2019年のアイルランドでのNO'1ベストセラーとのことだが、中身を紐解くと、これがベストセラーであることに納得し、かつこの本がベストセラーであるアイルランドの国民性が素晴らしいと思えた。
「現代はかつてないほど、人々が操られやすい時代」
と帯に書かれているが、実際にインターネット、SNSで感じ始めていたそのことに、この本を読んで更に危機感を高めた。
人は自分の信じたいことを信じる。
そして、自分の信じたことを否定されることに脅威を覚え、攻撃を加えることもある。
これは日本でも多くあることだと思う。
その認知のゆがみがどのような問題、時には悲劇を生むかが様々な例で紹介されている。
現在、コロナウイルスによって全世界が様々な危機に晒されているが、この件については日本でも多くのデマが飛び交った。
流行初期は、「コロナウイルスは〜〜をすると無効化できる」などといった文面がSNSで飛び交い、また「コロナウイルスの影響でトイレットペーパーが品薄になる」といったデマにより、各所でトイレットペーパーが品切れとなり、物流に負担をかけた。
つい先日も、これはSNSで見かけたことであるが、LINE上でコロナについてのデマ情報が、PTAの付き合いのある父兄から親切心で回ってきて困った、という話を読んだばかりである。これについては、その情報を回してきた人は、あくまでも「親切心」で回してきたからたちが悪いと書かれており、これには深く考えるところがあった。
この親切心というのはなかなかに難しい。
本来は、怪しいと思ったらまず自分で情報を精査し、もしくは自分の知識が足りなければ、反射的に他者にこんな話があると伝えるのではなく、その件についての情報源がどこであるか、根拠は何であるか等を探す、もしくは信頼できる情報を扱う箇所からの発表を待つなどの対処が必要である。
それができていないのは、まさに「操られている」と言えるだろう。
中に使われる用語がなかなかに難しく(ただし、用語は使われるとすぐにどんなことか解説があるので、わかりやすい)、こういう文章をあまり読むことがない人にはとっつきにくい印象を持つかと思う。
厚い本であるので、私も読むのになかなかの時間を有した。
しかし、自分が操られないように、懐疑的になるようにと改めて意識をただすこともできたし、純粋に内容が面白い。
大変に面白いので、日本でもベストセラーになるほどに多くの人が読んでくれたらいいのに……と思った。
ただし、残念なことに今の日本は給与が全くあがらず、経済が停滞、悪化の一途をたどっており、経済的な余裕が少ない人が多いことから、読書を行うということが「高級な趣味」となっているきらいがある。
だからこそ、この本を読んで欲しいと思うのだが……。
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まどわされない思考 非論理的な社会を批判的思考で生き抜くために The Irrational Ape (角川書店単行本) Kindle版
人間を他の動物と分けるものは、「思考力」だ。何が正しく、何が嘘かを見抜き、判断を下す。──はずなのだが、実際は人間は情報を読み間違い、だまされ、偏見や無知によって、誤った判断を下しがちだ。
なぜこのようなことが起こるのか?
物理学者でガン研究者、科学ジャーナリストとして、あらゆる種類の間違った判断を見てきた著者が、旧ソ連から中国、アメリカ、オーストラリア、イギリス、アフリカなど全世界の実例を挙げながら、まどわされずに思考するために何に気をつければいいのかを説く。
読むうちに、頭がクリアになり、世界がくっきり見えてくる。
なぜこのようなことが起こるのか?
