figma ギャラクシアン/ギャラガ Galaxian Galaxip GFX-D001a / Galaga Fighter GFX-D002f ノンスケール ABS製 塗装済み可動フィギュア
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この商品について
- GALAXIAN TM & (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
- GALAGA TM & (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
- 本体全長:ギャラクシップ:約130mm、ギャラガ・ファイター:約110mm
- 掲載の写真は実際の商品とは多少異なる場合があります。
ホビー商品の発売日・キャンセル期限に関して: フィギュア・プラモデル・アニメグッズ・カードゲーム・食玩の商品は、メーカー都合により発売日が延期される場合があります。 発売日が延期された場合、Eメールにて新しい発売日をお知らせします。また、発売日延期に伴いキャンセル期限も変更されます。 最新のキャンセル期限は上記よりご確認ください。また、メーカー都合により商品の仕様が変更される場合があります。あらかじめご了承ください。トレーディングカード、フィギュア、プラモデル・模型、ミニ四駆・スロットカー、ラジコン、鉄道模型、エアガン・モデルガン、コレクションカーおよび食玩は、お客様都合による返品・交換は承りません。
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登録情報
- 製品サイズ : 10.16 x 5.08 x 12.95 cm; 400 g
- 発売日 : 2020/10/17
- Amazon.co.jp での取り扱い開始日 : 2019/12/25
- メーカー : フリーイング(FREEing)
- ASIN : B08336XK11
- 商品モデル番号 : F29940
- Amazon 売れ筋ランキング: - 310,367位ホビー (ホビーの売れ筋ランキングを見る)
- - 35,204位フィギュア・コレクタードール (ホビー)
- カスタマーレビュー:
商品の説明
『ギャラクシアン』『ギャラガ』のプレイヤー機「ギャラクシップ」「ギャラガ・ファイター」をfigma化!
●立体化に際しデザインアレンジをメカニックデザイナーの海老川兼武氏が担当。作中ドットで描かれたトップビューのフォルムを再現しながらも、新たにデザインアレンジされたディテールを立体で緻密に再現。
●エフェクトパーツの取り付けにはfigmaオリジナル関節パーツを使用。
●さまざまなシーンを可能にする可動支柱付きの専用台座が同梱。
●「ギャラガ・ファイター」にはウィング先端に接続用ジョイントを同梱。2機をドッキングさせれば作中の「デュアル・ファイター・モード」を再現可能(※)。
(※)「デュアル・ファイター・モード」の再現にはもう1セット商品が必要です。
(Amazon.co.jpより)
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4 星
40年後の銀河戦士へ
ゲームメーカーのナムコが、1980年代初頭に発売した業務用のビデオゲームたちは、その殆どがヒットとなりました。後にプレイヤー達から「ナムコ黄金期」と呼ばれた作品群の「はじまり」となったのが1979年発売の『ギャラクシアン』であり、その後継作が1981年の『ギャラガ』です。今回の商品は、それらの自機(ギャラクシップ・ギャラガファイター)を立体化したものですが、なにぶん40年ほど前のゲームの話ですので、まずは「ヒットゲームを生み出した背景と、その立体化の関係性」についてから述べて参りたいと思います。これら2作品は、当時のビデオゲームにはあまり見られ無かった「カラフルなキャラクター」や「滑らかなキャラの動き」といった「ハードウエアの進歩」がヒットの要因である、と語られることが多いのですが、では「ハードが進化したからゲームを賑やかにしよう」という発想で作られたゲームなのか、といえばそうではなく「企画側の考えているものを具現化するには、新しいハードウエアでないと無理」というのが実際のところなのだそうです。ただグラフィックの進化については、個人的には「ゼビウス以降」だと思っています(実際には以前も以降もなく、初期のナムコ製ビデオゲームにおける傑作ドット絵は殆どが「Mr.ドットマン」小野浩氏の功績なのですが)。※ただし、ギャラクシアンについて小野氏は途中参加で、ドットデザインは中馬義明氏(ナムコ製ロボットやアーケードゲーム筐体のデザインを多数手がけた人物で、代表作に『メタルホーク』があります)によるものです。小野氏の手掛けるドットキャラは、どれもキャッチーで素晴らしいというだけでなく「アイコンとしての分かりやすさ」という観点からも優れたものであり、その手腕は『ギャラガ』『ゼビウス』のドットグラフィックにも活かされていました。しかし、やはり私には遠山茂樹氏が手掛けた「ソルバルウ」のデザイン(特にポスターの絵!)が衝撃的だったのです。※遠山氏は、ゼビウスの他にも様々なナムコのデザインを手掛けました(『マッピー』や『ピクパク』のようなロボットのデザインや『スターラスター』『ギャラクシアン³』のメカデザイン等、その仕事は多岐にわたります)。立体物になった例から見ても、やはり人気は『ゼビウス』だったといえます。何しろ、ガレージキットの分野では何度も商品化され、挙句の果てには「ソルバルウ3機合体セット」なるものが販売される位の「人気キャラクター」であり、近年ではプラモ化された(ソルバルウのみで、合体はしませんが)ことで、入手もしやすくなっています。それに対してギャラクシアンやギャラガについては、過去にWAVEから『ギャラガ・ファイター』が横山宏氏(SF3Dなどを代表作に持つ、SFイラストレーター兼造形作家)のアレンジデザインでプラモが1種類発売された位だったと記憶しています。何しろ、ギャラクシアンやギャラガはどちらの作品も自機が「ゲームのポスター」に描かれたことは無い(どちらも、描かれているのは「敵機」でした)ので「解釈の幅が広い」ともいえる反面、迂闊なアレンジデザインで立体化しても「違う」と言われてしまうリスクがあるので、立体化はやりにくいのでしょう。今回のアレンジは海老川兼武氏(メカデザイナー:代表作に『機動戦士ガンダムOO』や『ダライアスバースト』などがあります)が手掛けています。しかし、実はこのアレンジは「今回の立体化の為」に行われたものでは無いのですけれども。もともとこのアレンジは海老川氏が島田フミカネ氏や柳瀬敬之氏と共同で執筆した同人誌『早秋の自由帳(2014)』にて発表されたものです。要するに「単なる趣味で描いたもの」に過ぎなかったのですが、それが2017年に『シューティングゲームヒストリカ』でアイアンフォスルが立体化された際、同企画のプロデューサーである依田智雄氏とやりとりをする内に、こちらも立体化する運びとなったのだそうです。もちろん、今回の立体化にあたり「ナムコによる監修」は当然入ったそうなのですが、同人誌で描かれたそのイラスト自体「ドット絵を上手く立体的に解釈したもの」だった為、特に問題は無く了承されたのだとか。私自身の意見としても、このようにセンス良くアレンジされたゲームメカの立体化という「商品展開」は大歓迎で、以前発売されたWAVE製のプラモや、本シリーズである『シューティングゲームヒストリカ』についても購入させていただいております(自分のお財布が許す範囲で…ではありますが)。とはいえ、以前の横山デザインと今回の海老川デザインでは随分と「振り幅」が大きいので、せっかくこのような「立体化」によって世界観を掘り下げたつもりが、逆に統一感が乏しく感じられてしまった…となってしまっては本末転倒です。では、はたしてどちらが「公式」なのか? と申しますと、これらの世界観を統括する『UGSFシリーズ公式サイト』では、西暦2281年、UGSF(銀河連邦宇宙軍)ではエイリアンの第二次侵攻(ギャラガとの戦い)を予想していたものの、前オペレーションで活躍したGFX-001a「ギャラクシップ」はエイリアンの進化についていけず火力の面で太刀打ち出来ない、という判定がくだされていた。しかし、次世代機の基本設計自体は既に出来ており、残る問題は「彼等の侵攻までに、新型機を必要数出撃させられるかどうか」であった。実際、現状の構想をUGSF主要国の生産力のみで進めた場合、ここに外装やサブフレームを加えた設計をし、雛型となる機体をテストして量産機を製造するという「通常の手順」ではエイリアンの侵攻までに間に合わない、との結論が出ていた。そこでUGSFは、機体の細部については地球の各国で独自に設計をさせ、最終的な組立もそれぞれの国内工場で行わせることで工期の短縮を図ったのである。こうして、対ギャラガ用航宙戦闘機、通称「ファイター」と呼ばれる『GFX-D002』シリーズは戦時中に通算で8種18機が生産され、その戦果は人類を再びの勝利へと導くこととなった。…だが、実際にはギャラガ襲来時、迎撃に間に合ったのはこのうち僅か3機の初期型のみであった。という説明がされておりました。要するに、外見が違うのは生産国の違いだから気にしなくて良いですよ、程度のものとお考え下さい。横山デザインのギャラガファイターは『GFX-D002b』『Galaga 30th Collection』の機体は『GFX-D002c』そして今回の海老川デザインの機体が『GFX-D002f』と、機体ナンバーに違いはありますが、この末尾のb型とかc型というのも生産順や用途別ではなく「製造国の違いを表すもの」であるそうなので、結局のところ「18機のうち、どの国の機体がギャラガと最初に戦ったのかは不明」なわけです。※横山版ギャラガファイターの説明書には、ロービジリティ(低視認性)カラーや敵鹵獲時の色見本もあり、好きなように楽しめるような「ガイド」となっていました。……ただし、これだと「国ごとの機体形状が違うゆえに、せっかく合体機構があるのに救助できるのは自国の同型のみ」という欠点もあるようですけど(笑)。ちなみに本商品は、ギャラクシップもギャラガファイターも、両方「ノンスケール」という扱いです。ただ海老川氏としてはギャラクシップが20m(商品は約13cm)、ギャラガファイターが17m(商品は約11cm)と想定しているそうなので、商品の大きさから換算すると「どちらも大体1/155ぐらい」ということになります。※WAVEのプラモはキット完成時の全長が約17cmですので、仮にこちらも実在全長が17mとするなら1/100ぐらいだと考えられるでしょう。要するに「本商品とWAVEのプラモは合体できません」ということです。もちろん、ギャラクシップとも合体しません。しかし、せっかく付けられた本商品の「合体ギミック」が活かせるよう、メーカーではギャラガファイターを1機追加した『DX Ver.』