本書の概説に
たんなる物理学の概念ではない。生命、意識、社会システムなどあらゆるシステムを貫く
理論とすることが可能であり、また拡張されたエントロピーの概念で森羅万象を説明しよ
うとする哲学的な試み...とある。
本書のタイトルから著者の云う森羅万象すなわち宇宙や物質の究極を語っているのかと思
ってワクワクしたが、期待はずれだった。
が、この概念をあらゆるシステムに適応させるという流れには驚いた。その方向を社会に
向けたことは、現代の行き詰まった世界を新しい世界観へと導く哲学的試みに、その可能
性を感じ取る事ができた。
本書は物理学的読み物ではない。現代の研究者はすべてとは云わないが安直で便利さばか
りを追いかける傾向がある。今求められているのは本書のような次世代の哲学的発想では
ないか。買って良かった。
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エントロピーの理論 Kindle版
エントロピーはたんなる物理学の概念ではない。熱力学第二法則を非熱力学的分野に拡張することで、エントロピーの理論は、生命システム、意識システム、社会システムといったあらゆるシステムを貫く理論とすることが可能である。本書は、拡張されたエントロピーの概念で物理学の領域を超えた事象を説明しようとする哲学的な試みである。
どのような開いたシステムも、自らの低エントロピーな構造を維持するためには、環境のエントロピーを増大させなければならない。生命システムは、自己準拠的に自己自身を創作し、数を増やすことで全滅するリスクを低下させている。この点で、他の非生命システムとは異なる。生命のうち、自己保存のための選択が、不確定な情報エントロピーの縮減に基づくシステムは意識を持つ。
意識を持つシステムは、相互に相手の不確定性に依存する社会的エントロピーに晒される。この社会的エントロピーを縮減してくれる媒介的第三者が、コミュニケーション・メディア(文化システムにおける記号、経済システムにおける貨幣、司法システムにおける刑罰、政治システムにおける票)である。
コミュニケーション・メディアの起源は、系統発生的にはスケープゴートであり、個体発生的にはファルスである。境界上の両義的存在者の抹殺はシステムのエントロピーを縮減することに貢献する。その貢献ゆえに、いったん排除されたスケープゴートは媒介的第三者として機能する。また去勢以降、母子を結びつけるファルスも、その非存在ゆえに媒介的第三者として機能する。
本書は、最後に、エントロピーの経済学を概説した後、人類史のマイルストーンを振り返る。人類は、太陽活動が低迷し、物質的エントロピーが増大し、情報エントロピーが減少する時に、つまり革命を起こす必要があり、かつ起こす能力がある時に革命を起こす。このエントロピー史観の法則に基づいて、人類誕生から現代資本主義の成立にいたる歴史のシステム論的説明を試みる。
* 2019年11月18日に、「森羅万象を説明しようとする哲学的な試み」を「物理学の領域を超えた事象を説明しようとする哲学的な試み」に変更。カスタマーレビューへのコメントを参照されたい。
どのような開いたシステムも、自らの低エントロピーな構造を維持するためには、環境のエントロピーを増大させなければならない。生命システムは、自己準拠的に自己自身を創作し、数を増やすことで全滅するリスクを低下させている。この点で、他の非生命システムとは異なる。生命のうち、自己保存のための選択が、不確定な情報エントロピーの縮減に基づくシステムは意識を持つ。
意識を持つシステムは、相互に相手の不確定性に依存する社会的エントロピーに晒される。この社会的エントロピーを縮減してくれる媒介的第三者が、コミュニケーション・メディア(文化システムにおける記号、経済システムにおける貨幣、司法システムにおける刑罰、政治システムにおける票)である。
コミュニケーション・メディアの起源は、系統発生的にはスケープゴートであり、個体発生的にはファルスである。境界上の両義的存在者の抹殺はシステムのエントロピーを縮減することに貢献する。その貢献ゆえに、いったん排除されたスケープゴートは媒介的第三者として機能する。また去勢以降、母子を結びつけるファルスも、その非存在ゆえに媒介的第三者として機能する。
本書は、最後に、エントロピーの経済学を概説した後、人類史のマイルストーンを振り返る。人類は、太陽活動が低迷し、物質的エントロピーが増大し、情報エントロピーが減少する時に、つまり革命を起こす必要があり、かつ起こす能力がある時に革命を起こす。このエントロピー史観の法則に基づいて、人類誕生から現代資本主義の成立にいたる歴史のシステム論的説明を試みる。
* 2019年11月18日に、「森羅万象を説明しようとする哲学的な試み」を「物理学の領域を超えた事象を説明しようとする哲学的な試み」に変更。カスタマーレビューへのコメントを参照されたい。
- 言語日本語
- 発売日2019/6/9
- ファイルサイズ21371 KB
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- 販売: Amazon Services International LLC
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登録情報
- ASIN : B07SSP3P2G
- 発売日 : 2019/6/9
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 21371 KB
- 同時に利用できる端末数 : 無制限
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : 有効になっていません
- 本の長さ : 506ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 331,960位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 5,040位思想
- - 6,021位哲学・思想 (Kindleストア)
- - 26,789位科学・テクノロジー (Kindleストア)
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著者について
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永井俊哉(ながいとしや): 著述家。専門の枠を超えて新たな知の統合を目指すフリーの研究者。1965年、京都生まれ。1988年、大阪大学文学部哲学科卒業。1990年、東京大学大学院倫理学専攻修士課程修了。1994年、一橋大学大学院社会学専攻博士後期課程単位修得満期退学。1997年、初めてウェブサイトを立ち上げる。現在、永井俊哉ドットコムや永井俊哉チャンネルを運営している。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2019年10月31日に日本でレビュー済み
レポート
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1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年5月8日に日本でレビュー済み
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21世紀の啓蒙(スティーブン・ピンカー著)でエントロピー増大の法則に言及されていた。熱力学第二法則を社会に適用する視点は、質の高い学者にはもはや常識なのだろう。
本書は読者に「環境のエントロピー(乱雑さ、不確定性)の増大とシステムによるエントロピー縮減の関係」を丁寧に説明してくれる。そしてこれを社会に適用することが、単なるアナロジーでは終わらないことを分からせてくれる。
もしこの本を読んで「こんなの当然のことだ」と言える人は相当高い知的レベルにいると思う。
本書は読者に「環境のエントロピー(乱雑さ、不確定性)の増大とシステムによるエントロピー縮減の関係」を丁寧に説明してくれる。そしてこれを社会に適用することが、単なるアナロジーでは終わらないことを分からせてくれる。
もしこの本を読んで「こんなの当然のことだ」と言える人は相当高い知的レベルにいると思う。
2020年7月7日に日本でレビュー済み
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様々なものをシステムと見立てて、エントロピーや他の法則と関連付けて概念を表現した書籍。
社会学についてのある視点の本としては面白いのかもしれないが、学術書ではないと感じた。
社会学についてのある視点の本としては面白いのかもしれないが、学術書ではないと感じた。