大生同士の固い絆
男女の友情は成立するか
緊張感あふれる「女子部屋」事情
防大女子の心が折れるとき
卒業後任官しない道を選択する防大生
女性自衛官の苦悩
ロールモデルの不在とはびこるハラスメント
防大女子のこれから 他
「究極の男性組織」に身を置いた「防大女子」の生活、人生とは?
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
防衛大学校の全学生に女子学生が占める割合はわずか12%。
一般の「女子大生」とはまったく違う世界に飛び込んだ彼女たちの
生活、苦悩、そして喜びを、自身が「防大女子」だった著者が詳細に描く。
実体験に加え、多くの防大OG、女性自衛官にも取材し、
特殊な環境で働く女性たちの本音にせまり、課題を提示する
【本書の内容より】
防衛大学校とはどんな組織か
意外に多い「文系」出身者
女子が防大を目指す理由
テレビなし、毎日腕立て伏せの日々が始まる
わずか5日で1割退校
防大生の1日
「空」と「陸」どっちが「ラク」か?
防大生の「目指すべきあり方」とは
防大生同士の固い絆
男女の友情は成立するか
緊張感あふれる「女子部屋」事情
防大女子の心が折れるとき
卒業後任官しない道を選択する防大生
女性自衛官の苦悩
ロールモデルの不在とはびこるハラスメント
防大女子のこれから 他
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社ワニブックス
- 発売日2021/10/8
- 寸法10.8 x 1.4 x 17.3 cm
- ISBN-10484706187X
- ISBN-13978-4847061875
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商品の説明
著者について
松田小牧(まつだこまき)
1987年大阪府生まれ。2007年防衛大学校に入校。人間文化学科で心理学を専攻。 陸上自衛隊幹部候補生学校を中途退校し、2012年、株式会社時事通信社に入社、社会部、神戸総局を経て政治部に配属。2018年、第一子出産を機に退職。その後はITベンチャーの人事を経て、現在はフリーランスとして執筆活動などを行う。
1987年大阪府生まれ。2007年防衛大学校に入校。人間文化学科で心理学を専攻。 陸上自衛隊幹部候補生学校を中途退校し、2012年、株式会社時事通信社に入社、社会部、神戸総局を経て政治部に配属。2018年、第一子出産を機に退職。その後はITベンチャーの人事を経て、現在はフリーランスとして執筆活動などを行う。
登録情報
- 出版社 : ワニブックス (2021/10/8)
- 発売日 : 2021/10/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 272ページ
- ISBN-10 : 484706187X
- ISBN-13 : 978-4847061875
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 248,736位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 80位自衛隊
- - 104位ワニブックスPLUS新書
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年10月13日に日本でレビュー済み
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2022年3月5日に日本でレビュー済み
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パラパラとページを捲った程度なので、内容評価はこれからです。
良かったのは、最近のネット記事だけでなく書籍の文章も非常に無駄な句点が多い。
少なくともこの書籍には、無駄な句点が無い。
内容は兎も角、読み易いだろうとの印象を受けた。
文科省は、英語教育よりも日本語教育に力を入れるべきである。
良かったのは、最近のネット記事だけでなく書籍の文章も非常に無駄な句点が多い。
少なくともこの書籍には、無駄な句点が無い。
内容は兎も角、読み易いだろうとの印象を受けた。
文科省は、英語教育よりも日本語教育に力を入れるべきである。
2021年10月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
防大面白そう、と思ってましたが大変なんだなあ、とびっくりしました。興味深く読みました。面白い世界であることは予想通りでした。
2021年11月10日に日本でレビュー済み
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感動しました。
2021年10月29日に日本でレビュー済み
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軍隊という男性社会、若干閉ざされた組織における幹部候補生の女性を巡るよもやま話を期待していたら、いい意味で裏切られます。自身の経験と防大出身の現役自衛官、退職者たちへの幅広い取材を通して、防衛大学校や自衛隊における女性の現状、組織の現状が記述されている。特に第4章の「防大女子」はどこに行くか、はこれまで男性前提で運用され文化を築いてきた会社や役所、組合、地域社会などに共通し、改善して行くべき現況が述べられている。今の先進国では、女性が活躍できない組織はもはや発展出来ない。軍隊も例外でないということを考えさせる本でした。
2021年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第二章までは興味本位もあって面白く読みました。が第三章、第四章は自衛官行政に関わる方以外には理解されないと思います。
個別ヒヤリングは貴重ですが、(そもそも人数少ないので仕方ないし、筆者も断定回避に努めて記述しているものの)ヒヤリングに対する評価、意味づけつまり記述が好きになれない感じがしてしまいました。ごめんなさい。
また第四章は、国防の基本に関する組織を、一法人風に解説していて、人間集団ですからそういう面から逃れられないにせよ、、、感情的な見立てだなあと感じて読み飛ばしました。ごめんなさい。
前半は知識としても読み物としても面白かった。筆者も、後半は無理矢理理屈つけたのではないかしら。青春ものを越える部分は、学徒動員、特攻やゼロ、沖縄などの記憶深い世代としては軽過ぎると。
一番の違和感は、防大で「生命の思索」や「兵站の軽視と精神論や兵士を消耗品とした過去の日本史の大失敗」を学ぶという記述がなかったこと。これは怖い。
個別ヒヤリングは貴重ですが、(そもそも人数少ないので仕方ないし、筆者も断定回避に努めて記述しているものの)ヒヤリングに対する評価、意味づけつまり記述が好きになれない感じがしてしまいました。ごめんなさい。
また第四章は、国防の基本に関する組織を、一法人風に解説していて、人間集団ですからそういう面から逃れられないにせよ、、、感情的な見立てだなあと感じて読み飛ばしました。ごめんなさい。
前半は知識としても読み物としても面白かった。筆者も、後半は無理矢理理屈つけたのではないかしら。青春ものを越える部分は、学徒動員、特攻やゼロ、沖縄などの記憶深い世代としては軽過ぎると。
一番の違和感は、防大で「生命の思索」や「兵站の軽視と精神論や兵士を消耗品とした過去の日本史の大失敗」を学ぶという記述がなかったこと。これは怖い。
2021年10月17日に日本でレビュー済み
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防衛大学や自衛官が身近なものでなかった私は、評価の高いこの本を興味本位で読み始めましたが引き込まれ、一気に読み進めました。防大女子であった筆者の貴重な体験に基づき、今までになかった視点から書いておられ、大変感銘を受けました。全ての女性、全ての人に読んでもらいたい本です。