を直売サイト専用で受注販売していました(現在は終了しています)。ところで、この「UGSFという後付け設定」ですが、何でもありという訳ではなく「きちんとナムコ社内の人間(調べたところ、夛湖久治氏のことのようです:代表作に『エアーコンバット22』や『機動戦士ガンダム・戦場の絆』『エースコンバット7-VRモード』等があります)が、各ゲームの開発者に確認をとった上で編纂している」とのことです。…話がギャラガに偏りましたので、ギャラクシップのこともお話しします。UGSFの公式設定において、この機体はドラグーン(ギャラクシアン³に登場した宇宙戦艦)よりも後に登場したことになっています(敵が小型かつ多数の生命体だったので大型艦で対処しきれなくなったのだとか)。※『ギャラクシアン³』の敵は「UIMS(ウイムズ:侵略機械集団)」と呼ばれる由来不明の自動兵器群でしたが、その背後にいるはずの知的生物との関連については、結局のところ不明なままでした。その後、銀河系の各星系へと進出した人類(ギャラクシアン)が、初めて遭遇した外宇宙生命体(ETI)こそ、後にギャラガリーグと呼称される「エイリアン」でした(これも、UGSF公式ページの設定から要約したものです)。「戦艦から小型機へ」というのは、いわゆる第2次世界大戦の「大艦巨砲主義に対する航空戦力の機動性が…」という故事に倣ったものと考えられますが、そうだとすればゲームでは頼りなく感じられた機首についているビーム砲(連射不可)も、何だか頼もしく思えてきます。このビーム砲ですが、ゲームにおける描写では機首先端に弾丸が装填されてから発射、というギミックでした。しかし、海老川氏はこれを「ビーム砲の砲身にエネルギーが充填されている状態」と解釈し、チャージの状況が可視化できるようなデザインにしています。「原作」の描写を否定せず、更に「それっぽいもの」を提示できる海老川氏のセンスには今回も唸らされるばかりです。カラーリングについて、海老川氏は先程のギャラガの例をとって「初期型、あるいはパーソナルカラーだったのでは」と述べています。派手な色使いであるはずなのに綺麗にまとまっていて、非常にカッコいいです。ちなみに同人誌には「白地に青緑系のペイントがされた量産型ギャラクシップ」が描かれていました。もしかして今後「鹵獲されたギャラガファイター」などのカラーバリエーションが発売される、ということなのでしょうか。ただ、仮にそうであるならば色違いアイテムで「人気調査をするような商品展開」というのは、結果としてファンから呆れられてフェードアウトしていくことになるのでは…と個人的には危惧しています。できればこれまでの様に、ゆっくりでも良いので(なにしろ、前回の『figma R-TYPE ドブケラドプス』が2019年10月で、前々回の『figmaサンダーフォースIII & IV』が2019年2月です)今後も丁寧な商品を発売して頂きたいと願っております。私などは「人気が欲しいなら、パイロットの女の子をfigmaにしたらいいんじゃね?」ぐらいに考えがちですけど、これについて依田氏は『figma アイアンフォスル』発売時のインタビューにて、以下のように答えています。「例えば『Ti2(ダライアスバーストのパイロットキャラ:島田フミカネ氏によるデザインでカワイイ)』の商品化については、実は以前話もあったんですが、このキャラはPSP版の「ダライアスバースト」のときに披露されたものの、それ以降あまり露出がなかったので、企画までには至らなかったんです」とのことで、実際には難しいのだそうです。確かにそういわれると、昔は『ゲーメスト』の読者コーナーを賑わせていた格闘ゲーム系美少女キャラも、現在における「投稿の場」であるpixivなどのイラスト系SNSでは新規の投稿を殆ど見かけませんよね…。恐らく「商品の購買層以外にも知名度があるキャラかどうか」というのも、企画成立には重要な要素なのでしょう。商品の「アレンジについての解説」が、だいぶ長くなってしまいました。とはいえ、なにぶん40年近く顧みられることのなかったメカデザイン(同人誌などではあったと思いますが、最近では「メカデザイナーに憧れる人」も減少傾向のようで「こういうもの」自体見かけなくなりました…)なので、ご容赦いただきたく存じます。というわけで、肝心の「商品自体の内容について」です。まずは箱の大きさから述べることにします。ここは以前発売された『figmaサンダーフォースIII & IV』と殆ど同じ大きさのようです。商品が2段のブリスターパックに収まっているところも同じでした。……ただ、あちらはオプション兵装や差し替えパーツなどが付属していて賑やかでしたが、それと比較すると本商品の付属品の少なさは、かなり気になってしまいます。とはいえ、元々がシンプルなゲームですから「これ以上は付けようがない」ことは理解しております(ゲーム中の描写と関係のない「余計なもの」をつけられても嬉しくないですし…)。しかし、それならもう少し価格を下げて頂きたかったですね…(サンダーフォースが11,852円税抜で、本商品が11,500円税抜というのは、やはり釣り合っていないと思うのです)。ただ、サンダーフォースの方は2機セットではあったものの、機首などを「共通パーツ」とすることで「同系機らしさ」を想起させる演出と「製造工程の簡略化の両立」を画策した上での価格だったわけで、共通パーツの全くない本商品(台座以外)を「それ」と同列に考えるのは違うのかもしれません。「figmaブランドなのに、その要素は皆無」な商品ではありますけれども、一応推進エフェクトにfigmaジョイントがつけられています(…あまり、意味がないような…)。このエフェクトですが、少々外れやすく感じました。因みに、添付画像の「ビームエフェクト」「瓦礫の背景パーツ」「基地内部パーツ」「トラスパーツ」「商品以外の機体」はすべて別売ですのでご注意ください。商品を飾る場合は、付属のスタンドを用います。軸径はサンダーフォースに付属していたものと同じ径でしたので、あちらの台座に本商品を飾ることも可能ではあります。ただ機体との接続方法は、あちらが「推進ノズルに軸を差し込む方式」だったのに対し、本商品は「機体下部にアタッチメントをつけ、そこに軸を差し込む方式」となっていました。※角度変更がやりにくい場合は、他社製のスタンドを使うのがお勧めです(軸径が3mmであればアタッチメントと接続できます)。機体の塗装具合ですが、綺麗にできてはいるものの全塗装ではなく「部分塗装」でした。その上、そこと未塗装部分との「ツヤ」が揃っていないので結構「おもちゃっぽい感じ」がします。台座の接続方法が「塗装を剥がしやすい方式」なので、それを避けるためにあえて全体に塗装しなかった…と私は考えますが、実際はどうなのでしょうか。ギャラガファイターの「合体」には、専用のジョイントパーツを用いるのですが、ものすごく小さいので紛失にはご注意ください。もっとも、合体させるには上記の『DX Ver.』を購入しているか、本商品をもう1セット買うかしかありませんので、その予定のない方にとっては「無意味なパーツ」なんですけどね…。では、本レビューのまとめです。機体のデザインは格好良いですし「商品展開そのもの」は大歓迎なのですが「商品の仕様」には首をかしげる部分が結構あり、良くも悪くも「昔のヒストリカを思い起こさせる商品」でした(最近のものは、高額ながら出来は良かったのです)。もっとも、これはヒストリカだけの問題ではないらしく、近年は完成品フィギュア市場全体の品質低下が著しいとの噂もあります。このジャンルは、その製造工程の多くを中国に頼っていますから、昨今の世界情勢から考えれば仕方のないところもあるのでしょう。それ故に今回の出来栄えが「今後の標準になりませんように…」というのが正直なところです。何しろ価格は安くないわけですから。とはいえ、まだまだこのシリーズには続いていってほしい…というより「ここまで続いたのなら、中途半端で終わってはいけないシリーズになっている」とさえいえます。例えば、過去に発表されたきり音沙汰がない『ウルフファング64機種再現プラモ』がそれです。他にも『ナイトストライカー』や『ガングリフォン』の主人公機のような、ガレージキットで人気のある機体の入手難度を下げること(取り扱いの難度も下がると、なお良いです)も「シューティングゲーム」を冠するこのシリーズの「使命」といえるのではないでしょうか。『シューティングゲームヒストリカ』は、ゲームのポスターやパッケージに出てくるメカを立体化するシリーズ…というより「ゲーム中、自分が操作している(ドットで描かれた)メカが格好良く感じられたことを、いかに立体化するか(それも、ピクセルアート以外の手段で)」を狙ったシリーズであるように思います(人によっては敵メカさえも、ポスターに描かれたものより「ゲーム中のドット絵」の方が断然格好良い、と思ったことがあるのではないでしょうか)。本商品にしても「そうした狙い」は充分に果たせていると私には感じられました。あとは「価格と品質のつりあい」が安定してとれれば、高額でも「信頼のおけるブランド」になるはずです。上記しましたが、今後の商品展開もゆっくりで良いですので「後世に残るものを」お待ちしております。
フィードバックをお寄せいただきありがとうございます
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申し訳ありませんが、レビューを読み込めませんでした
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上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ありがとうございました。
2020年10月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ゲームメーカーのナムコが、1980年代初頭に発売した業務用のビデオゲームたちは、その殆どがヒットとなりました。後にプレイヤー達から「ナムコ黄金期」と呼ばれた作品群の「はじまり」となったのが1979年発売の『ギャラクシアン』であり、その後継作が1981年の『ギャラガ』です。
今回の商品は、それらの自機(ギャラクシップ・ギャラガファイター)を立体化したものですが、なにぶん40年ほど前のゲームの話ですので、まずは「ヒットゲームを生み出した背景と、その立体化の関係性」についてから述べて参りたいと思います。
これら2作品は、当時のビデオゲームにはあまり見られ無かった「カラフルなキャラクター」や「滑らかなキャラの動き」といった「ハードウエアの進歩」がヒットの要因である、と語られることが多いのですが、では「ハードが進化したからゲームを賑やかにしよう」という発想で作られたゲームなのか、といえばそうではなく「企画側の考えているものを具現化するには、新しいハードウエアでないと無理」というのが実際のところなのだそうです。
ただグラフィックの進化については、個人的には「ゼビウス以降」だと思っています(実際には以前も以降もなく、初期のナムコ製ビデオゲームにおける傑作ドット絵は殆どが「Mr.ドットマン」小野浩氏の功績なのですが)。
