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迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫 あ 52-20) 文庫 – 2009/11/13
綾辻 行人
(著)
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奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた4人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった!
周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第3作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作!
周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第3作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作!
- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/11/13
- 寸法10.8 x 1.9 x 14.8 cm
- ISBN-104062763974
- ISBN-13978-4062763974
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人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) | 時計館の殺人<新装改訂版>(上) (講談社文庫) | |
---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち3.9
470
|
5つ星のうち4.4
420
|
価格 | ¥990¥990 | ¥814¥814 |
製品名(表示名) | 人形館の殺人 | 時計館の殺人(上) |
発売日 | 2010/8/12 | 2012/6/15 |
商品の説明
著者について
1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院修了。'87年に『十角館の殺人』で作家デビュー、“新本格ムーヴメント”の嚆矢となる。'92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。『水車館の殺人』『びっくり館の殺人』など、“館シリーズ”と呼ばれる一連の長編は現代本格ミステリを牽引する人気シリーズとなった。ほかに『緋色の囁き』『殺人鬼』『霧越邸殺人事件』『眼球綺譚』『最後の記憶』『深泥丘奇談』『Another アナザー』などがある。2004年には2600枚を超える“館シリーズ”最大の話題作『暗黒館の殺人』を発表。'07年には、小説以外の全文章を網羅したクロニクル三部作『アヤツジ・ユキト1987-1995』『同1996-2000』『同2001-2006』が刊行された。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/11/13)
- 発売日 : 2009/11/13
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 496ページ
- ISBN-10 : 4062763974
- ISBN-13 : 978-4062763974
- 寸法 : 10.8 x 1.9 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 8,391位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院修了。’87年に『十角館の殺人』で作家デビュー。“新本格ムーヴメント”の嚆矢となる。’92 年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。“館シリーズ”と呼ばれる一連の長編は現代本格ミステリを牽引する人気シリーズとなった。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 迷路館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫) (ISBN-13: 978-4062763974 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年3月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「十角館」やこのあとの「時計館」のような驚愕のトリックはないものの、しっかり作りこまれている。登場人物ひとりひとりのキャラがたっており、展開もスピーディーで読んでいて楽しい。大傑作とまではいえないかもしれないが、読んで損はない良作と思う。
