著者は、東大全共闘の議長(博士課程中退)を担った人物であり、福島第一原発事故について、事故後短時間で、どうとらえるかは小著で出したものである。
第一部は、「原発」は、アメリカが核爆弾を作るマンハッタン計画でその爆薬となるプルトニュームを製造するために、軍事目的で作られた。日本の政治家も、今は作らないが、いつでも核兵器を作る能力はある(プルトニュームとロケット技術)と言う潜在的可能性を否定しない。そういう代物としても存在していることを強調する。
第二部は、原発は、非常に複雑であり、多くの部品と色んな脆弱性を持った装置であり、一旦動かすと、たとえ核分列を止めたとしても、燃料の崩壊熱は常に冷やし続けなければならず、放射能・放射線発していて、炉には死の灰が溜まっている。メンテナンスや故障の修理も簡単ではなく、可なり脆弱なものを多くひそめたシステム構造であり、内部・外部要因による危険性が通常のものとは遥かに違うシステム装置であることを強調する。
第三部は、彼の専門分野の科学技術史・社会史の中に「原子力発電」を位置づけ、「科学技術幻想とその破綻」を述べる。科学者は、現象から自然法則を導き出し、それを科学技術に結実するという事から、だんだんと人間は科学をもって自然を支配し、征服するという傲慢な方向へ進んで行ったという。しかし、それは単なる慢心な自惚れであり、自然の持つ力を侮ることであった。人は「人間に許された領域」を超え、自然界では、先ず起こることのない核分裂の連鎖反応を人為的に出現させ、自然界にないプルトニュームと言う猛毒物質を作り出して、それを原爆として使い、危険な原発として使うに至った。それは人間が制御できるものではない代物を作り出してしまったという。
しかも、これは国策と言う国家が推進する、国家の計画経済「国策民営」であり、国家・電力会社・官僚を含めた「原子力ムラ」と言う利権構造で結びついた巨大モンスターであり、ほとんど他から掣肘を受けることなく推進されてきた原子力開発は、その挙句、福島の惨状をもたらしたとする。
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福島の原発事故をめぐって―― いくつか学び考えたこと 単行本(ソフトカバー) – 2011/8/25
山本 義隆
(著)
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一刻もはやく原発依存社会から脱却すべきである。福島原発事故以来の日本社会に向けて『磁力と重力の発見』の著者が描く書き下ろし。
- ISBN-104622076446
- ISBN-13978-4622076445
- 出版社みすず書房
- 発売日2011/8/25
- 言語日本語
- 寸法13 x 1.3 x 18.8 cm
- 本の長さ114ページ
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登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2011/8/25)
- 発売日 : 2011/8/25
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 114ページ
- ISBN-10 : 4622076446
- ISBN-13 : 978-4622076445
- 寸法 : 13 x 1.3 x 18.8 cm
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2015年7月31日に日本でレビュー済み
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『磁力と重力の発見』『熱学思想の史的展開』で名高い山本義隆に期待するのは、科学思想史から見て原子力利用という技術は、必然のように創造されたものなのか、という疑問への答えだった。第3部でその答えは示される。
第1部では、日本での原子力発電はその延長として「核兵器の開発が可能である」ことをふくみ、大国化の条件として歴代の政府が考えていたことを明らかにしている。第2部では、国際的にみても放射能を無害化する技術は開発されておらず、原子力発電の技術は未熟であることを証明しようとしている。