※ただし、ギャラクシアンについて小野氏は途中参加で、ドットデザインは中馬義明氏(ナムコ製ロボットやアーケードゲーム筐体のデザインを多数手がけた人物で、代表作に『メタルホーク』があります)によるものです。
小野氏の手掛けるドットキャラは、どれもキャッチーで素晴らしいというだけでなく「アイコンとしての分かりやすさ」という観点からも優れたものであり、その手腕は『ギャラガ』『ゼビウス』のドットグラフィックにも活かされていました。しかし、やはり私には遠山茂樹氏が手掛けた「ソルバルウ」のデザイン(特にポスターの絵!)が衝撃的だったのです。
※遠山氏は、ゼビウスの他にも様々なナムコのデザインを手掛けました(『マッピー』や『ピクパク』のようなロボットのデザインや『スターラスター』『ギャラクシアン³』のメカデザイン等、その仕事は多岐にわたります)。
立体物になった例から見ても、やはり人気は『ゼビウス』だったといえます。何しろ、ガレージキットの分野では何度も商品化され、挙句の果てには「ソルバルウ3機合体セット」なるものが販売される位の「人気キャラクター」であり、近年ではプラモ化された(ソルバルウのみで、合体はしませんが)ことで、入手もしやすくなっています。
それに対してギャラクシアンやギャラガについては、過去にWAVEから『ギャラガ・ファイター』が横山宏氏(SF3Dなどを代表作に持つ、SFイラストレーター兼造形作家)のアレンジデザインでプラモが1種類発売された位だったと記憶しています。
何しろ、ギャラクシアンやギャラガはどちらの作品も自機が「ゲームのポスター」に描かれたことは無い(どちらも、描かれているのは「敵機」でした)ので「解釈の幅が広い」ともいえる反面、迂闊なアレンジデザインで立体化しても「違う」と言われてしまうリスクがあるので、立体化はやりにくいのでしょう。
今回のアレンジは海老川兼武氏(メカデザイナー:代表作に『機動戦士ガンダムOO』や『ダライアスバースト』などがあります)が手掛けています。しかし、実はこのアレンジは「今回の立体化の為」に行われたものでは無いのですけれども。
もともとこのアレンジは海老川氏が島田フミカネ氏や柳瀬敬之氏と共同で執筆した同人誌『早秋の自由帳(2014)』にて発表されたものです。要するに「単なる趣味で描いたもの」に過ぎなかったのですが、それが2017年に『シューティングゲームヒストリカ』でアイアンフォスルが立体化された際、同企画のプロデューサーである依田智雄氏とやりとりをする内に、こちらも立体化する運びとなったのだそうです。
もちろん、今回の立体化にあたり「ナムコによる監修」は当然入ったそうなのですが、同人誌で描かれたそのイラスト自体「ドット絵を上手く立体的に解釈したもの」だった為、特に問題は無く了承されたのだとか。
私自身の意見としても、このようにセンス良くアレンジされたゲームメカの立体化という「商品展開」は大歓迎で、以前発売されたWAVE製のプラモや、本シリーズである『シューティングゲームヒストリカ』についても購入させていただいております(自分のお財布が許す範囲で…ではありますが)。
とはいえ、以前の横山デザインと今回の海老川デザインでは随分と「振り幅」が大きいので、せっかくこのような「立体化」によって世界観を掘り下げたつもりが、逆に統一感が乏しく感じられてしまった…となってしまっては本末転倒です。では、はたしてどちらが「公式」なのか? と申しますと、これらの世界観を統括する『UGSFシリーズ公式サイト』では、
西暦2281年、UGSF(銀河連邦宇宙軍)ではエイリアンの第二次侵攻(ギャラガとの戦い)を予想していたものの、前オペレーションで活躍したGFX-001a「ギャラクシップ」はエイリアンの進化についていけず火力の面で太刀打ち出来ない、という判定がくだされていた。
しかし、次世代機の基本設計自体は既に出来ており、残る問題は「彼等の侵攻までに、新型機を必要数出撃させられるかどうか」であった。
実際、現状の構想をUGSF主要国の生産力のみで進めた場合、ここに外装やサブフレームを加えた設計をし、雛型となる機体をテストして量産機を製造するという「通常の手順」ではエイリアンの侵攻までに間に合わない、との結論が出ていた。
そこでUGSFは、機体の細部については地球の各国で独自に設計をさせ、最終的な組立もそれぞれの国内工場で行わせることで工期の短縮を図ったのである。
こうして、対ギャラガ用航宙戦闘機、通称「ファイター」と呼ばれる『GFX-D002』シリーズは戦時中に通算で8種18機が生産され、その戦果は人類を再びの勝利へと導くこととなった。
…だが、実際にはギャラガ襲来時、迎撃に間に合ったのはこのうち僅か3機の初期型のみであった。
という説明がされておりました。要するに、外見が違うのは生産国の違いだから気にしなくて良いですよ、程度のものとお考え下さい。
横山デザインのギャラガファイターは『GFX-D002b』
『Galaga 30th Collection』の機体は『GFX-D002c』
そして今回の海老川デザインの機体が『GFX-D002f』
と、機体ナンバーに違いはありますが、この末尾のb型とかc型というのも生産順や用途別ではなく「製造国の違いを表すもの」であるそうなので、結局のところ「18機のうち、どの国の機体がギャラガと最初に戦ったのかは不明」なわけです。
※横山版ギャラガファイターの説明書には、ロービジリティ(低視認性)カラーや敵鹵獲時の色見本もあり、好きなように楽しめるような「ガイド」となっていました。
……ただし、これだと「国ごとの機体形状が違うゆえに、せっかく合体機構があるのに救助できるのは自国の同型のみ」という欠点もあるようですけど(笑)。
ちなみに本商品は、ギャラクシップもギャラガファイターも、両方「ノンスケール」という扱いです。ただ海老川氏としてはギャラクシップが20m(商品は約13cm)、ギャラガファイターが17m(商品は約11cm)と想定しているそうなので、商品の大きさから換算すると「どちらも大体1/155ぐらい」ということになります。
※WAVEのプラモはキット完成時の全長が約17cmですので、仮にこちらも実在全長が17mとするなら1/100ぐらいだと考えられるでしょう。
要するに「本商品とWAVEのプラモは合体できません」ということです。もちろん、ギャラクシップとも合体しません。しかし、せっかく付けられた本商品の「合体ギミック」が活かせるよう、メーカーではギャラガファイターを1機追加した『DX Ver.』を直売サイト専用で受注販売していました(現在は終了しています)。
ところで、この「UGSFという後付け設定」ですが、何でもありという訳ではなく「きちんとナムコ社内の人間(調べたところ、夛湖久治氏のことのようです:代表作に『エアーコンバット22』や『機動戦士ガンダム・戦場の絆』『エースコンバット7-VRモード』等があります)が、各ゲームの開発者に確認をとった上で編纂している」とのことです。
…話がギャラガに偏りましたので、ギャラクシップのこともお話しします。UGSFの公式設定において、この機体はドラグーン(ギャラクシアン³に登場した宇宙戦艦)よりも後に登場したことになっています(敵が小型かつ多数の生命体だったので大型艦で対処しきれなくなったのだとか)。
※『ギャラクシアン³』の敵は「UIMS(ウイムズ:侵略機械集団)」と呼ばれる由来不明の自動兵器群でしたが、その背後にいるはずの知的生物との関連については、結局のところ不明なままでした。その後、銀河系の各星系へと進出した人類(ギャラクシアン)が、初めて遭遇した外宇宙生命体(ETI)こそ、後にギャラガリーグと呼称される「エイリアン」でした(これも、UGSF公式ページの設定から要約したものです)。
「戦艦から小型機へ」というのは、いわゆる第2次世界大戦の「大艦巨砲主義に対する航空戦力の機動性が…」という故事に倣ったものと考えられますが、そうだとすればゲームでは頼りなく感じられた機首についているビーム砲(連射不可)も、何だか頼もしく思えてきます。
このビーム砲ですが、ゲームにおける描写では機首先端に弾丸が装填されてから発射、というギミックでした。しかし、海老川氏はこれを「ビーム砲の砲身にエネルギーが充填されている状態」と解釈し、チャージの状況が可視化できるようなデザインにしています。「原作」の描写を否定せず、更に「それっぽいもの」を提示できる海老川氏のセンスには今回も唸らされるばかりです。
カラーリングについて、海老川氏は先程のギャラガの例をとって「初期型、あるいはパーソナルカラーだったのでは」と述べています。派手な色使いであるはずなのに綺麗にまとまっていて、非常にカッコいいです。ちなみに同人誌には「白地に青緑系のペイントがされた量産型ギャラクシップ」が描かれていました。もしかして今後「鹵獲されたギャラガファイター」などのカラーバリエーションが発売される、ということなのでしょうか。
ただ、仮にそうであるならば色違いアイテムで「人気調査をするような商品展開」というのは、結果としてファンから呆れられてフェードアウトしていくことになるのでは…と個人的には危惧しています。できればこれまでの様に、ゆっくりでも良いので(なにしろ、前回の『figma R-TYPE ドブケラドプス』が2019年10月で、前々回の『figmaサンダーフォースIII & IV』が2019年2月です)今後も丁寧な商品を発売して頂きたいと願っております。
私などは「人気が欲しいなら、パイロットの女の子をfigmaにしたらいいんじゃね?」ぐらいに考えがちですけど、これについて依田氏は『figma アイアンフォスル』発売時のインタビューにて、以下のように答えています。
「例えば『Ti2(ダライアスバーストのパイロットキャラ:島田フミカネ氏によるデザインでカワイイ)』の商品化については、実は以前話もあったんですが、このキャラはPSP版の「ダライアスバースト」のときに披露されたものの、それ以降あまり露出がなかったので、企画までには至らなかったんです」
とのことで、実際には難しいのだそうです。確かにそういわれると、昔は『ゲーメスト』の読者コーナーを賑わせていた格闘ゲーム系美少女キャラも、現在における「投稿の場」であるpixivなどのイラスト系SNSでは新規の投稿を殆ど見かけませんよね…。恐らく「商品の購買層以外にも知名度があるキャラかどうか」というのも、企画成立には重要な要素なのでしょう。
商品の「アレンジについての解説」が、だいぶ長くなってしまいました。とはいえ、なにぶん40年近く顧みられることのなかったメカデザイン(同人誌などではあったと思いますが、最近では「メカデザイナーに憧れる人」も減少傾向のようで「こういうもの」自体見かけなくなりました…)なので、ご容赦いただきたく存じます。
というわけで、肝心の「商品自体の内容について」です。
