こんにちは、古舘健です。
「『この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる
迷わず行けよ 行けばわかるさ』(P28)」
プロレスラーのアントニオ猪木氏の『道』の引用です。子どもの頃に本書を読みたかったと思うぐらい素敵なメッセージがたくさんありました。
本書は、天野篤氏、有川浩氏、池上彰氏、坂本フジヱ氏、樋口泰行氏、三浦しをん氏の7人が、働くことの本質を見通し、これまでの経験を踏まえた確かな考えを届けてくれる一冊です。
識者7人のメッセージはかっこいい。泣きました。
自分の心に正直に、自分の気持ちをストレートに伝えられています。子どもに向けた真剣なメッセージ。おかしさ、恥ずかしさ、迷いは微塵も感じません。
子ども編が響きました。
本書は、子ども編と、大人編に分かれています。子ども編にはすべての漢字に読み仮名がふられ、わかりやすかったです。どちらも主旨は同じなので、子どもと一緒に読むこともできます。
将来の夢を子どもに聞いていませんか?
「そもそも、子どもが知っている世界はとても狭小で限定的なもの。『将来の夢は?』
と聞かれたところで、自分の身近にいる人の職業やテレビや本で見たことのある職業の中からしか答えられません。(中略)『なんでもいいから勉強しなさい』と言ってあげるほうが、ずっと子どもの選択肢を広げられるのではないでしょうか。(P208)」
幼稚園のとき、私の夢は新幹線の運転手さんになることでした。祖父母の家が遠くにあったため、電車と新幹線を乗り継いで会いに行っていたからです。それだけ周囲が与える影響が大きいということでしょう。それぐらい子どもの夢って単純でした。
7人の識者からのメッセージは子どもの世界を確実に広げてくれます。たくさんの方に本書を読んでほしいです。お子さんをもつ方にとくにオススメの一冊です。
以下はメモのために抜粋します。
------------------------------------------------
P22 ( [子ども編] 天野 篤 氏 )
「それ以来、『もう同じ失敗はするなよ』と父親がいつも言っている気がして、『絶対に一流の心臓外科医になってやる』と脇目も振らずにやってきた。今、死にかけていた頃の父がいたら、絶対に助けられる自信がある。」
P26 ( [子ども編] 天野 篤 氏 )
「つまり、無駄だと思っていたことも、長く続けていくと、価値がわかることが多いんだ。続けると、無駄だと思っていたことが無駄ではなくなるってことだ。」
P32 ( [子ども編] 有川 浩 氏 )
「たしかに、お金を稼ぐという意味では、自分のためという部分もあるでしょう。でも、働いている人が仕事をしながら抱いている感覚の大部分は、『自分以外の誰かのため』だと私は思います。」
P43 ( [子ども編] 有川 浩 氏 )
「だから、あなたたちも、『みっともない姿を人に見せたくない』なんて思わずに、もがいて、あがいて、何にでもぶつかってください。そうやって積んできたものが、大人になって役に立つ財産になります。」
P58 ( [子ども編] 池上 彰 氏 )
「ボクがこれまで出会った幸せそうに働く人はみんな、『夢中になって仕事をしている人』だった。」
P71 ( [子ども編] 坂本 フジヱ 氏 )
「だから、お父さんやお母さんが満足しそうな答えをあれこれ考えることはありませんよ。自分の気持ちに素直に、興味があることを口にだすようにしましょうね。
(中略)私は今まで4000人くらいの赤ちゃんの誕生に立ち会ってきたんだけど、赤ちゃんはね、生まれる瞬間からたくさんのことを考えて、自分で決めているんですよ。」
P78 ( [子ども編] 坂本 フジヱ 氏 )
「そうだね、たとえるなら、リレーのバトンみたいなもの。第1走者が走りながら握っていたバトンを、第2走者が受け取って、もっと先へ走っていくという感じ。そうやって大事に大事に未来に向けて受け継いでいくもの。」
P108 ( [子ども編] 樋口 泰行 氏 )
「初めのうちは、人に任せるのがへたでした。(中略)でも、周りの人の力を信じて行動するようにしてから、だんだんと『一緒に仕事ができて楽しかった』『樋口さんがいてくれたから私は成長できた』『初めてこういうことに挑戦できた』……そんな風に言われるようになりました。それはどんな苦労も吹っ飛ぶぐらい、うれしい言葉でした。」
P115 ( [子ども編] 樋口 泰行 氏 )
「なんでも興味があることをやってみよう!