原発事故をめぐる有力な情報や言説をよくまとめ、「学ぶもの」としての態度が一貫し、さらに象牙の塔にこもらず行動に出ようとしているのは好感が持てる。
第1部では、日本での原子力発電はその延長として「核兵器の開発が可能である」ことをふくみ、大国化の条件として歴代の政府が考えていたことを明らかにしている。第2部では、国際的にみても放射能を無害化する技術は開発されておらず、原子力発電の技術は未熟であることを証明しようとしている。
原発事故をめぐる有力な情報や言説をよくまとめ、「学ぶもの」としての態度が一貫し、さらに象牙の塔にこもらず行動に出ようとしているのは好感が持てる。
2020年12月10日に日本でレビュー済み
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物理学科から原子力の実態を語ってくださる稀有な方です
先生の本は、読めるうちに読んでおきたい。すばらしい書籍です
先生の本は、読めるうちに読んでおきたい。すばらしい書籍です
2019年5月2日に日本でレビュー済み
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図書館で借りて読んで、どうしても自分の本として欲しくて手に入れました。帯がついていて新品同様でした。
2020年9月30日に日本でレビュー済み
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多くの(一次)資料にあたり、「いかに原発が危険かつ不要なものか」を精緻な論理で展開していく。また国家権力が原発を推進するためにどのような手段を用いてきたかも明らかにされている。これだけの内容が原発事故からわずか5か月後に出版されたことに、尊敬の念をいただきつつ驚く。著者にも出版社に対しても。みすず書房の良心に感謝する。必読の書。
2018年12月10日に日本でレビュー済み
再掲
図書館本
山本氏(1941-)のプロフィールにはいくつか抜けているように思うが、ご自身のチョイスなのだろう。東大理学部物理卒、大学院中退。駿台講師。
西洋思想・哲学・歴史から考えた原子力(核力)という存在、そしてフクシマという現実。
中沢新一の言う「原発は一神教」的な文脈はおそらく、日本にかなり強硬に西洋思想・哲学を導入し、科学・技術が進歩発展のための唯一の方法論であると見誤った日本人の結果なのかもしれないと本書を読んで思った。日本人は原発を神と捉えられなかったのだろう。その辺の事は、大津波と原発 内田樹x中沢新一x平川克美 朝日新聞出版 2011をご参照ください。
備忘録メモ
1958年原子力発電に向けてアクセルを踏んだ岸信介総理大臣(東条内閣時閣僚、A級戦犯)
1959年防衛用小型核兵器は合憲と主張。
核燃料サイクル「力ずくでも進めていくべき課題」2001年資源エネルギー庁長官
核兵器製造の機微技術(再処理、ウラン濃縮)平和利用という建前
原子力発電の推進、核燃料サイクルの開発が、「産業政策の枠を超え」る「外交、安全保障政策」の問題として位置づけられているのであれば、経済的収益性はもとより技術的安全性さえもが、二の次、三の次の問題となってしまうであろう。
放射性廃棄物に関して1978年アメリカ「過去30年間何億ドルという巨額の研究費が使われたにもかかわらず、恒久的で安全な廃棄物処理と保管の方法はまだ発見されていない」
榎本聰明(東電副社長、東大原子力工学科)2009年高レベル放射性廃棄物の地層処分場に関して、「処分場閉鎖後、数万年以上というこれまでに経験のない超長期の安全性の確保が求められる、中略 この事業を円滑に実施するためには、事業の意義やそのしくみにについて、各地方自治体や国民に広く理解、協力を得る必要があり、理解活動がよりいっそう重要となります」(山本氏の指摘:正気で書いている? 札束の力で理解さえる活動)
人形峠のウラン鉱の土砂はアメリカのユタ州の先住民居留地に搬出と報道。
元技術者菊池洋一、原発は「配管のおばけ」
平井憲夫 高速増殖炉もんじゅについて図面を引く基準が「日立は0.5ミリ切り捨て、東芝と三菱は0.5ミリ切り上げ、日本原研は0.5ミリ切り下げ」
マークI型軽水炉の危険性・欠陥は1976年にすでに指摘(各種報道、NHKでの検証番組)
科学技術幻想とその破綻
科学技術と自然対する畏怖の消失の歴史
16世紀文化革命(自然魔術師や技術者や職人は、自身が開発して蓄積した技術ノウハウをおりから出現した印刷出版によって公開していった)
