AI・ビックデータの負の側面を、具体例を盛り込んで解説している
それに対する対策・提案は少ないが、事例を知ることができるという点で、良い本だと思う
少々高いが
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あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠 単行本 – 2018/6/18
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:::: AI・ビッグデータの暴走を止めよ! ::::
全米を、世界を、震わせた人類への警鐘
★「必読です! 」
ーー新井紀子(『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』)
待望の邦訳。ビッグデータとAIの被害に遭うのは「あなた」かもしれない
★「年間ベストブック」
ーーユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』)
魅了され、深く心をかき乱される 『ガーディアン』紙
いまやAI・ビッグデータは、人間の能力・適性・信用、
さらには善悪や身体までも評価し、選別し始めた。
問題は、こうしたAI・ビッグデータの仕組みや活用法の多くが、
偏見や誤りなどであふれていることだ。
中立・公正のように見えるアルゴリズムにも、
作り手の「見解」や「目的」が埋め込まれている。
数値化しにくいリアルな世界の複雑さや公平性を欠いたまま、
効率・収益を優先するアルゴリズムによって私たちの生活・社会が導かれていく。
さらに信用格付けが下がるなど、アルゴリズムによる評価を落とすと、
他分野にも影響がおよび、悪循環のフィードバックループが待っている。
私たちは、こうした破壊的なAI・ビッグデータとは何かを知り、
変えていくことによって、主導権を人間に取り戻さなくてはならない。
★ 世界的ベストセラー、年間ベストブック&賞、多数!
★ 竹内薫・養老孟司・長谷川眞理子さん、絶賛書評!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
::著者:: キャシー・オニール
データサイエンティスト。ハーバード大学で数学の博士号を取得。
バーナードカレッジ教授を経て、企業に転職し、
金融、リスク分析、eコマースなどの分野で、アルゴリズム作成などに従事。
ブログ「mathbabe」を開き、「ORCAA(オニール・リスク・コンサルティング&アルゴリズム・オーディティング)」を創設。
::訳者:: 久保尚子
翻訳家。IT企業勤務を経て、翻訳業に従事。訳書にスティーヴ・ロー『データサイエンティストが創る未来』、
マイケル・ブルックス&サイモン・ブラックバーン『ビッグクエスチョンズ 物理』など。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
::目次::
はじめに: AI・ビッグデータは破壊兵器になる
第1章[モデル] 良いモデル、悪いモデル
第2章[内幕] データビジネスの恐るべき真実
第3章[教育] 大学ランキング評価が多様性を奪う
第4章[宣伝] 弱みにつけこむオンライン広告
第5章[正義] 「公平」が「効率」の犠牲になる
第6章[就職] ふさわしい求職者でも落とされる
第7章[仕事] 職場を支配する最悪のプログラム
第8章[信用] どこまでもついて回る格付け評価
第9章[身体] 行動や健康のデータも利用される
第10章[政治] 民主主義の土台を壊す
おわりに: 人間だけが未来を創造できる
全米を、世界を、震わせた人類への警鐘
★「必読です! 」
ーー新井紀子(『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』)
待望の邦訳。ビッグデータとAIの被害に遭うのは「あなた」かもしれない
★「年間ベストブック」
ーーユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』)
魅了され、深く心をかき乱される 『ガーディアン』紙
いまやAI・ビッグデータは、人間の能力・適性・信用、
さらには善悪や身体までも評価し、選別し始めた。
問題は、こうしたAI・ビッグデータの仕組みや活用法の多くが、
偏見や誤りなどであふれていることだ。
中立・公正のように見えるアルゴリズムにも、
作り手の「見解」や「目的」が埋め込まれている。
数値化しにくいリアルな世界の複雑さや公平性を欠いたまま、
効率・収益を優先するアルゴリズムによって私たちの生活・社会が導かれていく。
さらに信用格付けが下がるなど、アルゴリズムによる評価を落とすと、
他分野にも影響がおよび、悪循環のフィードバックループが待っている。
私たちは、こうした破壊的なAI・ビッグデータとは何かを知り、
変えていくことによって、主導権を人間に取り戻さなくてはならない。
★ 世界的ベストセラー、年間ベストブック&賞、多数!
