『言海』は、欧米流の文法理論に基づき、言葉の発音・品詞・語源・語釈・出典の5点を明らかにする趣旨で、国語学者・大槻文彦がほとんど独力で完成させた初めての近代的国語辞典として名高いが、現代の国語辞典の常識からするとかなり戸惑う点がある。
①『言海』は、言葉を「いろは」順ではなく、五十音順に配列しているが、現在の「い」で始まる語は、ア行の「い」とワ行の「ゐ」に分けて表記されており、同様に、「え」で始まる語は、ア行の「え」とワ行の「ゑ」に分けて表記されている。つまり、『言海』は、古語辞典と同じように歴史的仮名遣で配列されており、「井戸」ならワ行の「ゐど」で、「笑顔」ならワ行の「ゑがほ」で引く必要がある。当然、ハ行にも注意が必要で、「家」は「いへ」で引くことになる。
②『言海』が出版された明治19年(1886年)当時は、平仮名の字体がまだ統一されておらず、さまざまな変体仮名が使用されていた時代だった。『言海』の場合は、「こ」には「古」を崩した変体仮名、「し」には「志」を崩した変体仮名が使用されていて、「に」には「尓」の変体仮名もよく使用されている。また、本文のほとんどのページで、「こと(事)」の代わりに合略仮名の「ヿ」が使用されている。つまり、『言海』の歴史的仮名遣は、現代の一般的な歴史的仮名遣とは異なっている。
③使用される漢字はすべて旧字なので、「五十音図」が「五十音圖」、「体言」が「體言」、「発声」が「發聲」と表記されるなど、旧字を知らないと、まったく別の漢字かと誤解しかねないし、まず文章がきちんと読めない。
④本文庫は、縮刷版『言海』を写真で撮って製版したもの。原本には印字が鮮明な『言海』を選んだとのことだが、原本と同サイズという活字が異常に小さく、しかもカスレている。濁点は潰れていたり、その有無が見分けにくい。とにかく、虫眼鏡が必要なくらい活字が読みにくい。
以上のことを考慮すると、本書を購入する際は、なるべく書店で現物を確かめることをお勧めする。本書は歴史的書物の復刻版なので、明治時代の活版印刷に慣れていないと、相当のストレスが予想される。内容的にも、あの「新解さん」のような面白さを期待すると、おそらくアテが外れる。ようするに、だれもが気軽に読めて、面白い書物ではない。では、そういうレビュアーは本音でどう思っているのかと問われれば、語源に関心を持つ者にとって『言海』は必読書なので、語源マニアの端くれとして、②と④が気にならないことはないが、本書を愛用し続けるだろうと思う。いやそういう前に、まず、この仰天するようなボリュームを見ただけで、大槻先生、凄まじい方だなあ、と心から恐れ入ってしまう。
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言海 Kindle版
日本最初の近代的国語辞典『言海』!
