角川映画や雑誌「バラエティ」をリアルタイムで愛好した世代なので、あらためて80年代までの活躍や達成のすごさを実感した。70年代以前から、敏腕編集者として、洋画の原作本や芸能人の文庫本、遠藤周作らのエッセイ本であてて、さらに映画と合わせて、横溝正史や森村誠一、大藪春彦などの売り出しを行ったことなど、よくわかった。私は、小林信彦や山田風太郎、或いは新井素子を知ったのは、雑誌「バラエティ」や角川映画がきっかけだった。
角川映画は、薬師丸ひろ子の発掘以降、大きく飛躍したと思う。それは、当時の新進の映画人、大林宣彦、相米慎二、根岸吉太郎、森田芳光、澤井信一郎などを起用、主題歌でも、当時気鋭の松任谷由実、南佳孝、大瀧詠一、松本隆らを起用し、彼らのキャリアの上でも旬の最高の仕事を引き出し、非常に高い達成を実現したことだ。今見ても、この時代の諸作の凄さは、映画史的にも特筆すべきものだ。邦画が衰退した時世に、映画がアイドルを作り、J-POPを作っていったという、前代未聞の現象だ。角川は、従来の映画会社を出た意欲的なプロデューサーや監督、スタッフに多くの機会を与え、邦画界全体が活性化したと言える。
角川映画の成功は、角川春樹が、企画を考え、原作を吟味し、監督や脚本家、俳優の才能、志向を見極める「冷静な編集者(製作者)の目」を持っていたからと言える。絶好のスタッフ編成による傑作「蒲田行進曲」や「麻雀放浪記」の例とか、松田優作を率先して起用していった例、薬師丸や原田を見出し、育成し、売り出した戦略等だ。本書でよくわかった。
しかし、である。90年代以降の転落はなぜなのだろうか。私は、この角川春樹の「冷静な目」が、自ら監督をするようになってから、狂っていったことが原因ではと思う。原田知世の「愛情物語」を角川が監督したのだが、なにやら自分の家族(妹)のことを絡めた話で、ちょっと主観が過ぎると当時思った。本書でも、角川家の、親子三代の、普通とかなり違う、おどろおどろしい、父子の相剋、実母や継母や妹の話とかがでていて、結局、そういうものが、春樹から「冷静な編集者・製作者の目」を奪い、自らの情念を込めた、作家、芸術家の立場に変えていったのではなかろうか。しかし、そもそも、編集者や映画製作者、実業家、俳人としての、角川春樹のパトスの根源を突き詰めれば、そういうものに突き当たるわけで、それは避けられない宿命だったのかも。人生後半の苦難も含めての角川春樹なんだと思う。いづれにしても、歴史に残る傑物だと思う。こんな人、もう出ないよ。
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最後の角川春樹 単行本 – 2021/11/19
伊藤 彰彦
(著)
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『人間の証明』、『セーラー服と機関銃』…活字と映像を交錯させて、表現の力で社会を揺り動かした戦後最大の出版人、その魂の軌跡。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社毎日新聞出版
- 発売日2021/11/19
- 寸法13.9 x 2.7 x 19.8 cm
- ISBN-104620327107
- ISBN-13978-4620327105
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登録情報
- 出版社 : 毎日新聞出版 (2021/11/19)
- 発売日 : 2021/11/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4620327107
- ISBN-13 : 978-4620327105
- 寸法 : 13.9 x 2.7 x 19.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 152,923位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 25,480位文学・評論 (本)
- - 27,619位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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5 星
波乱に満ちた人生と華麗で過酷な交友録
こんなノンフィクションが成立するのか…。事前に充分な準備をした二人による問答がきめ細かい角川春樹像を描き出す。鈴木成一によるブックデザインも素晴らしい。表紙・裏表紙に散りばめられているこれらのキーワードに反応してしまうヒトには必読の書だ。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年8月1日に日本でレビュー済み