(中略)なんでもオーケー。ちょっとだけやって飽きてしまっても問題ない。『いろんなことをやってみる』という経験が、大人になって仕事を始めてからとても役に立ちます。」
P128-129 ( [子ども編] 三浦 しをん 氏 )
「2つ目違いも、ビックリするかもしれない。それは、『努力しても報われないことがある』ということ。
(中略)でも、仕事は、自分以外にいろんな人が関わってくる。一生懸命頑張ったとしても、一緒に働く相手の気持ちとうまくかみ合わなかったりすると、努力が報われないことなんてざらにある。」
P141 ( [大人編] 天野 篤 氏 )
「大事なのは、どんなに小さなつまずきであっても、その原因を突き止めること。原因がわかれば、克服すべき課題がわかる。二度と繰り返さないと心に誓いい、また手術室に向かうのです。」
P151 ( [大人編] 天野 篤 氏 )
「私の人生の最期を迎えるときには、『もう一度、あそこに行きたかった』ではなく、『もっと手術がしたかった』と思いながら、終止符をうつのでしょうね。」
P161 ( [大人編] 有川 浩 氏 )
「そうやって、目の前のことに一生懸命になって、自分の道を進んでいけば、自然とたくさんの出会いに恵まれるはずです。その出会いの中に、夢の種が見つかるかもしれません。すぐに見つからなくたって『カッコいい大人になろう』という志さえあれば、自然とその子にあった素敵な道を選んでくれるはずです。」
P225 ( [大人編] みうら しをん 氏 )
「つまり、社会の中で居場所があると思えると、人は嬉しくなるのです。それは、人が根本的に『さみしい』ことに耐えられない生き物だからではないでしょうか。(中略)そう考えると、『さみしい』と感じないための手段として、『働く』という方法を選ぶのはとても有効です。」
2016年8/8・8/11・8/15・8/21追記
小3年の友人が夏休みに素敵なレビューを書いてくれました!!
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大人はどうして働くの? (日経Kids+) 単行本 – 2014/7/3
宮本恵理子
(著)
『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』『生きる力ってなんですか?』に次ぐ、
子どもの素朴な疑問に識者が答えるシリーズ第3弾。
今回のテーマは「仕事」。
子どもの素朴な疑問に識者が答えるシリーズ第3弾。
今回のテーマは「仕事」。
- 本の長さ236ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2014/7/3
- ISBN-104822273881
- ISBN-13978-4822273880
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登録情報
- 出版社 : 日経BP (2014/7/3)
- 発売日 : 2014/7/3
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 236ページ
- ISBN-10 : 4822273881
- ISBN-13 : 978-4822273880
- Amazon 売れ筋ランキング: - 419,930位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 13,104位人生論・教訓
- - 35,069位教育・学参・受験 (本)
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子どもの世界を広げる良書
こんにちは、古舘健です。「『この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる迷わず行けよ 行けばわかるさ』(P28)」プロレスラーのアントニオ猪木氏の『道』の引用です。子どもの頃に本書を読みたかったと思うぐらい素敵なメッセージがたくさんありました。本書は、天野篤氏、有川浩氏、池上彰氏、坂本フジヱ氏、樋口泰行氏、三浦しをん氏の7人が、働くことの本質を見通し、これまでの経験を踏まえた確かな考えを届けてくれる一冊です。識者7人のメッセージはかっこいい。泣きました。自分の心に正直に、自分の気持ちをストレートに伝えられています。子どもに向けた真剣なメッセージ。おかしさ、恥ずかしさ、迷いは微塵も感じません。子ども編が響きました。本書は、子ども編と、大人編に分かれています。子ども編にはすべての漢字に読み仮名がふられ、わかりやすかったです。どちらも主旨は同じなので、子どもと一緒に読むこともできます。将来の夢を子どもに聞いていませんか?「そもそも、子どもが知っている世界はとても狭小で限定的なもの。『将来の夢は?』と聞かれたところで、自分の身近にいる人の職業やテレビや本で見たことのある職業の中からしか答えられません。