「『大本営発表』に馴れた感性こそ、『真相箱』や『太平洋戦争史』を受け入れる理由であった。」(本書より)
戦時中から日本人は、軍部の情報統制された「大本営発表」に親しんで来たせいもあって、戦後のGHQによる占領政策の中の一部である、宣伝・教育・啓蒙・洗脳工作に簡単に載せられ受け入れて来ました。依る場を無くされて、米国に盲従する「羊」にされて来ました。
GHQの「太平洋戦争史」の新聞連載と、同じくNHKラジオの宣伝番組「真相はかうだ」、「真相箱」の放送の押しつけにより、また日本人は日本の新聞やラジオの言っている事であると言う事で安心してしまい、騙され思い込まされてしまいました。米国のキャンペーンやプロパガンダを流し、世論操作し、米国の作った歴史観を植え付け、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」により、日本人に戦時中の戦争の罪悪感を植え付けました。そして「アメリカン・デモクラシー」をも植え付けました。
「真相はかうだ」は、昭和20年(1945年)12月9日に始まり、途中で「真相箱」と形を変えながら、昭和23年(1948年)1月まで放送されました。再放送を含めると、その期間中ほぼ毎日放送されました。本書はその「真相箱」について検証しています。
そのGHQが台本を創作した「真相箱」の中から、「東条(英機元首相)という人に責任を押し付けるというシナリオ」や、「(海軍に責任が無く)『陸軍に責任あり』のシナリオ」等を引き出しています。
GHQの中のGS(民政局)が「非軍事化・民主化」の二大政策を掲げ、同じくCIE(民間情報教育局)が、教育改革、思想改革、そしてマスコミ対策等を担当しました。そしてその教育改革により、日本人の愛国心を骨抜きにしてしまいました。NHKが当時GHQに直接管理され、それから現在に至るまで、「自主規制」も含めて、自主性を無くしてしまっている現実が在ります。この事は、新聞やテレビ等のマスコミ全体を通しても同じ事が起きています。
思想統制と言論の自由について、本書の「真相箱」を検証している所から、次に引用します。
「『彼の思想統制には四つのコツがあります。合併と、中央集権と、経済的圧迫と脅迫です。』というのだが、これは歴史上の暴力的権力機構をいうときに使われる手法である。言論の自由が保障されているかどうかを見るときには、私は以下の四つの条件を精査する必要があると思う。これはいつの時代にも変わらない。教育の統制化、情報の一元化、そして暴力的装置の発動、そして立法的措置、それに加えて生活権の侵害とそれによって社会に生きられないようにすること。ともかくこの四つが全部揃うと、人間というのは言論を発しなくなる。多くの人は自由な意見が言えない。この文章もまさにそういうことを言っている。」
現在の日本人は、長引くデフレ不況という事もあって、自信を無くしたり誇りを失ってしまっている人が多い様に思います。しかし、それに対しての言葉を、本書から引用します。
「日本の国家はどうなのかというと、この戦争において自分たちの国は軍事で負けたのであって、政治とか思想とか文化で負けたんじゃないという選択をすべきだったのだろう。」
日本の誇りを取り戻し、真に主権を回復して独立し、主体性のあるイデオロギーを持つ必要が有ると思います。
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日本解体―「真相箱」に見るアメリカGHQの洗脳工作 文庫 – 2004/9/29
保坂 正康
(著)
- 本の長さ283ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2004/9/29
- ISBN-104594047947
- ISBN-13978-4594047948
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登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2004/9/29)
- 発売日 : 2004/9/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 283ページ
- ISBN-10 : 4594047947
- ISBN-13 : 978-4594047948
- Amazon 売れ筋ランキング: - 688,926位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2013年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年10月19日に日本でレビュー済み
連合国GHQが作成するシナリオに基づいた番組が終戦直後の日本に放送されたという。戦時中に知らされなかった事実が次々と明らかになると、国民は衝撃を受け情報を信じていく。戦果を情報操作してきた日本だったが、いつのまにかその主役が連合国にかわっていくという、なんとも皮肉な話しである。「GHQ作成の情報操作書「真相箱」の呪縛を解く」とあわせて読むと、その実態がより明らかになっていくる。
2004年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
敗戦直後占領軍が日本国民向けに放送したラジオ番組である
「真相箱」の内容を解説した書である。
番組「真相箱」は、GHQ民間情報教育局のスタッフにより、太平洋
戦争の実態を一般国民向けに教育するという目的で製作され、その
内容は戦勝国の歴史観をつよく反映したものであった。
全体的に著者の解説は丁寧であり、このメディアキャンペーンにより、
占領軍がどのように日本国民の戦前の思考を解体し、戦勝国の歴史観を
浸透させていったのかがよく理解できる。
惜しむらくは保阪氏の他の著作に比べて内容がやや薄く、また調査不足と
思われる点が目につくところだ。
例えば、伊25号潜水艦搭載機による米本土空襲を風船爆弾と取り違えて
いたり、沖縄に出撃した義烈空挺隊(奥山隊長)やB29による東京湾への
