なんだか高みの見物感覚で読み始めたはずなのに、読み終わった後の、この背中に波をしょってドッッパーンと感情の荒波に揉まれる感じ（秀良子作品を好きな方ならイメージ出来るはず！）。心がキューっとなって、頭の中でグルグル渦巻く感じ。なかなか経験できないんですよね。でもこれがあるからやめられないんです。BL読むの。
中山家一家、全員もれなく切ないこの5巻。菊花も、コウも。優士と駿人のメインのストーリーの中で少しづつ描かれるコウの行き詰まり感もとてもくっきりと埋もれることなく伝わってくる。優士の悩みも戸惑いもヒシヒシと伝わってきます。
そして際立ってるのは駿人の成長っぷり。ほんっと〜に男前ですね。外も内も。毎週菊花に電話をするとか、帰ってきたときに菊花に向ける笑顔とか、素敵すぎるじゃないですか、こんな18歳。
B Lというジャンルで女子の登場は地雷気味のところがあると思いますが、特に今回の国枝さんなんかはボーダーラインですよね。でも、数多の女子を振り切ってダークホース国枝さんを選ぶところも彼の魅力的なところだと思います。そしてほんのりした恋心を経験していないと、優士への揺るぎない気持ちは確かめられなかったと思うので、やっぱりストーリー上とても大切なエピソードなのではないでしょうか。
将来を見据えて行動する力、人を思いやる力。彼の魅力の全てがじわじわと外堀から固められて行く感じ。先生。やっぱり天才です。
みなさん書かれている通り、すんごいところで終わってます、この巻。本誌に手を出さずにいられるのか、私。
そして完全電子派の私にとって、とっても嬉しい同時発売。ありがとうございます。でもまた表紙裏、ないんですかね？コミックスにはあったのでしょうか。ちょっと確認できないんですが、もしあったとしたら、前巻の時も思いましたが、電子にも入れてください。お願いします。本気で。
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