(中略)『なんでもいいから勉強しなさい』と言ってあげるほうが、ずっと子どもの選択肢を広げられるのではないでしょうか。(P208)」幼稚園のとき、私の夢は新幹線の運転手さんになることでした。祖父母の家が遠くにあったため、電車と新幹線を乗り継いで会いに行っていたからです。それだけ周囲が与える影響が大きいということでしょう。それぐらい子どもの夢って単純でした。7人の識者からのメッセージは子どもの世界を確実に広げてくれます。たくさんの方に本書を読んでほしいです。お子さんをもつ方にとくにオススメの一冊です。以下はメモのために抜粋します。------------------------------------------------P22 ( [子ども編] 天野 篤 氏 )「それ以来、『もう同じ失敗はするなよ』と父親がいつも言っている気がして、『絶対に一流の心臓外科医になってやる』と脇目も振らずにやってきた。今、死にかけていた頃の父がいたら、絶対に助けられる自信がある。」P26 ( [子ども編] 天野 篤 氏 )「つまり、無駄だと思っていたことも、長く続けていくと、価値がわかることが多いんだ。続けると、無駄だと思っていたことが無駄ではなくなるってことだ。」P32 ( [子ども編] 有川 浩 氏 )「たしかに、お金を稼ぐという意味では、自分のためという部分もあるでしょう。でも、働いている人が仕事をしながら抱いている感覚の大部分は、『自分以外の誰かのため』だと私は思います。」P43 ( [子ども編] 有川 浩 氏 )「だから、あなたたちも、『みっともない姿を人に見せたくない』なんて思わずに、もがいて、あがいて、何にでもぶつかってください。そうやって積んできたものが、大人になって役に立つ財産になります。」P58 ( [子ども編] 池上 彰 氏 )「ボクがこれまで出会った幸せそうに働く人はみんな、『夢中になって仕事をしている人』だった。」P71 ( [子ども編] 坂本 フジヱ 氏 )「だから、お父さんやお母さんが満足しそうな答えをあれこれ考えることはありませんよ。自分の気持ちに素直に、興味があることを口にだすようにしましょうね。(中略)私は今まで4000人くらいの赤ちゃんの誕生に立ち会ってきたんだけど、赤ちゃんはね、生まれる瞬間からたくさんのことを考えて、自分で決めているんですよ。」P78 ( [子ども編] 坂本 フジヱ 氏 )「そうだね、たとえるなら、リレーのバトンみたいなもの。第1走者が走りながら握っていたバトンを、第2走者が受け取って、もっと先へ走っていくという感じ。そうやって大事に大事に未来に向けて受け継いでいくもの。」P108 ( [子ども編] 樋口 泰行 氏 )「初めのうちは、人に任せるのがへたでした。(中略)でも、周りの人の力を信じて行動するようにしてから、だんだんと『一緒に仕事ができて楽しかった』『樋口さんがいてくれたから私は成長できた』『初めてこういうことに挑戦できた』……そんな風に言われるようになりました。それはどんな苦労も吹っ飛ぶぐらい、うれしい言葉でした。」P115 ( [子ども編] 樋口 泰行 氏 )「なんでも興味があることをやってみよう!(中略)なんでもオーケー。ちょっとだけやって飽きてしまっても問題ない。『いろんなことをやってみる』という経験が、大人になって仕事を始めてからとても役に立ちます。」P128-129 ( [子ども編] 三浦 しをん 氏 )「2つ目違いも、ビックリするかもしれない。それは、『努力しても報われないことがある』ということ。(中略)でも、仕事は、自分以外にいろんな人が関わってくる。一生懸命頑張ったとしても、一緒に働く相手の気持ちとうまくかみ合わなかったりすると、努力が報われないことなんてざらにある。」P141 ( [大人編] 天野 篤 氏 )「大事なのは、どんなに小さなつまずきであっても、その原因を突き止めること。原因がわかれば、克服すべき課題がわかる。二度と繰り返さないと心に誓いい、また手術室に向かうのです。」P151 ( [大人編] 天野 篤 氏 )「私の人生の最期を迎えるときには、『もう一度、あそこに行きたかった』ではなく、『もっと手術がしたかった』と思いながら、終止符をうつのでしょうね。」P161 ( [大人編] 有川 浩 氏 )「そうやって、目の前のことに一生懸命になって、自分の道を進んでいけば、自然とたくさんの出会いに恵まれるはずです。その出会いの中に、夢の種が見つかるかもしれません。すぐに見つからなくたって『カッコいい大人になろう』という志さえあれば、自然とその子にあった素敵な道を選んでくれるはずです。」P225 ( [大人編] みうら しをん 氏 )「つまり、社会の中で居場所があると思えると、人は嬉しくなるのです。それは、人が根本的に『さみしい』ことに耐えられない生き物だからではないでしょうか。(中略)そう考えると、『さみしい』と感じないための手段として、『働く』という方法を選ぶのはとても有効です。」2016年8/8・8/11・8/15・8/21追記小3年の友人が夏休みに素敵なレビューを書いてくれました!!
