アメリカを軸に経済、政治の不平等を記している名著であると同時に、文章表現に際しては、ハッと思う単語が使われており、訳者の語彙の豊富さにも、とても参考になります。
中身は、この種の本が好きな人には既知の内容かとは思います。
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世界の99%を貧困にする経済 ハードカバー – 2012/7/21
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大衆を食い物にして、何の責任もとらず、富をむさぼる上流層。その手口は、政治・経済のルールを自分たちに都合よく作り上げ、それがすべての人々の利益になると大衆に信じ込ませるものだった。アメリカ、ヨーロッパ、そして日本で拡大しつつある「不平等」のしくみを解き明かし、万人に報いる経済システムの構築を提言する。
経済・経営学者、エコノミストの投票でその年に出版された経済・経営書、ビジネス書の中で最も優れたものを選定する「ベスト経済書ランキング」2012年の第5位に選ばれました!
経済・経営学者、エコノミストの投票でその年に出版された経済・経営書、ビジネス書の中で最も優れたものを選定する「ベスト経済書ランキング」2012年の第5位に選ばれました!
- 本の長さ416ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2012/7/21
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.6 cm
- ISBN-104198634351
- ISBN-13978-4198634353
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商品の説明
出版社からのコメント
スティグリッツ最新作! なぜ繁栄の分け前は1%の最上層によって独占されるのか? 不平等な経済の病根を斬る、全世界が注目の書。
著者について
ジョセフ・E・スティグリッツ:コロンビア大学教授。国連「公的金融機関のあり方を研究する専門作業部会」座長。クリントン政権下の大統領経済諮問委員会委員長、世界銀行副総裁を経て、2001年「情報の経済学」を築き上げた功績でノーベル経済学賞受賞。行動する経済学者と称される。
登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2012/7/21)
- 発売日 : 2012/7/21
- 言語 : 日本語
- ハードカバー : 416ページ
- ISBN-10 : 4198634351
- ISBN-13 : 978-4198634353
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.6 cm
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年9月4日に日本でレビュー済み
世界の構造の中で特に経済活動がハッキングされていることが前半では説明されています。失われるときには、誰もが失う。その後ハッキングが進み、回復するころには、ハッキングの成果として、一部の人だけに回復が集まる。意図は正しくても、制度可され、時間がたつとどんどん法律・規則のハッキングが進み、一部の人だけに利益が集まる。対象じゃなかったはずの人が甘い汁を吸う。そんな様子が説明されています。
後半では、対抗策が説明されていますが、ハッキングされた部分を置きなおすか、修理する方法が説明されています。ハッキング自体を防ぐ方法については提案がありません。それ故に、対応策は始めはうまくいってもすぐに無効化されそうです。経済学者なので、壊れた部分を直すより良さそうな経済対策を提案するのが本筋なんでしょう。
「リバタリアン、クマと会う。」と合わせて読むと面白いです。スティグリッツは下層の人を助けたい。エセリバタリアンは、助けてもらいたくない。そのギャップはまた笑えます。
後半では、対抗策が説明されていますが、ハッキングされた部分を置きなおすか、修理する方法が説明されています。ハッキング自体を防ぐ方法については提案がありません。それ故に、対応策は始めはうまくいってもすぐに無効化されそうです。経済学者なので、壊れた部分を直すより良さそうな経済対策を提案するのが本筋なんでしょう。
「リバタリアン、クマと会う。」と合わせて読むと面白いです。スティグリッツは下層の人を助けたい。エセリバタリアンは、助けてもらいたくない。そのギャップはまた笑えます。
2017年1月13日に日本でレビュー済み
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現代の米国では富が上位1%に集中して下位99%は貧困に喘いでいるという。 格差がこれほどに広がった理由は米国政府の政策によるという。 しかし富裕層の富がトリクルダウン(おこぼれ)効果によって社会に還元するため全員に利益が行き渡るとされてきた。 しかし著者は富裕層は下位の99%の犠牲に基図いて富を形成してきたのでありそのような効果は見られなかったとする。 著者はレーガン時代に税制が改革され富裕層の所得税や相続税の減税が下位層に比べて大きかったという。 この格差の解消のために著者は7つの経済改革を提言する。 特に金融部門は銀行を破たんに追い込んでも経営者は国家の財政支援で救済され、多額のボーナスまでもらうという悪弊を改善すべきとする。 学資ローンは自己破産しても免責されないとする法律を撤廃すべきとする。 CDSで個人は家を失うが逆に銀行は天文学的な利益を生み出したという。 国民の最大の不幸は失業と病気である。 雇用を創出して医療保険制度の改善が急務であるという。 特に2008年のリーマンショック以後の米国経済は壊滅的な状態であるという。 そのためにはグローバリズムを制限して短期資金の急激な国境移動を取り締まり経済危機と金融危機を防御する。 さらに著者は政治改革を行い真の民主主義が根ずいた社会に変えたいと提唱する。 強欲資本主義との決別である。 素晴らしい経済学者である。
