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脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論 Kindle版
細胞の塊にすぎない脳に、なぜ知能が生じるのか? カギは大脳新皮質の構成単位「皮質コラム」にあった。ひとつの物体や概念に対して何千ものコラムがモデルを持ち、次の入力を予測している――脳と人工知能の理解に革命を起こす「1000の脳」理論、初の解説書
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2022/4/20
- ファイルサイズ5531 KB
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商品の説明
出版社からのコメント
知能の謎を解くカギは、大脳新皮質の構成単位「皮質コラム」にあった。/あなたが動くと感覚入力が変わる。それを観察することによって、脳は世界のモデルを学習する。モデルの基礎をなすのは、物体の位置とその変化を記述する「座標系」である。あらゆる皮質コラムに座標系をつくる細胞があり、あらゆる皮質コラムがモデルを持つ。/いま、あなたの目の前にコーヒーカップがあるとする。それをつかもうと手を伸ばすとき、コーヒーカップのモデルを持つ何千ものコラムが、次にどんな入力があるかを予測している。手ざわり、重さ、温度、机にもどしたときに立てる音……。あなたの知覚とは、コラム間の「投票」によってたどり着いた合意である。/このメカニズムは、物体の認知にとどまらない。民主主義、人権、数学、すべての概念は座標系内に保存される。思考とは、座標系内を動きまわることに他ならない。
著者について
著者紹介
ジェフ・ホーキンス(Jeff Hawkins)
1957年生まれ。神経科学者、起業家。神経科学とAI(人工知能)の研究を行なうヌメンタ社の共同創業者、チーフサイエンティスト。1979年にコーネル大学で電気工学の学士号を取得後、インテルのソフトウェア・エンジニアとして数年間働く。1986年にカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)で神経科学の博士課程に進んだが、大学という組織のなかで脳を総合的に研究することの壁に突き当たってシリコンバレーに戻り、1992年にパーム・コンピューティングを設立。現在のスマートフォンの先駆けとなる携帯情報端末「パームパイロット(PalmPilot)」を開発した。2002年、レッドウッド神経科学研究所を設立。2005年、同研究所をUCバークレーに移管するとともに、ヌメンタを設立。ホーキンスのアイデアはアンドリュー・エンや松尾豊らAI分野の著名人に影響を与え、各方面から称賛を集めている。他の著書に『考える脳 考えるコンピューター』(サンドラ・ブレイクスリーとの共著)がある。
訳者略歴
大田直子(おおた・なおこ)
翻訳家。東京大学文学部社会心理学科卒。訳書にドーキンス『さらば、神よ』『魂に息づく科学』、イーグルマン『あなたの脳のはなし』『あなたの知らない脳』、ムッライナタン&シャフィール『いつも「時間がない」あなたに』、リドレー『繁栄』『進化は万能である』(ともに共訳)、サックス『意識の川をゆく』『音楽嗜好症』(以上早川書房刊)ほか多数。
ジェフ・ホーキンス(Jeff Hawkins)
1957年生まれ。神経科学者、起業家。神経科学とAI(人工知能)の研究を行なうヌメンタ社の共同創業者、チーフサイエンティスト。1979年にコーネル大学で電気工学の学士号を取得後、インテルのソフトウェア・エンジニアとして数年間働く。1986年にカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)で神経科学の博士課程に進んだが、大学という組織のなかで脳を総合的に研究することの壁に突き当たってシリコンバレーに戻り、1992年にパーム・コンピューティングを設立。現在のスマートフォンの先駆けとなる携帯情報端末「パームパイロット(PalmPilot)」を開発した。2002年、レッドウッド神経科学研究所を設立。2005年、同研究所をUCバークレーに移管するとともに、ヌメンタを設立。ホーキンスのアイデアはアンドリュー・エンや松尾豊らAI分野の著名人に影響を与え、各方面から称賛を集めている。他の著書に『考える脳 考えるコンピューター』(サンドラ・ブレイクスリーとの共著)がある。
訳者略歴
大田直子(おおた・なおこ)
翻訳家。東京大学文学部社会心理学科卒。訳書にドーキンス『さらば、神よ』『魂に息づく科学』、イーグルマン『あなたの脳のはなし』『あなたの知らない脳』、ムッライナタン&シャフィール『いつも「時間がない」あなたに』、リドレー『繁栄』『進化は万能である』(ともに共訳)、サックス『意識の川をゆく』『音楽嗜好症』(以上早川書房刊)ほか多数。
登録情報
- ASIN : B09XV35SNR
- 出版社 : 早川書房 (2022/4/20)
- 発売日 : 2022/4/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 5531 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 333ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 13,524位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 761位科学・テクノロジー (Kindleストア)
- - 4,076位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
例えも分かりやすくてなるほどなって理解できるし、シンギュラリティを超えることを想像するとワクワクが止まらない一気に読んでしまった!