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こんにちは、古舘健です。
「『この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる
迷わず行けよ 行けばわかるさ』(P28)」
プロレスラーのアントニオ猪木氏の『道』の引用です。子どもの頃に本書を読みたかったと思うぐらい素敵なメッセージがたくさんありました。
本書は、天野篤氏、有川浩氏、池上彰氏、坂本フジヱ氏、樋口泰行氏、三浦しをん氏の7人が、働くことの本質を見通し、これまでの経験を踏まえた確かな考えを届けてくれる一冊です。
識者7人のメッセージはかっこいい。泣きました。
自分の心に正直に、自分の気持ちをストレートに伝えられています。子どもに向けた真剣なメッセージ。おかしさ、恥ずかしさ、迷いは微塵も感じません。
子ども編が響きました。
本書は、子ども編と、大人編に分かれています。子ども編にはすべての漢字に読み仮名がふられ、わかりやすかったです。どちらも主旨は同じなので、子どもと一緒に読むこともできます。
将来の夢を子どもに聞いていませんか?
「そもそも、子どもが知っている世界はとても狭小で限定的なもの。『将来の夢は?』
と聞かれたところで、自分の身近にいる人の職業やテレビや本で見たことのある職業の中からしか答えられません。(中略)『なんでもいいから勉強しなさい』と言ってあげるほうが、ずっと子どもの選択肢を広げられるのではないでしょうか。(P208)」
幼稚園のとき、私の夢は新幹線の運転手さんになることでした。祖父母の家が遠くにあったため、電車と新幹線を乗り継いで会いに行っていたからです。それだけ周囲が与える影響が大きいということでしょう。それぐらい子どもの夢って単純でした。
7人の識者からのメッセージは子どもの世界を確実に広げてくれます。たくさんの方に本書を読んでほしいです。お子さんをもつ方にとくにオススメの一冊です。
以下はメモのために抜粋します。
------------------------------------------------
P22 ( [子ども編] 天野 篤 氏 )
「それ以来、『もう同じ失敗はするなよ』と父親がいつも言っている気がして、『絶対に一流の心臓外科医になってやる』と脇目も振らずにやってきた。今、死にかけていた頃の父がいたら、絶対に助けられる自信がある。」
P26 ( [子ども編] 天野 篤 氏 )
「つまり、無駄だと思っていたことも、長く続けていくと、価値がわかることが多いんだ。続けると、無駄だと思っていたことが無駄ではなくなるってことだ。」
P32 ( [子ども編] 有川 浩 氏 )
「たしかに、お金を稼ぐという意味では、自分のためという部分もあるでしょう。でも、働いている人が仕事をしながら抱いている感覚の大部分は、『自分以外の誰かのため』だと私は思います。」
P43 ( [子ども編] 有川 浩 氏 )
「だから、あなたたちも、『みっともない姿を人に見せたくない』なんて思わずに、もがいて、あがいて、何にでもぶつかってください。そうやって積んできたものが、大人になって役に立つ財産になります。」
P58 ( [子ども編] 池上 彰 氏 )
「ボクがこれまで出会った幸せそうに働く人はみんな、『夢中になって仕事をしている人』だった。」
P71 ( [子ども編] 坂本 フジヱ 氏 )
「だから、お父さんやお母さんが満足しそうな答えをあれこれ考えることはありませんよ。自分の気持ちに素直に、興味があることを口にだすようにしましょうね。
(中略)私は今まで4000人くらいの赤ちゃんの誕生に立ち会ってきたんだけど、赤ちゃんはね、生まれる瞬間からたくさんのことを考えて、自分で決めているんですよ。」
P78 ( [子ども編] 坂本 フジヱ 氏 )
「そうだね、たとえるなら、リレーのバトンみたいなもの。第1走者が走りながら握っていたバトンを、第2走者が受け取って、もっと先へ走っていくという感じ。そうやって大事に大事に未来に向けて受け継いでいくもの。」
P108 ( [子ども編] 樋口 泰行 氏 )
「初めのうちは、人に任せるのがへたでした。(中略)でも、周りの人の力を信じて行動するようにしてから、だんだんと『一緒に仕事ができて楽しかった』『樋口さんがいてくれたから私は成長できた』『初めてこういうことに挑戦できた』……そんな風に言われるようになりました。それはどんな苦労も吹っ飛ぶぐらい、うれしい言葉でした。」
P115 ( [子ども編] 樋口 泰行 氏 )
「なんでも興味があることをやってみよう!
