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リンカーン・ハイウェイ 単行本 – 2023/9/5
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★アメリカで100万部超のニューヨーク・タイムズ・ベストセラー★
★バラク・オバマ元大統領の年間ベストブック★
パーソナルな旅は、決して一筋縄にはいかず、望んだとおりにはいかないということを教えてくれる。
ビル・ゲイツ(マイクロソフト創設者・慈善事業家)
絡み合っていながらも心動かされる旅に、予測不可能な展開が無限に待ち受けている。
タナ・フレンチ(『捜索者』著者)
瞬く間に何マイルも移動させられ、ページをめくる目が止まらない、友情と冒険についての大作だ。
アン・パチェット(『ベル・カント』著者)
■あらすじ■
1954年、アメリカ。
18歳のエメットは更生施設を出所し、弟が待つネブラスカの自宅に戻って来たが、そこには施設から逃げ出したダチェスとウーリーもいた。
エメットと弟は、母が暮らしているはずのカリフォルニアに行き、心機一転、新しい生活を始めるはずだった。だが、ダチェスとウーリーに愛車のスチュードベーカーを奪われ、仕方なく二人の後を追ってニューヨークに行くことに。
ダチェスは、上流階級出身のウーリーの一族がニューヨーク州北部に所有する屋敷の金庫の金をみんなで山分けすると豪語していたのだ。
孤児院のシスター、胡散臭い牧師、妻と別れた善良な黒人男性、売れないシェイクスピア俳優、憧れの作家――道中、エメットと弟は多くの出会いと別れを経験する。
『モスクワの伯爵』著者が、少年たちの出会いと10日間の冒険を描く、アメリカで100万部超のニューヨーク・タイムズ・ベストセラー。
★バラク・オバマ元大統領の年間ベストブック★
パーソナルな旅は、決して一筋縄にはいかず、望んだとおりにはいかないということを教えてくれる。
ビル・ゲイツ(マイクロソフト創設者・慈善事業家)
絡み合っていながらも心動かされる旅に、予測不可能な展開が無限に待ち受けている。
タナ・フレンチ(『捜索者』著者)
瞬く間に何マイルも移動させられ、ページをめくる目が止まらない、友情と冒険についての大作だ。
アン・パチェット(『ベル・カント』著者)
■あらすじ■
1954年、アメリカ。
18歳のエメットは更生施設を出所し、弟が待つネブラスカの自宅に戻って来たが、そこには施設から逃げ出したダチェスとウーリーもいた。
エメットと弟は、母が暮らしているはずのカリフォルニアに行き、心機一転、新しい生活を始めるはずだった。だが、ダチェスとウーリーに愛車のスチュードベーカーを奪われ、仕方なく二人の後を追ってニューヨークに行くことに。
ダチェスは、上流階級出身のウーリーの一族がニューヨーク州北部に所有する屋敷の金庫の金をみんなで山分けすると豪語していたのだ。
孤児院のシスター、胡散臭い牧師、妻と別れた善良な黒人男性、売れないシェイクスピア俳優、憧れの作家――道中、エメットと弟は多くの出会いと別れを経験する。
『モスクワの伯爵』著者が、少年たちの出会いと10日間の冒険を描く、アメリカで100万部超のニューヨーク・タイムズ・ベストセラー。
- 本の長さ680ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2023/9/5
- 寸法14 x 3.5 x 19.4 cm
- ISBN-104152102659
- ISBN-13978-4152102652
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2023/9/5)
- 発売日 : 2023/9/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 680ページ
- ISBN-10 : 4152102659
- ISBN-13 : 978-4152102652
- 寸法 : 14 x 3.5 x 19.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 385,039位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,326位英米文学研究
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ビルゲイツさんのお薦め本に、”モスクワの伯爵”が入っているのを見て、初めてエイモア・トールズさんの本を読み、すっかり魅了されました。この本もビルゲイツさんのお薦めリストに入っていて、翻訳を心待ちにしていました。ストーリーの流れがとても上手く、文章の書き方が好きです。主要登場人物に温かみがあり、作品が持っている雰囲気がいいです。人生完璧じゃないけど、素晴らしいものもたくさんあるよねという気持ちになります。たくさんの日本人に読んでもらいたいなと思う本でした。
2023年10月3日に日本でレビュー済み
.