物理学者でガン研究者、科学ジャーナリストとして、あらゆる種類の間違った判断を見てきた著者が、旧ソ連から中国、アメリカ、オーストラリア、イギリス、アフリカなど全世界の実例を挙げながら、まどわされずに思考するために何に気をつければいいのかを説く。
読むうちに、頭がクリアになり、世界がくっきり見えてくる。
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2020/3/28
- ファイルサイズ9705 KB
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- CRITICAL THINKING AS A SYSTEM: クリティカルシンキング:思考のシステム (PATHWEAVE TOOLKIT)岡津守男 / 佐藤仁美 / 内藤博之 / 二ノ方文 / 吉田直哉 / 矢田昇平Kindle版
商品の説明
著者について
●デヴィッド・ロバート・グライムス:物理学者、ガン研究者、科学ジャーナリスト。1985年ダブリン生まれ。オックスフォード大学とクイーンズ大学ベルファストにて研究を行う。イギリスにおけるガン研究の成果によってダブリン市立大学に表彰される。BBCに科学パネリストとして出演中。
登録情報
- ASIN : B086D1CNWD
- 出版社 : KADOKAWA (2020/3/28)
- 発売日 : 2020/3/28
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 9705 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 487ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 149,589位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 4,053位社会学概論
- - 4,824位社会学 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
誤謬には、
形式誤謬、非形式誤謬があり、主にプロパガンダ等に使用される。
本書では、それらの多くの事例を扱っており、
批判的な思考というフィルターを通し、
論証の誤謬を理解し、その妥当性について改めて再考した後、破綻箇所を特定する。
大切なことは、
自分の考えをできるだけ公正かつ客観的に検証し、
絶対に正しいと感情的に守ろうとする本能を克服すること、
そして自分に対して質問責めすること ( 著者あとがき )
( 確証バイアス考慮 )
であり、個人的にもそう思うのだが、
環境等に影響も受ける為、それも考慮に入れた姿勢が必要であり、
批判に対して好奇心を持ちながら、謙虚に学ぶ姿勢を続けていきたいと、
本書を読み、改めて考えるようになった。
----------------------------------------------------------------------------------------
【memo】
Critical フィルター
1 前提問題の特定と疑問視の質問
( そもそもの大前提の問題は? )
( その定義は? )
2 反証可能性と検証が可能な主張の網羅的なエビデンスの確認の質問
( 根拠はありますか?具体的に、類似例は?その根拠は?)
3 それらの根拠に対する立証の確認の質問
( 他の視点でも立証できるでしょうか? )
( メタ分析、ランダム化比較試験の実験、偏りを考慮に入れていますか? )
※ 誤謬の認識 ( バイアスや視野狭窄 )
( 誰が得をしているのか?利害関係を疑う )
・論証プロセスの妥当性欠如、破綻箇所の特定
・推論、前提のそもそもの問題提起の破綻、妥当性欠如
・因果の誤謬 ( 非形式誤謬 )
・ダニングクルーガー効果 ( 自分の高く見積もる根拠のない確証バイアス )
・統計を使った誤謬
・プロパガンダ、エコーチャンバー効果 ( プロパガンダ波及 )、 ゼロサムゲーム
-- メタアナリシス wikipedia --
複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。
メタ分析、メタ解析とも言う。
ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療 (EBM) において、
最も質の高い根拠とされる。
メタアナリシスという言葉は、
情報の収集から吟味解析までのシステマティック・レビューと同様に用いられることがある。
厳密に区別する場合、メタアナリシスはデータ解析の部分を指す。
また、メタアナリシスとシステマティックレビューをまとめて、
リサーチ・シンセシスとも言う。
形式誤謬、非形式誤謬があり、主にプロパガンダ等に使用される。
本書では、それらの多くの事例を扱っており、
批判的な思考というフィルターを通し、
論証の誤謬を理解し、その妥当性について改めて再考した後、破綻箇所を特定する。
大切なことは、
自分の考えをできるだけ公正かつ客観的に検証し、
絶対に正しいと感情的に守ろうとする本能を克服すること、
そして自分に対して質問責めすること ( 著者あとがき )
( 確証バイアス考慮 )
であり、個人的にもそう思うのだが、
環境等に影響も受ける為、それも考慮に入れた姿勢が必要であり、
批判に対して好奇心を持ちながら、謙虚に学ぶ姿勢を続けていきたいと、
本書を読み、改めて考えるようになった。
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【memo】
Critical フィルター
1 前提問題の特定と疑問視の質問
( そもそもの大前提の問題は? )
( その定義は? )
2 反証可能性と検証が可能な主張の網羅的なエビデンスの確認の質問
( 根拠はありますか?具体的に、類似例は?その根拠は?)