まずは箱の大きさから述べることにします。ここは以前発売された『figmaサンダーフォースIII & IV』と殆ど同じ大きさのようです。商品が2段のブリスターパックに収まっているところも同じでした。……ただ、あちらはオプション兵装や差し替えパーツなどが付属していて賑やかでしたが、それと比較すると本商品の付属品の少なさは、かなり気になってしまいます。
とはいえ、元々がシンプルなゲームですから「これ以上は付けようがない」ことは理解しております(ゲーム中の描写と関係のない「余計なもの」をつけられても嬉しくないですし…)。しかし、それならもう少し価格を下げて頂きたかったですね…(サンダーフォースが11,852円税抜で、本商品が11,500円税抜というのは、やはり釣り合っていないと思うのです)。
ただ、サンダーフォースの方は2機セットではあったものの、機首などを「共通パーツ」とすることで「同系機らしさ」を想起させる演出と「製造工程の簡略化の両立」を画策した上での価格だったわけで、共通パーツの全くない本商品(台座以外)を「それ」と同列に考えるのは違うのかもしれません。
「figmaブランドなのに、その要素は皆無」な商品ではありますけれども、一応推進エフェクトにfigmaジョイントがつけられています(…あまり、意味がないような…)。このエフェクトですが、少々外れやすく感じました。因みに、添付画像の「ビームエフェクト」「瓦礫の背景パーツ」「基地内部パーツ」「トラスパーツ」「商品以外の機体」はすべて別売ですのでご注意ください。
商品を飾る場合は、付属のスタンドを用います。軸径はサンダーフォースに付属していたものと同じ径でしたので、あちらの台座に本商品を飾ることも可能ではあります。ただ機体との接続方法は、あちらが「推進ノズルに軸を差し込む方式」だったのに対し、本商品は「機体下部にアタッチメントをつけ、そこに軸を差し込む方式」となっていました。
※角度変更がやりにくい場合は、他社製のスタンドを使うのがお勧めです(軸径が3mmであればアタッチメントと接続できます)。
機体の塗装具合ですが、綺麗にできてはいるものの全塗装ではなく「部分塗装」でした。その上、そこと未塗装部分との「ツヤ」が揃っていないので結構「おもちゃっぽい感じ」がします。台座の接続方法が「塗装を剥がしやすい方式」なので、それを避けるためにあえて全体に塗装しなかった…と私は考えますが、実際はどうなのでしょうか。
ギャラガファイターの「合体」には、専用のジョイントパーツを用いるのですが、ものすごく小さいので紛失にはご注意ください。もっとも、合体させるには上記の『DX Ver.』を購入しているか、本商品をもう1セット買うかしかありませんので、その予定のない方にとっては「無意味なパーツ」なんですけどね…。
では、本レビューのまとめです。機体のデザインは格好良いですし「商品展開そのもの」は大歓迎なのですが「商品の仕様」には首をかしげる部分が結構あり、良くも悪くも「昔のヒストリカを思い起こさせる商品」でした(最近のものは、高額ながら出来は良かったのです)。
もっとも、これはヒストリカだけの問題ではないらしく、近年は完成品フィギュア市場全体の品質低下が著しいとの噂もあります。このジャンルは、その製造工程の多くを中国に頼っていますから、昨今の世界情勢から考えれば仕方のないところもあるのでしょう。
それ故に今回の出来栄えが「今後の標準になりませんように…」というのが正直なところです。何しろ価格は安くないわけですから。
とはいえ、まだまだこのシリーズには続いていってほしい…というより「ここまで続いたのなら、中途半端で終わってはいけないシリーズになっている」とさえいえます。
例えば、過去に発表されたきり音沙汰がない『ウルフファング64機種再現プラモ』がそれです。他にも『ナイトストライカー』や『ガングリフォン』の主人公機のような、ガレージキットで人気のある機体の入手難度を下げること(取り扱いの難度も下がると、なお良いです)も「シューティングゲーム」を冠するこのシリーズの「使命」といえるのではないでしょうか。
『シューティングゲームヒストリカ』は、ゲームのポスターやパッケージに出てくるメカを立体化するシリーズ…というより
「ゲーム中、自分が操作している(ドットで描かれた)メカが格好良く感じられたことを、いかに立体化するか(それも、ピクセルアート以外の手段で)」
を狙ったシリーズであるように思います(人によっては敵メカさえも、ポスターに描かれたものより「ゲーム中のドット絵」の方が断然格好良い、と思ったことがあるのではないでしょうか)。
本商品にしても「そうした狙い」は充分に果たせていると私には感じられました。あとは「価格と品質のつりあい」が安定してとれれば、高額でも「信頼のおけるブランド」になるはずです。上記しましたが、今後の商品展開もゆっくりで良いですので「後世に残るものを」お待ちしております。
今回の商品は、それらの自機(ギャラクシップ・ギャラガファイター)を立体化したものですが、なにぶん40年ほど前のゲームの話ですので、まずは「ヒットゲームを生み出した背景と、その立体化の関係性」についてから述べて参りたいと思います。
これら2作品は、当時のビデオゲームにはあまり見られ無かった「カラフルなキャラクター」や「滑らかなキャラの動き」といった「ハードウエアの進歩」がヒットの要因である、と語られることが多いのですが、では「ハードが進化したからゲームを賑やかにしよう」という発想で作られたゲームなのか、といえばそうではなく「企画側の考えているものを具現化するには、新しいハードウエアでないと無理」というのが実際のところなのだそうです。
ただグラフィックの進化については、個人的には「ゼビウス以降」だと思っています(実際には以前も以降もなく、初期のナムコ製ビデオゲームにおける傑作ドット絵は殆どが「Mr.ドットマン」小野浩氏の功績なのですが)。
※ただし、ギャラクシアンについて小野氏は途中参加で、ドットデザインは中馬義明氏(ナムコ製ロボットやアーケードゲーム筐体のデザインを多数手がけた人物で、代表作に『メタルホーク』があります)によるものです。
小野氏の手掛けるドットキャラは、どれもキャッチーで素晴らしいというだけでなく「アイコンとしての分かりやすさ」という観点からも優れたものであり、その手腕は『ギャラガ』『ゼビウス』のドットグラフィックにも活かされていました。しかし、やはり私には遠山茂樹氏が手掛けた「ソルバルウ」のデザイン(特にポスターの絵!)が衝撃的だったのです。
※遠山氏は、ゼビウスの他にも様々なナムコのデザインを手掛けました(『マッピー』や『ピクパク』のようなロボットのデザインや『スターラスター』『ギャラクシアン³』のメカデザイン等、その仕事は多岐にわたります)。
立体物になった例から見ても、やはり人気は『ゼビウス』だったといえます。何しろ、ガレージキットの分野では何度も商品化され、挙句の果てには「ソルバルウ3機合体セット」なるものが販売される位の「人気キャラクター」であり、近年ではプラモ化された(ソルバルウのみで、合体はしませんが)ことで、入手もしやすくなっています。
それに対してギャラクシアンやギャラガについては、過去にWAVEから『ギャラガ・ファイター』が横山宏氏(SF3Dなどを代表作に持つ、SFイラストレーター兼造形作家)のアレンジデザインでプラモが1種類発売された位だったと記憶しています。
何しろ、ギャラクシアンやギャラガはどちらの作品も自機が「ゲームのポスター」に描かれたことは無い(どちらも、描かれているのは「敵機」でした)ので「解釈の幅が広い」ともいえる反面、迂闊なアレンジデザインで立体化しても「違う」と言われてしまうリスクがあるので、立体化はやりにくいのでしょう。
今回のアレンジは海老川兼武氏(メカデザイナー:代表作に『機動戦士ガンダムOO』や『ダライアスバースト』などがあります)が手掛けています。しかし、実はこのアレンジは「今回の立体化の為」に行われたものでは無いのですけれども。
もともとこのアレンジは海老川氏が島田フミカネ氏や柳瀬敬之氏と共同で執筆した同人誌『早秋の自由帳(2014)』にて発表されたものです。要するに「単なる趣味で描いたもの」に過ぎなかったのですが、それが2017年に『シューティングゲームヒストリカ』でアイアンフォスルが立体化された際、同企画のプロデューサーである依田智雄氏とやりとりをする内に、こちらも立体化する運びとなったのだそうです。
もちろん、今回の立体化にあたり「ナムコによる監修」は当然入ったそうなのですが、同人誌で描かれたそのイラスト自体「ドット絵を上手く立体的に解釈したもの」だった為、特に問題は無く了承されたのだとか。
私自身の意見としても、このようにセンス良くアレンジされたゲームメカの立体化という「商品展開」は大歓迎で、以前発売されたWAVE製のプラモや、本シリーズである『シューティングゲームヒストリカ』についても購入させていただいております(自分のお財布が許す範囲で…ではありますが)。
とはいえ、以前の横山デザインと今回の海老川デザインでは随分と「振り幅」が大きいので、せっかくこのような「立体化」によって世界観を掘り下げたつもりが、逆に統一感が乏しく感じられてしまった…となってしまっては本末転倒です。では、はたしてどちらが「公式」なのか? と申しますと、これらの世界観を統括する『UGSFシリーズ公式サイト』では、
西暦2281年、UGSF(銀河連邦宇宙軍)ではエイリアンの第二次侵攻(ギャラガとの戦い)を予想していたものの、前オペレーションで活躍したGFX-001a「ギャラクシップ」はエイリアンの進化についていけず火力の面で太刀打ち出来ない、という判定がくだされていた。
しかし、次世代機の基本設計自体は既に出来ており、残る問題は「彼等の侵攻までに、新型機を必要数出撃させられるかどうか」であった。
実際、現状の構想をUGSF主要国の生産力のみで進めた場合、ここに外装やサブフレームを加えた設計をし、雛型となる機体をテストして量産機を製造するという「通常の手順」ではエイリアンの侵攻までに間に合わない、との結論が出ていた。
そこでUGSFは、機体の細部については地球の各国で独自に設計をさせ、最終的な組立もそれぞれの国内工場で行わせることで工期の短縮を図ったのである。
こうして、対ギャラガ用航宙戦闘機、通称「ファイター」と呼ばれる『GFX-D002』シリーズは戦時中に通算で8種18機が生産され、その戦果は人類を再びの勝利へと導くこととなった。
…だが、実際にはギャラガ襲来時、迎撃に間に合ったのはこのうち僅か3機の初期型のみであった。
という説明がされておりました。要するに、外見が違うのは生産国の違いだから気にしなくて良いですよ、程度のものとお考え下さい。
横山デザインのギャラガファイターは『GFX-D002b』
『Galaga 30th Collection』の機体は『GFX-D002c』
そして今回の海老川デザインの機体が『GFX-D002f』
と、機体ナンバーに違いはありますが、この末尾のb型とかc型というのも生産順や用途別ではなく「製造国の違いを表すもの」であるそうなので、結局のところ「18機のうち、どの国の機体がギャラガと最初に戦ったのかは不明」なわけです。