★ 竹内薫・養老孟司・長谷川眞理子さん、絶賛書評!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
::著者:: キャシー・オニール
データサイエンティスト。ハーバード大学で数学の博士号を取得。
バーナードカレッジ教授を経て、企業に転職し、
金融、リスク分析、eコマースなどの分野で、アルゴリズム作成などに従事。
ブログ「mathbabe」を開き、「ORCAA(オニール・リスク・コンサルティング&アルゴリズム・オーディティング)」を創設。
::訳者:: 久保尚子
翻訳家。IT企業勤務を経て、翻訳業に従事。訳書にスティーヴ・ロー『データサイエンティストが創る未来』、
マイケル・ブルックス&サイモン・ブラックバーン『ビッグクエスチョンズ 物理』など。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
::目次::
はじめに: AI・ビッグデータは破壊兵器になる
第1章[モデル] 良いモデル、悪いモデル
第2章[内幕] データビジネスの恐るべき真実
第3章[教育] 大学ランキング評価が多様性を奪う
第4章[宣伝] 弱みにつけこむオンライン広告
第5章[正義] 「公平」が「効率」の犠牲になる
第6章[就職] ふさわしい求職者でも落とされる
第7章[仕事] 職場を支配する最悪のプログラム
第8章[信用] どこまでもついて回る格付け評価
第9章[身体] 行動や健康のデータも利用される
第10章[政治] 民主主義の土台を壊す
おわりに: 人間だけが未来を創造できる
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社インターシフト
- 発売日2018/6/18
- 寸法19 x 13 x 2 cm
- ISBN-104772695605
- ISBN-13978-4772695602
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商品の説明
著者について
データサイエンティスト。ハーバード大学で数学の博士号を取得。
バーナードカレッジ教授を経て、企業に転職し、金融、リスク分析、eコマースなどの
分野で、アルゴリズム作成などに従事。
ブログ「mathbabe」を開き、「ORCAA(オニール・リスク・コンサルティング&アルゴリズム・オーディティング)」を創設。
バーナードカレッジ教授を経て、企業に転職し、金融、リスク分析、eコマースなどの
分野で、アルゴリズム作成などに従事。
ブログ「mathbabe」を開き、「ORCAA(オニール・リスク・コンサルティング&アルゴリズム・オーディティング)」を創設。
登録情報
- 出版社 : インターシフト; 四六版 (2018/6/18)
- 発売日 : 2018/6/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 336ページ
- ISBN-10 : 4772695605
- ISBN-13 : 978-4772695602
- 寸法 : 19 x 13 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 202,243位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 177位情報学・情報科学全般関連書籍
- - 731位科学読み物 (本)
- - 15,255位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年12月16日に日本でレビュー済み
著者は、データサイエンティストのキャシー・オニールさん。ハーバード大学で数学の博士号を取得し、バーナードカレッジ教授を経て、ヘッジファンドに転職。数学の能力を活かし成果を上げるが、サブプライム・ローン問題を目の当たりにして、数学がもつ破壊力に気づく。
本書では、正しく数学を使っているにも関わらず、有害なモデルを作り出す仕組みを「数学破壊兵器(Weapons of Math Destruction:WMD)」と呼ぶ。大量破壊兵器のMassと数学のMathをかけているのは、オニールさんのユーモアだ。