3 それらの根拠に対する立証の確認の質問
( 他の視点でも立証できるでしょうか? )
( メタ分析、ランダム化比較試験の実験、偏りを考慮に入れていますか? )
※ 誤謬の認識 ( バイアスや視野狭窄 )
( 誰が得をしているのか?利害関係を疑う )
・論証プロセスの妥当性欠如、破綻箇所の特定
・推論、前提のそもそもの問題提起の破綻、妥当性欠如
・因果の誤謬 ( 非形式誤謬 )
・ダニングクルーガー効果 ( 自分の高く見積もる根拠のない確証バイアス )
・統計を使った誤謬
・プロパガンダ、エコーチャンバー効果 ( プロパガンダ波及 )、 ゼロサムゲーム
-- メタアナリシス wikipedia --
複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。
メタ分析、メタ解析とも言う。
ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療 (EBM) において、
最も質の高い根拠とされる。
メタアナリシスという言葉は、
情報の収集から吟味解析までのシステマティック・レビューと同様に用いられることがある。
厳密に区別する場合、メタアナリシスはデータ解析の部分を指す。
また、メタアナリシスとシステマティックレビューをまとめて、
リサーチ・シンセシスとも言う。
2023年5月7日に日本でレビュー済み
『まどわされない思考』は、デヴィッド・ロバート・グライムスとハンナ・フライドマンによる著作である。本書は、社会に存在する非論理的な思考や誤解に対して批判的思考を養い、より正確かつ客観的な視点を持つことを目的としている。
本書は、さまざまな分野において私たちを誤解や偽情報に導く非論理的な思考のパターンを分析し、それに対する解決策を提供している。著者たちは、読者に対して科学的方法や統計学を用いて正確な情報を収集し、批判的思考を用いて情報を解釈することの重要性を説いている。
また、本書は、社会的に浸透している誤解や思い込みについても踏み込んで考察している。例えば、過剰な自己肯定感や信念の強さによって、人々が間違った情報を信じ込んでしまうといった問題について、著者たちは詳しく取り上げている。
本書は、批判的思考について深く考えたい人にとって、非常に役立つ一冊である。また、本書はわかりやすく、分かりにくいテクニカルな用語や概念も解説しているため、初心者にもオススメできる一冊である。
本書は、さまざまな分野において私たちを誤解や偽情報に導く非論理的な思考のパターンを分析し、それに対する解決策を提供している。著者たちは、読者に対して科学的方法や統計学を用いて正確な情報を収集し、批判的思考を用いて情報を解釈することの重要性を説いている。
また、本書は、社会的に浸透している誤解や思い込みについても踏み込んで考察している。例えば、過剰な自己肯定感や信念の強さによって、人々が間違った情報を信じ込んでしまうといった問題について、著者たちは詳しく取り上げている。
本書は、批判的思考について深く考えたい人にとって、非常に役立つ一冊である。また、本書はわかりやすく、分かりにくいテクニカルな用語や概念も解説しているため、初心者にもオススメできる一冊である。
2022年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人は固定観念が強い動物でありますが、少し物の見方が変わったような気がする。
2020年6月15日に日本でレビュー済み
今、社会はさまざまな情報で溢れている。
SNSの普及により誰もが発信源となりうる。
それゆえ、情報の中には根拠のないもの、誤ったものなど
迂闊に信じるとよくないものもある。
人間は自分の好きなもの、都合のいいものだけを見聞きし、
嫌いなもの、都合の悪いものには気づかないふりをしたり、
或いは攻撃的に否定しようとすることもある。
地動説を誤った学説としたり、
思い込みや正しくない捜査手法により犯罪者扱いされる人が出たり、
根拠のない「〇〇療法」を信じ健康を損ねる人がいたり。
人類は長い歴史の中で、誤った思考により数々の問題を起こし、
惑わされる人を生み続けてきた。