(中略)なんでもオーケー。ちょっとだけやって飽きてしまっても問題ない。『いろんなことをやってみる』という経験が、大人になって仕事を始めてからとても役に立ちます。」
P128-129 ( [子ども編] 三浦 しをん 氏 )
「2つ目違いも、ビックリするかもしれない。それは、『努力しても報われないことがある』ということ。
(中略)でも、仕事は、自分以外にいろんな人が関わってくる。一生懸命頑張ったとしても、一緒に働く相手の気持ちとうまくかみ合わなかったりすると、努力が報われないことなんてざらにある。」
P141 ( [大人編] 天野 篤 氏 )
「大事なのは、どんなに小さなつまずきであっても、その原因を突き止めること。原因がわかれば、克服すべき課題がわかる。二度と繰り返さないと心に誓いい、また手術室に向かうのです。」
P151 ( [大人編] 天野 篤 氏 )
「私の人生の最期を迎えるときには、『もう一度、あそこに行きたかった』ではなく、『もっと手術がしたかった』と思いながら、終止符をうつのでしょうね。」
P161 ( [大人編] 有川 浩 氏 )
「そうやって、目の前のことに一生懸命になって、自分の道を進んでいけば、自然とたくさんの出会いに恵まれるはずです。その出会いの中に、夢の種が見つかるかもしれません。すぐに見つからなくたって『カッコいい大人になろう』という志さえあれば、自然とその子にあった素敵な道を選んでくれるはずです。」
P225 ( [大人編] みうら しをん 氏 )
「つまり、社会の中で居場所があると思えると、人は嬉しくなるのです。それは、人が根本的に『さみしい』ことに耐えられない生き物だからではないでしょうか。(中略)そう考えると、『さみしい』と感じないための手段として、『働く』という方法を選ぶのはとても有効です。」
2016年8/8・8/11・8/15・8/21追記
小3年の友人が夏休みに素敵なレビューを書いてくれました!!
「『この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる
迷わず行けよ 行けばわかるさ』(P28)」
プロレスラーのアントニオ猪木氏の『道』の引用です。子どもの頃に本書を読みたかったと思うぐらい素敵なメッセージがたくさんありました。
本書は、天野篤氏、有川浩氏、池上彰氏、坂本フジヱ氏、樋口泰行氏、三浦しをん氏の7人が、働くことの本質を見通し、これまでの経験を踏まえた確かな考えを届けてくれる一冊です。
識者7人のメッセージはかっこいい。泣きました。
自分の心に正直に、自分の気持ちをストレートに伝えられています。子どもに向けた真剣なメッセージ。おかしさ、恥ずかしさ、迷いは微塵も感じません。
子ども編が響きました。
本書は、子ども編と、大人編に分かれています。子ども編にはすべての漢字に読み仮名がふられ、わかりやすかったです。どちらも主旨は同じなので、子どもと一緒に読むこともできます。
将来の夢を子どもに聞いていませんか?