2024年3月22日に日本でレビュー済み
脳の新皮質は、平たく伸ばすと大きめの食事用ナプキンぐらいの大きさで、厚さは約2.5mm程度である。厚さ方向に伸びるニューロンは、その密度と種類、およびそのつながり方の違いによってだいたい6層に区分され、平面方向には、同類の情報の伝えるニューロン束から構成される断面1平方mmの柱状構造(コラム)に分割される。1コラムあたりのニューロンはおよそ10万、シナプスは5億、シナプスへ信号を送る軸索とシナプスから信号を受け取る柱状突起は数kmに及ぶ。このコラムは境界があまり明確ではないが、さらに顕微鏡で識別できる100あまりのミニコラムに分割できる。このようなニューロンの分布は視覚野、言語野、触覚野などの各領域を比較してもよく似ていて、存在する神経細胞の種類やその割合に若干の違いを有する程度である。また、各領域のコラムから出力される信号は、別のコラムにつながっている。
2005年に出版された前著『考える脳考えるコンピューター』では、ニューロンの下位側(感覚野)から入力された信号の変化によって生成されるパターンが上位側に記憶されているパターンとの比較によって、次に発生する信号を予測し、確実に予測できる状態であれば、それが新たなシーケンスのパターンとして記憶される。もし、満足な予測ができなかった場合には、その信号は、さらに上位の階層に伝えられて、より高次のレベルでの予測が試みられるとみなされていた。このようなパターンを予測する処理は、自然言語や音楽など時系列(シーケンシャル)なイメージが強かった。
これに対して、本書『脳は世界をどう見ているか』では、前著で述べられていた神経回路による時系列的なパターン(シーケンス)の予測処理の上位処理として、感覚入力により得られた特徴に対応する場所細胞と自ら動くことにより得られる位置に対応する格子細胞との間のやりとり(予測)が何千もの位置で同時に行われることによって得られる座標的な認識、さらに頭方位細胞が加わることによって得られる物体の構造や現在位置から目標への行き方や、より抽象的な概念の構造が得られる過程が説明されている。(ただし、現時点では、個々のニューロン活動がどのようにして場所細胞、格子細胞、座標系の概念に至るかは不明。)
さらに、前著で述べた特徴(パターン)検出の処理が、人間の視覚に代表されるように上位領域と下位領域の間の階層的なものとして説明されていたが、実際には、ほとんどの領域が異なる多くのレベルの階層とつながっていることがわかってきた。その結果、階層的な関係ではなく、むしろ並列関係にある多数のコラムが各々のモデルによって予測された特徴を投票し、その中から最も頻度の高いものを選ぶことによって、物体の3次元構造や物体の構成、変化やふるまいを理解できると考えている。(1000の脳理論)
以上に述べた座標や投票にもとづいたシステムは、世界モデルと呼ばれている。
この投票にもとづく説は、ニューロン構造において、細胞体に遠い樹状突起に位置する隣り合った20個程度のシナプスが同時に入力を受けたときに、はじめて細胞体の電位が高まって予測状態となり、かつ細胞体に近い樹状突起上のシナプスに入力を受けたときに、細胞体は軸索を経由して他のニューロンに信号を出力することが観察されている事実と符合する。すなわち、この事実は、予測はニューロン間の階層ではなく、ひとつのニューロン内で行われていることを示している。
2005年に出版された前著『考える脳考えるコンピューター』では、ニューロンの下位側(感覚野)から入力された信号の変化によって生成されるパターンが上位側に記憶されているパターンとの比較によって、次に発生する信号を予測し、確実に予測できる状態であれば、それが新たなシーケンスのパターンとして記憶される。もし、満足な予測ができなかった場合には、その信号は、さらに上位の階層に伝えられて、より高次のレベルでの予測が試みられるとみなされていた。このようなパターンを予測する処理は、自然言語や音楽など時系列(シーケンシャル)なイメージが強かった。