災害時に発生しがちなデマも然りである。
今日においても、新型コロナウイルス対策として、
多くのデマが世界中で発生したところである。
本書では、欺瞞に満ちた情報、不確かな情報に惑わされないために
どのような考え方をすればよいか、数々の事例を交えて解説している。
誤った情報、思想などに振り回されないために、
また自分自身が他者を不幸に貶めてしまわないために、
注意すべき勘所を身につけたい人に読んでいただきたい。
SNSの普及により誰もが発信源となりうる。
それゆえ、情報の中には根拠のないもの、誤ったものなど
迂闊に信じるとよくないものもある。
人間は自分の好きなもの、都合のいいものだけを見聞きし、
嫌いなもの、都合の悪いものには気づかないふりをしたり、
或いは攻撃的に否定しようとすることもある。
地動説を誤った学説としたり、
思い込みや正しくない捜査手法により犯罪者扱いされる人が出たり、
根拠のない「〇〇療法」を信じ健康を損ねる人がいたり。
人類は長い歴史の中で、誤った思考により数々の問題を起こし、
惑わされる人を生み続けてきた。
災害時に発生しがちなデマも然りである。
今日においても、新型コロナウイルス対策として、
多くのデマが世界中で発生したところである。
本書では、欺瞞に満ちた情報、不確かな情報に惑わされないために
どのような考え方をすればよいか、数々の事例を交えて解説している。
誤った情報、思想などに振り回されないために、
また自分自身が他者を不幸に貶めてしまわないために、
注意すべき勘所を身につけたい人に読んでいただきたい。
2021年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全体を通して考え方に役立つと思うが、トランプ前大統領をひどく非難している点とロシアのプロパガンダについて述べて、チャイナについて何もない。偏向していないか?
2020年7月11日に日本でレビュー済み
色々 SNS や テレビ などで話題になったり
まことしやかに 考え方を 誘導する作為が沢山ある世界で
自分の考えを 「ちょっとまてよ」 と一時停止して
再考できる 訓練になる本。
ダーウィンの進化論が 歪曲された歴史や
それを潰そうとした 大御所 の話しや
かといって 盲目的 に 聖典 を信じてしまう怖さ。
そんな事も書いてあって、
ちょっと 西洋哲学を 知らないと難しいかも知れないけれど
スラスラと読めます。
まことしやかに 考え方を 誘導する作為が沢山ある世界で
自分の考えを 「ちょっとまてよ」 と一時停止して
再考できる 訓練になる本。
ダーウィンの進化論が 歪曲された歴史や
それを潰そうとした 大御所 の話しや
かといって 盲目的 に 聖典 を信じてしまう怖さ。
そんな事も書いてあって、
ちょっと 西洋哲学を 知らないと難しいかも知れないけれど
スラスラと読めます。
2020年6月22日に日本でレビュー済み
間違えないようにしたいのは、
全てに逆説を唱え批判的になるのではなく、
本質を見極めようとする目を持つ事だと思いました。
数多ある情報や研究に対する結論でも、
どういった根拠の上で語られ展開されているのか、
何を目的としているのか、よく理解する事が大切で、
決して早合点したり鵜呑みにしないよう努めたい所です。
利益目当ての偏向的な情報に踊らされ、薄っぺらい知識と歪んだ正義感で、
ステレオタイプな価値観を暴力的に押し付けるご年配の方々を目にするたび、
こういった中身のない上っ面で生きる低能人間にはならないようにしたいなと、
心に誓う内容でした。
全てに逆説を唱え批判的になるのではなく、
本質を見極めようとする目を持つ事だと思いました。
数多ある情報や研究に対する結論でも、
どういった根拠の上で語られ展開されているのか、
何を目的としているのか、よく理解する事が大切で、
決して早合点したり鵜呑みにしないよう努めたい所です。
利益目当ての偏向的な情報に踊らされ、薄っぺらい知識と歪んだ正義感で、
ステレオタイプな価値観を暴力的に押し付けるご年配の方々を目にするたび、
こういった中身のない上っ面で生きる低能人間にはならないようにしたいなと、
心に誓う内容でした。