「忖度」とは、①相手の指示がなくても、②相手の意向を推し量り、③先回りして満たそうとすること、を云うとされる。我々日本人は子供の頃も、大人になってからも「相手の気持ちになって」考え、行動することを求められて育っていることから、学校の優等生や会社で仕事が出来る人は「忖度の達人」であることが多い。
このこと自体は悪いことではない筈であるが、では何故いま「忖度」がここまで悪いことのように云われるようになったのか、ということを考えさせてくれる一冊と云える。
「忖度」は一定の人間関係、或いはその当事者同士の信頼関係があって有効に機能する。例えば、部下が上司Aの考えを慮って先回りして仕事を片付けることは上司にとって有難いことではあり、その行為は上司からも良い評価を受けるであろうが、上司が代わってBとなった時に同様に評価されるとは限らない。
或いは集団における「いじめ」の傍観者のように、自分を守る為に勇気ある一言が云えないことも一種の「忖度」とされるが、正しい行動を封じこめてしまう「空気」というものは健全なものとは云えない。
上司が喜ぶ顔が見たい、自分を評価してもらいたいという意図で、悪いこととは知りながら、適切でない行動をとるということも「忖度」に含めるとすれば、いよいよ「忖度」が悪者になってしまうが、本来の定義に立ち返れば、こうした場面での使われ方が間違っているのではないかという気がしないでもない。
「以心伝心」という言葉がある通り、日本社会では言葉がなくても通じる相手(従って比較的人数が限られた集団)との関係性を重視する文化があるが、その「言葉の否定」が「空気」の支配を許す一因となっているのではないかとされる。より広い「社会」で通用するコミュニケーションはより「論理的」でなければならず、それを意識することで正しい行動に基づいた、正しい「忖度」の仕方があるのではないかと感じる。
¥1,684¥1,684 税込
配送料 ¥257 6月15日-17日にお届け
発送元: 天保堂【お問い合わせ歓迎!!防水対策!】 販売者: 天保堂【お問い合わせ歓迎!!防水対策!】
¥1,684¥1,684 税込
配送料 ¥257 6月15日-17日にお届け
発送元: 天保堂【お問い合わせ歓迎!!防水対策!】
販売者: 天保堂【お問い合わせ歓迎!!防水対策!】
¥230¥230 税込
配送料 ¥257 6月14日 金曜日にお届け
発送元: タケヨ堂 販売者: タケヨ堂
¥230¥230 税込
配送料 ¥257 6月14日 金曜日にお届け
発送元: タケヨ堂
販売者: タケヨ堂
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
忖度社会ニッポン (角川新書) 新書 – 2017/11/10
片田 珠美
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,684","priceAmount":1684.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,684","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"CHjVgFjE7rzxZ7uIM9H3Prf7LlqNf6UNZ82lqo9tExRJp1v3lON6VSxal7NoKoz9Tfnvy8HaUTR8SGeL8iEPAYzleGpKDLLgXX79HsXIhN8TqSVKM6P7rv7c9GBt08A7aj2wRl1%2B5YXcLz0fPVIFU%2BP48c6WqWku%2BUEF9tiEoCjoQC8XKbPYqg%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥230","priceAmount":230.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"230","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"CHjVgFjE7rzxZ7uIM9H3Prf7LlqNf6UNknaMJSbDTfnCzMfUnhYns9PF36pyR2KGBGNQbW5GWsrCqFp27DqLgIa0wIRE%2FBdbacIPqdMtILfxcRSeqzo0l%2BCpbT6dqbkRJuVBnvkWNgh2mZeyNX1wxfJc3fEqJC%2FQLJFbsDkXwBRPfcNuz4QSVA%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
なぜエリートほど自己保身に走るのか。“暗黙の空気”に縛られる人の真実
「森友・加計」学園問題で話題になった忖度は、相手の意向を推し量り、先回りして満たそうとすることである。忖度する人の胸中には、自己保身欲求や喪失不安、承認欲求や何らかの見返りへの期待などが潜んでいる。忖度がはびこる日本社会の根底に横たわる構造的問題をあぶり出す。
「森友・加計」学園問題で話題になった忖度は、相手の意向を推し量り、先回りして満たそうとすることである。忖度する人の胸中には、自己保身欲求や喪失不安、承認欲求や何らかの見返りへの期待などが潜んでいる。忖度がはびこる日本社会の根底に横たわる構造的問題をあぶり出す。
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2017/11/10
- 寸法11 x 1.1 x 17.3 cm
- ISBN-104040821947
- ISBN-13978-4040821948
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
●片田 珠美:広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学でラカン派の精神分析を学び、DEA(専門研究課程修了証書)取得。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から探究している。『他人を攻撃せずにはいられない人』『プライドが高くて迷惑な人』『「正義」がゆがめられる時代』『拡大自殺 大量殺人・自爆テロ・無理心中』など著書多数。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2017/11/10)
- 発売日 : 2017/11/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 200ページ
- ISBN-10 : 4040821947
- ISBN-13 : 978-4040821948
- 寸法 : 11 x 1.1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 463,629位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,088位角川新書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
広島県生まれ。精神科医。連絡先 : freud@canvas.ne.jp
大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。
精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から分析。
カスタマーレビュー
星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
10グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年11月19日に日本でレビュー済み
いわゆる「森友・加計問題」で今年(平成29年)の流行語となった「忖度」。
忖度することとは、相手の意向を推し量り、先回りして満たそうとする意味で、本来なら「気が利く」という褒め言葉であり、忖度ができない人は、「空気が読めない」と軽蔑される。
本書は、この「忖度」が官界、企業、病院、大学などのあらゆる職場にはびこり、個人の幸福や自由を奪い、組織を捻じ曲げている厄介な存在になっていることを紹介し、その対処法を考察している。
私達は、時には忖度をして他者を思いやる必要があるが、その一方で、過度の忖度の呪縛から解放され、のびのびと生きていけるよう努力しなければならない。それが本当に自分自身の身を守る術であることを知っておく必要があるだろう。
忖度することとは、相手の意向を推し量り、先回りして満たそうとする意味で、本来なら「気が利く」という褒め言葉であり、忖度ができない人は、「空気が読めない」と軽蔑される。
本書は、この「忖度」が官界、企業、病院、大学などのあらゆる職場にはびこり、個人の幸福や自由を奪い、組織を捻じ曲げている厄介な存在になっていることを紹介し、その対処法を考察している。
私達は、時には忖度をして他者を思いやる必要があるが、その一方で、過度の忖度の呪縛から解放され、のびのびと生きていけるよう努力しなければならない。それが本当に自分自身の身を守る術であることを知っておく必要があるだろう。