※横山版ギャラガファイターの説明書には、ロービジリティ(低視認性)カラーや敵鹵獲時の色見本もあり、好きなように楽しめるような「ガイド」となっていました。
……ただし、これだと「国ごとの機体形状が違うゆえに、せっかく合体機構があるのに救助できるのは自国の同型のみ」という欠点もあるようですけど(笑)。
ちなみに本商品は、ギャラクシップもギャラガファイターも、両方「ノンスケール」という扱いです。ただ海老川氏としてはギャラクシップが20m(商品は約13cm)、ギャラガファイターが17m(商品は約11cm)と想定しているそうなので、商品の大きさから換算すると「どちらも大体1/155ぐらい」ということになります。
※WAVEのプラモはキット完成時の全長が約17cmですので、仮にこちらも実在全長が17mとするなら1/100ぐらいだと考えられるでしょう。
要するに「本商品とWAVEのプラモは合体できません」ということです。もちろん、ギャラクシップとも合体しません。しかし、せっかく付けられた本商品の「合体ギミック」が活かせるよう、メーカーではギャラガファイターを1機追加した『DX Ver.』を直売サイト専用で受注販売していました(現在は終了しています)。
ところで、この「UGSFという後付け設定」ですが、何でもありという訳ではなく「きちんとナムコ社内の人間(調べたところ、夛湖久治氏のことのようです:代表作に『エアーコンバット22』や『機動戦士ガンダム・戦場の絆』『エースコンバット7-VRモード』等があります)が、各ゲームの開発者に確認をとった上で編纂している」とのことです。
…話がギャラガに偏りましたので、ギャラクシップのこともお話しします。UGSFの公式設定において、この機体はドラグーン(ギャラクシアン³に登場した宇宙戦艦)よりも後に登場したことになっています(敵が小型かつ多数の生命体だったので大型艦で対処しきれなくなったのだとか)。
※『ギャラクシアン³』の敵は「UIMS(ウイムズ:侵略機械集団)」と呼ばれる由来不明の自動兵器群でしたが、その背後にいるはずの知的生物との関連については、結局のところ不明なままでした。その後、銀河系の各星系へと進出した人類(ギャラクシアン)が、初めて遭遇した外宇宙生命体(ETI)こそ、後にギャラガリーグと呼称される「エイリアン」でした(これも、UGSF公式ページの設定から要約したものです)。
「戦艦から小型機へ」というのは、いわゆる第2次世界大戦の「大艦巨砲主義に対する航空戦力の機動性が…」という故事に倣ったものと考えられますが、そうだとすればゲームでは頼りなく感じられた機首についているビーム砲(連射不可)も、何だか頼もしく思えてきます。
このビーム砲ですが、ゲームにおける描写では機首先端に弾丸が装填されてから発射、というギミックでした。しかし、海老川氏はこれを「ビーム砲の砲身にエネルギーが充填されている状態」と解釈し、チャージの状況が可視化できるようなデザインにしています。「原作」の描写を否定せず、更に「それっぽいもの」を提示できる海老川氏のセンスには今回も唸らされるばかりです。
カラーリングについて、海老川氏は先程のギャラガの例をとって「初期型、あるいはパーソナルカラーだったのでは」と述べています。派手な色使いであるはずなのに綺麗にまとまっていて、非常にカッコいいです。ちなみに同人誌には「白地に青緑系のペイントがされた量産型ギャラクシップ」が描かれていました。もしかして今後「鹵獲されたギャラガファイター」などのカラーバリエーションが発売される、ということなのでしょうか。
ただ、仮にそうであるならば色違いアイテムで「人気調査をするような商品展開」というのは、結果としてファンから呆れられてフェードアウトしていくことになるのでは…と個人的には危惧しています。できればこれまでの様に、ゆっくりでも良いので(なにしろ、前回の『figma R-TYPE ドブケラドプス』が2019年10月で、前々回の『figmaサンダーフォースIII & IV』が2019年2月です)今後も丁寧な商品を発売して頂きたいと願っております。
私などは「人気が欲しいなら、パイロットの女の子をfigmaにしたらいいんじゃね?」ぐらいに考えがちですけど、これについて依田氏は『figma アイアンフォスル』発売時のインタビューにて、以下のように答えています。
「例えば『Ti2(ダライアスバーストのパイロットキャラ:島田フミカネ氏によるデザインでカワイイ)』の商品化については、実は以前話もあったんですが、このキャラはPSP版の「ダライアスバースト」のときに披露されたものの、それ以降あまり露出がなかったので、企画までには至らなかったんです」
とのことで、実際には難しいのだそうです。確かにそういわれると、昔は『ゲーメスト』の読者コーナーを賑わせていた格闘ゲーム系美少女キャラも、現在における「投稿の場」であるpixivなどのイラスト系SNSでは新規の投稿を殆ど見かけませんよね…。恐らく「商品の購買層以外にも知名度があるキャラかどうか」というのも、企画成立には重要な要素なのでしょう。
商品の「アレンジについての解説」が、だいぶ長くなってしまいました。とはいえ、なにぶん40年近く顧みられることのなかったメカデザイン(同人誌などではあったと思いますが、最近では「メカデザイナーに憧れる人」も減少傾向のようで「こういうもの」自体見かけなくなりました…)なので、ご容赦いただきたく存じます。
というわけで、肝心の「商品自体の内容について」です。
まずは箱の大きさから述べることにします。ここは以前発売された『figmaサンダーフォースIII & IV』と殆ど同じ大きさのようです。商品が2段のブリスターパックに収まっているところも同じでした。……ただ、あちらはオプション兵装や差し替えパーツなどが付属していて賑やかでしたが、それと比較すると本商品の付属品の少なさは、かなり気になってしまいます。
とはいえ、元々がシンプルなゲームですから「これ以上は付けようがない」ことは理解しております(ゲーム中の描写と関係のない「余計なもの」をつけられても嬉しくないですし…)。しかし、それならもう少し価格を下げて頂きたかったですね…(サンダーフォースが11,852円税抜で、本商品が11,500円税抜というのは、やはり釣り合っていないと思うのです)。
ただ、サンダーフォースの方は2機セットではあったものの、機首などを「共通パーツ」とすることで「同系機らしさ」を想起させる演出と「製造工程の簡略化の両立」を画策した上での価格だったわけで、共通パーツの全くない本商品(台座以外)を「それ」と同列に考えるのは違うのかもしれません。
「figmaブランドなのに、その要素は皆無」な商品ではありますけれども、一応推進エフェクトにfigmaジョイントがつけられています(…あまり、意味がないような…)。このエフェクトですが、少々外れやすく感じました。因みに、添付画像の「ビームエフェクト」「瓦礫の背景パーツ」「基地内部パーツ」「トラスパーツ」「商品以外の機体」はすべて別売ですのでご注意ください。
商品を飾る場合は、付属のスタンドを用います。軸径はサンダーフォースに付属していたものと同じ径でしたので、あちらの台座に本商品を飾ることも可能ではあります。ただ機体との接続方法は、あちらが「推進ノズルに軸を差し込む方式」だったのに対し、本商品は「機体下部にアタッチメントをつけ、そこに軸を差し込む方式」となっていました。
※角度変更がやりにくい場合は、他社製のスタンドを使うのがお勧めです(軸径が3mmであればアタッチメントと接続できます)。
機体の塗装具合ですが、綺麗にできてはいるものの全塗装ではなく「部分塗装」でした。その上、そこと未塗装部分との「ツヤ」が揃っていないので結構「おもちゃっぽい感じ」がします。台座の接続方法が「塗装を剥がしやすい方式」なので、それを避けるためにあえて全体に塗装しなかった…と私は考えますが、実際はどうなのでしょうか。
ギャラガファイターの「合体」には、専用のジョイントパーツを用いるのですが、ものすごく小さいので紛失にはご注意ください。もっとも、合体させるには上記の『DX Ver.』を購入しているか、本商品をもう1セット買うかしかありませんので、その予定のない方にとっては「無意味なパーツ」なんですけどね…。
では、本レビューのまとめです。機体のデザインは格好良いですし「商品展開そのもの」は大歓迎なのですが「商品の仕様」には首をかしげる部分が結構あり、良くも悪くも「昔のヒストリカを思い起こさせる商品」でした(最近のものは、高額ながら出来は良かったのです)。
もっとも、これはヒストリカだけの問題ではないらしく、近年は完成品フィギュア市場全体の品質低下が著しいとの噂もあります。このジャンルは、その製造工程の多くを中国に頼っていますから、昨今の世界情勢から考えれば仕方のないところもあるのでしょう。
それ故に今回の出来栄えが「今後の標準になりませんように…」というのが正直なところです。何しろ価格は安くないわけですから。
とはいえ、まだまだこのシリーズには続いていってほしい…というより「ここまで続いたのなら、中途半端で終わってはいけないシリーズになっている」とさえいえます。
例えば、過去に発表されたきり音沙汰がない『ウルフファング64機種再現プラモ』がそれです。他にも『ナイトストライカー』や『ガングリフォン』の主人公機のような、ガレージキットで人気のある機体の入手難度を下げること(取り扱いの難度も下がると、なお良いです)も「シューティングゲーム」を冠するこのシリーズの「使命」といえるのではないでしょうか。
『シューティングゲームヒストリカ』は、ゲームのポスターやパッケージに出てくるメカを立体化するシリーズ…というより
「ゲーム中、自分が操作している(ドットで描かれた)メカが格好良く感じられたことを、いかに立体化するか(それも、ピクセルアート以外の手段で)」
を狙ったシリーズであるように思います(人によっては敵メカさえも、ポスターに描かれたものより「ゲーム中のドット絵」の方が断然格好良い、と思ったことがあるのではないでしょうか)。
本商品にしても「そうした狙い」は充分に果たせていると私には感じられました。あとは「価格と品質のつりあい」が安定してとれれば、高額でも「信頼のおけるブランド」になるはずです。上記しましたが、今後の商品展開もゆっくりで良いですので「後世に残るものを」お待ちしております。

ゲームメーカーのナムコが、1980年代初頭に発売した業務用のビデオゲームたちは、その殆どがヒットとなりました。後にプレイヤー達から「ナムコ黄金期」と呼ばれた作品群の「はじまり」となったのが1979年発売の『ギャラクシアン』であり、その後継作が1981年の『ギャラガ』です。
今回の商品は、それらの自機(ギャラクシップ・ギャラガファイター)を立体化したものですが、なにぶん40年ほど前のゲームの話ですので、まずは「ヒットゲームを生み出した背景と、その立体化の関係性」についてから述べて参りたいと思います。
