何気なく手に取ってみました。
2011年出版とのことですが、オリジナルは1997年ということで
披露されるデータは1970年代から1990年代のものです。
なので、論理展開がささやかで、古典的な印象を受けました。
しかし、他人と比べることで浪費せずにはいられないというのは
本能を刺激された結果であり、その内容に古さを感じさせませんでした。
本著ではテレビCMを取り上げていますが、今の時代ならSNS
"隣のダウンシフター"は、ミニマリストになるのでしょうか。
最終章"ディドロの教訓に学ぶ"は、浪費行動を抑えるアドバイスで
とても参考になりました。
唯一気になったのは、序盤がとても読みづらかったです。
複数人で分担して翻訳したのが一因と思います。でも良い本でした。

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浪費するアメリカ人――なぜ要らないものまで欲しがるか (岩波現代文庫) 文庫 – 2011/3/17
ジュリエット・B.ショア
(著),
森岡 孝二
(監修, 翻訳)
米国の中流階級は、過剰に消費しても満足できないばかりか、満たされぬ思いはなお強まる。アイデンティティと社会的ステータスの表現として、浪費が定着してしまったのは何故か。日本は果たして無関係か。本書は実例を豊富に紹介しつつ、浪費の背景に「働きすぎと浪費の悪循環」が存在していることを解明し、浪費を止める道を提言する。
- ISBN-104006032145
- ISBN-13978-4006032142
- 出版社岩波書店
- 発売日2011/3/17
- 言語日本語
- 寸法10.5 x 1.8 x 15 cm
- 本の長さ416ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2011/3/17)
- 発売日 : 2011/3/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 416ページ
- ISBN-10 : 4006032145
- ISBN-13 : 978-4006032142
- 寸法 : 10.5 x 1.8 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 464,396位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2020年5月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
90年代のアメリカ社会における、特に高収入のキャリアウーマンを中心とした聞き取り調査をベースに現代の消費活動やその心理について論じています。
アメリカを含め先進国において活発な消費活動は一般的に豊かな生活を象徴する幸福をもたらす行為とみなされています。が、ヒアリング対象となった女性たちは多額の収入から活発な消費活動をする一方で幸福感は薄く、むしろ何かに追われているような強迫感を持っています。
自分の社会的ステータスや収入に見合った、あるいは同レベルの女性よりも少しだけ優位に立てそうな高額な服や高級住宅街の家、子育て環境(服、おもちゃ、学校)を手に入れなければならないというプレッシャーが常に付きまとっているためです。また、高い金を払った品物は次から次へと流行遅れになって価値を失っていくために次々に新しいものを買わなければならず、いつしかより高い収入を求めやりがいのある仕事を辞める、借金を重ねるなど、モノはあるけれども全体的には豊かで幸福とは言えない生活に陥って行くのです。
彼女たちにとっての豊かな生活とは、他人から見て豊かに見える生活であり、それ自体が自意識過剰とも言える幻想に過ぎないのですが、彼女たちがその生活を幻想だと思えるのは仕事を失って収入が激減した時です。そして彼女たちはダウンシフターという、ワークライフバランス重視の職業やオーガニック食品や質素で丈夫な洋服などを好む「本物志向的」、より日本人に身近なものとしては無印良品の商品ラインナップに想起されるようなライフスタイルに転換していきます。
彼女たちの一連の買い物によるストレスに共通してみられるのは、高級な消費活動そのものが原因なのではなく彼女たちがキャリアウーマンゆえに持つ自身の競争意識と同調意識によるものであるという点です。
このような意識の傾向は日本の優等生的存在の女性にも見られますが、彼女たちは自分がほかの女性よりも欲望を持たないことを矜持とし、「優秀な社員」「女らしさを失わないよい妻」「教育に熱心な母親」たらんとするために消費行動をエスカレートさせていきます。
すなわち、彼女たちにとって消費行動とは、高級ブティックでの店員の下にもおかない接客を伴う買い物にせよ、居心地の良い息抜き場所のカフェにせよ現実から逃避し欲望を発散するものではなく、厳しい競争社会を戦う武器となるステータスを維持するための行為でしかないのです。
それがゆえに、消費行動はストレス発散どころか過剰なストレスとなり、彼女たちをさらに追い込んでいくことになります。
著者が提示する、グループでのダウンシフターライフも彼女たちの根本的性質である、いかなる時も人間的な欲望を捨てた理性的な優秀な女性でありたいとするプライドがある限り、今度は金銭をかけるかけないは別として「より本物志向的な女性」を目指すストレスを抱えることになるでしょうし、場合によっては承認欲求が満たされないストレスから、過激な反消費運動に走る場合もあるかもしれません。