大槻文彦(1847-1928)によってはじめてつくられた近代的国語辞典。国の仕事として作りあげられたが、予算の問題で出版されず、大槻文彦が私費で明治22年-24年(1889-1891)にかけて発行し、その後の人生をかけて増補修訂した。明治中期につくられただけあって、語彙的には近世語を豊富に含んでおり近世語辞典としても使える。それまで室町時代に成立し、江戸時代に大幅に増補された節用集が国語辞典のような用を足していたが、漢字の熟語を中心にいろは順部門別にならべられていた。はじめてあいうえお順にならべ、難しい言葉を引く字引ではなく日常語・方言などを採録したところに真価がある。さらに英語など西洋語の文法を下敷にして日本語の文法を作りあげた。
序の西村茂樹(1828-1902)は大槻文彦に国語辞典の編纂を命じた上官。
明治22-24年(1889-1891)刊の国会図書館所蔵本の画像を加工して電子書籍化
国会図書館デジタルコレクション
第一冊 扉
序 西村茂樹
本書編纂ノ大意 大槻文彦
語法指南 (日本文典摘録)
- 假名音
- 言語
- 名詞 (體言)
- 代名詞
- 數詞
- 第一表 動詞ノ語尾變化法
- 第一表ノ説明
- 動詞 (用言、作用言、活語)
- 規則動詞、不規則動詞
- 動詞ノ法
- 洋語の動詞との比較
- 從來ノ活用
- 第二表 形容詞ノ語尾變化法
- 形容詞 (形狀言)
- 法
- 語根
- 從來ノ語學 英語ノAdjective
- 第三表 助動詞ノ變化
- 前表ノ外ニ、助動詞ニ似タルモノ
- 第四表 動詞ト助動詞トノ連續
- 第四表ノ説明
- 第五表 助動詞ト助動詞トノ連續
- 助動詞
- 使役 受身
- 敬語
- 能力 指定
- 打消
- 過去
- 未来
- 推量
- 詠歎 希望
- 比况
- 副詞
- 用法
- 接續詞
- 天爾遠波
- 第一類 名詞ニ屬クモノ
- 第二類 種種ニ屬クモノ
- 第三類 動詞ノ天爾波
- 洋語トノ比較
- 感動詞 (詠歎)
- 枕詞
- 接頭語 發語
- 接尾語
凡例
- (1-4)
- (5-8)
- (9-13)
- (14-18
- (19-21)
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- (38-39)
- (40-42)
- (43-44)
- (45-47)
- (48-52)
- (53-55)
索引指南
あ (各ページの最初の見出し語を目次化)
- あ
- あいれん
- あかがさ
- あかずな
- あかはぢ
- あからがほ
- あきうど
- あく
- あくひつ
- あげどうふ
- あこぎ
- あさくらざんせう
- あさはかに
- あし
- あした
- アシユラだう
- あせみづ
- あたふ
- あぢはふ
- あつし
- あつらふ
- あとおさへ
- あなぐる
- あはうばらひ
- あはれ
- アビぢごく
- あぶ
- あぶみずり
- あぶらむし
- あま
- あまくにのはうけん
- あまづら
- あまびる
- あみすき
- アンアイしよ
- アンなしまんぢゆう
- あめのした
- あやふし
- あらあら
- あらしこ
- あらひはり
- ありあけ
- ありふ
- あわもりさう
- あをがへる
- あをだけ
い
- い
- いうじん
- いかいこと
- いかなごしやうゆ
- いかる
- いきつく
- いく
- いけどる
- いささ
- いし
- いしたたき
- いしむ
- いすぶる
- いそな
- いたし
- いたづらね
- いたむ
- いちくらずみ
- いちだん
- いちび
- いぢらし
- いつかく
- いづこ
- いつすゐ
- いつとう
- いでく
- いとけし
- いとほしむ
- いななく
- いぬかひ
- いぬひばり
- いはき
- いはふぢ
- いひかたむ
- いひつぐ
- いふ
- いへなみ
- いほり
- いまみや
- いんきやう
- いんとん
- いもがほ
- いよかづら
- いらめく
- いりなべ
- いれひも
- いろじろ
う
- う
- うがは
- うきくさ
- うぐいすがひ
- うけとる
- うさぎうま
- うしのち
- うしろむき
- うすのみ
- うだい
- うたびと
- いぢうぢ
- うちつく
- うちまく
- うつ
- うづだいこん
- うづみび
- うづわがつを
- うとむ
- うなゐばなり
- うはかは
- うばふ
- うぶや
- うまけむり
- うまふせぎ
- うみすひいし
- うん
- うめ
- うら
- うらはみ
- うりざね
- うるしのき
- うれへ
え
- え
- えいご
- えうす
- えだ
- えに
- えびすぶな
- えんかく
- エンブ
お
- お
- おいらかに
- おきざより
- おきやがりこぼし
- おくふかし
- おこす
- おしあつ
- おしひろぐ
- おそまき
- おちばいろ
- おと
- おとづき
- おなじく
- おにぼし
- おびえ
- おひばら
- おほいきみ
- おほきに
- おほす
- おほとのごもる
- おほま
- おほやしま
- おん
- おめいかう
- おもと
- おもひつむ
- おもやく
- オランダさう
第二冊
か
(以下長大なので省略)
言海採収語 類別表
ことばのうみ の おくがき
正誤表
奥付
