つらい思いをした子どもの話を聞くのは、例え過去のことであっても、その方が今どれだけ活躍していても、本当につらいことです。本書でも本当に典型的ないじめと、いじめを受けた子どもの精神状態を語るサヘル・ローズさんをはじめとして、YouTubeやTwitterで有名な方々やテレビでおなじみの方々が、子ども時代のいじめ・虐待・不登校の経験や、それぞれがどうやって生き延びたか、逃げ延びたかを語ります。
でもそうやって本だったりラジオだったりSNSだったりホームセンターだったり、学校以外に自分の居場所を見つけることができたのは、とてもラッキーなことかもしれません。ここになら居てもいいんだと自分では気づけないかもしれないし、ひょっとしたら今いる場所から逃げてはいけない、と思い込んでしまっているかもしれません。例え生きづらさを抱えてるとしても、子どもが教えてくれるとは限りません。「生きづらいなら逃げましょう」というのは意味をなさないことすらあります。
本書はまず子どもに関わる方にお読み頂きたい。自分の力で逃げられない子どもに気づいたら、逃がすための参考にしましょう。逃げている子どもを見たら、「生きていくために必要何なんだな」と理解するための参考にしましょう。そしてできれば、図書館でもいいし家のトイレでもいい、子どもの目に届くところに置いとくと、ひょっとしたら自分で居場所を探す助けになるかもしれません。
教員の方は「不登校児がもらって葛藤するお手紙問題」のコラムだけでも是非読んで下さい。
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