これら2作品は、当時のビデオゲームにはあまり見られ無かった「カラフルなキャラクター」や「滑らかなキャラの動き」といった「ハードウエアの進歩」がヒットの要因である、と語られることが多いのですが、では「ハードが進化したからゲームを賑やかにしよう」という発想で作られたゲームなのか、といえばそうではなく「企画側の考えているものを具現化するには、新しいハードウエアでないと無理」というのが実際のところなのだそうです。
ただグラフィックの進化については、個人的には「ゼビウス以降」だと思っています(実際には以前も以降もなく、初期のナムコ製ビデオゲームにおける傑作ドット絵は殆どが「Mr.ドットマン」小野浩氏の功績なのですが)。
※ただし、ギャラクシアンについて小野氏は途中参加で、ドットデザインは中馬義明氏(ナムコ製ロボットやアーケードゲーム筐体のデザインを多数手がけた人物で、代表作に『メタルホーク』があります)によるものです。
小野氏の手掛けるドットキャラは、どれもキャッチーで素晴らしいというだけでなく「アイコンとしての分かりやすさ」という観点からも優れたものであり、その手腕は『ギャラガ』『ゼビウス』のドットグラフィックにも活かされていました。しかし、やはり私には遠山茂樹氏が手掛けた「ソルバルウ」のデザイン(特にポスターの絵!)が衝撃的だったのです。
※遠山氏は、ゼビウスの他にも様々なナムコのデザインを手掛けました(『マッピー』や『ピクパク』のようなロボットのデザインや『スターラスター』『ギャラクシアン³』のメカデザイン等、その仕事は多岐にわたります)。
立体物になった例から見ても、やはり人気は『ゼビウス』だったといえます。何しろ、ガレージキットの分野では何度も商品化され、挙句の果てには「ソルバルウ3機合体セット」なるものが販売される位の「人気キャラクター」であり、近年ではプラモ化された(ソルバルウのみで、合体はしませんが)ことで、入手もしやすくなっています。
それに対してギャラクシアンやギャラガについては、過去にWAVEから『ギャラガ・ファイター』が横山宏氏(SF3Dなどを代表作に持つ、SFイラストレーター兼造形作家)のアレンジデザインでプラモが1種類発売された位だったと記憶しています。
何しろ、ギャラクシアンやギャラガはどちらの作品も自機が「ゲームのポスター」に描かれたことは無い(どちらも、描かれているのは「敵機」でした)ので「解釈の幅が広い」ともいえる反面、迂闊なアレンジデザインで立体化しても「違う」と言われてしまうリスクがあるので、立体化はやりにくいのでしょう。
今回のアレンジは海老川兼武氏(メカデザイナー:代表作に『機動戦士ガンダムOO』や『ダライアスバースト』などがあります)が手掛けています。しかし、実はこのアレンジは「今回の立体化の為」に行われたものでは無いのですけれども。
もともとこのアレンジは海老川氏が島田フミカネ氏や柳瀬敬之氏と共同で執筆した同人誌『早秋の自由帳(2014)』にて発表されたものです。要するに「単なる趣味で描いたもの」に過ぎなかったのですが、それが2017年に『シューティングゲームヒストリカ』でアイアンフォスルが立体化された際、同企画のプロデューサーである依田智雄氏とやりとりをする内に、こちらも立体化する運びとなったのだそうです。
もちろん、今回の立体化にあたり「ナムコによる監修」は当然入ったそうなのですが、同人誌で描かれたそのイラスト自体「ドット絵を上手く立体的に解釈したもの」だった為、特に問題は無く了承されたのだとか。
私自身の意見としても、このようにセンス良くアレンジされたゲームメカの立体化という「商品展開」は大歓迎で、以前発売されたWAVE製のプラモや、本シリーズである『シューティングゲームヒストリカ』についても購入させていただいております(自分のお財布が許す範囲で…ではありますが)。
とはいえ、以前の横山デザインと今回の海老川デザインでは随分と「振り幅」が大きいので、せっかくこのような「立体化」によって世界観を掘り下げたつもりが、逆に統一感が乏しく感じられてしまった…となってしまっては本末転倒です。では、はたしてどちらが「公式」なのか? と申しますと、これらの世界観を統括する『UGSFシリーズ公式サイト』では、
西暦2281年、UGSF(銀河連邦宇宙軍)ではエイリアンの第二次侵攻(ギャラガとの戦い)を予想していたものの、前オペレーションで活躍したGFX-001a「ギャラクシップ」はエイリアンの進化についていけず火力の面で太刀打ち出来ない、という判定がくだされていた。
しかし、次世代機の基本設計自体は既に出来ており、残る問題は「彼等の侵攻までに、新型機を必要数出撃させられるかどうか」であった。
実際、現状の構想をUGSF主要国の生産力のみで進めた場合、ここに外装やサブフレームを加えた設計をし、雛型となる機体をテストして量産機を製造するという「通常の手順」ではエイリアンの侵攻までに間に合わない、との結論が出ていた。
そこでUGSFは、機体の細部については地球の各国で独自に設計をさせ、最終的な組立もそれぞれの国内工場で行わせることで工期の短縮を図ったのである。
こうして、対ギャラガ用航宙戦闘機、通称「ファイター」と呼ばれる『GFX-D002』シリーズは戦時中に通算で8種18機が生産され、その戦果は人類を再びの勝利へと導くこととなった。
…だが、実際にはギャラガ襲来時、迎撃に間に合ったのはこのうち僅か3機の初期型のみであった。
という説明がされておりました。要するに、外見が違うのは生産国の違いだから気にしなくて良いですよ、程度のものとお考え下さい。
横山デザインのギャラガファイターは『GFX-D002b』
『Galaga 30th Collection』の機体は『GFX-D002c』
そして今回の海老川デザインの機体が『GFX-D002f』
と、機体ナンバーに違いはありますが、この末尾のb型とかc型というのも生産順や用途別ではなく「製造国の違いを表すもの」であるそうなので、結局のところ「18機のうち、どの国の機体がギャラガと最初に戦ったのかは不明」なわけです。
※横山版ギャラガファイターの説明書には、ロービジリティ(低視認性)カラーや敵鹵獲時の色見本もあり、好きなように楽しめるような「ガイド」となっていました。
……ただし、これだと「国ごとの機体形状が違うゆえに、せっかく合体機構があるのに救助できるのは自国の同型のみ」という欠点もあるようですけど(笑)。
ちなみに本商品は、ギャラクシップもギャラガファイターも、両方「ノンスケール」という扱いです。ただ海老川氏としてはギャラクシップが20m(商品は約13cm)、ギャラガファイターが17m(商品は約11cm)と想定しているそうなので、商品の大きさから換算すると「どちらも大体1/155ぐらい」ということになります。
※WAVEのプラモはキット完成時の全長が約17cmですので、仮にこちらも実在全長が17mとするなら1/100ぐらいだと考えられるでしょう。
要するに「本商品とWAVEのプラモは合体できません」ということです。もちろん、ギャラクシップとも合体しません。しかし、せっかく付けられた本商品の「合体ギミック」が活かせるよう、メーカーではギャラガファイターを1機追加した『DX Ver.』を直売サイト専用で受注販売していました(現在は終了しています)。
ところで、この「UGSFという後付け設定」ですが、何でもありという訳ではなく「きちんとナムコ社内の人間(調べたところ、夛湖久治氏のことのようです:代表作に『エアーコンバット22』や『機動戦士ガンダム・戦場の絆』『エースコンバット7-VRモード』等があります)が、各ゲームの開発者に確認をとった上で編纂している」とのことです。
…話がギャラガに偏りましたので、ギャラクシップのこともお話しします。UGSFの公式設定において、この機体はドラグーン(ギャラクシアン³に登場した宇宙戦艦)よりも後に登場したことになっています(敵が小型かつ多数の生命体だったので大型艦で対処しきれなくなったのだとか)。
※『ギャラクシアン³』の敵は「UIMS(ウイムズ:侵略機械集団)」と呼ばれる由来不明の自動兵器群でしたが、その背後にいるはずの知的生物との関連については、結局のところ不明なままでした。その後、銀河系の各星系へと進出した人類(ギャラクシアン)が、初めて遭遇した外宇宙生命体(ETI)こそ、後にギャラガリーグと呼称される「エイリアン」でした(これも、UGSF公式ページの設定から要約したものです)。
「戦艦から小型機へ」というのは、いわゆる第2次世界大戦の「大艦巨砲主義に対する航空戦力の機動性が…」という故事に倣ったものと考えられますが、そうだとすればゲームでは頼りなく感じられた機首についているビーム砲(連射不可)も、何だか頼もしく思えてきます。
このビーム砲ですが、ゲームにおける描写では機首先端に弾丸が装填されてから発射、というギミックでした。しかし、海老川氏はこれを「ビーム砲の砲身にエネルギーが充填されている状態」と解釈し、チャージの状況が可視化できるようなデザインにしています。「原作」の描写を否定せず、更に「それっぽいもの」を提示できる海老川氏のセンスには今回も唸らされるばかりです。
カラーリングについて、海老川氏は先程のギャラガの例をとって「初期型、あるいはパーソナルカラーだったのでは」と述べています。派手な色使いであるはずなのに綺麗にまとまっていて、非常にカッコいいです。ちなみに同人誌には「白地に青緑系のペイントがされた量産型ギャラクシップ」が描かれていました。もしかして今後「鹵獲されたギャラガファイター」などのカラーバリエーションが発売される、ということなのでしょうか。
ただ、仮にそうであるならば色違いアイテムで「人気調査をするような商品展開」というのは、結果としてファンから呆れられてフェードアウトしていくことになるのでは…と個人的には危惧しています。できればこれまでの様に、ゆっくりでも良いので(なにしろ、前回の『figma R-TYPE ドブケラドプス』が2019年10月で、前々回の『figmaサンダーフォースIII & IV』が2019年2月です)今後も丁寧な商品を発売して頂きたいと願っております。
私などは「人気が欲しいなら、パイロットの女の子をfigmaにしたらいいんじゃね?」ぐらいに考えがちですけど、これについて依田氏は『figma アイアンフォスル』発売時のインタビューにて、以下のように答えています。
「例えば『Ti2(ダライアスバーストのパイロットキャラ:島田フミカネ氏によるデザインでカワイイ)』の商品化については、実は以前話もあったんですが、このキャラはPSP版の「ダライアスバースト」のときに披露されたものの、それ以降あまり露出がなかったので、企画までには至らなかったんです」
とのことで、実際には難しいのだそうです。確かにそういわれると、昔は『ゲーメスト』の読者コーナーを賑わせていた格闘ゲーム系美少女キャラも、現在における「投稿の場」であるpixivなどのイラスト系SNSでは新規の投稿を殆ど見かけませんよね…。恐らく「商品の購買層以外にも知名度があるキャラかどうか」というのも、企画成立には重要な要素なのでしょう。
