不幸な少女時代を経てせっかく都会でまずまずの暮らしをしていたのに、結婚への社会的圧力に身を委ねたために農場で破滅に向かう白人女性の描写がリアル。怖いけれども読むのを止められない。このあたりはエンターテイメントとして十分楽しめる。
この小説は女と男、白人と黒人の対立、葛藤が主なテーマだが、もっと大きなテーマとして、都市と田園、自然と人間という対立、葛藤が描かれている。著者は一方を持ち上げて他方をけなすということはせず、厳格な態度で公平に描いている。
ただ、黒人が白人女性を殺害する過程はよく理解出来なかった。この点が残念。

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草は歌っている 単行本 – 2007/12/1
- 本の長さ227ページ
- 言語日本語
- 出版社晶文社
- 発売日2007/12/1
- ISBN-104794967209
- ISBN-13978-4794967206
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登録情報
- 出版社 : 晶文社 (2007/12/1)
- 発売日 : 2007/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 227ページ
- ISBN-10 : 4794967209
- ISBN-13 : 978-4794967206
- Amazon 売れ筋ランキング: - 726,139位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2014年3月16日に日本でレビュー済み
アフリカに住む白人夫婦。その妻メアリが使用人であるアフリカの男に撲殺された。メアリの生い立ちから殺されるまでを描く。
殺した男は絞首刑になることを承知で殺した。救いのない物語だ。レッシングは登場人物の誰にも情をかけない。肩入れをしない。この厳しく乾いた視線は、彼女の作品全部に共通している。ネコのエッセイを書いたときも、同じ態度でネコたちを見つめた。それは、無情、非情かというと正反対だ。救いのない暗いヒトたちの描写と、アフリカの大地の圧倒的な力を感じさせる描写が続く。読了したとき、アフリカの人たち、アフリカの大地、白人と呼ばれる文明の開けた土地から入ってきた人たち、すべてへの愛が、作品全体を覆っていることを知る。文明が進んでいるから上位に立つのが当然だ、と考える白人たちの鈍感さと無知に対する哀れみが読者の胸に芽生える。
殺した男は絞首刑になることを承知で殺した。救いのない物語だ。レッシングは登場人物の誰にも情をかけない。肩入れをしない。この厳しく乾いた視線は、彼女の作品全部に共通している。ネコのエッセイを書いたときも、同じ態度でネコたちを見つめた。それは、無情、非情かというと正反対だ。救いのない暗いヒトたちの描写と、アフリカの大地の圧倒的な力を感じさせる描写が続く。読了したとき、アフリカの人たち、アフリカの大地、白人と呼ばれる文明の開けた土地から入ってきた人たち、すべてへの愛が、作品全体を覆っていることを知る。文明が進んでいるから上位に立つのが当然だ、と考える白人たちの鈍感さと無知に対する哀れみが読者の胸に芽生える。