大槻文彦(1847-1928)によってはじめてつくられた近代的国語辞典。国の仕事として作りあげられたが、予算の問題で出版されず、大槻文彦が私費で明治22年-24年(1889-1891)にかけて発行し、その後の人生をかけて増補修訂した。明治中期につくられただけあって、語彙的には近世語を豊富に含んでおり近世語辞典としても使える。それまで室町時代に成立し、江戸時代に大幅に増補された節用集が国語辞典のような用を足していたが、漢字の熟語を中心にいろは順部門別にならべられていた。はじめてあいうえお順にならべ、難しい言葉を引く字引ではなく日常語・方言などを採録したところに真価がある。さらに英語など西洋語の文法を下敷にして日本語の文法を作りあげた。
序の西村茂樹(1828-1902)は大槻文彦に国語辞典の編纂を命じた上官。
明治22-24年(1889-1891)刊の国会図書館所蔵本の画像を加工して電子書籍化
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第一冊 扉
序 西村茂樹
本書編纂ノ大意 大槻文彦
語法指南 (日本文典摘録)
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- 代名詞
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- 助動詞
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- 比况
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- あらしこ
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- ありあけ
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- いしたたき
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- いそな
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- いひかたむ
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う
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- えびすぶな
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- おほいきみ
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第二冊
か
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言海採収語 類別表
ことばのうみ の おくがき
正誤表
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- 言語日本語
- 発売日2016/11/2
- ファイルサイズ923887 KB
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商品の説明
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大槻/文彦
弘化4年(1847年)江戸生れ。蘭学者・大槻玄沢の孫。大学南校(東京大学の前身)に学び、文部省に勤める。17年を費やして『言海』を完成させた。宮城県尋常中学校(県立仙台一高の前身)校長、国語調査委員などを歴任。文学博士、帝国学士院会員。昭和3年(1928年)、『大言海』編纂中に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
弘化4年(1847年)江戸生れ。蘭学者・大槻玄沢の孫。大学南校(東京大学の前身)に学び、文部省に勤める。17年を費やして『言海』を完成させた。宮城県尋常中学校(県立仙台一高の前身)校長、国語調査委員などを歴任。文学博士、帝国学士院会員。昭和3年(1928年)、『大言海』編纂中に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
近代的なスタイルの国語辞典の第1号『言海』は、「読める辞書」としても絶大なる人気を誇ってきた。語釈には「堂々めぐり」がほとんどなく、意味の本質に迫るキリッとした名文づくし。とりわけ動物・植物・鉱物などの語釈がシブい。ユーモアすら漂う。明治時代の俗語もまじり、方言などの注記もある。用例も豊富で、古典のアンソロジーのような一面も。巻頭の「語法指南」は日本最初の近代的な文法書として愛用された。明治のことばの辞典として、また古語辞典としても役に立つ。国語辞典として使うための詳しい解説つき。縮刷版(明治37年)の内容をそのままの大きさで覆製。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B01MG8ZA5S
- 出版社 : 君見ずや出版 (2016/11/2)