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2023年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
角川春樹著『わが闘争』、中川右介著『角川映画 1976-1986〔増補版〕』と読み続けて本書にたどり着いた。著者である伊藤彰彦氏の圧倒的な取材力に、これまで知り得なかった話の数々がとことん掘り起こされた印象だ。しかし反面では、取材者の取材力が圧巻すぎてそちらのほうばかり目立ってしまい、春樹本人の発言が主体でなくなってしまった感が否めない。ただでさえ春樹本人が『わが闘争』の頃よりも年齢も勢いも落ち着いているのだから、余計に主体にもってこなければならないと思う。余談だが、YouTubeで水道橋博士との対談を見ていても、水道橋博士のペースや間合いで進行し、春樹本人がないがしろにされているように見受けられてならない。
2021年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
角川映画には遅れてきた世代なので、角川春樹には関心が薄く、日本の出版史文化史への興味と、安井かずみと石岡瑛子のことが書かれていると知り買い求めました。
ひと晩かけて読んで、この本はいままでなかったあらたなノンフィクションだな、と思いました。
手間暇かけた資料調査、インタビュアーとインタビュイーの信頼関係による類い稀なる名対談、気鋭の映画史家による評論の幸せなマリアージュになっているからです。
TBSラジオでライムスター宇多丸と吉田豪が言っていたように、何より著者伊藤彰彦の下調べがすさまじい。資料を図書館だけではなく、脚でひとつひとつ拾い集めています。
インタビューを始める前に、筆者はまず角川の生まれ故郷の富山水橋に行く→そこが米騒動発祥の地だと知る→角川の生家をつきとめ、祖父が米問屋だと気付く→地元の図書館で米騒動で角川の実家が襲撃されたどうかを調べる→襲撃されていないことを不思議に思う。
ここまでがたった1ページのための富山での現地調査。
伊藤は「角川商店だけがどうして襲撃されなかったか」という疑問を東京に帰ってきて角川春樹にぶつけます。
角川は、祖父が被差別部落民も分け隔てなく採用するなど自分が得た利益を地元の人々に還元していたから襲われなかった、と明かします。そこから角川の差別された人々に対するシンパシーの話になり、中上健次や松田優作やつかこうへいらへの交遊に話の枝葉はのび、角川映画の伝奇ミステリーと「犬神統」などの被差別問題の関係に話題は発展してゆきます。二人の会話の思ってもみなかった知的な拡がりが素晴らしい。
角川春樹が編集者時代につくった「角川翻訳文庫」と映画宣伝会社との関わりが『犬神家の一族』からはじまる角川映画にやがては結びつき、富山で生まれて浄土真宗の信仰と立山を毎日仰ぎみていたことが宗教への帰依につながり、それが「町のなかの鎮守の杜である書店と紙の文化を守りたい」という角川の信念に流れこむ。俳諧への探究が監督作品に反映されてゆくなど、角川さんを取り巻く書籍、映画、俳諧、宗教がロンドのようにつながっていきます。
私は正直、角川春樹がこんなに奥行きがある人だとは思ってもみませんでした。
とくに安井かずみさんが好きな私には、かずみさんが当時お付き合いしていた角川さんに南佳孝さんの良さを教え、角川さんが『スローなブギにしてくれ』の主題歌を南さんに依頼し、そのあと結婚したかずみさんに『探偵物語』の「そうよマンボ」の作詞を依頼しにゆくところがとても心に響きました。
伊藤さんの過去作を読み、『無冠の男 松方弘樹伝』も松方弘樹の俳優としての想いを最後に残した書籍だと知りました。
矛盾の多い人生をつじつまを合わせないで生き、そのために毀誉褒貶が多かった角川春樹も、最晩年にまたとない聞き手を得てその人生を縦横無尽に語った。『最後の角川春樹』はあらたなインタビュー評伝の分野を切り拓いたとともに、とても幸せな書物だと思います。
ひと晩かけて読んで、この本はいままでなかったあらたなノンフィクションだな、と思いました。
手間暇かけた資料調査、インタビュアーとインタビュイーの信頼関係による類い稀なる名対談、気鋭の映画史家による評論の幸せなマリアージュになっているからです。
TBSラジオでライムスター宇多丸と吉田豪が言っていたように、何より著者伊藤彰彦の下調べがすさまじい。資料を図書館だけではなく、脚でひとつひとつ拾い集めています。
インタビューを始める前に、筆者はまず角川の生まれ故郷の富山水橋に行く→そこが米騒動発祥の地だと知る→角川の生家をつきとめ、祖父が米問屋だと気付く→地元の図書館で米騒動で角川の実家が襲撃されたどうかを調べる→襲撃されていないことを不思議に思う。
ここまでがたった1ページのための富山での現地調査。
伊藤は「角川商店だけがどうして襲撃されなかったか」という疑問を東京に帰ってきて角川春樹にぶつけます。
