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脳がわかれば心がわかるか (homo viator) 単行本 – 2016/6/7
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平易かつ本質的なマップ(『心脳問題』2004年、朝日出版社刊)から12年を隔てた増補改訂版。改訂にあたって改題しました。
【著書から|増補改訂版に寄せて】
「旧版刊行から約10年、じつにたくさんのことがありました。本書のテーマである心脳問題をめぐる状況も大きく動いています。 たとえば、脳科学における知見の蓄積、神経美学や神経経済学といった新分野の興隆、あるいは脳波によって
コンピュータを操作するブレイン゠マシン・インターフェイスのような技術の発展は、旧版で論じた問題をさらに先鋭化
させています。これまで技術的な限界もあってウヤムヤのままにしてきた諸問題に、私たちはいよいよ直面しつつあるのです。
それだけではありません。私たちの無意識のバイアス(認知の偏り)を暴きだす行動経済学の知見や、数度目のブレイクスルー
を果たしつつある人工知能研究は、脳科学とは別の角度で、私たちの自己認識と社会のあり方を根底から変えつつあります。
いまや心脳問題自体が些細な問題となりつつあるのではないかとすら思えるほどです。
しかし、それは心脳問題の解決を意味しません。本文で確認するとおり、心脳問題は私たちの心と身体をめぐるもっとも根本的な哲学問題であり、
これからも何度でも回帰してくるでしょう。見ぬふりを決め込むのでもなければ、このような厄介な問題に対処する方法は多くありません。ひとついつでも有効な手は、問題そのものの性質や条件を、一度は真正面から考え抜いてみることです。
たとえ解決はできなくても、理解することが力になります。諸科学の知識と技術によって人間の定義そのものが揺らぎつつある現在、
あらためて何が問題であるかを示す里程標として、この増補改訂版を提示する次第です。」
(「増補改訂版へのまえがき」より)
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社太田出版
- 発売日2016/6/7
- ISBN-104778315197
- ISBN-13978-4778315191
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商品の説明
著者について
1971年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。コーエーでのゲーム制作を経て、文筆家・ゲーム作家。関心領域は書物、
映画、ゲーム、原節子など。著書に『文体の科学』(新潮社)『コンピュータのひみつ』(朝日出版社)『問題がモンダイなのだ』(吉川との共著、ちくまプリマー新書)ほか。
訳書に『MiND──心の哲学』(吉川との共訳、J・サール著、朝日出版社)ほか。「哲学の劇場」主宰。
吉川浩満(よしかわ・ひろみつ)
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。関心領域は哲学、卓球、犬猫鳥、単車など。
著書に『理不尽な進化──遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社)『問題がモンダイなのだ』(山本との共著、ちくまプリマー新書)ほか。
訳書に『MiND』(山本との共訳、J・サール著、朝日出版社)ほか。「哲学の劇場」主宰。
登録情報
- 出版社 : 太田出版 (2016/6/7)
- 発売日 : 2016/6/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4778315197
- ISBN-13 : 978-4778315191
- Amazon 売れ筋ランキング: - 444,573位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 12,484位哲学・思想 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

文筆家、編集者、ユーチューバー。1972年3月、鳥取県米子市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、現職。晶文社にて編集業にも従事。関心領域は哲学・科学・芸術、犬・猫・鳥、デジタルガジェット、映画、ロックなど。哲学愛好家。Tシャツ愛好家。ハーレーダビッドソン愛好家。卓球愛好家。
主な著書
『哲学の門前』(紀伊國屋書店)
『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である 増補新版』(ちくま文庫)
『理不尽な進化 増補新版──遺伝子と運のあいだ』(ちくま文庫)
『人文的、あまりに人文的──古代ローマからマルチバースまでブックガイド20講+α』(山本貴光との共著、本の雑誌社)
『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。──古代ローマの大賢人の教え』(山本との共著、筑摩書房)
『脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座』(山本との共著、太田出版)
『問題がモンダイなのだ』(山本との共著、ちくまプリマー新書)
主な訳書
『先史学者プラトン──紀元前一万年―五千年の神話と考古学』(山本との共訳、朝日出版社)
『MiND 心の哲学』(山本との共訳、ちくま学芸文庫)
プロフィール
http://clnmn.net/works
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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第2章 心脳問題の見取図―ジレンマと四つの立場
