紙の本の価格: | ¥858 |
割引: | ¥ 88 (10%) |
| |
Kindle 価格: | ¥770 (税込) |
獲得ポイント: | 8ポイント (1%) |
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
よいこの君主論 (ちくま文庫) Kindle版
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2009/5/11
- ファイルサイズ35490 KB
この本を読んだ購入者はこれも読んでいます
登録情報
- ASIN : B00KQJI5VQ
- 出版社 : 筑摩書房 (2009/5/11)
- 発売日 : 2009/5/11
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 35490 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 245ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 28,035位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
2001年よりジャンプ感想サイト「The 男爵ディーノ」を始める。
2002年、早稲田大学四年の6月頃に就活という概念を知るが、既に就活を始めるには遅すぎたので、まあいいやと思い、そのままフリーターへ。パンクバンドとかする。
2004年頃、所属するパンクバンド「真剣に解散を考えている。」のライブの様子をテキスト化したサイト、「完全パンクマニュアル」がまあまあウケる。http://punk-manual.cagami.net/
2005年、「完全パンクマニュアル」が書籍化し、作家デビュー。まあまあ売れた。
2007年頃まで「クソの役にも立たないマニュアル」を合言葉にマニュアル本を作り続ける。「完全覇道マニュアル」「完全HIPHOPマニュアル」「少女マンガから学ぶ恋愛学」など。どれもクソの役にも立たず、読んでもあなたの人生に1ミリも寄与しない。
2008年、刊行予定の本が出なくなるなどのトラブル続きで生活が苦しくなる。
2009年、「完全覇道マニュアル」が「よいこの君主論」と改題され、ちくま文庫より発売される。売れたので生活が少し楽になる。
同年、ちくまの担当から「架神さんは悟りについてどのようなご見識をお持ちで? ......エッ、悟りについて何も知らない?? そりゃ一年ほど勉強してもらわねばなりませんな」と無茶ぶりされ、一年かけて「完全教祖マニュアル」を書き上げる。まあまあ売れた。
2010年、悟りを頑張って勉強して「もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら」を出版。あんまり売れなかった。
2011年、2年位かけてなんとなく書いていた「戦闘破壊学園ダンゲロス」がなんとなく賞を取ったので小説家としてデビュー。「戦闘破壊学園ダンゲロス」を出版。まあまあ売れた。
2012年、ダンゲロスがコミカライズされたので、調子に乗って第二弾の「飛行迷宮学園ダンゲロス」を出版。あんまり売れなかった。
2013年、必死にキリスト教の勉強をしたのに、なんか本が出なくなったり、なかなか出してもらえなかったりで困る。生活が苦しく、つらい。
2014年、あまりにつらそうな私を見かねて筑摩さんが「仁義なきキリスト教史」を出してくれた。まあまあ売れた。
同年、Kindle出版を一度試してみたかったので、仲間たちと「作ってあげたいコンドームごはん」を出版。カネにはならんが楽しかった。
同年、「かわいい☆キリスト教のほん」を出版。あんまり売れなかった。
同年、「『バカダークファンタジー』としての聖書入門」を出版。たぶんあんまり売れなかった。
2015年、講談社が出してくれなかったのでシリーズ最新作『ダンゲロス1969』をKindleにて出版。結構いい具合に売れ続けてる。それまでのダンゲロス短編も『ダンゲロス・ベースボール』『戦慄怪奇学園ダンゲロス』『怪傑教師列伝ダンゲロス』の名で販売。
2016年、漫画原作者としてもデビュー。週刊少年チャンピオンで『放課後ウィザード倶楽部』、アーススターで『こころオブ・ザ・デッド』がスタート。遂に定期収入を手に入れ、生活は楽になったが、忙しくて泣きそうになる。
2017年、定期収入があっという間に消えてなくなった割に、忙しさは特に変わらないという不思議な状況になる。『ダンゲロス』のボードゲームを作ったり、至道流星先生に誘われて『小説家になるな』をKindleで出したりし始める。
カスタマーレビュー
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
私は君主となる力量のない小市民ですが、自分の小さな領地を守りつつ有能な君主に使えるための指針にしたいと思いました。
今回のお題は為政者の友たる実用書の祖というべきマキャベリの『君主論』。それを噛み砕いて説明してくれる抄本、解説書の体裁を取っています。
下手すれば漫画よりわかりやすいかもしれません。
一応、本作独自のコミカライズもされており最終回で伝説を作ってしまったのですが、とりあえずそれは別の記事に投げときましょうか。
マキャベリスト、権謀術数主義者。
「手段を選ばずに権力を獲得する悪人」というイメージが独り歩きしているかもしれませんが、同時にそのピカロな魅力に世の中高生は魅了されているのかもしれません。
しかし、この実用書? 小学生高学年向けという体裁になっているんですよね。……どこまで本気かはわかりませんが。
ただ、小学生というミクロスケールを舞台に採ることで翻ってマクロな組織力学に応用できているのが上手い。
小学校高学年ともなれば互いの距離感はまだまだ近いけど、同時に処世術を身に着ける年頃でもありますし。