17世紀科学革命へ
科学技術による自然の征服思想 (自然にたいする支配権、自然の主人公で所有者(デカルト))
経験主義的な技術がまだ先行した時代(理論が後追い)
19世紀中期、先行する技術発展に熱力学的理論が追いついた。
自然を利用する、地球は主人の監視のもとでどんな過酷な労働もしてくれるようになる。
市場原理にゆだねたならばその収益性からもリスクの大きさからも忌避されるであろう原子力発電に対する異常なまでの国家の介入と電力会社にたいする手厚すぎる保護は、弱者保護の対極にあり、きわめて由々しい結果をもたらしている。実際、それでなくても強力な中央館長と巨大な地域独占企業の二人三脚による、その危険性からも政治的観点かももともと問題が多く国民合意も形成されていない原子力開発への突進は、ほとんど暴走状態をもたらたしている。税金をもちいた多額の交付金によって地方議会を切り崩し、地方自治体を財政的に原発に反対できない状態に追いやり、優遇されている電力会社は、他の企業 では考えられないような潤沢な宣伝費用を投入することで大マスコミを抱き込み、頻繁に生じている小規模な事故や不具合の発覚を隠蔽して安全宣言を繰りかえ し、寄付講座という形でのボス教授の支配の続く大学研究室をまるごと買収し、こうして、地元やマスコミや学界から批判者を排除し翼賛体制を作りあげていったやり方は、原発ファシズムともいうべき様相を呈している。そして、それに反する首長に冤罪すら仕組む(前福島知事)。
アメリカやソ連と同様に待機中に放射性物質を大量に放出した国の仲間入りをしてしまった。こうなった以上は、世界中がフクシマの教訓を共有するべく、事故の経過と責任を包み隠さず明らかにし、そのうえで、率先して脱原発社会、脱原爆社会を宣言し、そのモデルを世界に示すべきであろう。
本書には関係ないが、山本氏はもちろん元東大全共闘の議長である。未来を約束された優秀な物理学者でもあったと聞く。
図書館本
山本氏(1941-)のプロフィールにはいくつか抜けているように思うが、ご自身のチョイスなのだろう。東大理学部物理卒、大学院中退。駿台講師。
西洋思想・哲学・歴史から考えた原子力(核力)という存在、そしてフクシマという現実。
中沢新一の言う「原発は一神教」的な文脈はおそらく、日本にかなり強硬に西洋思想・哲学を導入し、科学・技術が進歩発展のための唯一の方法論であると見誤った日本人の結果なのかもしれないと本書を読んで思った。日本人は原発を神と捉えられなかったのだろう。その辺の事は、大津波と原発 内田樹x中沢新一x平川克美 朝日新聞出版 2011をご参照ください。
備忘録メモ
1958年原子力発電に向けてアクセルを踏んだ岸信介総理大臣(東条内閣時閣僚、A級戦犯)
1959年防衛用小型核兵器は合憲と主張。
核燃料サイクル「力ずくでも進めていくべき課題」2001年資源エネルギー庁長官
核兵器製造の機微技術(再処理、ウラン濃縮)平和利用という建前
原子力発電の推進、核燃料サイクルの開発が、「産業政策の枠を超え」る「外交、安全保障政策」の問題として位置づけられているのであれば、経済的収益性はもとより技術的安全性さえもが、二の次、三の次の問題となってしまうであろう。
放射性廃棄物に関して1978年アメリカ「過去30年間何億ドルという巨額の研究費が使われたにもかかわらず、恒久的で安全な廃棄物処理と保管の方法はまだ発見されていない」
榎本聰明(東電副社長、東大原子力工学科)2009年高レベル放射性廃棄物の地層処分場に関して、「処分場閉鎖後、数万年以上というこれまでに経験のない超長期の安全性の確保が求められる、中略 この事業を円滑に実施するためには、事業の意義やそのしくみにについて、各地方自治体や国民に広く理解、協力を得る必要があり、理解活動がよりいっそう重要となります」(山本氏の指摘:正気で書いている? 札束の力で理解さえる活動)
人形峠のウラン鉱の土砂はアメリカのユタ州の先住民居留地に搬出と報道。
元技術者菊池洋一、原発は「配管のおばけ」
平井憲夫 高速増殖炉もんじゅについて図面を引く基準が「日立は0.5ミリ切り捨て、東芝と三菱は0.5ミリ切り上げ、日本原研は0.5ミリ切り下げ」
マークI型軽水炉の危険性・欠陥は1976年にすでに指摘(各種報道、NHKでの検証番組)
科学技術幻想とその破綻
科学技術と自然対する畏怖の消失の歴史