2021年10月14日に日本でレビュー済み
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大学の課題図書として購入した。筆者の自己満足観点が強い作品。どのようにして貧困を無くすかが叙述されていない。これでよくノーベル経済学賞がもらえたと感じた。
2012年7月25日に日本でレビュー済み
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スティグリッツの著作にはたいそうな邦題がつけられるのはいつものことですが、今回は読むに堪えない翻訳です。
原書を読もうと思っていたところに、邦訳出版の情報を聞きつけたので、予約して届くのを楽しみにしていました。翻訳家ではない経済学者が多少こなれなくても訳した方がはるかに読みやすいと思います。出版社には真剣に考えてほしいものです。
原書を読もうと思っていたところに、邦訳出版の情報を聞きつけたので、予約して届くのを楽しみにしていました。翻訳家ではない経済学者が多少こなれなくても訳した方がはるかに読みやすいと思います。出版社には真剣に考えてほしいものです。
2014年9月18日に日本でレビュー済み
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誤訳が多いという指摘ももっともですが、個人が原書に直接あたった方が誤訳が少ないと本当に言えるでしょうか?
それよりとりあえず読む端緒をつけたほうがいい名著です
単に社会の金銭的不公平を弾劾する本ではなく、公正さの担保が市民の政治参加を促すといった「民主主義」論、あるいは無形の「社会資本」についての考察など、単なる経済学の範囲を超えた豊富な論点と知的興奮に満ちています
単なる反格差本ではありません
それよりとりあえず読む端緒をつけたほうがいい名著です
単に社会の金銭的不公平を弾劾する本ではなく、公正さの担保が市民の政治参加を促すといった「民主主義」論、あるいは無形の「社会資本」についての考察など、単なる経済学の範囲を超えた豊富な論点と知的興奮に満ちています
単なる反格差本ではありません
2012年7月26日に日本でレビュー済み
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本書は非常に重要なテーマを扱っています。「貧困のグローバリゼーション」(未翻訳)で予言された、世界経済激変=世界の大半の人々が貧困化してゆくという、いま現在おきていることの報告です。
アメリカのみならず、日本でも起きつつある1億総中流意識の消滅と、国民の多くが貧困に陥ってゆく現状を認識するための報告でもあります。
私たち一人ひとりが目覚め、官僚支配の経済、市場構造を変革させるために、政治を根本から変革する時が来たと思います。
アメリカの1%の富裕層が富を増やし続ける原因を、著者は「レント」(家賃)と表現します。名作映画の「レント」同様で、貧しい者たちから、持っているものすら吸い上げてゆく政治経済市場システムが元凶です。
財務官僚が導入しようとしている消費税増税も、電気料金の値上げ同様で、家賃のように国民、とくに貧しい人たちから吸い上げる政策です。
私たちが目覚め、行動するために、本書は良いテキストになります。
原書は読み易い英語ですし、Kindle版がダウンロードできます。10ドル、800円くらいですから、おすすめします。
アメリカのみならず、日本でも起きつつある1億総中流意識の消滅と、国民の多くが貧困に陥ってゆく現状を認識するための報告でもあります。
私たち一人ひとりが目覚め、官僚支配の経済、市場構造を変革させるために、政治を根本から変革する時が来たと思います。
アメリカの1%の富裕層が富を増やし続ける原因を、著者は「レント」(家賃)と表現します。名作映画の「レント」同様で、貧しい者たちから、持っているものすら吸い上げてゆく政治経済市場システムが元凶です。
財務官僚が導入しようとしている消費税増税も、電気料金の値上げ同様で、家賃のように国民、とくに貧しい人たちから吸い上げる政策です。
私たちが目覚め、行動するために、本書は良いテキストになります。
原書は読み易い英語ですし、Kindle版がダウンロードできます。10ドル、800円くらいですから、おすすめします。
2012年11月5日に日本でレビュー済み
ノーベル経済学賞受賞者であり、
リベラル派の論客であるスティグリッツ氏が列挙するアメリカの現実に唖然とするばかりです。
中流階級の富がどんどん奪われて貧困層へ転落していること。
一方で富裕層の所得が大幅に増大して
いること。その結果、中流層の崩壊でアメリカ経済が衰退しつつあること。
親の学歴と所得が子供の教育程度と所得を決定していること。
これまで米国社会が誇りにしてきた「機会の平等」が崩れてしまったこと。
格差拡大がアメリカの民主主義を脅かすまでに至っていること etc.