これに対して、本書『脳は世界をどう見ているか』では、前著で述べられていた神経回路による時系列的なパターン(シーケンス)の予測処理の上位処理として、感覚入力により得られた特徴に対応する場所細胞と自ら動くことにより得られる位置に対応する格子細胞との間のやりとり(予測)が何千もの位置で同時に行われることによって得られる座標的な認識、さらに頭方位細胞が加わることによって得られる物体の構造や現在位置から目標への行き方や、より抽象的な概念の構造が得られる過程が説明されている。(ただし、現時点では、個々のニューロン活動がどのようにして場所細胞、格子細胞、座標系の概念に至るかは不明。)
さらに、前著で述べた特徴(パターン)検出の処理が、人間の視覚に代表されるように上位領域と下位領域の間の階層的なものとして説明されていたが、実際には、ほとんどの領域が異なる多くのレベルの階層とつながっていることがわかってきた。その結果、階層的な関係ではなく、むしろ並列関係にある多数のコラムが各々のモデルによって予測された特徴を投票し、その中から最も頻度の高いものを選ぶことによって、物体の3次元構造や物体の構成、変化やふるまいを理解できると考えている。(1000の脳理論)
以上に述べた座標や投票にもとづいたシステムは、世界モデルと呼ばれている。
この投票にもとづく説は、ニューロン構造において、細胞体に遠い樹状突起に位置する隣り合った20個程度のシナプスが同時に入力を受けたときに、はじめて細胞体の電位が高まって予測状態となり、かつ細胞体に近い樹状突起上のシナプスに入力を受けたときに、細胞体は軸索を経由して他のニューロンに信号を出力することが観察されている事実と符合する。すなわち、この事実は、予測はニューロン間の階層ではなく、ひとつのニューロン内で行われていることを示している。
2023年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この手の書籍で一番興味深い内容でした。おすすめです。
2023年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Deep LearningやGPT-3は、私達へ明確なAIの未来を提示してくれた。しかし、真に知的な存在となるにはもうあとワンステップが必要なのだ。
彼はその方法論を示した。大脳新皮質をシミュレートするために必要な皮質コラムの役割りと、それらのオブジェクトがマッピングされる必要性をである。間違えてはならないのが、目的は人間の脳を再現することではなく知的とはどういった構造で実現出来るのか?なのだ。ここに書かれていることはほんの基礎でしかないが、未来へ着実に進むための一歩となる。あとは神経生理学の知見が勝手に後押ししてくれるだろう。
2050年以降の汎用AIが当たり前となった時代。この本に書かれていることはもはや常識となっているだろう。
彼はその方法論を示した。大脳新皮質をシミュレートするために必要な皮質コラムの役割りと、それらのオブジェクトがマッピングされる必要性をである。間違えてはならないのが、目的は人間の脳を再現することではなく知的とはどういった構造で実現出来るのか?なのだ。ここに書かれていることはほんの基礎でしかないが、未来へ着実に進むための一歩となる。あとは神経生理学の知見が勝手に後押ししてくれるだろう。
2050年以降の汎用AIが当たり前となった時代。この本に書かれていることはもはや常識となっているだろう。
2024年4月24日に日本でレビュー済み
1978年にマウントキャッスルが大脳新皮質にはどの部分にも共通のアルゴリズムがあると提唱し
著者はそれが座標系に基づいていると主張しています。
検証されているわけではないこの著者の確信とひらめきが前半で載せられていて
後半は機械の知能と人間の知能について論じられています。
