FINAL ACT以来、実に20年以上のブランクを経て、ガチシーを偶然見てからの復活祭→黒限→ムサモリと皆勤でLIVEに行きました(DUAL TOURも楽しみにしてます)。昨年の復活祭で鬼気迫る「闇火」を聴き衝撃を受け、本作に入っていることから昨年9月に購入しました。約1年越しにレビューを書きます。
新しいLUNA SEAが本アルバムで表現されています。アルバムタイトル「LUV」の通り、様々な形の愛が描かれます。私のオススメは、以下の7曲です。
1 Hold You Down
3 誓い文
7 闇火
9 Thousand Years
10 Limit
11 So Sad
12 BLACK AND BLUE
他の方のレビューにもある通り、賛否両論のアルバムであることに異論ありません。万人受けしないことも事実でしょう。ですが、それは意図あってのことです。「MOTHERやSTYLEの延長線にあるもの」ではなく、また前作「A WILL」の続編でもなく、新しい方向性を模索した意欲作なのです。愛がテーマとはいえ全体にまとまりがあるような、やはりないような、という印象は否めませんが、それは過去のINORANさんの名言「スタイルがないのが俺たちのスタイル」ということで受け入れてしまいましょう。以下、3曲に絞ってレビューします。
本作一曲目の「Hold You Down」は、これまでのLUNA SEAを知る方が初めて聴いた時にはあっけに取られることでしょう。これまでにない底抜けに明るい曲調からアルバムが幕開けするからです。しかし、SUGIZOさんのロングトーンが聴こえてくるあたりから間違いなくLUNA SEAサウンドとなっており、彼らが果敢に挑戦した新境地にふさわしい、希望に満ちた楽曲に仕上がっています。隆一さんの艶のある歌声は言うに及ばず、酔いしれること必至です。
次に度肝を抜かれるのは3曲目「誓い文」のはずです。1曲目から3曲目までポップな曲が並ぶことにも衝撃ですが、「運が良ければ誰にも友と呼べる出会いがあるだろう」という歌詞にあるように、友情がテーマの曲です。これがSUGIZOさん原曲ということにもまた仰天です。しかし、LUNA SEAのメンバーも人生経験を重ねるなか、丸くなり、成熟したことでこうした曲が出来上がっていったのでしょう。一度は不和により終幕し、しかしまた導かれるようにREBOOTした彼らに、そのような背景があっただろうことを思うと感慨深いです。本アルバム全体がそうなのですが、聴けば聴くほど良くなるタイプの曲だと思います。
11曲目の「So Sad」は、このアルバムで一番好きな曲です。スローバラードの切ないラブソングで、彼らの円熟したプレイを堪能できます。情感あるしっとりしたドラムに、名曲「Crazy About You」を思わせるベースラインが重なり、ドラマチックな2つのギターの音色が鳴り響くなか、隆一さんがこれでもかと切ない愛を歌い上げます。個人的ベスト曲は「RAIN」なのですが、これに負けず劣らず、惚れ惚れして何度もリピートしてしまいます。
正直、自分には合わない曲があるのも事実です。購入前に色々な方のレビューを読みましたが、結果として買ってよかったです。買ってから1年経ちましたが、時折取り出して聴いています。LUNA SEAがお好きな方で、まだこのアルバムを聴いたことのない人がいるのなら、食わず嫌いをしないでいただきたいです。人(音)が変わるのは当たり前です。変わらないことも価値があるとは思いますが、それは成長を放棄することと同義でもあるわけです。彼らが本作で彼ら自身に挑戦し、変貌を試みたことに敬意を表したいと思います。次作「CROSS」の次の「新作」を心待ちにしています。