タイトル通りのいい加減な物語だが、まじめにコツコツやっていても報われない人には逆に胸がすく思いがするだろう。
何せ調子よく、それでも何とかなってしまうのである。しかし、よく考えると主人公はメゲていないものの、けっこう失敗している。しかも終わりの方ではクビになって、責任を取らされる。
しかし、ラストにはまた大逆転がある。その経緯は現実的ではないが、無理やりハッピーエンドにしたとも言える。
見習うべきは主人公の思考の柔軟さと、局面が変わった時の切り替えの速さだ。深刻な責任感を持たないのでそれが可能なのだ。それでいて、失敗した時にはあっさりクビを受け入れる。この辺りの覚悟も見習うべきかもしれない。だがら、設定はあくまでも独身である。
女性関係も華麗でモテはするが深い関係にはならない。さりとて利用するだけではなく、見返りも与える。
こうしたところも、兎角セクハラの指摘を受ける向きには参考にすべきである。
Wikiによると、大島渚監督はこの作品と土井シリーズの別作品を見て、「どうしてこんなに面白いのだろうか」と感嘆したらしい。
ふざけた映画のように見えるが、コメディとして一流なのだ。もちろん現代では通用しない部分もあるが、気分爽快になることは間違いない。おすすめである。