第3章 心脳問題の核心―アンチノミーと回帰する疑似問題
第4章 心脳問題と社会―社会と科学、そして生
終章 持続と生―生成する世界へ
補章 心脳問題のその後
私自身も、脳科学の進歩でやがて心を物理的に解明できるようになるのだろうと漠然と考えていた科学信仰者的な素人だが、事はそんなに簡単ではないということを教えてもらった。脳科学は今後も大きく進歩するだろうが、「心」の解明が唯物論的な解決でなされるとは想像しにくくなった。むしろ大森荘蔵的「解消」が待っていそうな気がする。著者が言う通り10年後にまた改定版を読みたい。
個人的な興味からは、全ての自然現象は特異であって、いままで「普通に」起きていたことが明日も起こるとは限らない、その例が「災害」という例示が心に残る。それでなくても同一性・一般性の思考をしたがる技術屋たちに「想定外」を納得させる難しさ… 「わたしがわかる本」「不安産業」の問題、カテゴリーミステイクの罠にも気をつけなければ。
堂々巡りの議論になった理由は、ひとつには筆者の主張がないことにあるでしょう。主張があれば、それを正当化するために議論が精緻になるはずです。筆者の議論で重要な部分を占める、ギルバート・ライルが提唱した「カテゴリー・ミステイク」と、エマニュエル・カントの「第三アンチノミー」に、首を傾げたくなるような例が提示されているのです。
ライルは、心を身体と異なる存在とする二元論を「機械の中の幽霊のドグマ」と呼び、それが心の概念についてのカテゴリー・ミステイクによるものだとし、ミスの源泉を日常言語の使用法に求めました。本書ではイラスト入りでカテゴリー・ミステイクの例を、ゾウ、キリン、パンダを動物園で見た人が、次に「動物はどこにいるの」と問う場面で示されています(p.28)。ライルが挙げている例のひとつに、「オックスフォード大学やケンブリッジ大学を初めて訪れる外国人は、まず多くのカレッジ、図書館、運動場、博物館、各学部、事務局に案内されるであろう。そこで外国人は「しかし、大学はいったいどこにあるのですか。.....」.....それらのものを見て、さらにそれら相互の間の有機的結合が理解されたときに初めて彼は大学を見たということになるのである。」とあります(ライル『心の概念』p.12)。
本書の例示は、動物という集合名と集合の要素を混同したミスです。ゾウ、キリン、パンダを、ウサギ、ネズミ、リスに入れ替えても同じことです。しかし、オックスフォード大学の図書館をケンブリッジ大学の図書館と入れ替えることはできません。さらに、ゾウ、キリン、パンダに有機的結合はありませんが、図書館、運動場、博物館にはあります。これだけ違えば、集合名と集合要素の混同はカテゴリー・ミステイクとは言えないのではないでしょうか。それにライルの例は脳科学の心の概念に似ています。前頭前皮質、海馬、扁桃体、視床下部等が有機的に結合したところに心があると考えられています。海馬をタツノオトシゴと代えることはできませんし、大学を目で見ることができないように、心も見ることはできません。カテゴリー・ミステイクの説明に動物園の例は不適当です(ライルが動物園の例を挙げているのでしょうか)。脳科学を不適切な例で説明するべきではありません。
筆者は心脳問題の争点は、第三アンチノミーの問題として定式化できるとしています(p.135)。第三アンチノミーとは、脳は物資でできており物質の自然法則に従うので、我々には自由はないとする考え方と、世界は自然法則だけが唯一の原因性ではないので、我々には自由があるという考え方との二律背反のことです。ここでも不適当な例(ソクラテスの例)が挙げられています。
ソクラテスが死刑判決を受けて牢獄に座している原因には二通りある。ひとつは、ソクラテスが牢獄にやってきたのは筋肉骨格系の動きが原因であるとするもので、これは自由意志が問題にされていない。もうひとつは、ソクラテス自身がアテナイ市民の有罪判決をよしとしたためで、こちらはソクラテスの自由意志によるものだという例示です(p.136)。
後者はソクラテスの自由意志で間違いないが、前者の筋肉骨格系の動きは自然法則が原因なのだから自由意志はなかったというのは間違っています。こんな説明をする脳科学者はどこにいるのでしょうか。私たちは自分の意志でどこにでも歩いて行けます。この例はアンチノミーになっていません。
堂々巡りの議論になったもうひとつの理由は、第三アンチノミーの解決方法に、唯物論、唯心論、二元論、同一論の4つしか挙げていないからです。これらは思弁的実在論者のカンタン・メイヤスーらに言わせれば、彼らが相関主義と呼ぶ考え方になります。思弁的実在論者はこの相関主義を拒否します。相関主義とは、主体と対象(主観と客観)、ここでのテーマに即せば思考(心)と存在(脳)は、相互に構成しあい、依存するものとします。筆者はこの相関主義の循環から外に出ることができなくなっているようです。
ライルは元々、デカルトの二元論を批判して言語論的転換を提唱したひとりです。また、筆者が心脳問題の解決に期待をかけて引用した大森荘蔵の「重ね書き」理論は、矛盾した反応を同居させることができる脳の構造に似て、有力な理論に思えるのですが、「なにか腑に落ちません。」と拒否されます(p.154)。大森は引用された文章の中で、「日常言語での活物描写を重ね書きすればよいのである。...日常言語による活物描写は自然そのものの活写であって、われわれの内心の描写ではない。(p.149)」と、言語論的転換を支持していると思われます。言語論的転回は相関主義から外に出る方法のひとつであったと思われますが、筆者はそれ以前のカントの認識論的転回に留まっているようです。
科学哲学の入門としても良い。哲学という歴史が、脳と心の関係の<条件>をチェックしていく。
とくに、巻末の参考文献が大変にありがたかった。各本に対しての紹介も細かく、著者らの勉強熱が伝わってきた。この参考文献の紹介だけでも買う価値はあると思う。