機雷投下の事実を著者は知らないように思われる。
しかし上記の箇所以外は概ね的確な解説がなされており、戦後日本の原点と
なった占領政策の実態を理解するうえでも本書は貴重な文献であると思われる。
「真相箱」の内容を解説した書である。
番組「真相箱」は、GHQ民間情報教育局のスタッフにより、太平洋
戦争の実態を一般国民向けに教育するという目的で製作され、その
内容は戦勝国の歴史観をつよく反映したものであった。
全体的に著者の解説は丁寧であり、このメディアキャンペーンにより、
占領軍がどのように日本国民の戦前の思考を解体し、戦勝国の歴史観を
浸透させていったのかがよく理解できる。
惜しむらくは保阪氏の他の著作に比べて内容がやや薄く、また調査不足と
思われる点が目につくところだ。
例えば、伊25号潜水艦搭載機による米本土空襲を風船爆弾と取り違えて
いたり、沖縄に出撃した義烈空挺隊(奥山隊長)やB29による東京湾への
機雷投下の事実を著者は知らないように思われる。
しかし上記の箇所以外は概ね的確な解説がなされており、戦後日本の原点と
なった占領政策の実態を理解するうえでも本書は貴重な文献であると思われる。
2010年4月29日に日本でレビュー済み
著者もあとがきで「本書は短期間に作成したこともあって、説明不足の部分があるやとも懸念する」と認めているように、「その先はどうなっているのか」と思うような中途半端なところで終ってしまっているものが多く、残念であった。
同じテーマであれば江藤淳の「閉ざされた言語空間」(文春文庫94年)の方が充実しており読み応えがある。
とはいえ、もくじを見ると着眼点としては非常に興味のある項目(「日本国民の発想自体を解体せよ」「GHQの巧みな言論弾圧」「洗脳の手口」など)が多いので、今後内容を全面的にもっと掘り下げた改訂版を期待する。
同じテーマであれば江藤淳の「閉ざされた言語空間」(文春文庫94年)の方が充実しており読み応えがある。
とはいえ、もくじを見ると着眼点としては非常に興味のある項目(「日本国民の発想自体を解体せよ」「GHQの巧みな言論弾圧」「洗脳の手口」など)が多いので、今後内容を全面的にもっと掘り下げた改訂版を期待する。
2013年1月28日に日本でレビュー済み
「真相箱」とは、敗戦直後昭和20年の12月からラジオ放送された「真相はかうだ」(後に「真相箱」)として40回以上放送されたものの一部が書籍にまとめられたもの。これらはもちろん民間情報教育局(CIE)監修で、日本人の事情通も番組作りに協力したようだ。当然、これらはプレス/ラジオコードに則っていた。
昭和史中道派の保阪は、史実の細かい誤りを指摘するだけでなく、連合国に都合が悪いので書かれていないこと、そして脚本を書いた者の意図に迫る。
ラジオ放送に先立っては、新聞各紙に「太平洋戦争史」が連載された。
昭和20年(1945年)4月には既に「初期対日方針」準備されており、進駐後のマッカーサーにも通知された。
東京裁判が始まったのが昭和21年の6月。つまり、いわゆる「東京裁判史観」は予め日本国民に刷り込まれ準備は整っていたことになる。
開戦から半年のミッドウェー海戦で、日本軍は4艘の空母を失い、壊滅的な打撃を受けた。それを国民に隠し通した大本営。「知らしむなかれ、依らしむべし」の民衆蔑視は江戸時代からの伝統か。
GHQ(占領軍)はそれを逆手に取り、「悪いのは軍指導部で、日本国民は騙されていたのだ」と甘言を弄して真逆にプロパガンダで誘導、いや、洗脳する。
なるほど、マスコミは国民の戦意を煽って部数を伸ばしただろう。関東軍は「英霊に申し訳が立たない」を理由に出先で勝手な真似を繰り返し事後承諾させ、陸軍は政府の日中戦争不拡大方針を嘲笑い、軍の大臣を出さないことで都合の悪い内閣を流産させただろう。だからといって、アメリカのしたことが全て正しく、日本の軍部が全て間違っていたわけではない。
白か黒か、オール・オア・ナッシングの見方こそがおかしい、と保坂は力説する。
今も終わっていない「戦後」を規定し続ける占領期。
そこまで遡らないことには、戦後の総括はできない。
今でも手軽に入手できる類書、桜井よし子『真相箱の呪縛を解く』(小学館文庫)を読んだのはかなり前になる。こちらも近々再読する予定。
昭和史中道派の保阪は、史実の細かい誤りを指摘するだけでなく、連合国に都合が悪いので書かれていないこと、そして脚本を書いた者の意図に迫る。
ラジオ放送に先立っては、新聞各紙に「太平洋戦争史」が連載された。
昭和20年(1945年)4月には既に「初期対日方針」準備されており、進駐後のマッカーサーにも通知された。
東京裁判が始まったのが昭和21年の6月。つまり、いわゆる「東京裁判史観」は予め日本国民に刷り込まれ準備は整っていたことになる。
開戦から半年のミッドウェー海戦で、日本軍は4艘の空母を失い、壊滅的な打撃を受けた。それを国民に隠し通した大本営。「知らしむなかれ、依らしむべし」の民衆蔑視は江戸時代からの伝統か。
GHQ(占領軍)はそれを逆手に取り、「悪いのは軍指導部で、日本国民は騙されていたのだ」と甘言を弄して真逆にプロパガンダで誘導、いや、洗脳する。
なるほど、マスコミは国民の戦意を煽って部数を伸ばしただろう。関東軍は「英霊に申し訳が立たない」を理由に出先で勝手な真似を繰り返し事後承諾させ、陸軍は政府の日中戦争不拡大方針を嘲笑い、軍の大臣を出さないことで都合の悪い内閣を流産させただろう。だからといって、アメリカのしたことが全て正しく、日本の軍部が全て間違っていたわけではない。
白か黒か、オール・オア・ナッシングの見方こそがおかしい、と保坂は力説する。
今も終わっていない「戦後」を規定し続ける占領期。
そこまで遡らないことには、戦後の総括はできない。
今でも手軽に入手できる類書、桜井よし子『真相箱の呪縛を解く』(小学館文庫)を読んだのはかなり前になる。こちらも近々再読する予定。
2021年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
期待以上の素晴らしい商品です。私はこの本に感謝しております。