西洋美術史の定番とも言える概説書である。記述が詳しいので、深い理解を得ることが出来る。西洋中世のカトリック教会のゴシック式建築は、尖塔は神を志向し、細部には悪魔や動物などの装飾が施され、聖書を建築で表現したかのようである。
特に面白く感じたのは、北方ルネサンスのネーデルラント絵画である。ヤン・ファン・アイク作の「アルノルフィーニ夫妻像」(1434年)である。著者はこの作品からロウソクの火や犬などのシンボリズムを読み解いているが、オランダの歴史家でアナール学派の形成にも大きな影響を与えたヨハン・ホイジンガは、この作品に「中世の秋」を読み込んだのである。確かに、この作品に描かれている夫妻は静止している。時が止まってしまったかのように描かれている。ホイジンガは、その謎を探究すべく、中世文化史の探究に生涯を捧げることになった。この作品を中世の秋と捉えるか、ルネサンスの先駆と捉えるかについては解釈が分かれるであろう。中世から近世への過渡期の作品と見なすのが、正しいのかもしれない。
西洋絵画の読み解きは難しい。様々な解釈が存在し、図像解釈学などの学問領域も盛んである。謎が多いだけに、『ダ・ヴィンチコード』などのミステリー小説も流行するのだ。
それはそれでよい。本書を読んで西洋美術史の基礎的知見を身に付けたいものである。お勧めの一冊だ。
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世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」 単行本(ソフトカバー) – 2017/10/5
木村 泰司
(著)
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「美術史を知らずして、世界とは戦えない」
ユニ・チャーム株式会社 社長 高原豪久氏 絶賛!
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西洋美術史家・木村泰司氏がビジネスエリート必須の教養「西洋美術史」をわかりやすく解説。
これ1冊で約2500年分の美術、そして関連する世界史の知識が身につく!
100点近くの絵画・美術品を掲載!
日本人は絵画を「感性」で観るものととらえがちです。
しかし、美術の背景には、各時代の歴史や価値観、文化、そして経済状況が表れています。
つまり、美術を知ることは、世界的な教養を学ぶことでもあるのです。
たとえば、古代の彫像がすべて裸だったのは、その時代の価値観が反映されているからです。
また、有名な建築様式「ゴシック建築」には、当時のフランスの政治的なメッセージが隠されています。
さらに、ルイ14世は絵画を絶対王政の象徴として、
またナポレオンは自身のイメージ戦略にそれを利用しました。
こうした美術の裏側に隠された歴史的な背景を知ることで、
これまで以上に美術が楽しめることはもちろん、
当時の欧米の歴史や価値観、文化など、
グローバルスタンダードの教養も知ることができるのです。
本書では、これら美術の裏側にある歴史的背景について、
約2500年分を1冊に凝縮して解説していきます。
これ1冊で、あなたもグローバルスタンダードの教養を身につけられるはずです。
【もくじ】
はじめに 美術史とは、世界のエリートの「共通言語」である
第1部 「神」中心の価値観はどのように生まれたのか?
なぜ、古代の彫像は「裸」だったのか?/ローマ帝国の繁栄と帝国らしい美術の発達/キリスト教社会がやってきた/フランス王家の思惑と新たな「神の家」
第2部 絵画に表れるヨーロッパ都市経済の発展
西洋絵画の古典となった3人の巨匠/都市経済の発展がもたらした芸術のイノベーション/自由の都で咲き誇ったもうひとつのルネサンス/カトリックVSプロテスタントが生み出した新たな宗教美術とは?/オランダ独立と市民に広がった日常の絵画
第3部 フランスが美術大国になれた理由
絶対王政とルイ14世/革命前夜のひとときの享楽/皇帝ナポレオンによるイメージ戦略
第4部 近代社会は、どう文化を変えたのか?
「格差」と「現実」を描く決意/産業革命と文化的後進国イギリスの反撃/産業革命の時代に「田舎」の風景が流行った理由/なぜ印象派は、受け入れられなかったのか?/アメリカン・マネーで開かれた「現代アート」の世界
「美術史を知らずして、世界とは戦えない」
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たとえば、古代の彫像がすべて裸だったのは、その時代の価値観が反映されているからです。
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はじめに 美術史とは、世界のエリートの「共通言語」である
第1部 「神」中心の価値観はどのように生まれたのか?