商品の「アレンジについての解説」が、だいぶ長くなってしまいました。とはいえ、なにぶん40年近く顧みられることのなかったメカデザイン(同人誌などではあったと思いますが、最近では「メカデザイナーに憧れる人」も減少傾向のようで「こういうもの」自体見かけなくなりました…)なので、ご容赦いただきたく存じます。
というわけで、肝心の「商品自体の内容について」です。
まずは箱の大きさから述べることにします。ここは以前発売された『figmaサンダーフォースIII & IV』と殆ど同じ大きさのようです。商品が2段のブリスターパックに収まっているところも同じでした。……ただ、あちらはオプション兵装や差し替えパーツなどが付属していて賑やかでしたが、それと比較すると本商品の付属品の少なさは、かなり気になってしまいます。
とはいえ、元々がシンプルなゲームですから「これ以上は付けようがない」ことは理解しております(ゲーム中の描写と関係のない「余計なもの」をつけられても嬉しくないですし…)。しかし、それならもう少し価格を下げて頂きたかったですね…(サンダーフォースが11,852円税抜で、本商品が11,500円税抜というのは、やはり釣り合っていないと思うのです)。
ただ、サンダーフォースの方は2機セットではあったものの、機首などを「共通パーツ」とすることで「同系機らしさ」を想起させる演出と「製造工程の簡略化の両立」を画策した上での価格だったわけで、共通パーツの全くない本商品(台座以外)を「それ」と同列に考えるのは違うのかもしれません。
「figmaブランドなのに、その要素は皆無」な商品ではありますけれども、一応推進エフェクトにfigmaジョイントがつけられています(…あまり、意味がないような…)。このエフェクトですが、少々外れやすく感じました。因みに、添付画像の「ビームエフェクト」「瓦礫の背景パーツ」「基地内部パーツ」「トラスパーツ」「商品以外の機体」はすべて別売ですのでご注意ください。
商品を飾る場合は、付属のスタンドを用います。軸径はサンダーフォースに付属していたものと同じ径でしたので、あちらの台座に本商品を飾ることも可能ではあります。ただ機体との接続方法は、あちらが「推進ノズルに軸を差し込む方式」だったのに対し、本商品は「機体下部にアタッチメントをつけ、そこに軸を差し込む方式」となっていました。
※角度変更がやりにくい場合は、他社製のスタンドを使うのがお勧めです(軸径が3mmであればアタッチメントと接続できます)。
機体の塗装具合ですが、綺麗にできてはいるものの全塗装ではなく「部分塗装」でした。その上、そこと未塗装部分との「ツヤ」が揃っていないので結構「おもちゃっぽい感じ」がします。台座の接続方法が「塗装を剥がしやすい方式」なので、それを避けるためにあえて全体に塗装しなかった…と私は考えますが、実際はどうなのでしょうか。
ギャラガファイターの「合体」には、専用のジョイントパーツを用いるのですが、ものすごく小さいので紛失にはご注意ください。もっとも、合体させるには上記の『DX Ver.』を購入しているか、本商品をもう1セット買うかしかありませんので、その予定のない方にとっては「無意味なパーツ」なんですけどね…。
では、本レビューのまとめです。機体のデザインは格好良いですし「商品展開そのもの」は大歓迎なのですが「商品の仕様」には首をかしげる部分が結構あり、良くも悪くも「昔のヒストリカを思い起こさせる商品」でした(最近のものは、高額ながら出来は良かったのです)。
もっとも、これはヒストリカだけの問題ではないらしく、近年は完成品フィギュア市場全体の品質低下が著しいとの噂もあります。このジャンルは、その製造工程の多くを中国に頼っていますから、昨今の世界情勢から考えれば仕方のないところもあるのでしょう。
それ故に今回の出来栄えが「今後の標準になりませんように…」というのが正直なところです。何しろ価格は安くないわけですから。
とはいえ、まだまだこのシリーズには続いていってほしい…というより「ここまで続いたのなら、中途半端で終わってはいけないシリーズになっている」とさえいえます。
例えば、過去に発表されたきり音沙汰がない『ウルフファング64機種再現プラモ』がそれです。他にも『ナイトストライカー』や『ガングリフォン』の主人公機のような、ガレージキットで人気のある機体の入手難度を下げること(取り扱いの難度も下がると、なお良いです)も「シューティングゲーム」を冠するこのシリーズの「使命」といえるのではないでしょうか。
『シューティングゲームヒストリカ』は、ゲームのポスターやパッケージに出てくるメカを立体化するシリーズ…というより
「ゲーム中、自分が操作している(ドットで描かれた)メカが格好良く感じられたことを、いかに立体化するか(それも、ピクセルアート以外の手段で)」
を狙ったシリーズであるように思います(人によっては敵メカさえも、ポスターに描かれたものより「ゲーム中のドット絵」の方が断然格好良い、と思ったことがあるのではないでしょうか)。
本商品にしても「そうした狙い」は充分に果たせていると私には感じられました。あとは「価格と品質のつりあい」が安定してとれれば、高額でも「信頼のおけるブランド」になるはずです。上記しましたが、今後の商品展開もゆっくりで良いですので「後世に残るものを」お待ちしております。
今回の商品は、それらの自機(ギャラクシップ・ギャラガファイター)を立体化したものですが、なにぶん40年ほど前のゲームの話ですので、まずは「ヒットゲームを生み出した背景と、その立体化の関係性」についてから述べて参りたいと思います。
これら2作品は、当時のビデオゲームにはあまり見られ無かった「カラフルなキャラクター」や「滑らかなキャラの動き」といった「ハードウエアの進歩」がヒットの要因である、と語られることが多いのですが、では「ハードが進化したからゲームを賑やかにしよう」という発想で作られたゲームなのか、といえばそうではなく「企画側の考えているものを具現化するには、新しいハードウエアでないと無理」というのが実際のところなのだそうです。
ただグラフィックの進化については、個人的には「ゼビウス以降」だと思っています(実際には以前も以降もなく、初期のナムコ製ビデオゲームにおける傑作ドット絵は殆どが「Mr.ドットマン」小野浩氏の功績なのですが)。
※ただし、ギャラクシアンについて小野氏は途中参加で、ドットデザインは中馬義明氏(ナムコ製ロボットやアーケードゲーム筐体のデザインを多数手がけた人物で、代表作に『メタルホーク』があります)によるものです。
小野氏の手掛けるドットキャラは、どれもキャッチーで素晴らしいというだけでなく「アイコンとしての分かりやすさ」という観点からも優れたものであり、その手腕は『ギャラガ』『ゼビウス』のドットグラフィックにも活かされていました。しかし、やはり私には遠山茂樹氏が手掛けた「ソルバルウ」のデザイン(特にポスターの絵!)が衝撃的だったのです。
※遠山氏は、ゼビウスの他にも様々なナムコのデザインを手掛けました(『マッピー』や『ピクパク』のようなロボットのデザインや『スターラスター』『ギャラクシアン³』のメカデザイン等、その仕事は多岐にわたります)。
立体物になった例から見ても、やはり人気は『ゼビウス』だったといえます。何しろ、ガレージキットの分野では何度も商品化され、挙句の果てには「ソルバルウ3機合体セット」なるものが販売される位の「人気キャラクター」であり、近年ではプラモ化された(ソルバルウのみで、合体はしませんが)ことで、入手もしやすくなっています。
それに対してギャラクシアンやギャラガについては、過去にWAVEから『ギャラガ・ファイター』が横山宏氏(SF3Dなどを代表作に持つ、SFイラストレーター兼造形作家)のアレンジデザインでプラモが1種類発売された位だったと記憶しています。
何しろ、ギャラクシアンやギャラガはどちらの作品も自機が「ゲームのポスター」に描かれたことは無い(どちらも、描かれているのは「敵機」でした)ので「解釈の幅が広い」ともいえる反面、迂闊なアレンジデザインで立体化しても「違う」と言われてしまうリスクがあるので、立体化はやりにくいのでしょう。
今回のアレンジは海老川兼武氏(メカデザイナー:代表作に『機動戦士ガンダムOO』や『ダライアスバースト』などがあります)が手掛けています。しかし、実はこのアレンジは「今回の立体化の為」に行われたものでは無いのですけれども。
もともとこのアレンジは海老川氏が島田フミカネ氏や柳瀬敬之氏と共同で執筆した同人誌『早秋の自由帳(2014)』にて発表されたものです。要するに「単なる趣味で描いたもの」に過ぎなかったのですが、それが2017年に『シューティングゲームヒストリカ』でアイアンフォスルが立体化された際、同企画のプロデューサーである依田智雄氏とやりとりをする内に、こちらも立体化する運びとなったのだそうです。
もちろん、今回の立体化にあたり「ナムコによる監修」は当然入ったそうなのですが、同人誌で描かれたそのイラスト自体「ドット絵を上手く立体的に解釈したもの」だった為、特に問題は無く了承されたのだとか。
私自身の意見としても、このようにセンス良くアレンジされたゲームメカの立体化という「商品展開」は大歓迎で、以前発売されたWAVE製のプラモや、本シリーズである『シューティングゲームヒストリカ』についても購入させていただいております(自分のお財布が許す範囲で…ではありますが)。
とはいえ、以前の横山デザインと今回の海老川デザインでは随分と「振り幅」が大きいので、せっかくこのような「立体化」によって世界観を掘り下げたつもりが、逆に統一感が乏しく感じられてしまった…となってしまっては本末転倒です。では、はたしてどちらが「公式」なのか? と申しますと、これらの世界観を統括する『UGSFシリーズ公式サイト』では、
西暦2281年、UGSF(銀河連邦宇宙軍)ではエイリアンの第二次侵攻(ギャラガとの戦い)を予想していたものの、前オペレーションで活躍したGFX-001a「ギャラクシップ」はエイリアンの進化についていけず火力の面で太刀打ち出来ない、という判定がくだされていた。
しかし、次世代機の基本設計自体は既に出来ており、残る問題は「彼等の侵攻までに、新型機を必要数出撃させられるかどうか」であった。
実際、現状の構想をUGSF主要国の生産力のみで進めた場合、ここに外装やサブフレームを加えた設計をし、雛型となる機体をテストして量産機を製造するという「通常の手順」ではエイリアンの侵攻までに間に合わない、との結論が出ていた。
そこでUGSFは、機体の細部については地球の各国で独自に設計をさせ、最終的な組立もそれぞれの国内工場で行わせることで工期の短縮を図ったのである。
こうして、対ギャラガ用航宙戦闘機、通称「ファイター」と呼ばれる『GFX-D002』シリーズは戦時中に通算で8種18機が生産され、その戦果は人類を再びの勝利へと導くこととなった。
…だが、実際にはギャラガ襲来時、迎撃に間に合ったのはこのうち僅か3機の初期型のみであった。
という説明がされておりました。要するに、外見が違うのは生産国の違いだから気にしなくて良いですよ、程度のものとお考え下さい。