- 発売日 : 2016/11/2
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 923887 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効になっていません。
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : 有効になっていません
- 本の長さ : 1266ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 60,099位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 16位国語辞典 (Kindleストア)
- - 45位日本語の語源・歴史・方言
- - 94位国語辞典 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あの図書館にしか行かないと見ることのできない「言海」を格安で、かついつでも手元で見られるようになったことは感激です。
本当は検索ができるともっとうれしいですが、画面をスクロールしながら「読む」楽しみを感じています。感謝です。
本当は検索ができるともっとうれしいですが、画面をスクロールしながら「読む」楽しみを感じています。感謝です。
2018年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
貴重な資料がKindle版で入手できるのはありがたいですが、検索性が悪いですね。
真面目にユーザビリティを考えればもうちょっと何とかなるはずなので残念。
真面目にユーザビリティを考えればもうちょっと何とかなるはずなので残念。
2021年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
解像度が低いスキャン画像なので実用性はないけれど、実物の雰囲気は確認できる。辞書として使うとか、頭から全部読むつもりなら苦痛。
この値段だし多くは望めないかなあ。
持っていることに意味があると考えるべきか。
この値段だし多くは望めないかなあ。
持っていることに意味があると考えるべきか。
2020年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
期待以上
2023年12月4日に日本でレビュー済み
底本の状態が良くないせいか活字が不鮮明で読むのに苦労します。高画質のものが国立国会図書館デジタルコレクションで公開されていますので、必要な方はそちらを参照してみてください。
2018年5月27日に日本でレビュー済み
今の辞書と比較すれば記述が偏っていたり不十分だったりするのは致し方ないところ。
ただ、なかなか現代の辞書では目にしない面白い記述もある。
例、『ねこ』の記述。
ねこ(名)猫〔ねこまノ下略、寝高麗ノ義ナドニテ、韓國渡來ノモノカ、上略シテこまトモイヒシガ如シ、或云、寝子ノ義、まハ助語ナリト、或ハ如虎(ニョコ)ノ音轉ナドイフハ、アラジ〕古ク、ネコマ。人家ニ畜フ小キ獸、人ノ知ル所ナリ、温柔ニシテ馴レ易ク、又能ク鼠ヲ捕フレバ畜フ、然レドモ、竊盗ノ性アリ、形、虎ニ似テ、二尺ニ足ラズ、性、睡リヲ好ミ、寒ヲ畏ル、毛色、白、黒、黃、駁等種種ナリ、其睛、朝ハ圓ク、次第ニ縮ミテ、正午ハ針ノ如ク、午後復タ次第ニヒロガリテ、晩ハ再ビ玉ノ如シ、陰處ニテハ常ニ圓シ、
ただ、なかなか現代の辞書では目にしない面白い記述もある。
例、『ねこ』の記述。
ねこ(名)猫〔ねこまノ下略、寝高麗ノ義ナドニテ、韓國渡來ノモノカ、上略シテこまトモイヒシガ如シ、或云、寝子ノ義、まハ助語ナリト、或ハ如虎(ニョコ)ノ音轉ナドイフハ、アラジ〕古ク、ネコマ。人家ニ畜フ小キ獸、人ノ知ル所ナリ、温柔ニシテ馴レ易ク、又能ク鼠ヲ捕フレバ畜フ、然レドモ、竊盗ノ性アリ、形、虎ニ似テ、二尺ニ足ラズ、性、睡リヲ好ミ、寒ヲ畏ル、毛色、白、黒、黃、駁等種種ナリ、其睛、朝ハ圓ク、次第ニ縮ミテ、正午ハ針ノ如ク、午後復タ次第ニヒロガリテ、晩ハ再ビ玉ノ如シ、陰處ニテハ常ニ圓シ、
2016年12月28日に日本でレビュー済み
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以前から気になっている本でした。
大槻文彦と言う人間が一人で仕上げた辞書。
執筆年が年ですから、当然少々前の時代の文章を読み解く知識も必要ですが、「辞書は時代と共に進化する」と言う言葉もあるように、この言海もその時代に見合った捉われ方をした言葉を収めており、辞書と言う感じではなく、その時代を感じる書物として楽しめます。
そしてこの本は、辞書として、ではなく大槻文彦の生き様を感じることができる自伝の様な本だと思います。
大槻文彦と言う人間が一人で仕上げた辞書。
執筆年が年ですから、当然少々前の時代の文章を読み解く知識も必要ですが、「辞書は時代と共に進化する」と言う言葉もあるように、この言海もその時代に見合った捉われ方をした言葉を収めており、辞書と言う感じではなく、その時代を感じる書物として楽しめます。
そしてこの本は、辞書として、ではなく大槻文彦の生き様を感じることができる自伝の様な本だと思います。