あと、中学生以上になると流石に洒落にならないところを笑いに昇華できているので、げに恐ろしきは小学生の魔力とでも言っておきましょうか。
この本、とある小学校の一クラスで巻き起こった児童間の主導権争いを「君主同士の権力闘争」に見立て、推移していく情勢をストーリー仕立てでお送りします。
そして、その合間に学習漫画/教育アニメのノリで生徒役の「たろうくん」「はなこちゃん」が登場し、ふたりの質問に対して先生役の「ふくろう先生」がケースバイケースに教え諭していきます。
「愚民ども」「良い極悪非道」……などのパワーワードがポンポン飛び出し、当然のようにみんなが受け入れているのが、笑えますね。
あと、章立てで読者に様々な君主と代表的な謀略の例を体験させつつ、劇中劇のキャラクターを把握しやすく、記憶に残りやすい仕掛けをしているのも面白いですね。
クラスの主だった面々が有名作品のパロディになっていたり、TRPG風のステータス表記がされてたりもします。
主人公「ひろしくん」が女帝「りょうこちゃん」に挑むラストパートに向け、クラス内の勢力図がふたつに集約されていきます。
後述しますが、その過程はツッコミを読者が入れる必要があるとはいえ納得がいくものと信じています。
ついでにその時、主だったクラスメートは読者の頭の中に入っているかもしれません。
そんなわけで「遠足」とか「缶けり」、「運動会」などの小学生らしいイベントの裏に「こんな小学生はいやだ!」って頭を抱えたくなるような思惑が飛び交っている辺りはご愛嬌。
そしてそのイベントを介して「世襲」、「運命と他者の武力」、「聖職者」などの権力と権威の拠り所。
および「籠城」、「傭兵」、「援軍」などの軍事面を小学生らしい例示で説明できちゃってんですよね。
同時に「小学生」という極端な喩えのおかげで様々な事態に引用できて面白い、とここで実用書の本分を思い出せた気もしました。。
組織をまとめあげるために、いかにして配下や市民の心を掴むか、敵対勢力の悪意を挫くかという本質に迫れる気もします。
小学生ならではのプリミティブでほのぼのとした悪意のおかげかもしれません。
で、ここまでの経緯を踏まえて。
君主というものは綺麗ごとだけでは務まらない、悪評を甘んじて受けることも必要、「侮り」と「恨み」は避けろ、「慕われる」より「怖れられろ」、「憎まれ役は他に押し付けろ」などのシビアな教えに繋がっていきます。
小学生向けって謳い文句でそれでいいのか? って疑問に襲われなくもないですが、面白いからいいのです。
そして、決戦の後は転落していく敗者を容赦なく描くことで、これ小学生の話だったんだって今さらになって思い出すような畳み方をしているのがなんとも。
とはいえ、散々アレな手段を取っていたのもすべては平和のためにと思うと、少しだけ嘘くさいハッピーエンドもなんか苦にならないっていいですね。
ここにきてリアルな小学生の孤独に胸が痛いので、多少駆け足でも幸せな結末で終わらせてくれたのは非常に良かったと思います。
半分過ぎて、決戦で決着がつくと後は雪崩を打つってのは現実でも創作でも同じって事情があるにしても。
雪解けの爽快さを、せめて物語の中だけで味わうのもいいじゃないですか。
納得いかない子がいるのもわかりますけどね。
まぁそれはいいんです。
ここまで来た時点で実用書のカテゴリを外れて、ストーリーに没入していることに気づいてハッとさせられてもいいかもしれません。
ところでここでひとつ問題提起。
クラスに覇を唱えるのは何のためか?
その問いに対する答えが本書で直接触れられることはありません。
ただ、結論だけを述べれば主人公のひろし君くんはクラスの四十名を全員幸せにしました。
あなたが思い描く「君主」の姿、それは各々に課された宿題といったところで、どうぞお悩みください。
余談ですが、巻末で解説/概説していただいたニコロ・マキャベリ先生について触れるのはまぁ野暮ってものですね。
確実に奇書のカテゴライズに入りつつも、間違いなく一般向けを志向し、エンターテイメントを実現した名作です。
名著の入門編を越えた、笑いと感動の読み味を保証します。
保護者の方々がお子様に推奨されるかどうかについては、私の想像を遙かに越えた問題かもしれませんけどね?
元々君主論を分かりやすく説明するために考えられた話みたいですね。
アイデアが凄いと思いました。
ただ、下記2点はバランス調整が必要な気がしました。
・後半主人公が一方的になりすぎていじめのように見えた
・ラストに主人公が「愛」を語ったりしているのが唐突で、なんとなく宗教っぽい
最後はある女子の派閥と一騎討ちになりますが、その子が可哀想になるくらい一方的にやられ続けます。
また、急に敵役の知性が下がっていたようにも思えました。
敵が途中で弱くなるとご都合感が出るので、ここは落とさず、ある程度イーブン(または主人公が劣勢)な流れにしてからの形成逆転! という話にした方が爽快感が出ると思います。
また、ラストの主人公は急に良い人感が出ていますが、それは話の途中で入れていったほうが良かった気がします。
前半見ていると逆に冷淡にも思えた彼が、終盤クラスを支配したら愛や優しさに溢れた人物に変わるというのは、どうも違和感が拭えませんでした。
それとですが、別に最終的に感動的な話にしなくても、小学生なので「楽しい!」やギャグを全面的に押し出したほうが読後感が良かったのではないかと。
あと、解説の女の子にもツッコミ役を入れると面白みが増す気がします。
シュールに滑ってそうなところがあるので、勿体無い気がしました。
ただ実際の君主論の内容が網羅されてるわけではないので、原作の君主論と合わせて読むのが良いです。
凡人は専門的な書物を読むよりも、その道の専門家からレクチャーしてもらったほうが手っ取り早いし、かえって真髄に触れることができるものだ。誤って理解するリスクも避けられよう。聴き手のレベルに合わせて話してもらえるからだ。その意味で子供向けに書かれた本『君主論』は私にとって甚だ有用な書であった。
内容的にコレを読んでいるのを知られたくはないですが(笑)