現在のAIは公平性を理解できない。AIに学習させるための数理モデルを誤れば、AIが出力する結果も偏ったものになる。また、定量化できない人間的スキルも評価されない。
それでも大量のデータを瞬時に処理するAIが役に立つ場面は多い。私たちは、AIがツールであることを認識し、常に必要なデータを与えて有効活用することで、だれにも公平で豊かな生活がやって来ることを目指すべきであろう。
本書では、正しく数学を使っているにも関わらず、有害なモデルを作り出す仕組みを「数学破壊兵器(Weapons of Math Destruction:WMD)」と呼ぶ。大量破壊兵器のMassと数学のMathをかけているのは、オニールさんのユーモアだ。
現在のAIは公平性を理解できない。AIに学習させるための数理モデルを誤れば、AIが出力する結果も偏ったものになる。また、定量化できない人間的スキルも評価されない。
それでも大量のデータを瞬時に処理するAIが役に立つ場面は多い。私たちは、AIがツールであることを認識し、常に必要なデータを与えて有効活用することで、だれにも公平で豊かな生活がやって来ることを目指すべきであろう。
2018年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ビッグデータが作られる仕組みを知って驚いた。みんなにとって公平だと信じられていたデータは、実はそれを作る人たちの恣意によって歪められていて、私たちはそれを真理だと思っている。これは大変危険で、正当な努力をして実績を残している人がそれに見合う評価をしてもらえなかったりする。ビッグデータを鵜呑みにするだけで、思考が停止してしまっている人間をこれ以上増やさないように、一人でも多くの方にこの本を読んでいただき、目を覚ましてもらいたいと強く思います。
2024年4月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカにおけるビッグデータ利用の多くの事例を通して,人が人を選別するという作業を数理モデルに自動化させるのがいかに危険かを主張した本。出版からちょっと時間が経っているが話題の本らしいので一応読んだが,著者の左派的な思想が強く出過ぎており,途中で著者の姿勢についていけなくなったため苦痛を感じ,最後まで読了することを断念した。
著者の主張にはたくさん不可解な部分がある。例えば,良い教師と無能な教師の線引きをするためのモデルを教育機関が使用することについて,「モデルの中身が非公開のブラックボックスだから,教師は反論することもできない。だからダメ」と言っている。一方で,全米の大学ランキングを作っているU.S. News&World Report社については,「ランク付けのモデルの中身が公開されているせいで,ランク上昇につながる各指標を改善することに大学が躍起になっており,よくない」と批判しまくっている。結局,どっちにしてもこの人は批判したいんでしょ??
黒人や貧困層をひたすら擁護する著者の姿勢もちょっといきすぎており,過激である。ある都市では警察はビッグデータを使って犯罪多発地域を洗い出し,そこを警官が重点的に巡回して職務質問することで,犯罪抑止に成功した,という話が出てくるのだが,著者は「危険地域というのは大概,貧困地域であり,そこに生まれた人たちは周囲に犯罪者や薬物中毒者やマフィアがたまたまたくさんいるのであって,彼らに犯罪率の高さへの責任があるわけではない,生まれた環境は選べないのだから。したがって警官はこんな差別的な施策はやめるべき」といった趣旨の主張をしているが,これには問題がある。まず,犯罪が減ることによって貧困地域の住人もそれ以外の地区の住人も現実に利益を受けているのだから,メリットは大きいはずで,このメリットと,デメリット(犯罪者でない住民がしつこく職務質問を受けるなど)とを天秤にかけるのがフェアな姿勢のはずだ。しかし著者は,この本のあちこちで,「大多数にメリットがあるというのはどうでもよく,その陰で被害をこうむる少数派がいることこそが重要なのだ,それは絶対に許されないことだ」と主張しており,私には,極めてプロパガンダ的な主張だと感じられた。
