「咳をしても一人」――。
この句で知られる尾崎放哉は、種田山頭火と並ぶ
自由律俳句の代表的俳人です。エリート街道まっ
しぐらの人生を捨て、酒に溺れ、孤独と付き合い
ながら作品を世に送り出しました。昔も今も他人
から見ればダメ人間なんでしょうが、ユーモアの
ある作風は面白い。
この本は同じ出版社が刊行した『尾崎放哉文庫』
(全三巻)を基に句や書簡などを背景説明や解釈
なしにただただ掲載していいるものです。随所に
ほのぼの系のイラストも盛り込んだ、入門編とい
う体裁になっています。
とにかくネガティブな作品があまりに多い。その
悲惨さがすごすぎてむしろ笑ってしまう。
「墓地からもどつて来ても一人」「ねそべつて書
いて居る手紙を鶏に覗かれる」「豆を煮つめる自
分の一日だつた」「海を前に広げて朝から小便ば
かりして居る」「ていねいに読んで行く死亡広告」
……。
ただ、今のビジネスマンなども紙一重の人生を送
っている人は多いのではないでしょうか。「言ふ
事があまり多くてだまつて居る」(無意味な会議
なんかはまさにこれ)「にくい顔思ひ出し石ころ
をける」(今だとスマホを壁に投げつけるでしょ
うか)とか。「漬物桶に塩ふれと母は産んだか」
というのも知り合いに教えたい句です。
自由律俳句を学んでいる人などは物足りない、つ
まらない、と思う内容かもしれませんが、素人に
は余計な解釈・説明がないぶん、むしろ良かった
です。入門編としてはとっつきのいい紙面構成だ
と思います。
最近は「感情表現」をキーワードにした辞典形式
の本などが増えています。この句集も同じように
さまざまな作品・配布資料などで気の利いたタイ
トルやコピーを考える際の参考書としても使えそ
うです。ま、使う意欲があればですけど。
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こころザワつく放哉 コトバと俳句 単行本 – 2015/11/9
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自由律俳人・尾崎放哉(おざきほうさい)作品集、春陽堂編集部編。 「咳をしても一人」「入れものが無い両手で受ける」 「漬物桶に塩ふれと母は産んだか」 徹底した放浪と孤絶。俳人・尾崎放哉の境遇は、世間から見れば落伍者の烙印を押されるだろう。 エリートが転落し、落ちるところまで落ちていったその先の、生きざまから滴り落ちた言葉の一滴に、こころザワつくものがある。 俳句と一部随筆書簡を収録した作品集。イラスト:もろいくや 【目次】 俳句 一日もの云わず(須磨時代) 四十男妻なし(小浜時代・句稿) 迷ってきたまんま(小豆島時代) 随筆・書簡 遺したコトバ(随筆・書簡) 索引
- 本の長さ160ページ
- 言語日本語
- 出版社春陽堂書店
- 発売日2015/11/9
- ISBN-104394903254
- ISBN-13978-4394903253
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著者について
明治18年鳥取県に生まれる。短歌や俳句に親しみ、東京帝国大学法学部に入学する。卒業後、東洋生命保険株式会社に就職、結婚。朝鮮火災海上保険株式会社支配人の話を得るも、失職。酒癖、病を得ての入院などにより妻と別居、寺男となる。複数の寺を転々としながら、荻原井泉水の主宰する「層雲」に投句を続け、小豆島へ渡り、庵にて隠棲。孤独と病により衰弱、41歳で没。
登録情報
- 出版社 : 春陽堂書店; 初版 (2015/11/9)
- 発売日 : 2015/11/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 160ページ
- ISBN-10 : 4394903254
- ISBN-13 : 978-4394903253
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