2020年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
"肝心なのはまさにその、何か過剰なものにどれだけ私の心が共鳴するかということであるわけで"1988年発刊の本書は『十角館』から始まる館シリーズ3作目にして、作中作、叙述トリックで知られる奇抜な迷路館を舞台に連続殺人が起きる新本格ミステリ。
個人的には、ミステリ持ち寄り読書会ですすめられた事もあり手にとってみました。
さて、そんな本書は推理小説界の老大家、宮垣葉太郎が所有する『十角館』と同じ建築家、中村青司が手がけた地下に迷路が造られている奇妙な、『迷路館』に集められた推理作家たちが、各々ね書きかけの小説に見立てる形で何者かに次々と殺されていくわけですが。
さすがに【出入り口が一つしかなく、窓もない迷路の自宅】って、日常使いだと生活においてストレスしかないだろ!っとツッコミをいれたくなりましたが、高度経済成長時代、バブルの時代だったら【もしかしたら、あるかもしれない】。とか思い直したり。
また、80年代とインターネットやスマホがない時代というわけで、本書では作家たちが使用するワープロ『文豪』や『オアシス』といった機種の入力方法の違いが謎解きのヒントになったりといった点は『十角館』のFAXと同じく【今からは懐かしさしかありません】が、それでもスピーディーな展開。そして犯人が明らかになったと思いきやの【作中作、叙述トリックによるドンデン返しのラスト】に驚かされる本書。ミステリとしての没入感は堪りません。
新本格ミステリ好きな方はもちろん、叙述トリック好きな方にオススメ。
個人的には、ミステリ持ち寄り読書会ですすめられた事もあり手にとってみました。
さて、そんな本書は推理小説界の老大家、宮垣葉太郎が所有する『十角館』と同じ建築家、中村青司が手がけた地下に迷路が造られている奇妙な、『迷路館』に集められた推理作家たちが、各々ね書きかけの小説に見立てる形で何者かに次々と殺されていくわけですが。
さすがに【出入り口が一つしかなく、窓もない迷路の自宅】って、日常使いだと生活においてストレスしかないだろ!っとツッコミをいれたくなりましたが、高度経済成長時代、バブルの時代だったら【もしかしたら、あるかもしれない】。とか思い直したり。
また、80年代とインターネットやスマホがない時代というわけで、本書では作家たちが使用するワープロ『文豪』や『オアシス』といった機種の入力方法の違いが謎解きのヒントになったりといった点は『十角館』のFAXと同じく【今からは懐かしさしかありません】が、それでもスピーディーな展開。そして犯人が明らかになったと思いきやの【作中作、叙述トリックによるドンデン返しのラスト】に驚かされる本書。ミステリとしての没入感は堪りません。
新本格ミステリ好きな方はもちろん、叙述トリック好きな方にオススメ。
2023年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
推理小説ならではの隠し味が随所に利いていて、とても楽しめる作品でした。
作品の本線においては、文中の次の記述に代表される虚構感とでもいうか、一体どちらが表でどちらが裏なのか分からない二重構造にくらっと来ましたね。
《ぐらん、と強い眩暈(めまい)に襲われた。現実と虚構──その狭間に、みずからの存在がずるずると引き込まれていくような感覚とともに。》p.257
話の本線とは直接関係ないですが、推理小説マニアである島田 潔(きよし)の趣味や好みにも、「おっ!」と嬉しくなりましたね。
巻末、前川 淳氏の「解説」で紹介されている折り紙の〝悪魔〟であるとか、海外ミステリ作家では殊に〝ジョン・ディクスン・カー〟が好きだと言っているところとか。島田 潔のキャラと、ショーマンシップ精神にあふれたカーの雉気とは、共鳴し合うように感じます。
雉気と言えば、409頁の図に示された仕掛け、からくりには、本当に嬉しくなってしまった。綾辻氏の遊び心に⚪ならぬ二重丸を。
作品の本線においては、文中の次の記述に代表される虚構感とでもいうか、一体どちらが表でどちらが裏なのか分からない二重構造にくらっと来ましたね。
《ぐらん、と強い眩暈(めまい)に襲われた。現実と虚構──その狭間に、みずからの存在がずるずると引き込まれていくような感覚とともに。》p.257
話の本線とは直接関係ないですが、推理小説マニアである島田 潔(きよし)の趣味や好みにも、「おっ!」と嬉しくなりましたね。
巻末、前川 淳氏の「解説」で紹介されている折り紙の〝悪魔〟であるとか、海外ミステリ作家では殊に〝ジョン・ディクスン・カー〟が好きだと言っているところとか。島田 潔のキャラと、ショーマンシップ精神にあふれたカーの雉気とは、共鳴し合うように感じます。
雉気と言えば、409頁の図に示された仕掛け、からくりには、本当に嬉しくなってしまった。綾辻氏の遊び心に⚪ならぬ二重丸を。