次に,この警察の"差別的"施策に関して,著者は「貧困層の黒人やヒスパニックばかり厳しくとりしまる一方で,回収できない住宅ローンのようなゴミ金融証券商品を売りさばくホワイトワーカーの連中は野放しになっており,不平等だ,こんなの許されないんだ,だから黒人たちを厳しく取り締まるのをやめろ」といった主張をしているが,意味不明だ。確かに不平等だが,だったらウォール街の白人たちをとりしまる体制を拡大するように働きかければよいだけの話だ。白人の犯罪者が見逃されているからといって,黒人の実際に犯罪を犯した連中を甘く扱え,というのは主張として論理的ではない。
仮にある女性が太ってしまったとしよう。するとビッグデータを元に「寝る前の間食を控えて昼間は運動しよう」といった施策は出てくるだろう。つまり未来をよくするための話である。一方,「間食してしまうのは家にスナック菓子がたくさんあるからで,それを買ってくるのは夫なのだ,だから太った責任は私ではなく主に夫の方にあるのだ」という主張もできる。これは未来ではなく,責任の所在に関する話だ。これらは2つの全く異なる話であり,ごっちゃにしても意味はない。
警察の話も全く同じである。なぜ,貧困地区の黒人たちが犯罪を犯すのか,その責任は彼ら自身にあるのか政治にあるのか,というのは,過去の責任の話であり,「政治家」が考えるべき問題だ。一方,「これからの犯罪件数を減らすにはどうすればよいか」は,未来をよくするための話であり,まさに「警察」の仕事だ。これらは異なる2つの話であり,警察が政治家の役目を気にしながら仕事をする必要など,ないのだ。しかしこの本の著者はこれら2つを完全に混同して,両者を混然一体となった1つの話として論じている。そのせいでこの本の一部は読むに堪えないイデオロギー的な内容になってしまっている。
1つはっきりわかるのは,おそらくこの著者はデータサイエンティストなんかではなく政治家になりたいのだろう,ということだった。
著者の主張にはたくさん不可解な部分がある。例えば,良い教師と無能な教師の線引きをするためのモデルを教育機関が使用することについて,「モデルの中身が非公開のブラックボックスだから,教師は反論することもできない。だからダメ」と言っている。一方で,全米の大学ランキングを作っているU.S. News&World Report社については,「ランク付けのモデルの中身が公開されているせいで,ランク上昇につながる各指標を改善することに大学が躍起になっており,よくない」と批判しまくっている。結局,どっちにしてもこの人は批判したいんでしょ??
黒人や貧困層をひたすら擁護する著者の姿勢もちょっといきすぎており,過激である。ある都市では警察はビッグデータを使って犯罪多発地域を洗い出し,そこを警官が重点的に巡回して職務質問することで,犯罪抑止に成功した,という話が出てくるのだが,著者は「危険地域というのは大概,貧困地域であり,そこに生まれた人たちは周囲に犯罪者や薬物中毒者やマフィアがたまたまたくさんいるのであって,彼らに犯罪率の高さへの責任があるわけではない,生まれた環境は選べないのだから。したがって警官はこんな差別的な施策はやめるべき」といった趣旨の主張をしているが,これには問題がある。まず,犯罪が減ることによって貧困地域の住人もそれ以外の地区の住人も現実に利益を受けているのだから,メリットは大きいはずで,このメリットと,デメリット(犯罪者でない住民がしつこく職務質問を受けるなど)とを天秤にかけるのがフェアな姿勢のはずだ。しかし著者は,この本のあちこちで,「大多数にメリットがあるというのはどうでもよく,その陰で被害をこうむる少数派がいることこそが重要なのだ,それは絶対に許されないことだ」と主張しており,私には,極めてプロパガンダ的な主張だと感じられた。