1954年6月、18歳のエメット・ワトソンはカンザス州サライナの更生施設を出所してネブラスカ州モーゲンの自宅に帰ってくる。施設に入所するきっかけとなった事件のせいで地元にいづらくなったエメットは、父が亡くなっていたこともあり、8歳の弟ビリーを連れて、モーゲンを離れる決心をする。かつて失踪した母がカリフォルニアから絵葉書を寄越していたことを知った兄弟は、行き先を西海岸に定めるが、更生施設時代の友人ダチェスとウーリーが突然人生に割り込んできたために、計画は大きく狂っていく……。
------------------------
アメリカ人作家エイモア・トールズが2021年に発表した長編小説です。
まずもって、1950年代という、戦後アメリカの繁栄の時代を思わせる舞台装置に目が引かれます。1948年製のスチュードベーカー・ランドクルーザー。レストラン・チェーンとしてのハワード・ジョンソン。FAOシュワルツ、ソーダ・ファウンテン――。
今や姿を消してしまったり、かつてほどには目にすることがなくなってしまったりしたアメリカ繁栄の象徴が彼(か)の国の読者の懐古趣味に添うことでしょう。
世間の目から見れば、エメット、ダチェス、ウーリーの3人は、更生施設に入所経験のある問題児にあたります。ですが、物語が進行するにつれて3人の経緯が徐々に見えてくると、それぞれは人生において、人間関係の組み合わせが不遇であったり、周囲の無理解に遭遇していたり、育った環境が恵まれなかったり、果ては当人の過度な優しさが仇になっただけだったりということがわかります。彼ら3人を徹底した忌避の対象とするのはあたらないのではないかという思いが、いつしか読者の心に芽生えてきます。
また大いに胸を打たれたのは、幼いエメットが、物語の有する力を強く信じていることです。彼は“教授”が紡いだ偉人伝を旅の途上にあっても繰り返し読み、そうした人々の人生に近づくことを夢見ている存在です。まだ何色にも染まっていない無辜で無垢なビリーの魅力が全編を貫いています。
そしてなんといっても、広大な国土を移動することによって登場人物が来し方行く末に思いを馳せる、アメリカ的な道行の物語(road novel)が読ませます。
エメットとビリーはスチュードベーカーを奪われ、やむにやまれず鉄道貨車による危うい移動を強いられます。そこで知り合ったユリシーズもまた、アメリカを彷徨することを宿命づけられた人物です。そしてユリシーズに感化されるように、旅への一歩を踏み出す初老のアバカスも実に魅力的です。
エメットの幼馴染サリーは移動するという意志は神に与えられたものだと言います。人間ひとりひとりには何らかの使命があるが、その使命がどんなものであるかは明確ではなく、その使命をみつける作業に旅が必要だとサリーは感じています。
「主がわたしたちに求めているのは、主がわたしたちに期待しているのは、主がわたしたちに望んでいるのは――主のひとり子のように――わたしたちが世界へ出て行って、自分でそれをみつけることなのかもしれない」(549頁)
ビリーが「ホメロスは物語をイン・メディアス・レスという言葉ではじめた」と語るくだりがあります(195頁)。「in medias res」とは物語を最初から語る代わりに、中途から語りだす文学上の技法のこと。そしてこの小説『リンカーン・ハイウェイ』は、移動の中途で幕を閉じます。
これに続く「旅の中途から始まる」物語が生まれることは果たしてあるのでしょうか? そして彼らは自らの使命をみつけられるのでしょうか?
------------------------
*480頁:日本語表現の誤り
✘「足元をすくわれた」
◯「足をすくわれた」
――ただし最近、朝日新聞や日経新聞では「足元をすくわれる」という表現を許容しているようです。
*486頁:衍字と漢字の誤用
✘「食べ物をを捜しに行き」
◯「食べ物を探しに行き」
――「一般に「無くしたもの」「見えなくなったもの」や「居なくなった人」などを「さがす」場合には、「捜す」です。「紛失物を~」「行方不明者を~」 また、「欲しいもの」や「見つけたいもの」を「さがす」場合には、「探す」を用います。」(NHK放送文化研究所のサイトから引用)
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1954年6月、18歳のエメット・ワトソンはカンザス州サライナの更生施設を出所してネブラスカ州モーゲンの自宅に帰ってくる。施設に入所するきっかけとなった事件のせいで地元にいづらくなったエメットは、父が亡くなっていたこともあり、8歳の弟ビリーを連れて、モーゲンを離れる決心をする。かつて失踪した母がカリフォルニアから絵葉書を寄越していたことを知った兄弟は、行き先を西海岸に定めるが、更生施設時代の友人ダチェスとウーリーが突然人生に割り込んできたために、計画は大きく狂っていく……。
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アメリカ人作家エイモア・トールズが2021年に発表した長編小説です。
まずもって、1950年代という、戦後アメリカの繁栄の時代を思わせる舞台装置に目が引かれます。1948年製のスチュードベーカー・ランドクルーザー。レストラン・チェーンとしてのハワード・ジョンソン。FAOシュワルツ、ソーダ・ファウンテン――。
今や姿を消してしまったり、かつてほどには目にすることがなくなってしまったりしたアメリカ繁栄の象徴が彼(か)の国の読者の懐古趣味に添うことでしょう。