汎用人工知能AGIへのアプローチの方法や人工知能の未来など、これから先のまだ見ぬ世界を語っている後半に面白みがあり、スマートフォンのようなデバイスの出現を1992年に予見していた著者だからこそ述べられる視点が繰り広げられています。
理解や賛同が得られる部分が多かったかと言うと正直そうでもないですが(著者はそのことも承知の上で断っている)、”AI”の話題が過剰とも言える中で、もっと本質を見据えている本書の内容は読む価値はあるかなというところです。
著者はそれが座標系に基づいていると主張しています。
検証されているわけではないこの著者の確信とひらめきが前半で載せられていて
後半は機械の知能と人間の知能について論じられています。
汎用人工知能AGIへのアプローチの方法や人工知能の未来など、これから先のまだ見ぬ世界を語っている後半に面白みがあり、スマートフォンのようなデバイスの出現を1992年に予見していた著者だからこそ述べられる視点が繰り広げられています。
理解や賛同が得られる部分が多かったかと言うと正直そうでもないですが(著者はそのことも承知の上で断っている)、”AI”の話題が過剰とも言える中で、もっと本質を見据えている本書の内容は読む価値はあるかなというところです。
2023年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
3部構成で、脳の生理的な仕組みの話から、視点が上がっていき、一気に、人類の未来へ風呂敷が広がっていく。なんとなくだが、読後感がSFの「三体」のように感じた。
第一部の脳の仕組みの話題。「15万あるコラムがそれぞれ」、「位置情報を持ちながら入力マッチング」していて、「予測」をしている。その予測を15万のコラムが合意形成して、意識が生まれるといった理論の提案で、もちろん正しいかどうかはわからないが、下條さんの「サブリミナルマインド」などの内容など他書の知識をふまえて、なるほどと感じた。
第二部では脳の仕組みが解明されることで実現するAIと意識/クオリアの話題。
AIと人間の関係では、AIが人類の後継になるという考えが自分としてはしっくりした。現人類がAI実現によって豊になれるとしたら、自然に現人類は少子化により、事実上(保護されるレベルで残るかもだが)地球の主役からは退くのではと思う。
また、意識とは、「注意する能力」と「過去記憶を思い出せる」という2点のみから説明できるし、そもそも謎というほどのものでもないという著者の主張は、とても新鮮に感じた。そして、そうかもなとも思った。
第三部は人類の未来の話題。AIができたとしても人類は、古い脳の影響「など」から消えてしまうかもしれないという可能性は捨てきれないということ。他の知的存在との空間×時間での出会えなさの可能性。生命の存続よりも知識の存続だという主張。ここから、「存在したということ、知識を残す」という挑戦への自身の考えが展開される。知識を残す必要性というのは、「価値観」の話題であり、私は、自分は消えゆく存在を受け入れる執着しないという仏教的な感覚をいつか自身も持ちたいと願っているので共感しなかったが、一つの考え方だなとは思った。
第一部の脳の仕組みの話題。「15万あるコラムがそれぞれ」、「位置情報を持ちながら入力マッチング」していて、「予測」をしている。その予測を15万のコラムが合意形成して、意識が生まれるといった理論の提案で、もちろん正しいかどうかはわからないが、下條さんの「サブリミナルマインド」などの内容など他書の知識をふまえて、なるほどと感じた。
第二部では脳の仕組みが解明されることで実現するAIと意識/クオリアの話題。
AIと人間の関係では、AIが人類の後継になるという考えが自分としてはしっくりした。現人類がAI実現によって豊になれるとしたら、自然に現人類は少子化により、事実上(保護されるレベルで残るかもだが)地球の主役からは退くのではと思う。