次に,この警察の"差別的"施策に関して,著者は「貧困層の黒人やヒスパニックばかり厳しくとりしまる一方で,回収できない住宅ローンのようなゴミ金融証券商品を売りさばくホワイトワーカーの連中は野放しになっており,不平等だ,こんなの許されないんだ,だから黒人たちを厳しく取り締まるのをやめろ」といった主張をしているが,意味不明だ。確かに不平等だが,だったらウォール街の白人たちをとりしまる体制を拡大するように働きかければよいだけの話だ。白人の犯罪者が見逃されているからといって,黒人の実際に犯罪を犯した連中を甘く扱え,というのは主張として論理的ではない。
仮にある女性が太ってしまったとしよう。するとビッグデータを元に「寝る前の間食を控えて昼間は運動しよう」といった施策は出てくるだろう。つまり未来をよくするための話である。一方,「間食してしまうのは家にスナック菓子がたくさんあるからで,それを買ってくるのは夫なのだ,だから太った責任は私ではなく主に夫の方にあるのだ」という主張もできる。これは未来ではなく,責任の所在に関する話だ。これらは2つの全く異なる話であり,ごっちゃにしても意味はない。
警察の話も全く同じである。なぜ,貧困地区の黒人たちが犯罪を犯すのか,その責任は彼ら自身にあるのか政治にあるのか,というのは,過去の責任の話であり,「政治家」が考えるべき問題だ。一方,「これからの犯罪件数を減らすにはどうすればよいか」は,未来をよくするための話であり,まさに「警察」の仕事だ。これらは異なる2つの話であり,警察が政治家の役目を気にしながら仕事をする必要など,ないのだ。しかしこの本の著者はこれら2つを完全に混同して,両者を混然一体となった1つの話として論じている。そのせいでこの本の一部は読むに堪えないイデオロギー的な内容になってしまっている。
1つはっきりわかるのは,おそらくこの著者はデータサイエンティストなんかではなく政治家になりたいのだろう,ということだった。
2020年5月6日に日本でレビュー済み
最近再び(?)AIが取り沙汰されているが、そのアーキテクチャが飛躍的に進化したわけではなく、
計算速度やサンプルとなるデータ量が増えた結果、数値の精度が高まったくらいの印象しかない。
ただ、将来的にはAI自身が新たなアーキテクチャを見つけ出し、
統計知識に長け、倫理観のある「適切」な教師され居れば、
AIは社会にとってポジティブなものになるだろうと私自身は考えていた。
しかし、本書でその期待は砕かれた。
AIは偏見を持つ人の介在を極力減らし、公平性に大きく貢献するものと考えていたが、
どうやらそうでもないらしい。(サンプルが悪いだけというシンプルな話では無い)
本書では具体的な事例を元に、数学大量兵器の下記要素からその罠を論じている。
・不透明
・規模拡大
・有害
計算速度やサンプルとなるデータ量が増えた結果、数値の精度が高まったくらいの印象しかない。
ただ、将来的にはAI自身が新たなアーキテクチャを見つけ出し、
統計知識に長け、倫理観のある「適切」な教師され居れば、
AIは社会にとってポジティブなものになるだろうと私自身は考えていた。
しかし、本書でその期待は砕かれた。
AIは偏見を持つ人の介在を極力減らし、公平性に大きく貢献するものと考えていたが、
どうやらそうでもないらしい。(サンプルが悪いだけというシンプルな話では無い)
本書では具体的な事例を元に、数学大量兵器の下記要素からその罠を論じている。
・不透明
・規模拡大
・有害
2018年9月16日に日本でレビュー済み
筆者の経歴を見ると、本書の信頼度は高まる。ハーバードで数学を学び、教職を経て企業に転職し、その数学の知識を大手ヘッジファンドで活かすが、リーマンショックを経て現実に気づき、データ・サイエンティストとしてeコマースのスタートアップなどの実業を経験し、ウォール街に対する抗議運動に参加している。金融工学とデータ・サイエンティストの2つの分野を経験することが、テクノロジーと文化の両面に造詣が深くなったという。
筆者が云う、「数学破壊兵器」(Weapons of Math Destruction)とは、Weapons of Mass Destructionと掛けた造語であるが、本書の至る所で登場する。それは、同姓同名者を取り違えることや、クレジット・レコードの瑕疵によって謂れのない不利益を被ったり、モデルの作り方の中に人種の要因など不適切な要素を含めることによって大量に(謂れなき)不幸な人々をつくり出してしまう社会的な恐怖、不都合な真実を詳細に解説している。