次にスティグリッツ氏の追及はこの現実を招いた原因へ向かいます。
自由で透明な市場経済が政府による富裕者に有利なように税制と規制が改悪によって歪められ、
1%の富裕層、金融資本へ富が集中する仕組みがつくられてきた。
グローバル経済の進行が雇用を減少させ、賃金を下落させた。
労働組合も弱体化させられ牙を抜かれた。
その結果、中産層の没落と貧困層の拡大が加速したと、事例とデータを示します。
「小さな政府」は減税により富裕層をますます富ませ、必要な財源を削ることで弱者を切り捨てた、と指摘します。
最後に改善への処方箋として、
スティグリッツ氏は累進課税・相続税の復活、雇用拡大、教育への投資、
金融の規制、等の富の再配分政策を提言しています。
スティグリッツ氏はアメリカで起こっていることが世界に波及していると警鐘を鳴らしていますが、
指摘を待つまでもなく、日本も1990年代以降の経済の停滞の中でアメリカと同様の事象が起きつつあります。
彼の分析と提言は日本でも大いに参考になることでしょう。
内容が冗長であることと翻訳が読みにくいのとで★ひとつマイナスです。
リベラル派の論客であるスティグリッツ氏が列挙するアメリカの現実に唖然とするばかりです。
中流階級の富がどんどん奪われて貧困層へ転落していること。
一方で富裕層の所得が大幅に増大して
いること。その結果、中流層の崩壊でアメリカ経済が衰退しつつあること。
親の学歴と所得が子供の教育程度と所得を決定していること。
これまで米国社会が誇りにしてきた「機会の平等」が崩れてしまったこと。
格差拡大がアメリカの民主主義を脅かすまでに至っていること etc.
次にスティグリッツ氏の追及はこの現実を招いた原因へ向かいます。
自由で透明な市場経済が政府による富裕者に有利なように税制と規制が改悪によって歪められ、
1%の富裕層、金融資本へ富が集中する仕組みがつくられてきた。
グローバル経済の進行が雇用を減少させ、賃金を下落させた。
労働組合も弱体化させられ牙を抜かれた。
その結果、中産層の没落と貧困層の拡大が加速したと、事例とデータを示します。
「小さな政府」は減税により富裕層をますます富ませ、必要な財源を削ることで弱者を切り捨てた、と指摘します。
最後に改善への処方箋として、
スティグリッツ氏は累進課税・相続税の復活、雇用拡大、教育への投資、
金融の規制、等の富の再配分政策を提言しています。
スティグリッツ氏はアメリカで起こっていることが世界に波及していると警鐘を鳴らしていますが、
指摘を待つまでもなく、日本も1990年代以降の経済の停滞の中でアメリカと同様の事象が起きつつあります。
彼の分析と提言は日本でも大いに参考になることでしょう。
内容が冗長であることと翻訳が読みにくいのとで★ひとつマイナスです。