角川は、祖父が被差別部落民も分け隔てなく採用するなど自分が得た利益を地元の人々に還元していたから襲われなかった、と明かします。そこから角川の差別された人々に対するシンパシーの話になり、中上健次や松田優作やつかこうへいらへの交遊に話の枝葉はのび、角川映画の伝奇ミステリーと「犬神統」などの被差別問題の関係に話題は発展してゆきます。二人の会話の思ってもみなかった知的な拡がりが素晴らしい。
角川春樹が編集者時代につくった「角川翻訳文庫」と映画宣伝会社との関わりが『犬神家の一族』からはじまる角川映画にやがては結びつき、富山で生まれて浄土真宗の信仰と立山を毎日仰ぎみていたことが宗教への帰依につながり、それが「町のなかの鎮守の杜である書店と紙の文化を守りたい」という角川の信念に流れこむ。俳諧への探究が監督作品に反映されてゆくなど、角川さんを取り巻く書籍、映画、俳諧、宗教がロンドのようにつながっていきます。
私は正直、角川春樹がこんなに奥行きがある人だとは思ってもみませんでした。
とくに安井かずみさんが好きな私には、かずみさんが当時お付き合いしていた角川さんに南佳孝さんの良さを教え、角川さんが『スローなブギにしてくれ』の主題歌を南さんに依頼し、そのあと結婚したかずみさんに『探偵物語』の「そうよマンボ」の作詞を依頼しにゆくところがとても心に響きました。
伊藤さんの過去作を読み、『無冠の男 松方弘樹伝』も松方弘樹の俳優としての想いを最後に残した書籍だと知りました。
矛盾の多い人生をつじつまを合わせないで生き、そのために毀誉褒貶が多かった角川春樹も、最晩年にまたとない聞き手を得てその人生を縦横無尽に語った。『最後の角川春樹』はあらたなインタビュー評伝の分野を切り拓いたとともに、とても幸せな書物だと思います。
2022年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
公開当時は散々叩かれた作品も数多いが、「角川春樹プロデュースの角川映画」は今の時代でも本当に面白く、再評価されていい作品が山程あると思う。
角川春樹の初監督作品「汚れた英雄」のバイクレース映像の本物の迫力は、今では不可能であろうと思う。
「復活の日」の南極ロケ、「戦国自衛隊」の迫力ある合戦映像も、当時としては衝撃的で、SF作品でも極力特撮に頼らず本物志向であるというポリシーは、本当にインパクトがありました。
公開当時「天と地と」は散々酷評されたが、以後、ロケ撮影であのスケールを超えた邦画は、やはり角川春樹制作の「蒼き狼」以外、皆無である。
多くの「角川春樹プロデュースの角川映画」に共通する魅力は「滅びの美学」である。
「人間の証明」「野生の照明」「蘇える金狼」「野獣死すべし」「セーラー服と機関銃」「汚れた英雄」「戦国自衛隊」「復活の日」「蒲田行進曲」「二代目はクリスチャン」「天と地と」等など、角川映画には、命を顧みず破滅に向かって突き進む者たちの美学がある。
これが角川春樹の生い立ちと深く関わっていることは間違いなく、興味深く読めました。
映画を制作する上での発想は、制作当時の昭和時代の職人監督では思いもつかないものがあり、今では映画制作者にとって大変学ぶべきことが多いと思います。
罪を犯して服役したこの人の人生の過ちの部分は大変残念ですが、そこから立ち直るバイタリティ、財産を失っても超然としている生き方というもの、そしてこの人が残してきた功績というのは評価されるべきだと思います。
角川春樹の初監督作品「汚れた英雄」のバイクレース映像の本物の迫力は、今では不可能であろうと思う。
「復活の日」の南極ロケ、「戦国自衛隊」の迫力ある合戦映像も、当時としては衝撃的で、SF作品でも極力特撮に頼らず本物志向であるというポリシーは、本当にインパクトがありました。
公開当時「天と地と」は散々酷評されたが、以後、ロケ撮影であのスケールを超えた邦画は、やはり角川春樹制作の「蒼き狼」以外、皆無である。
多くの「角川春樹プロデュースの角川映画」に共通する魅力は「滅びの美学」である。
「人間の証明」「野生の照明」「蘇える金狼」「野獣死すべし」「セーラー服と機関銃」「汚れた英雄」「戦国自衛隊」「復活の日」「蒲田行進曲」「二代目はクリスチャン」「天と地と」等など、角川映画には、命を顧みず破滅に向かって突き進む者たちの美学がある。
これが角川春樹の生い立ちと深く関わっていることは間違いなく、興味深く読めました。
映画を制作する上での発想は、制作当時の昭和時代の職人監督では思いもつかないものがあり、今では映画制作者にとって大変学ぶべきことが多いと思います。
罪を犯して服役したこの人の人生の過ちの部分は大変残念ですが、そこから立ち直るバイタリティ、財産を失っても超然としている生き方というもの、そしてこの人が残してきた功績というのは評価されるべきだと思います。
2022年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
角川春樹氏の半生を辿った聞き書き形式の伝記本。著者の伊藤彰彦氏のリサーチ、文章がとても良く、読み応えがある。