AIやビッグデータ分析で様々なことが出来る(或いは出来そうな)便利な時代になって来ているが、その裏側をしっかりと理解しておかないと社会の利益とは相反することになりかねないということを我々は知っておく必要がある。
筆者が云う、「数学破壊兵器」(Weapons of Math Destruction)とは、Weapons of Mass Destructionと掛けた造語であるが、本書の至る所で登場する。それは、同姓同名者を取り違えることや、クレジット・レコードの瑕疵によって謂れのない不利益を被ったり、モデルの作り方の中に人種の要因など不適切な要素を含めることによって大量に(謂れなき)不幸な人々をつくり出してしまう社会的な恐怖、不都合な真実を詳細に解説している。
AIやビッグデータ分析で様々なことが出来る(或いは出来そうな)便利な時代になって来ているが、その裏側をしっかりと理解しておかないと社会の利益とは相反することになりかねないということを我々は知っておく必要がある。
2018年8月6日に日本でレビュー済み
著者はコロンビア大学の数学の教授→ヘッジファンドのクオンツ(高度な数学的手法で分析・予測を行う金融工学の専門家)→2008年秋にリーマンショックに遭遇→数学破壊兵器(Weapons of Math Destruction:WDA)について良く知ってもらうためのブログを開設、二児の母、という異色の経歴の持ち主だ。おかげで、わかりやすく、現在のアメリカ社会で起きていることを、教育、就職、健康などのテーマに分けて語っている。
著者がもっとも訴えたいことは、数学破壊兵器には気を付けて、不公正、非人道的なシステムがまかりとおることがないように注意深く見ておかなくてはならないということだ。この数学破壊兵器にかかれば、不合理な選別や、貧困者への甘い罠が以前の何十倍もの効率で行われるようになり、富めるものはますます富み、貧しいものは、ますまる飢えるという結果は見えてるのである。たとえば、営利大学(教育をほどこすよりも、対象者からいかにお金を引き出すかが主目的の大学)の話など、いかにもありそうだ。
できれば、個人情報に意識の高い日本で、もっとより良い仕組みがつくれますように。
著者がもっとも訴えたいことは、数学破壊兵器には気を付けて、不公正、非人道的なシステムがまかりとおることがないように注意深く見ておかなくてはならないということだ。この数学破壊兵器にかかれば、不合理な選別や、貧困者への甘い罠が以前の何十倍もの効率で行われるようになり、富めるものはますます富み、貧しいものは、ますまる飢えるという結果は見えてるのである。たとえば、営利大学(教育をほどこすよりも、対象者からいかにお金を引き出すかが主目的の大学)の話など、いかにもありそうだ。
できれば、個人情報に意識の高い日本で、もっとより良い仕組みがつくれますように。
2018年10月2日に日本でレビュー済み
ビッグデータが誤用・悪用されると、社会と多くの人に
甚大な被害を与えることは分かった。誤用・悪用を防ぐには、
十分な注意が必要だろう。
しかし、例えば天気予報の場合は、AIが晴天と予測したのに
大雨が降ったら、AIの予測ミスだと誰にも分かるだろう。その
場合は、データの質や量を改善すれば、精度の高い予測に改めて
いくことができる。
AIとビッグデータには、「人間技」ではできないことを実現
できる無限の可能性があると思っている。マイナス面ばかり強調せず、
AIとビッグデータがもたらし得る明るい未来像も描いてほしかった。
甚大な被害を与えることは分かった。誤用・悪用を防ぐには、
十分な注意が必要だろう。
しかし、例えば天気予報の場合は、AIが晴天と予測したのに
大雨が降ったら、AIの予測ミスだと誰にも分かるだろう。その
場合は、データの質や量を改善すれば、精度の高い予測に改めて
いくことができる。
AIとビッグデータには、「人間技」ではできないことを実現
できる無限の可能性があると思っている。マイナス面ばかり強調せず、
AIとビッグデータがもたらし得る明るい未来像も描いてほしかった。