「そもそも、子どもが知っている世界はとても狭小で限定的なもの。『将来の夢は?』
と聞かれたところで、自分の身近にいる人の職業やテレビや本で見たことのある職業の中からしか答えられません。(中略)『なんでもいいから勉強しなさい』と言ってあげるほうが、ずっと子どもの選択肢を広げられるのではないでしょうか。(P208)」
幼稚園のとき、私の夢は新幹線の運転手さんになることでした。祖父母の家が遠くにあったため、電車と新幹線を乗り継いで会いに行っていたからです。それだけ周囲が与える影響が大きいということでしょう。それぐらい子どもの夢って単純でした。
7人の識者からのメッセージは子どもの世界を確実に広げてくれます。たくさんの方に本書を読んでほしいです。お子さんをもつ方にとくにオススメの一冊です。
以下はメモのために抜粋します。
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P22 ( [子ども編] 天野 篤 氏 )
「それ以来、『もう同じ失敗はするなよ』と父親がいつも言っている気がして、『絶対に一流の心臓外科医になってやる』と脇目も振らずにやってきた。今、死にかけていた頃の父がいたら、絶対に助けられる自信がある。」
P26 ( [子ども編] 天野 篤 氏 )
「つまり、無駄だと思っていたことも、長く続けていくと、価値がわかることが多いんだ。続けると、無駄だと思っていたことが無駄ではなくなるってことだ。」
P32 ( [子ども編] 有川 浩 氏 )
「たしかに、お金を稼ぐという意味では、自分のためという部分もあるでしょう。でも、働いている人が仕事をしながら抱いている感覚の大部分は、『自分以外の誰かのため』だと私は思います。」
P43 ( [子ども編] 有川 浩 氏 )
「だから、あなたたちも、『みっともない姿を人に見せたくない』なんて思わずに、もがいて、あがいて、何にでもぶつかってください。そうやって積んできたものが、大人になって役に立つ財産になります。」
P58 ( [子ども編] 池上 彰 氏 )
「ボクがこれまで出会った幸せそうに働く人はみんな、『夢中になって仕事をしている人』だった。」
P71 ( [子ども編] 坂本 フジヱ 氏 )
「だから、お父さんやお母さんが満足しそうな答えをあれこれ考えることはありませんよ。自分の気持ちに素直に、興味があることを口にだすようにしましょうね。
(中略)私は今まで4000人くらいの赤ちゃんの誕生に立ち会ってきたんだけど、赤ちゃんはね、生まれる瞬間からたくさんのことを考えて、自分で決めているんですよ。」
P78 ( [子ども編] 坂本 フジヱ 氏 )
「そうだね、たとえるなら、リレーのバトンみたいなもの。第1走者が走りながら握っていたバトンを、第2走者が受け取って、もっと先へ走っていくという感じ。そうやって大事に大事に未来に向けて受け継いでいくもの。」
P108 ( [子ども編] 樋口 泰行 氏 )
「初めのうちは、人に任せるのがへたでした。(中略)でも、周りの人の力を信じて行動するようにしてから、だんだんと『一緒に仕事ができて楽しかった』『樋口さんがいてくれたから私は成長できた』『初めてこういうことに挑戦できた』……そんな風に言われるようになりました。それはどんな苦労も吹っ飛ぶぐらい、うれしい言葉でした。」
P115 ( [子ども編] 樋口 泰行 氏 )
「なんでも興味があることをやってみよう!
(中略)なんでもオーケー。ちょっとだけやって飽きてしまっても問題ない。『いろんなことをやってみる』という経験が、大人になって仕事を始めてからとても役に立ちます。」
P128-129 ( [子ども編] 三浦 しをん 氏 )
「2つ目違いも、ビックリするかもしれない。それは、『努力しても報われないことがある』ということ。
(中略)でも、仕事は、自分以外にいろんな人が関わってくる。一生懸命頑張ったとしても、一緒に働く相手の気持ちとうまくかみ合わなかったりすると、努力が報われないことなんてざらにある。」
P141 ( [大人編] 天野 篤 氏 )
「大事なのは、どんなに小さなつまずきであっても、その原因を突き止めること。原因がわかれば、克服すべき課題がわかる。二度と繰り返さないと心に誓いい、また手術室に向かうのです。」
P151 ( [大人編] 天野 篤 氏 )
「私の人生の最期を迎えるときには、『もう一度、あそこに行きたかった』ではなく、『もっと手術がしたかった』と思いながら、終止符をうつのでしょうね。」
P161 ( [大人編] 有川 浩 氏 )
「そうやって、目の前のことに一生懸命になって、自分の道を進んでいけば、自然とたくさんの出会いに恵まれるはずです。その出会いの中に、夢の種が見つかるかもしれません。すぐに見つからなくたって『カッコいい大人になろう』という志さえあれば、自然とその子にあった素敵な道を選んでくれるはずです。」
P225 ( [大人編] みうら しをん 氏 )
「つまり、社会の中で居場所があると思えると、人は嬉しくなるのです。それは、人が根本的に『さみしい』ことに耐えられない生き物だからではないでしょうか。(中略)そう考えると、『さみしい』と感じないための手段として、『働く』という方法を選ぶのはとても有効です。」
2016年8/8・8/11・8/15・8/21追記
小3年の友人が夏休みに素敵なレビューを書いてくれました!!