横山デザインのギャラガファイターは『GFX-D002b』
『Galaga 30th Collection』の機体は『GFX-D002c』
そして今回の海老川デザインの機体が『GFX-D002f』
と、機体ナンバーに違いはありますが、この末尾のb型とかc型というのも生産順や用途別ではなく「製造国の違いを表すもの」であるそうなので、結局のところ「18機のうち、どの国の機体がギャラガと最初に戦ったのかは不明」なわけです。
※横山版ギャラガファイターの説明書には、ロービジリティ(低視認性)カラーや敵鹵獲時の色見本もあり、好きなように楽しめるような「ガイド」となっていました。
……ただし、これだと「国ごとの機体形状が違うゆえに、せっかく合体機構があるのに救助できるのは自国の同型のみ」という欠点もあるようですけど(笑)。
ちなみに本商品は、ギャラクシップもギャラガファイターも、両方「ノンスケール」という扱いです。ただ海老川氏としてはギャラクシップが20m(商品は約13cm)、ギャラガファイターが17m(商品は約11cm)と想定しているそうなので、商品の大きさから換算すると「どちらも大体1/155ぐらい」ということになります。
※WAVEのプラモはキット完成時の全長が約17cmですので、仮にこちらも実在全長が17mとするなら1/100ぐらいだと考えられるでしょう。
要するに「本商品とWAVEのプラモは合体できません」ということです。もちろん、ギャラクシップとも合体しません。しかし、せっかく付けられた本商品の「合体ギミック」が活かせるよう、メーカーではギャラガファイターを1機追加した『DX Ver.』を直売サイト専用で受注販売していました(現在は終了しています)。
ところで、この「UGSFという後付け設定」ですが、何でもありという訳ではなく「きちんとナムコ社内の人間(調べたところ、夛湖久治氏のことのようです:代表作に『エアーコンバット22』や『機動戦士ガンダム・戦場の絆』『エースコンバット7-VRモード』等があります)が、各ゲームの開発者に確認をとった上で編纂している」とのことです。
…話がギャラガに偏りましたので、ギャラクシップのこともお話しします。UGSFの公式設定において、この機体はドラグーン(ギャラクシアン³に登場した宇宙戦艦)よりも後に登場したことになっています(敵が小型かつ多数の生命体だったので大型艦で対処しきれなくなったのだとか)。
※『ギャラクシアン³』の敵は「UIMS(ウイムズ:侵略機械集団)」と呼ばれる由来不明の自動兵器群でしたが、その背後にいるはずの知的生物との関連については、結局のところ不明なままでした。その後、銀河系の各星系へと進出した人類(ギャラクシアン)が、初めて遭遇した外宇宙生命体(ETI)こそ、後にギャラガリーグと呼称される「エイリアン」でした(これも、UGSF公式ページの設定から要約したものです)。
「戦艦から小型機へ」というのは、いわゆる第2次世界大戦の「大艦巨砲主義に対する航空戦力の機動性が…」という故事に倣ったものと考えられますが、そうだとすればゲームでは頼りなく感じられた機首についているビーム砲(連射不可)も、何だか頼もしく思えてきます。
このビーム砲ですが、ゲームにおける描写では機首先端に弾丸が装填されてから発射、というギミックでした。しかし、海老川氏はこれを「ビーム砲の砲身にエネルギーが充填されている状態」と解釈し、チャージの状況が可視化できるようなデザインにしています。「原作」の描写を否定せず、更に「それっぽいもの」を提示できる海老川氏のセンスには今回も唸らされるばかりです。
カラーリングについて、海老川氏は先程のギャラガの例をとって「初期型、あるいはパーソナルカラーだったのでは」と述べています。派手な色使いであるはずなのに綺麗にまとまっていて、非常にカッコいいです。ちなみに同人誌には「白地に青緑系のペイントがされた量産型ギャラクシップ」が描かれていました。もしかして今後「鹵獲されたギャラガファイター」などのカラーバリエーションが発売される、ということなのでしょうか。
ただ、仮にそうであるならば色違いアイテムで「人気調査をするような商品展開」というのは、結果としてファンから呆れられてフェードアウトしていくことになるのでは…と個人的には危惧しています。できればこれまでの様に、ゆっくりでも良いので(なにしろ、前回の『figma R-TYPE ドブケラドプス』が2019年10月で、前々回の『figmaサンダーフォースIII & IV』が2019年2月です)今後も丁寧な商品を発売して頂きたいと願っております。
私などは「人気が欲しいなら、パイロットの女の子をfigmaにしたらいいんじゃね?」ぐらいに考えがちですけど、これについて依田氏は『figma アイアンフォスル』発売時のインタビューにて、以下のように答えています。
「例えば『Ti2(ダライアスバーストのパイロットキャラ:島田フミカネ氏によるデザインでカワイイ)』の商品化については、実は以前話もあったんですが、このキャラはPSP版の「ダライアスバースト」のときに披露されたものの、それ以降あまり露出がなかったので、企画までには至らなかったんです」
とのことで、実際には難しいのだそうです。確かにそういわれると、昔は『ゲーメスト』の読者コーナーを賑わせていた格闘ゲーム系美少女キャラも、現在における「投稿の場」であるpixivなどのイラスト系SNSでは新規の投稿を殆ど見かけませんよね…。恐らく「商品の購買層以外にも知名度があるキャラかどうか」というのも、企画成立には重要な要素なのでしょう。
商品の「アレンジについての解説」が、だいぶ長くなってしまいました。とはいえ、なにぶん40年近く顧みられることのなかったメカデザイン(同人誌などではあったと思いますが、最近では「メカデザイナーに憧れる人」も減少傾向のようで「こういうもの」自体見かけなくなりました…)なので、ご容赦いただきたく存じます。
というわけで、肝心の「商品自体の内容について」です。
まずは箱の大きさから述べることにします。ここは以前発売された『figmaサンダーフォースIII & IV』と殆ど同じ大きさのようです。商品が2段のブリスターパックに収まっているところも同じでした。……ただ、あちらはオプション兵装や差し替えパーツなどが付属していて賑やかでしたが、それと比較すると本商品の付属品の少なさは、かなり気になってしまいます。
とはいえ、元々がシンプルなゲームですから「これ以上は付けようがない」ことは理解しております(ゲーム中の描写と関係のない「余計なもの」をつけられても嬉しくないですし…)。しかし、それならもう少し価格を下げて頂きたかったですね…(サンダーフォースが11,852円税抜で、本商品が11,500円税抜というのは、やはり釣り合っていないと思うのです)。
ただ、サンダーフォースの方は2機セットではあったものの、機首などを「共通パーツ」とすることで「同系機らしさ」を想起させる演出と「製造工程の簡略化の両立」を画策した上での価格だったわけで、共通パーツの全くない本商品(台座以外)を「それ」と同列に考えるのは違うのかもしれません。
「figmaブランドなのに、その要素は皆無」な商品ではありますけれども、一応推進エフェクトにfigmaジョイントがつけられています(…あまり、意味がないような…)。このエフェクトですが、少々外れやすく感じました。因みに、添付画像の「ビームエフェクト」「瓦礫の背景パーツ」「基地内部パーツ」「トラスパーツ」「商品以外の機体」はすべて別売ですのでご注意ください。
商品を飾る場合は、付属のスタンドを用います。軸径はサンダーフォースに付属していたものと同じ径でしたので、あちらの台座に本商品を飾ることも可能ではあります。ただ機体との接続方法は、あちらが「推進ノズルに軸を差し込む方式」だったのに対し、本商品は「機体下部にアタッチメントをつけ、そこに軸を差し込む方式」となっていました。
※角度変更がやりにくい場合は、他社製のスタンドを使うのがお勧めです(軸径が3mmであればアタッチメントと接続できます)。
機体の塗装具合ですが、綺麗にできてはいるものの全塗装ではなく「部分塗装」でした。その上、そこと未塗装部分との「ツヤ」が揃っていないので結構「おもちゃっぽい感じ」がします。台座の接続方法が「塗装を剥がしやすい方式」なので、それを避けるためにあえて全体に塗装しなかった…と私は考えますが、実際はどうなのでしょうか。
ギャラガファイターの「合体」には、専用のジョイントパーツを用いるのですが、ものすごく小さいので紛失にはご注意ください。もっとも、合体させるには上記の『DX Ver.』を購入しているか、本商品をもう1セット買うかしかありませんので、その予定のない方にとっては「無意味なパーツ」なんですけどね…。
では、本レビューのまとめです。機体のデザインは格好良いですし「商品展開そのもの」は大歓迎なのですが「商品の仕様」には首をかしげる部分が結構あり、良くも悪くも「昔のヒストリカを思い起こさせる商品」でした(最近のものは、高額ながら出来は良かったのです)。
もっとも、これはヒストリカだけの問題ではないらしく、近年は完成品フィギュア市場全体の品質低下が著しいとの噂もあります。このジャンルは、その製造工程の多くを中国に頼っていますから、昨今の世界情勢から考えれば仕方のないところもあるのでしょう。
それ故に今回の出来栄えが「今後の標準になりませんように…」というのが正直なところです。何しろ価格は安くないわけですから。
とはいえ、まだまだこのシリーズには続いていってほしい…というより「ここまで続いたのなら、中途半端で終わってはいけないシリーズになっている」とさえいえます。
例えば、過去に発表されたきり音沙汰がない『ウルフファング64機種再現プラモ』がそれです。他にも『ナイトストライカー』や『ガングリフォン』の主人公機のような、ガレージキットで人気のある機体の入手難度を下げること(取り扱いの難度も下がると、なお良いです)も「シューティングゲーム」を冠するこのシリーズの「使命」といえるのではないでしょうか。
『シューティングゲームヒストリカ』は、ゲームのポスターやパッケージに出てくるメカを立体化するシリーズ…というより
「ゲーム中、自分が操作している(ドットで描かれた)メカが格好良く感じられたことを、いかに立体化するか(それも、ピクセルアート以外の手段で)」
を狙ったシリーズであるように思います(人によっては敵メカさえも、ポスターに描かれたものより「ゲーム中のドット絵」の方が断然格好良い、と思ったことがあるのではないでしょうか)。
本商品にしても「そうした狙い」は充分に果たせていると私には感じられました。あとは「価格と品質のつりあい」が安定してとれれば、高額でも「信頼のおけるブランド」になるはずです。上記しましたが、今後の商品展開もゆっくりで良いですので「後世に残るものを」お待ちしております。
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