本書が書かれた当時から(原著初版1993年)から、環境問題は叫ばれていましたが、
ちょっとしたリサイクルで満足してしまっている風潮があったとのことです(未だに見受けられますが)。
そこで、本書は真の意味でのサステナビリティとはなにか、を深く考え、書かれたとのことです。
まず「永続的な社会を築くためには、あらゆる行動が本質的に持続可能で環境の修復につながるビジネスや生産のシステムが必要」であるとし、
個々の企業は「持続可能なビジネスの方法を確立するために、経済・生物・人間という3つのシステムを一つにまとめあげなければならない」が、企業単独でできることには限界があるため、
「よいことをするのがしごく簡単で、人のためになる行動だと意識しなくても、日々の仕事や生活の積み重ねが自然により良い世界をもたらすようなシステムを設計すべきである」
と提唱しています。
そして、それらを実現するための目標として、以下を設定しています。
・今後50年以内に、北側諸国のエネルギーや天然資源の絶対消費量を80%削減する
・すべての人々に安全で安定した有意義な仕事を提供する
・規制されたり道徳的に求められるのではなく、自発的に行動するようになる
・市場原理を尊重する
・われわれの現在の暮らしをもっと価値あるものにする
・破壊された生息地や生態系を修復することによって、持続可能性を生物学的能力の限界まで高める
・現在の恵みに頼る
・楽しく魅力的になり、美的結果を求めて努力する
これらを踏まえて本書は展開していくのですが、下記のような手法を提唱しています。
・これまでのような成長(量の拡大)ではなく、発展(質の拡大)
・権益を守るためにロビー活動をする大企業ではなく、フットワークの軽い中小企業の活動の促進
・懲罰的/汚染者負担的な意図ではなく、市場システムを持続可能に修復させるための環境税
・電力の発電ではなく、省エネで利益のでるビジネスモデル
・持続可能な活動を先進レベルで実施している国からの輸入関税を削減・撤廃する最持続可能国待遇
また、当時の知見では地球温暖化の可能性は不明だったようですが(現在は規模はともかく温暖化は明らか)、
それでも、これらの方策を講じておけば、世界中の健康を増進しているはずである、としています。
今から20年近くも前の本なのですが、まったく古さを感じさせません。
個々の数値は当然古いのですが、メッセージは今でも十分に訴えかけるものがあります。
逆に、この20年近くの期間をかけても、持続可能性に向けた進展があまり見られないことを証明しているようです。
2011/3/12読了
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
サステナビリティ革命: ビジネスが環境を救う 単行本 – 1995/6/1
- 本の長さ331ページ
- 言語日本語
- 出版社ジャパンタイムズ出版
- 発売日1995/6/1
- ISBN-104789007723
- ISBN-13978-4789007726
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
持続可能(サステナブル)な社会はいかにして可能になるか。環境・企業・消費者すべてが勝利するシステムとは何か。生産的で、利益をもたらし、実行可能な環境保護の方策を具体的に示した注目の書。
登録情報
- 出版社 : ジャパンタイムズ出版 (1995/6/1)
- 発売日 : 1995/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 331ページ
- ISBN-10 : 4789007723
- ISBN-13 : 978-4789007726
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,323,969位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 425位環境とビジネス
- - 2,423位都市開発・都市問題 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中5つ
5つのうち5つ
2グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。