2023年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最後まで犯人が特定出来ないミステリー、読書することに夢中になる小説、を求めていましたが、綾辻先生の「館シリーズ」で、解決しました。 この作品は中でも完璧と言える(最後まで犯人が判らない、ページをめくるのに夢中になる)傑作だと思いました。犯人の動機も理解できます。最後に明かされる、誰が鹿谷門実かは他のシリーズ本によって既に知っていましたので、あまり重要な情報では無かったです。綾辻先生、読書という行動を至福の時間にして頂いて、誠にありがとうございます。
2024年2月25日に日本でレビュー済み
こういうミステリー小説には、出会い方(読む順番)があり、その幸不幸もある。
『迷路館の殺人』を読むためには、著者の第1作『十角館の殺人』と『水車館の殺人』は読んで
おいた方がいい。読まなくても楽しくことはできるが、読んでおくと理解がスムース。それと著者の
師匠筋にあたる島田荘司の『占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)』も読んでおいた方がいい。
主人公の島田潔との指名の類似や、女性の怨念など、『占星術』の存在を想定して、これは書かれて
いるように思えるから。それと東野圭吾の『ある閉ざされた雪の山荘で』も。建築図面に隠された
トリックや、最後に二転三転していく構成は、この2つの小説の親近性を示している。
著者はデビュー作『十角館の殺人』で、日本ミステリー史上に残る傑作をものした。これはほぼ
完璧な作品で、そのトリックになんの予備知識もなくダイレクトにぶつかれた読者は幸福だ。
その後、『水車館』を書くが、これが江戸川乱歩的なダークファンタジー性はあるものの、
謎解き部分で破綻していた。
この手のミステリー小説は、謎解き部分も重要になるが、地の文章のテイスト、水準も気にかかる。
どうしても読む気にならない文章というものもある。その点、東野圭吾作品は、直木賞も受賞した
だけあって、リーダビリティーが高い。綾辻作品もその点はクリアしている。
しかし『水車館』と『迷路館』には、トリック部分で納得できないところがあった(『十角館』と
『時計館』にその不満はなかった)。『占星術殺人事件』などはその最たるものだが、”トリックを
描くための小説”になっていて、ミステリーの「本格」ではあっても、「小説としての本格性」に乏しい。
それと犯人の”動機”が書き込まれていないので、事件に深みがなくなっている。
『迷路館』の内容は、「建築家・中村青司」設計の建物で、猟奇的な連続殺人が起きていくというもの。
だが、著者の意図は、むごたらしい殺人事件謎解きの先に、叙述トリックの嵐というような二重三重の
仕掛けを施すことにある(この辺の畳み掛けが、東野の『ある閉ざされた』に近い)。
読み終わった時点では、コミカルで明るい終わり方なので、よくできたエンターテイメント映画を
見終わった時のような爽快さ(騙された快感)があるが、時間経過とともに、これはどうもグレイで、
もしかするとブラックなダメ作品に近いのではないかと思えてくる。
ミステリー小説を書く上で守らなくてはならない基本として、「ヴァン・ダインの二十則」があるが、
それでは、”事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない”とあるし、それに
先立って書かれた「ノックスの十戒」では、”探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決
してはならない”とされている。
*以下、内容や、ミステリーの核心部分に触れています。
著者は、冒頭から読者をミスリードする。この本の設定では、島田という人物が、自分に送られてきた
本『迷路館の殺人』を読む。そこから物語が始まる。読者は、この島田という人物が、後で出てくる
島田潔だと思って読み進めるが、実はその兄の方というのが、作品を形成する最も大きな枠になっている。
それを作者は、記述の表現上で「島田は」とすることで、苗字の後ろに2人の人物を重ね合わせ、
後にそのすり替えを行なっていく。
残念なのは、全体の鍵となる要素、真犯人の性別について。実際は女性なのに、その氏名を「鮫島智生」
とすることで、男性性を強めている。智実とかにしていれば、まだ灰色にはなったが、智生ではほぼ
完全に男性。
また『迷路館』では、各部屋に大きな鏡(姿見)があり、それが秘密の通路につながる扉になっている
というのが最大の謎解きなのだが、部屋にそんなものがあるとは1行も書かれていない。”中村青司の
設計だから、どこかに秘密の通路があるかもしれない”というフレーズは何度か出てくるが、その
ほのめかし程度にとどまっている。これではこの小説への信頼度は高くならないし、作家に対する
不信にもつながっていく。
『迷路館の殺人』を読むためには、著者の第1作『十角館の殺人』と『水車館の殺人』は読んで
おいた方がいい。読まなくても楽しくことはできるが、読んでおくと理解がスムース。それと著者の
師匠筋にあたる島田荘司の『占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)』も読んでおいた方がいい。