16世紀文化革命(自然魔術師や技術者や職人は、自身が開発して蓄積した技術ノウハウをおりから出現した印刷出版によって公開していった)
17世紀科学革命へ
科学技術による自然の征服思想 (自然にたいする支配権、自然の主人公で所有者(デカルト))
経験主義的な技術がまだ先行した時代(理論が後追い)
19世紀中期、先行する技術発展に熱力学的理論が追いついた。
自然を利用する、地球は主人の監視のもとでどんな過酷な労働もしてくれるようになる。
市場原理にゆだねたならばその収益性からもリスクの大きさからも忌避されるであろう原子力発電に対する異常なまでの国家の介入と電力会社にたいする手厚すぎる保護は、弱者保護の対極にあり、きわめて由々しい結果をもたらしている。実際、それでなくても強力な中央館長と巨大な地域独占企業の二人三脚による、その危険性からも政治的観点かももともと問題が多く国民合意も形成されていない原子力開発への突進は、ほとんど暴走状態をもたらたしている。税金をもちいた多額の交付金によって地方議会を切り崩し、地方自治体を財政的に原発に反対できない状態に追いやり、優遇されている電力会社は、他の企業 では考えられないような潤沢な宣伝費用を投入することで大マスコミを抱き込み、頻繁に生じている小規模な事故や不具合の発覚を隠蔽して安全宣言を繰りかえ し、寄付講座という形でのボス教授の支配の続く大学研究室をまるごと買収し、こうして、地元やマスコミや学界から批判者を排除し翼賛体制を作りあげていったやり方は、原発ファシズムともいうべき様相を呈している。そして、それに反する首長に冤罪すら仕組む(前福島知事)。
アメリカやソ連と同様に待機中に放射性物質を大量に放出した国の仲間入りをしてしまった。こうなった以上は、世界中がフクシマの教訓を共有するべく、事故の経過と責任を包み隠さず明らかにし、そのうえで、率先して脱原発社会、脱原爆社会を宣言し、そのモデルを世界に示すべきであろう。
本書には関係ないが、山本氏はもちろん元東大全共闘の議長である。未来を約束された優秀な物理学者でもあったと聞く。
2011年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原発を巡る数々の文献を分かり易くチョイスしてある。
さらに、科学や科学技術、技術についても著者お得意分野の
近代科学史から戦前・戦後と筋を通して、おごった人間の文
明批判をしている。確かに内容は、各種原発問題を扱った本
とさほど違いはない、しかし、この類の本にオリジナリティ
を求めること自体がどうなのか。よくコンパクトにまとめ上
げている。高木仁三郎を継承する人物になるかもしれない。
最後の山本義隆の言葉が胸にしみる、引用する。
「日本人は、ヒロシマとナガサキで被爆しただけではない。
今後日本は、フクシマの事故でもってアメリカとフランスに
ついで太平洋を放射性物質で汚染した三番目の国として、世
界から語られることになるであろう。この国はまた、大気圏
で原爆実験をやったアメリカやかつてのソ連とならんで、大
気中に放射性物質を大量に放出した国の仲間入りもしてしま
ったのである。こうなった以上は、世界中がフクシマの教訓
を共有するべく、事故の経過と責任を包み隠さず明らかにし、
そのうえで、率先して脱原発社会、脱原爆社会を宣言し、そ
のモデルを世界に示すべきであろう。」
さらに、科学や科学技術、技術についても著者お得意分野の
近代科学史から戦前・戦後と筋を通して、おごった人間の文
明批判をしている。確かに内容は、各種原発問題を扱った本
とさほど違いはない、しかし、この類の本にオリジナリティ
を求めること自体がどうなのか。よくコンパクトにまとめ上
げている。高木仁三郎を継承する人物になるかもしれない。
最後の山本義隆の言葉が胸にしみる、引用する。
「日本人は、ヒロシマとナガサキで被爆しただけではない。
今後日本は、フクシマの事故でもってアメリカとフランスに
ついで太平洋を放射性物質で汚染した三番目の国として、世
界から語られることになるであろう。この国はまた、大気圏
で原爆実験をやったアメリカやかつてのソ連とならんで、大
気中に放射性物質を大量に放出した国の仲間入りもしてしま
ったのである。こうなった以上は、世界中がフクシマの教訓
を共有するべく、事故の経過と責任を包み隠さず明らかにし、
そのうえで、率先して脱原発社会、脱原爆社会を宣言し、そ
のモデルを世界に示すべきであろう。」