アイスランド出身の、主にインディー・フォークバンドと呼ばれているOf Monsters and Men、4年ぶり3枚目のアルバム。リードVo&G担当でソングラィティングの中心でもある紅一点Nannaが、「アコGで創作すると、先が見えてしまってきた」ということで楽曲作りの方法を一変したこともあって、本作には“いわゆるFolk”の香りはない。この音楽性の転換は一定の成功をしており、それは良いエッジを持つNannaの声質の寄与が大きい。個人的な趣味になるが、GarbageのShirley、Florence + the MachineのFlorence WelchのようなVoになっていってほしいと思うし、その素質があると感じる。
シングル・カットされUSオルタナ・チャートで5位になった1、文句なくカッコイイ。キレの良い刻みとヘヴィーさの両方を持ち、そのグルーヴ感はインディー・ロックそのもの。一転して穏やかな2と、サビのVoとコーラスが美しい3は、心が落ち着く。美しいSEが次第に音楽の一部になる4、ちょっと面白い。Florence + the Machineのような5から、7まで、実は最初聴いてあまり面白くないと感じた。しかし、ネットで1、6のライヴを観て、楽曲の良さを再認識させられた。そう、彼らは良いライヴ・バンドなのだ。派手なステージングはないけれど、質の高いグルーヴを生で叩き出せるという意味で。歌詞が面白い8は楽曲もマッチ。9は後半イチのポップで質の高い楽曲。工夫されたBサウンドが耳を引く。
Alice in Chainsの最新作を思い起すデザインのジャケは三つ折り、開いてみると工夫がないのが不満だが、読みやすい文字の大きさの歌詞がついています。フジ・ロック、来てたんですね。ネットでみればよかったと後悔しきり。遅ればせながら、これから応援します。