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逆境に生きる子たち トラウマと回復の心理学 (早川書房) Kindle版

4.1 5つ星のうち4.1 29個の評価

親の離婚、虐待、いじめ、家族の難病や障害――さまざまな困難の中で育ちながら人並み以上の成功を収める「スーパーノーマル」な人びと。その苦闘と克服の実態とは? 人気心理学者が二〇年のカウンセリング経験と最新研究をもとに語る決定版。解説/香山リカ
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商品の説明

著者について

アメリカの臨床心理学者。専門は成人の発達心理。ヴァージニア大学准教授を務める傍ら、個人カウンセリングも行なっている。臨床心理学およびジェンダー研究により、カリフォルニア大学バークレー校にて博士号取得。著書『人生は20代で決まる』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)は20万部超のベストセラーとなり、12カ国語以上に翻訳されている。出演したTED Talk「30歳は昔の20歳ではありません」は960万回以上再生されている。
公式サイト:megjay.com

登録情報

  • ASIN ‏ : ‎ B07GRWRWV6
  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2018/8/31)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2018/8/31
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ファイルサイズ ‏ : ‎ 1308 KB
  • Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) ‏ : ‎ 有効
  • X-Ray ‏ : ‎ 有効にされていません
  • Word Wise ‏ : ‎ 有効にされていません
  • 付箋メモ ‏ : ‎ Kindle Scribeで
  • 本の長さ ‏ : ‎ 596ページ
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 29個の評価

著者について

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Meg Jay
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カスタマーレビュー

星5つ中4.1つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2018年12月13日に日本でレビュー済み
父が母を叩くのを初めて見たのは、幼稚園でいうところの「年中さん」、つまり4歳から5歳にかけてのころだった。

パシン!

母は頬を叩かれ、それを見た俺は怖かったのか、悲しかったのか、それ以外のなにかだったのか分からないが、父母に背中を向けて泣いた。そんな俺に父は失笑しながら言った。

「なんでお前が泣くんだよ」

天井から虫が這い出てくるようなオンボロ借家の居間で、俺は肩を震わせ続けた。そのあとどうなったか、そこの記憶はない。

俺が小学校に入る一年前に、家族はピカピカの新築に引っ越した。子ども部屋には惑星や宇宙船が描かれた壁紙が張られ、リビングにはソファ、キッチンにはカウンター。新生活はワクワクに満ちた新鮮なものだったが、そんなものに価値があるのは最初だけだ。

父母の仲は年々冷え込んでいき、父は外に女をつくり、家ではときどき母にひどい暴力をふるった。俺も弟も妹も、父を恐れた。だが、悲しいかな、子どもだった俺は、憎みかたを知らなかった。だから、ただひたすらに、恐れた。

父からビンタを張られたことは何度かあるが、それ以上の暴力に発展したことはない。とはいえ、ビンタを張られるような悪さをしたわけではない。ランドセルを子ども部屋ではなくリビングに置きっぱなしにしている。ただそれだけの理由でビンタされるのだ。

夜の8時。車のヘッドライトがリビングを照らすと、それが父の帰宅の合図だ。それまでテレビを観ていた母と弟と妹は、さっと他室に移動する。どういうわけか、俺にはそれができなかった。父に「おかえりなさい」と言い、晩酌の焼酎を作り、父から「ごはん」と言われれば、それを母に伝言し、盆に乗せられた食事を父に運んだ。それが、小学校の高学年から中学生にかけての俺の日課だった。

家のなかではなるべく目立たないよう、父に声をかけられないよう、身を縮め、機嫌をうかがい、父が好きそうな話題を選び、父が喜びそうな質問をし、父が満足しそうな答えを紡いだ。

そうやって、俺は生き延びた。

いつか誰かと結婚したなら。
もしも子どもができたなら。

父のような夫にはならない。
父のような親にはならない。

ずっと、ずっと、そう考えて生きてきた。

早く幸せな家庭を欲しいと願った。しかし、もしかすると自分が父のような夫や親になるのではないかという不安もあった。だからだろうか、結婚は遅めになり、36歳で親になった。

するとどうだ!

あの不安はなんだったのか!!

いま帰宅すると、三人娘が三人とも「おかえり!」と言って駆け寄ってくれる。
「パパ、パパ!」
「幼稚園でね!」
「学校でね!」
待って待って、まず手を洗わせてよ。
「でね、でね、先生がね」
「パパ、パパ!」
「幼稚園でこれ作ったよ!」
へぇ先生がそんなことを、あぁミィちゃんただいま、おっ幼稚園でこんなものを!

「おかえり」
料理中の妻が言う。
「ただいま」
医局から持ち帰ったお菓子を「おみやげ」と言って見せると、妻は甲高い声をあげて喜ぶ。

娘たちと一緒に風呂に入り、夕食はいつも家族一緒だ。仕上げの歯磨きでは、三人娘で「パパの争奪戦」をする。長女と次女で、ちょっとしたケンカになることもある。俺は二人を抱きしめる。それを見た三女が抱きついてくる。四人でクスクス笑いながら抱きしめあう。それを妻が優しく見守る。

俺は父のような夫になったか? いいや、ぜんぜん違う夫になれた。
俺は父のような親になったか? いいや、ぜんぜん違う親になれた。

虐待する親に育てられると、自らも虐待する親になる。まことしやかにそう言われる。だが実際には、虐待する親に育てられたからといって、自分もそうなるというわけではない。むしろ、反面教師にする人のほうが多いという。

どんな親に育てられるかは選べない。
でも、自分がどんな人間でいるか、どんな親でいるかは、選べる。
明日からでも、いや、いまからでも、決して遅くはない。
自分のありかたを、生きかたを、選ぼう。