世間の目から見れば、エメット、ダチェス、ウーリーの3人は、更生施設に入所経験のある問題児にあたります。ですが、物語が進行するにつれて3人の経緯が徐々に見えてくると、それぞれは人生において、人間関係の組み合わせが不遇であったり、周囲の無理解に遭遇していたり、育った環境が恵まれなかったり、果ては当人の過度な優しさが仇になっただけだったりということがわかります。彼ら3人を徹底した忌避の対象とするのはあたらないのではないかという思いが、いつしか読者の心に芽生えてきます。
また大いに胸を打たれたのは、幼いエメットが、物語の有する力を強く信じていることです。彼は“教授”が紡いだ偉人伝を旅の途上にあっても繰り返し読み、そうした人々の人生に近づくことを夢見ている存在です。まだ何色にも染まっていない無辜で無垢なビリーの魅力が全編を貫いています。
そしてなんといっても、広大な国土を移動することによって登場人物が来し方行く末に思いを馳せる、アメリカ的な道行の物語(road novel)が読ませます。
エメットとビリーはスチュードベーカーを奪われ、やむにやまれず鉄道貨車による危うい移動を強いられます。そこで知り合ったユリシーズもまた、アメリカを彷徨することを宿命づけられた人物です。そしてユリシーズに感化されるように、旅への一歩を踏み出す初老のアバカスも実に魅力的です。
エメットの幼馴染サリーは移動するという意志は神に与えられたものだと言います。人間ひとりひとりには何らかの使命があるが、その使命がどんなものであるかは明確ではなく、その使命をみつける作業に旅が必要だとサリーは感じています。
「主がわたしたちに求めているのは、主がわたしたちに期待しているのは、主がわたしたちに望んでいるのは――主のひとり子のように――わたしたちが世界へ出て行って、自分でそれをみつけることなのかもしれない」(549頁)
ビリーが「ホメロスは物語をイン・メディアス・レスという言葉ではじめた」と語るくだりがあります(195頁)。「in medias res」とは物語を最初から語る代わりに、中途から語りだす文学上の技法のこと。そしてこの小説『リンカーン・ハイウェイ』は、移動の中途で幕を閉じます。
これに続く「旅の中途から始まる」物語が生まれることは果たしてあるのでしょうか? そして彼らは自らの使命をみつけられるのでしょうか?
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*480頁:日本語表現の誤り
✘「足元をすくわれた」
◯「足をすくわれた」
――ただし最近、朝日新聞や日経新聞では「足元をすくわれる」という表現を許容しているようです。
*486頁:衍字と漢字の誤用
✘「食べ物をを捜しに行き」
◯「食べ物を探しに行き」
――「一般に「無くしたもの」「見えなくなったもの」や「居なくなった人」などを「さがす」場合には、「捜す」です。「紛失物を~」「行方不明者を~」 また、「欲しいもの」や「見つけたいもの」を「さがす」場合には、「探す」を用います。」(NHK放送文化研究所のサイトから引用)
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2023年9月25日に日本でレビュー済み
ロードノベルかと言われると、自信を持って頷けない部分もあるかなぁ。読書体験そのものはたしかにロードノベルだけれど(笑)
クセノスは歴史上の人物の名前のように聞こえるがクセルクセス(古代ペルシャ王)とかきセノフォン(古代ギリシャの軍人、哲学者)とかのような人名ではない。 クセノスは外国人、見知らぬ者、友人を意味する古代ギリシャの言葉だ。もっと簡単に言うなら、他者である。アバーナシー教授の言うように、 クセノスは人がほとんど気づかない、目立たない身なりをした、その辺にいる者のことだ。歴史全体を通してさまざまな姿で出現した。 夜警や従者、使者や小姓、店主、給仕あるいは放浪者として普通は無名で、得体が知れず、きわめて頻繁に忘れられているが、 クセノスは常に正しい時に正しい場所にあらわれ、出来事の過程において欠かすことのできない役割を演じる。(p.651-652)
というのがテーマなのだろうが、色々な人たちの出会いで主たる登場人物の4人の何かが変わったようにはみえない。道行き後のサリーがエメットをどのように変えたのかが知りたかったがその前で話は終る。
エンディングについては賛否が分かれそう。
どこかトレヴェニアンを思わせた。
クセノスは歴史上の人物の名前のように聞こえるがクセルクセス(古代ペルシャ王)とかきセノフォン(古代ギリシャの軍人、哲学者)とかのような人名ではない。 クセノスは外国人、見知らぬ者、友人を意味する古代ギリシャの言葉だ。もっと簡単に言うなら、他者である。アバーナシー教授の言うように、 クセノスは人がほとんど気づかない、目立たない身なりをした、その辺にいる者のことだ。歴史全体を通してさまざまな姿で出現した。 夜警や従者、使者や小姓、店主、給仕あるいは放浪者として普通は無名で、得体が知れず、きわめて頻繁に忘れられているが、 クセノスは常に正しい時に正しい場所にあらわれ、出来事の過程において欠かすことのできない役割を演じる。(p.651-652)
というのがテーマなのだろうが、色々な人たちの出会いで主たる登場人物の4人の何かが変わったようにはみえない。道行き後のサリーがエメットをどのように変えたのかが知りたかったがその前で話は終る。
エンディングについては賛否が分かれそう。
どこかトレヴェニアンを思わせた。