本書から見えてくるのは、消費行動にむしばまれた女性ではなく、社会進出とともに「社会に認められたい」という欲望が暴走した現代のキャリアウーマン達の懊悩の姿でした。
アメリカを含め先進国において活発な消費活動は一般的に豊かな生活を象徴する幸福をもたらす行為とみなされています。が、ヒアリング対象となった女性たちは多額の収入から活発な消費活動をする一方で幸福感は薄く、むしろ何かに追われているような強迫感を持っています。
自分の社会的ステータスや収入に見合った、あるいは同レベルの女性よりも少しだけ優位に立てそうな高額な服や高級住宅街の家、子育て環境(服、おもちゃ、学校)を手に入れなければならないというプレッシャーが常に付きまとっているためです。また、高い金を払った品物は次から次へと流行遅れになって価値を失っていくために次々に新しいものを買わなければならず、いつしかより高い収入を求めやりがいのある仕事を辞める、借金を重ねるなど、モノはあるけれども全体的には豊かで幸福とは言えない生活に陥って行くのです。
彼女たちにとっての豊かな生活とは、他人から見て豊かに見える生活であり、それ自体が自意識過剰とも言える幻想に過ぎないのですが、彼女たちがその生活を幻想だと思えるのは仕事を失って収入が激減した時です。そして彼女たちはダウンシフターという、ワークライフバランス重視の職業やオーガニック食品や質素で丈夫な洋服などを好む「本物志向的」、より日本人に身近なものとしては無印良品の商品ラインナップに想起されるようなライフスタイルに転換していきます。
彼女たちの一連の買い物によるストレスに共通してみられるのは、高級な消費活動そのものが原因なのではなく彼女たちがキャリアウーマンゆえに持つ自身の競争意識と同調意識によるものであるという点です。
このような意識の傾向は日本の優等生的存在の女性にも見られますが、彼女たちは自分がほかの女性よりも欲望を持たないことを矜持とし、「優秀な社員」「女らしさを失わないよい妻」「教育に熱心な母親」たらんとするために消費行動をエスカレートさせていきます。
すなわち、彼女たちにとって消費行動とは、高級ブティックでの店員の下にもおかない接客を伴う買い物にせよ、居心地の良い息抜き場所のカフェにせよ現実から逃避し欲望を発散するものではなく、厳しい競争社会を戦う武器となるステータスを維持するための行為でしかないのです。
それがゆえに、消費行動はストレス発散どころか過剰なストレスとなり、彼女たちをさらに追い込んでいくことになります。
著者が提示する、グループでのダウンシフターライフも彼女たちの根本的性質である、いかなる時も人間的な欲望を捨てた理性的な優秀な女性でありたいとするプライドがある限り、今度は金銭をかけるかけないは別として「より本物志向的な女性」を目指すストレスを抱えることになるでしょうし、場合によっては承認欲求が満たされないストレスから、過激な反消費運動に走る場合もあるかもしれません。
本書から見えてくるのは、消費行動にむしばまれた女性ではなく、社会進出とともに「社会に認められたい」という欲望が暴走した現代のキャリアウーマン達の懊悩の姿でした。
2012年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カード社会のアメリカ。浪費生活がいつまで続くのかと感じていたが、その中でもシフトダウンをして浪費を見直している人々が居ることに感心をした。
右肩上がりの消費社会の現状をよく描いている。
右肩上がりの消費社会の現状をよく描いている。
2017年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
興味深い内容ではあるものの、読み難さ、論理の飛躍が気になり残念な感じです。
2020年1月1日に日本でレビュー済み
ソースティン・ヴェブレンの「有閑階級の理論」の現代版といったところかな。
それにしても、アメリカ人も日本人とソックリだね。
でもバブル時代を経験した分、日本人の方がアメリカ人よりも、ブランド品を追い求める虚しさに早く気がついていると思う。
それにしても、今の海外ブランド品のセンスの悪さは、成金セレブたちの好みに合わせているせいだろうが、あまりにも酷すぎると思う。
それにしても、アメリカ人も日本人とソックリだね。
でもバブル時代を経験した分、日本人の方がアメリカ人よりも、ブランド品を追い求める虚しさに早く気がついていると思う。
それにしても、今の海外ブランド品のセンスの悪さは、成金セレブたちの好みに合わせているせいだろうが、あまりにも酷すぎると思う。
2014年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白いのだが、後半「ダウンシフター」のあたりで何やら近くにいる「そういう人たち」を思いだしてしまい、かなり「引く」はめに。
ものを大切に、とか浪費はやめようとか当たり前なのだが、大体自分のしていることは正しい、良いことだと思うひとって
結構他人は冷たかったりする実例を見ることが多いせいか。ばかすか浪費するか消費を最小限にするかって極端すぎでしょう。
ものを大切に、とか浪費はやめようとか当たり前なのだが、大体自分のしていることは正しい、良いことだと思うひとって
結構他人は冷たかったりする実例を見ることが多いせいか。ばかすか浪費するか消費を最小限にするかって極端すぎでしょう。