ただ、奥山和由氏の「黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄」についても同じことを感じたのだが、ここに書かれていることは語り手(角川氏や奥山氏)にとっての「真実」であり、客観的な「事実」とは異なるように思える。
besed on a true story(実話に基づく…)と冒頭にある映画に多かれ少なかれ脚色があるように、本書は一つの時代を作った角川春樹という異能の男の破天荒な語りを楽しむ本であり、そこに過剰に真実を求めるのは野暮かなという思いとともに読み終えた。
ただ、奥山和由氏の「黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄」についても同じことを感じたのだが、ここに書かれていることは語り手(角川氏や奥山氏)にとっての「真実」であり、客観的な「事実」とは異なるように思える。
besed on a true story(実話に基づく…)と冒頭にある映画に多かれ少なかれ脚色があるように、本書は一つの時代を作った角川春樹という異能の男の破天荒な語りを楽しむ本であり、そこに過剰に真実を求めるのは野暮かなという思いとともに読み終えた。
2022年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
角川春樹という稀有な人物もそうとうに面白いが、この面白さを引き出しているのは著者のすごさだと思う。この著者でなければできなかった傑作。
2022年1月4日に日本でレビュー済み
修正の効かない過去はないんだ、と寺山は記したが、角川春樹も自身の都合の良いように修正している。彼の手柄話の大半は、それとは異なる第三者の手記を容易に見つけることができる。騙されないように。
著者は句集から卒論まで多岐にわたり非常によく調べているが、角川春樹の監督作品を含めた評を鑑みると、麻原彰晃に対する島田裕巳のように滑稽なまでに愚直だ。まあ、これに関しては騙される人はいないと思うが、未見の人は心してほしい。角川春樹が監督したどれも映画はクズ以下だから。
春樹版時をかける少女を観るがいい。3流のセーラー服AVビデオのごとき演出、これが詩的か?大林版の悪い所を誇張しただけの愚作。
Rexを観るがいい。宙を浮遊する人間を見て「こっちだ!」と追いかける演出は、オカルト?キチガイ?ファミリー映画を作ったと抜かすのだからまさしくヤク中の極み。
そして、素人でも呆れて物が言えないような角川春樹監督映画が評価されないのがおかしいと抜かす著者。
編集者、製作者としての角川春樹には好感を持っているが、かつての角川書店や製作委員会からカツアゲした金を自分の素人作品につぎ込んだ監督角川春樹は愚の骨頂。それについて語らず、身をつくしを美化する著者の審美眼は眉唾ものである。
著者は句集から卒論まで多岐にわたり非常によく調べているが、角川春樹の監督作品を含めた評を鑑みると、麻原彰晃に対する島田裕巳のように滑稽なまでに愚直だ。まあ、これに関しては騙される人はいないと思うが、未見の人は心してほしい。角川春樹が監督したどれも映画はクズ以下だから。
春樹版時をかける少女を観るがいい。3流のセーラー服AVビデオのごとき演出、これが詩的か?大林版の悪い所を誇張しただけの愚作。
Rexを観るがいい。宙を浮遊する人間を見て「こっちだ!」と追いかける演出は、オカルト?キチガイ?ファミリー映画を作ったと抜かすのだからまさしくヤク中の極み。
そして、素人でも呆れて物が言えないような角川春樹監督映画が評価されないのがおかしいと抜かす著者。
編集者、製作者としての角川春樹には好感を持っているが、かつての角川書店や製作委員会からカツアゲした金を自分の素人作品につぎ込んだ監督角川春樹は愚の骨頂。それについて語らず、身をつくしを美化する著者の審美眼は眉唾ものである。
2022年1月4日に日本でレビュー済み
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対談形式なので、スラスラ読める。やはり面白いのは中盤までの、偉大な父への反撥と憧憬から無軌道な青春時代を過ごし、窓際族から一気に時代の寵児へと駆け登るスピードとスリリングな70年代まで。
やはり彼には時代の風向きを嗅ぎ取る天性の嗅覚とナニモノも恐れぬ未曾有の行動力があった!
屁理屈ばかりで行動を恐る若人にはぜひとも読んで戴きたい。
それにしてもクロサワ天皇をこきおろすあたり快哉を叫びたくなる。
犬神家の成功に多大な貢献をした大野雄二を起用したセンスには脱帽!
やはり彼には時代の風向きを嗅ぎ取る天性の嗅覚とナニモノも恐れぬ未曾有の行動力があった!
屁理屈ばかりで行動を恐る若人にはぜひとも読んで戴きたい。
それにしてもクロサワ天皇をこきおろすあたり快哉を叫びたくなる。
犬神家の成功に多大な貢献をした大野雄二を起用したセンスには脱帽!