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2021年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
様々な職業の第一人者の方々が、「働くとは?」について語ってくださっています。
大人が読んでもなるほどねぇ、と思わせられますが、これからどんな方向へ進もうかな、と悩んでいる青少年たちに一読していただきたい本です。
大人が読んでもなるほどねぇ、と思わせられますが、これからどんな方向へ進もうかな、と悩んでいる青少年たちに一読していただきたい本です。
2014年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知人にすすめられて買いました。
いっけん、子ども向きですが、これはおとなが読んでも十分価値のある1冊です。
働く意味なんて、深く考えたことがありませんでしたが、
7人の著名人のメッセージに、ハッとさせられることばかりで
読んでいて「明日もがんばろう!」という気持ちになりました。
池上彰さんや有川浩さん、三浦しをんさん……出てくる方のメッセージ、どれもよかったですが、
特にジーンと来たのは、90歳の現役助産師の坂本フジヱさんの言葉でした。
「人は生まれる瞬間から、自分で決めたがっている。そして、人の役に立つことに喜びを感じている」
大事な友達や家族にも教えてあげたいなーと思える本に
久しぶりに出会えました!
いっけん、子ども向きですが、これはおとなが読んでも十分価値のある1冊です。
働く意味なんて、深く考えたことがありませんでしたが、
7人の著名人のメッセージに、ハッとさせられることばかりで
読んでいて「明日もがんばろう!」という気持ちになりました。
池上彰さんや有川浩さん、三浦しをんさん……出てくる方のメッセージ、どれもよかったですが、
特にジーンと来たのは、90歳の現役助産師の坂本フジヱさんの言葉でした。
「人は生まれる瞬間から、自分で決めたがっている。そして、人の役に立つことに喜びを感じている」
大事な友達や家族にも教えてあげたいなーと思える本に
久しぶりに出会えました!
2016年5月12日に日本でレビュー済み
大人にも、子どもにもいい本です。巻末の、編集者である宮本恵理子さんの「便利な社会に生きていると、『ひとりでもいきていけるのではないか』という錯覚に陥る」という言葉が印象に残りました。また、東京のような、健康でなければ朝の通勤もままならない、子どもを持てば迷惑顔をされる、などという過酷な環境では「ひとりでも生きていけなくてはいけない(生きていけるぐらいではなければならない)」という気分にさせられるのではないでしょうか。そんななかで、この本に収められている数多くのエッセーが(全部ではありませんが)、働くということの原点、つまり「働くとは、対価をもらうにしろ、結局『誰かの役に立つことを(その人に代わって)する』」ということを思い出させてくれます。
また、個々のエッセーの中では、三浦しをんさんの「働くということを通じて、『頑張っても報われないことがある』ということを習う」そして、それは、必ずしもネガティブなこと(世の中の不条理)ではなくて、いい意味での「いい加減さ」を学べるという事(227ページ)という意見が印象に残りました。自分の力を過信しないためにもいい見解だと思いました。また、その反面、ある程度の努力が報われるシステムがあることの重要さも指摘されています。一見、矛盾しているように見えますが、そんな二つを社会の中にも個人の心の中にも共存させておく、というのが重要だと思いました。絶版にせず、しばらく(数年)は新書で買えるようでいてほしい本です。
また、個々のエッセーの中では、三浦しをんさんの「働くということを通じて、『頑張っても報われないことがある』ということを習う」そして、それは、必ずしもネガティブなこと(世の中の不条理)ではなくて、いい意味での「いい加減さ」を学べるという事(227ページ)という意見が印象に残りました。自分の力を過信しないためにもいい見解だと思いました。また、その反面、ある程度の努力が報われるシステムがあることの重要さも指摘されています。一見、矛盾しているように見えますが、そんな二つを社会の中にも個人の心の中にも共存させておく、というのが重要だと思いました。絶版にせず、しばらく(数年)は新書で買えるようでいてほしい本です。
2014年10月28日に日本でレビュー済み
「日経Kids+」の人気シリーズ第三弾。