主人公の島田潔との指名の類似や、女性の怨念など、『占星術』の存在を想定して、これは書かれて
いるように思えるから。それと東野圭吾の『ある閉ざされた雪の山荘で』も。建築図面に隠された
トリックや、最後に二転三転していく構成は、この2つの小説の親近性を示している。
著者はデビュー作『十角館の殺人』で、日本ミステリー史上に残る傑作をものした。これはほぼ
完璧な作品で、そのトリックになんの予備知識もなくダイレクトにぶつかれた読者は幸福だ。
その後、『水車館』を書くが、これが江戸川乱歩的なダークファンタジー性はあるものの、
謎解き部分で破綻していた。
この手のミステリー小説は、謎解き部分も重要になるが、地の文章のテイスト、水準も気にかかる。
どうしても読む気にならない文章というものもある。その点、東野圭吾作品は、直木賞も受賞した
だけあって、リーダビリティーが高い。綾辻作品もその点はクリアしている。
しかし『水車館』と『迷路館』には、トリック部分で納得できないところがあった(『十角館』と
『時計館』にその不満はなかった)。『占星術殺人事件』などはその最たるものだが、”トリックを
描くための小説”になっていて、ミステリーの「本格」ではあっても、「小説としての本格性」に乏しい。
それと犯人の”動機”が書き込まれていないので、事件に深みがなくなっている。
『迷路館』の内容は、「建築家・中村青司」設計の建物で、猟奇的な連続殺人が起きていくというもの。
だが、著者の意図は、むごたらしい殺人事件謎解きの先に、叙述トリックの嵐というような二重三重の
仕掛けを施すことにある(この辺の畳み掛けが、東野の『ある閉ざされた』に近い)。
読み終わった時点では、コミカルで明るい終わり方なので、よくできたエンターテイメント映画を
見終わった時のような爽快さ(騙された快感)があるが、時間経過とともに、これはどうもグレイで、
もしかするとブラックなダメ作品に近いのではないかと思えてくる。
ミステリー小説を書く上で守らなくてはならない基本として、「ヴァン・ダインの二十則」があるが、
それでは、”事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない”とあるし、それに
先立って書かれた「ノックスの十戒」では、”探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決
してはならない”とされている。
*以下、内容や、ミステリーの核心部分に触れています。
著者は、冒頭から読者をミスリードする。この本の設定では、島田という人物が、自分に送られてきた
本『迷路館の殺人』を読む。そこから物語が始まる。読者は、この島田という人物が、後で出てくる
島田潔だと思って読み進めるが、実はその兄の方というのが、作品を形成する最も大きな枠になっている。
それを作者は、記述の表現上で「島田は」とすることで、苗字の後ろに2人の人物を重ね合わせ、
後にそのすり替えを行なっていく。
残念なのは、全体の鍵となる要素、真犯人の性別について。実際は女性なのに、その氏名を「鮫島智生」
とすることで、男性性を強めている。智実とかにしていれば、まだ灰色にはなったが、智生ではほぼ
完全に男性。
また『迷路館』では、各部屋に大きな鏡(姿見)があり、それが秘密の通路につながる扉になっている
というのが最大の謎解きなのだが、部屋にそんなものがあるとは1行も書かれていない。”中村青司の
設計だから、どこかに秘密の通路があるかもしれない”というフレーズは何度か出てくるが、その
ほのめかし程度にとどまっている。これではこの小説への信頼度は高くならないし、作家に対する
不信にもつながっていく。
2018年9月30日に日本でレビュー済み
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最後の最後で騙されて、ははぁ、と声を上げてしまいました。
非常に面白い作品でした。
この作品を読もうと思われている方は、
先に、館シリーズ1作目の「十角館の殺人」と、2作目の「水車館の殺人」を是非読んでいただきたい。
その方が、この作品をより楽しめると思います。
非常に面白い作品でした。
この作品を読もうと思われている方は、
先に、館シリーズ1作目の「十角館の殺人」と、2作目の「水車館の殺人」を是非読んでいただきたい。
その方が、この作品をより楽しめると思います。
2023年1月3日に日本でレビュー済み
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考察したものの、思わぬ角度から騙される爽快さが心地よい読了感。
2021年5月14日に日本でレビュー済み
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推理小説好きにはたまらない一冊。内容に古さは感じられる箇所もあるが、全く気にならずに読み進めることができる。推理小説に馴染みのない方にもオススメできます。