俺はまだ、父を憎めないでいる。
きっとこれからも、父を憎むことはないだろう。
記憶から自然に消えることもないだろうし、忘れる努力もしないだろう。
それで良い。
強烈な反面教師がいる限り、俺はこの温かな道を踏み外さない。

自分がよく生きることが最大の復讐だという。しかし、俺に復讐するべき相手はいない。

ただ、残りの人生をかけて救いたい子がいるだけだ。

オンボロ借家で肩を震わせ、ピカピカの新居で身を縮こまらせていたその子は、いま、俺のなかでのびのびと笑っている。

俺と同じ、あるいはもっと辛く厳しい環境を生き延びた人たちに、ぜひこの本を読んでみて欲しい。
自分の強さや弱さ、これからを生きるための指針を知る助けになってくれる一冊。
465人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書の中で一番勇気づけられた言葉は「子供時代の試練について語るためにセラピーにやってくる高齢者は少ない」でした。過去の経験が、今の判断基準に大きく作用し、苦しんでいる実感がありますが、70,80歳になるまで時間があります。それまでに回避型の行動を改善し、本書のアドバイスにあるように、信頼できる人を見つけていきたいと思いました。
2023年4月5日に日本でレビュー済み
初めてです。
読んだ後に勇気づけられる本に出会ったのは。
私も過去に体罰、親の離婚、夜逃げ、何度かの転校や兄弟との別れ、貧困、自分にはどうにも出来ない環境に振り回されて育ちました。
本当に苦しい記憶でした。
今は2人の子供と夫4人家族で生活しており、この家族が私の唯一の家族と確信するまでとなりました。
絶対に親のようにはならない。我が子の親としての責任や、降りかかるどんな苦しみからも私は絶対に逃げない。必ず乗り越えるだけという信念を常に持っています。
子供達を育む時間は、小さな頃のあの可哀想な私を思い出し、自らで自らの幼少期を育て直す感覚になります。
そうした時間で過去の辛かった記憶はとても癒されていました。
しかし自分の過去や経験を子供に知られたくないと思うようになりました。
子供達はどう感じるのだろうか。
そんな事で、そんなひどいことを、そう評価される可能性にも恐怖を感じました。
自然な流れで、「ママのママはどんな人なの?会いたいな」子供はそんな会話をするようになりました。
もう逃げられません。
そろそろ私の過去を話す時がきているような気がしていました。
本書ではこんな私と同じように思う女性が出てきます。
その女性は自分の子どもに「シンデレラみたい」だと言われます。
私はそこで大号泣しました。
シンデレラみたいだという表現にさまざまなニュアンスを感じます。
純粋に胸を打たれ、恥の感情が少し肯定的に思える本は初めてです。
虐待やいじめ、幼少期に辛い環境にあった子どもたち関連の本で、ここまで勇気づけられるのはとても珍しいと思います。
私はまだこの本でしか感じたことがありません。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年11月2日に日本でレビュー済み
辛い体験がある友人と向き合うために読んでいます。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年8月13日に日本でレビュー済み
色んな逆境を経験してきた子供達がどうたち向かいながら大人になっていくかの話で見てて勉強になる部分もありましたが、自分が経験した逆境とは少し違っていた感じでした。
この本は身内内での暴力などで恐怖、トラウマなどを植え付けられた話に近く、
精神面を強くする、パニック障害など精神的な障害(例えば、会社でのパワハラ、過去に怖い経験してパニック障害になり今も苦しめられているなど)を少しでも乗り越えられるきっかけを作ってくれるような本ではないです。
私からみると逆境という意味の種類が違っていたという感じですが、内容は面白いと思います。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分の育った家庭がめちゃくちゃで、どうにか脱出したくて進学したが、海の向こうにも似たような人がいた。
自分が変わっているのかと思っていたけど、似たような境遇の人が世界中にそこそこいることを知り、ちょっと安心した。
ノーマルだけではなく、スーパーノーマルもいるから世の中おもしろいんでしょう。
ハングリー精神が聞かれにくくなった世の中だけど、格差社会でまたハングリーな人たちが出てきそう。
そうしたパワーが破壊に向かわないことを祈ります。
30人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年10月11日に日本でレビュー済み
私は虐待を受けた子どもたちのカウンセリングを主に行っているカウンセラーなので、専門家としてこの本を読み始めたのですが、読んでいるうちに自分もまた「逆境を生きる子たち」の一人なのだと気づきました。例えば、私は故郷を離れて生活しているのですが、

(スーパーノーマルの中には)ただ移動することによって家庭や故郷という環境の罠から自身を解放する者もいる。彼らは「地理を味方にする」。車やバスや飛行機に乗って出かけさえすればいいのだ。

とのことなので、私もまた逆境に対処するために地理を味方にしようと試みた人の一人だったのでしょう。
その他、逆境に対する対処方法が(うまく行くものも行かないものも)いろいろと論じられているのですが、自分のさまざまな行動や性格が、子ども時代の逆境への対処として形成されてきた面もあるのかと思い至り、心揺さぶられる感じがありました。

また、専門家の意見がどうしても悲観的なものへと傾きすぎていることを考えると世の中全体のバランスを維持する上で本書のような書物が持つ意味は小さくないのかもしれません。「世代間伝達」説に代表されるように子ども時代の環境の影響が過剰に重視するのではなく、本書のようにもっと人間の可塑性に注目する必要があるのでしょうし、専門家としても「逆境に生きる(生きた)子たち」の一人としても、大いに励まされた一冊でした。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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