また、意識とは、「注意する能力」と「過去記憶を思い出せる」という2点のみから説明できるし、そもそも謎というほどのものでもないという著者の主張は、とても新鮮に感じた。そして、そうかもなとも思った。
第三部は人類の未来の話題。AIができたとしても人類は、古い脳の影響「など」から消えてしまうかもしれないという可能性は捨てきれないということ。他の知的存在との空間×時間での出会えなさの可能性。生命の存続よりも知識の存続だという主張。ここから、「存在したということ、知識を残す」という挑戦への自身の考えが展開される。知識を残す必要性というのは、「価値観」の話題であり、私は、自分は消えゆく存在を受け入れる執着しないという仏教的な感覚をいつか自身も持ちたいと願っているので共感しなかったが、一つの考え方だなとは思った。
2023年6月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作(「考える脳考えるコンピュータ」)を読んでいないと深く理解するのは難しいかもしれない。
前作が日本で発売されたのは2005年。当時、ものすごく興奮して読んだ覚えがある。そして、前作の帯には「10年以内に実現する真の知能を持つ機械」と書かれていた。
それから17年。
今作を読んでわかったのは、脳のメカニズムを理解することは想像していた以上に難しそうだということだ。
前作では、脳のメカニズムを理解するには柱状構造(本作での皮質コラム)と新皮質の六層構造を理解することが必須だと指摘されていた。
本作でもその課題意識は引き継がれているが、結局は「コラムはこのような機能を持っている筈だ」という推察にとどまり、どのようにそれが実現されているのかは全く書かれていない。というより、理解するのにかなりの時間を要するという見通しのようだ。
今流行りのGPT-4の能力は凄いが、筆者が指摘する通り、深層学習ベースのAIでやれることには限界がある。
そして、その先に行くためには脳の理解が必須となるが、その道のりは想像していたよりずっと長そうだ。GPT-4がこの道のりを短縮してくれるんだろうか。
脳のメカニズムが解明されることを誰よりも願っているジェフ・ホーキンス氏が生きているうちに、この謎が解けると良いなと思う。
前作が日本で発売されたのは2005年。当時、ものすごく興奮して読んだ覚えがある。そして、前作の帯には「10年以内に実現する真の知能を持つ機械」と書かれていた。
それから17年。
今作を読んでわかったのは、脳のメカニズムを理解することは想像していた以上に難しそうだということだ。
前作では、脳のメカニズムを理解するには柱状構造(本作での皮質コラム)と新皮質の六層構造を理解することが必須だと指摘されていた。
本作でもその課題意識は引き継がれているが、結局は「コラムはこのような機能を持っている筈だ」という推察にとどまり、どのようにそれが実現されているのかは全く書かれていない。というより、理解するのにかなりの時間を要するという見通しのようだ。
今流行りのGPT-4の能力は凄いが、筆者が指摘する通り、深層学習ベースのAIでやれることには限界がある。
そして、その先に行くためには脳の理解が必須となるが、その道のりは想像していたよりずっと長そうだ。GPT-4がこの道のりを短縮してくれるんだろうか。
脳のメカニズムが解明されることを誰よりも願っているジェフ・ホーキンス氏が生きているうちに、この謎が解けると良いなと思う。
2022年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
脳が認知を組み立てていて、それ故に、私達の意識も生まれている。我思う故に我あり、というよりも、我認知す、故に我あり。脳には身体の感覚器官から情報がひっきりなしにフィードされていて、脳神経が反応しているが、記録の仕組みとフィルターの仕組みが上手く働いて、認知や記憶が為される。実験に裏打ちされた実証的研究の最新知見が山盛りです。