「子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?」、「生きる力ってなんですか?」に続く三冊目は編者の変更があり、
ライターが、教育ジャーナリストのおおたとしまさから、ノンフィクションライターの宮本恵理子に変わっている。
中の人選も変わって、目玉だった内田樹が消えるとともに、女性陣が増えた(7人中4人)。
前の2冊では女性の識者が少なすぎたように感じたので、これは良い変更である。
中身も意外とよかった。
「なぜ勉強するか」→将来のため、「生きる力」→サバイバル力、に比べて、「なぜ働くのか」の答えは人それぞれである。
おおざっぱに言えば、やりがいのためであるが、やりがいの感じ方には個人差がある。
知識人に偏っていた前2作に比べて、医師や助産師、経営者などと識者の幅を広げたことで読みごたえが増えた。
「子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?」、「生きる力ってなんですか?」に続く三冊目は編者の変更があり、
ライターが、教育ジャーナリストのおおたとしまさから、ノンフィクションライターの宮本恵理子に変わっている。
中の人選も変わって、目玉だった内田樹が消えるとともに、女性陣が増えた(7人中4人)。
前の2冊では女性の識者が少なすぎたように感じたので、これは良い変更である。
中身も意外とよかった。
「なぜ勉強するか」→将来のため、「生きる力」→サバイバル力、に比べて、「なぜ働くのか」の答えは人それぞれである。
おおざっぱに言えば、やりがいのためであるが、やりがいの感じ方には個人差がある。
知識人に偏っていた前2作に比べて、医師や助産師、経営者などと識者の幅を広げたことで読みごたえが増えた。
2015年4月14日に日本でレビュー済み
子どもが進路を決めていくに当たり、参考になる本をと求めたうちの一冊ですが、
大人にも心に響く言葉が沢山ちりばめられていました。
それぞれの方が、常識的な観点からではなく、
生きることに通じる、「働く」ことの本質を語ってくださっています。
三浦しおんさんの「働かなくたってなんとかなる」という一言や、
さらには90歳の現役助産師、坂本フジヱさんが『大人編』で語ってくださっている一言一言は
働くことを深く掘り下げていく時に考えざるをえない、「生きる」という大きなテーマへと導いてくれます。
大人にも心に響く言葉が沢山ちりばめられていました。
それぞれの方が、常識的な観点からではなく、
生きることに通じる、「働く」ことの本質を語ってくださっています。
三浦しおんさんの「働かなくたってなんとかなる」という一言や、
さらには90歳の現役助産師、坂本フジヱさんが『大人編』で語ってくださっている一言一言は
働くことを深く掘り下げていく時に考えざるをえない、「生きる」という大きなテーマへと導いてくれます。
2014年8月10日に日本でレビュー済み
本書は識者による「大人はどうして働くの?」というシンプルな問いに対し、【子ども編】と【大人編」にわけて、内容をほぼ変えずに構成されている。
それがとても勉強になった。「働く理由」については個々の経験や体験の違いが視点の違いとなって表現されるが、特に【子ども編」が面白い。想定年齢にもよるだろうが、ボキャブラリーの多寡や抽象概念の理解が当然大人とは異なるため、どこまでわかりやすくシンプルにできるのかが問われる。
個人にとっての本質が変わらないが、【子ども編】に並べて【大人編】で使う言葉はもちろん大人向けとなるが、カタカナや技術的な言葉も増えてくる。読み比べると同じことを言っているが、子どもに伝えようとしたときの表現工夫は、自分の子どものみならず、小学生とかかわったり、中学生と話をしたり、高校生と議論するときに大変参考になるものばかりだ。
それがとても勉強になった。「働く理由」については個々の経験や体験の違いが視点の違いとなって表現されるが、特に【子ども編」が面白い。想定年齢にもよるだろうが、ボキャブラリーの多寡や抽象概念の理解が当然大人とは異なるため、どこまでわかりやすくシンプルにできるのかが問われる。
個人にとっての本質が変わらないが、【子ども編】に並べて【大人編】で使う言葉はもちろん大人向けとなるが、カタカナや技術的な言葉も増えてくる。読み比べると同じことを言っているが、子どもに伝えようとしたときの表現工夫は、自分の子どものみならず、小学生とかかわったり、中学生と話をしたり、高校生と議論するときに大変参考になるものばかりだ。