原著はtalent is overrated。
そのタイトルが示す通り才能は過大評価されていることを著者はこれまでの研究結果から説明し、
我々が認識している生まれつきの才能はそれを身につけるために洗練、最適化された鍛錬によって作られると主張している。
その鍛錬を究極の鍛錬と呼び、稀代の芸術家、科学者はこの努力を１０年ほど継続的に行うことで彼らの業績を生み出している。
また、今では目新しくないと思われるが、イノベーションは一般的にはひらめきに基づく才能によるものではなく、その時点でそれを創造するのに必要なデータを持っていること、そのデータを利用して試行錯誤できる能力が必要だと述べており、究極の鍛錬を通して習得できる知識、能力であると述べている。
ではその究極の鍛錬を行う情熱はどこから出てくるかが気になるところである。著者は内的な動機が大きいと言っているが、その内的動機は時に外的な動機によって補強され、より確固たるものになることを具体例を挙げながら説明している。
最近、仕事の生産性が自分の２０倍ぐらいある人と出会い、努力する意味に疑問を抱き本書をポチってしまったが、結局成果を残したいなら努力するしかないという当たり前のことを学習した。ストイックに生きることに疑問を抱いた人には本書はそのストッパーになるだろう。
なお、原著では第二版が出ているが、目次を見た限り第一版と違いが見られないが、kindleでは11/19/2022時点で４５５円程度で買えるので節約されたい方はこちらをお勧めする。
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