なぜ、古代の彫像は「裸」だったのか?/ローマ帝国の繁栄と帝国らしい美術の発達/キリスト教社会がやってきた/フランス王家の思惑と新たな「神の家」
第2部 絵画に表れるヨーロッパ都市経済の発展
西洋絵画の古典となった3人の巨匠/都市経済の発展がもたらした芸術のイノベーション/自由の都で咲き誇ったもうひとつのルネサンス/カトリックVSプロテスタントが生み出した新たな宗教美術とは?/オランダ独立と市民に広がった日常の絵画
第3部 フランスが美術大国になれた理由
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第4部 近代社会は、どう文化を変えたのか?
「格差」と「現実」を描く決意/産業革命と文化的後進国イギリスの反撃/産業革命の時代に「田舎」の風景が流行った理由/なぜ印象派は、受け入れられなかったのか?/アメリカン・マネーで開かれた「現代アート」の世界
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2017/10/5
- ISBN-104478103941
- ISBN-13978-4478103944
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商品の説明
著者について
木村泰司(きむら・たいじ)
西洋美術史家。1966年生まれ。米国カリフォルニア大学バークレー校で美術史学士号を修めた後、ロンドンサザビーズの美術教養講座にてWORKS OF ART修了。
ロンドンでは、歴史的なアート、インテリア、食器等本物に触れながら学ぶ。東京・名古屋・大阪と、企業や自治体向けに年間100回ほどの講演・セミナーを行っている。
『名画の言い分』『巨匠たちの迷宮』『印象派という革命』(以上集英社)、『名画は嘘をつく』シリーズ(大和書房)、『美女たちの西洋美術史 肖像画は語る』(光文社)、『おしゃべりな名画』(ベストセラーズ)、『西洋美術史を変えた名画150』(辰巳出版)など、著書多数。
西洋美術史家。1966年生まれ。米国カリフォルニア大学バークレー校で美術史学士号を修めた後、ロンドンサザビーズの美術教養講座にてWORKS OF ART修了。
ロンドンでは、歴史的なアート、インテリア、食器等本物に触れながら学ぶ。東京・名古屋・大阪と、企業や自治体向けに年間100回ほどの講演・セミナーを行っている。
『名画の言い分』『巨匠たちの迷宮』『印象派という革命』(以上集英社)、『名画は嘘をつく』シリーズ(大和書房)、『美女たちの西洋美術史 肖像画は語る』(光文社)、『おしゃべりな名画』(ベストセラーズ)、『西洋美術史を変えた名画150』(辰巳出版)など、著書多数。
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2017/10/5)
- 発売日 : 2017/10/5
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 256ページ
- ISBN-10 : 4478103941
- ISBN-13 : 978-4478103944
- Amazon 売れ筋ランキング: - 92,283位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 78位西洋美術史
- - 141位ビジネスマナー (本)
- - 152位西洋画
- カスタマーレビュー:
著者について
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イメージ付きのレビュー
3 星
美術は見るものではなく読むもの
「美術は見るものではなく読むもの」美術品から歴史、経済、宗教を読み取ることができる。その背景を知ったうえで状況に応じて表現することで教養を示すことができるのかもしれない。教養の深くない自分にはまだ早い作品でした。将来的には、理解した上で、人を喜ばすことができる人間になろうと思います。
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2018年11月11日に日本でレビュー済み
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2019年5月15日に日本でレビュー済み
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とてもわかりやすく、時代毎に説明され楽しく読めました。次はもう少し難しくても読めそうな気になりました。
2022年8月18日に日本でレビュー済み
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面白くなかった。内容が悪いわけではないが、読まなくても支障はない。ジャンソンやゴンブリッチとは比較にならない。
2018年9月12日に日本でレビュー済み
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音楽史の学びの支えに、美術史を大枠で捉える本を読みたいと購入した。思想的な背景と、人々の生活に根ざした内容、難しく感じさせない文体が良かった。 紙の本を買うつもりでいたが、電子本だった。初めての電子本に戸惑いつつ、楽しみながら毎日少しずつ読み進めています。目は疲れるけれど、持ち運びに便利。
2020年2月9日に日本でレビュー済み
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考えていた通りの内容の本であり、新品同様の本であったのも嬉しかった!
2019年3月20日に日本でレビュー済み
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見るのではなくて、読むものです。素晴らしいですね。絵はその背景にある世情、バックグラウンドを理解てこそ、
作家の真意がわかるものですね。どうして、なぜ、このなのか、この題材なのか。
考えながら見てこそのものだと思います。
作家の真意がわかるものですね。どうして、なぜ、このなのか、この題材なのか。
考えながら見てこそのものだと思います。
2018年6月4日に日本でレビュー済み
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歴史と美術史が並行して記載されており、とても理解しやすい。昨今のリベラルアーツブームにもあっている。一読の価値あり。