「共通語の世界史」というと、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカまで対象にした共通語の歴史なのかと思ったが、読んでみると、副題にある「ヨーロッパ諸言語をめぐる地政学」の方がピッタリとくる内容だ。
ヨーロッパでは、キリスト教会との関係もあり、ラテン語が共通語として使用されてきたが、外交ではフランス語、工学ではドイツ語などもよく使われていたようだ。それが、20世紀の特に後半になると英語が共通語として優位になっている、というような内容の本。
英語、フランス語、ドイツ語などの主要言語は、詳しく説明されており、それ以外の少数話者の言語の話も書かれている。面白いのは、言語と国民国家意識との関係だ。民族を規定するのが言語なのかどうなのか、そこらを考えさせられる。
ハンガリーやフィンランドなどのフン族系の言語も説明されているが、どうしてフィンランドが飛び地的になったかなどの歴史的な説明はない。一方、ジプシーの話すロマ語については、言語的にはサンスクリットと同根の北インド発祥だと明確に説明されていて、ロマの移動がエジプトを経由したことから、エジプト的な影響も受けているとしている。
ユダヤ人の話すイディッシュ語というのは、セム語系の言葉かと思っていたのだが、ドイツに定住していたユダヤ人が話したドイツ語の方言だと、この本で初めて知った。
こうした話題のほかにも、言語の表記方法として、どのような文字を使うかという話もあり、面白く読んだ。
英語は、もともとドイツ語系だが、フランス語の影響を大きく受けて、ラテン語起源の単語も取り入れたりして独自の言語となったらしいが、現代のように実質的に世界の共通語になってしまうと、人々は隣国の言語を学ぶ必要性が低下して、学ばなくなってしまうらしい。
ドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領は、いったい何語で話すのだろうかと考えた。
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共通語の世界史:ヨーロッパ諸言語をめぐる地政学 単行本 – 2018/11/27
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ホモ・ロクエンス全史と商業・宗教・軍隊
ヨーロッパに息づく少数言語から、世界中で息まく連合言語まで!
ホモ・ロクエンス(話すひと)の驚くべき多様性がおりなす人類史をめぐり、ことばの「シェア」に秘められてきた三大要素をときあかす。
「アメリカ合衆国からオーストラリアやニュージーランドまで、南アフリカからカナダまで、さらには、インドのように、英語が国民語ではないまでも公用語の地位に就いている国々が同じくらいのひろがりを見せていることも考えに入れるなら、英語が商業と軍隊によって地球上の津々浦々にまでもち運ばれて、広大な空間を占めるにいたったわけである。[…]ヨーロッパでは、言語が愛国意識を高めるきっかけとなることがよくある。そのヨーロッパにおいて、言語による自己主張の渇望は、共通語の必要性をなきものにしないまでも、共通語の圧力を減らそうとする性質をもっている。こうしてみると、ヨーロッパは、英語に開かれていると同時に、言語的多様性を守ろうとする明確な態度を示していると言える」(本書より)。
社会言語学の泰斗による名著、待望の邦訳。巻末に、言語分布地図・言語名索引付。
ヨーロッパに息づく少数言語から、世界中で息まく連合言語まで!
ホモ・ロクエンス(話すひと)の驚くべき多様性がおりなす人類史をめぐり、ことばの「シェア」に秘められてきた三大要素をときあかす。
「アメリカ合衆国からオーストラリアやニュージーランドまで、南アフリカからカナダまで、さらには、インドのように、英語が国民語ではないまでも公用語の地位に就いている国々が同じくらいのひろがりを見せていることも考えに入れるなら、英語が商業と軍隊によって地球上の津々浦々にまでもち運ばれて、広大な空間を占めるにいたったわけである。[…]ヨーロッパでは、言語が愛国意識を高めるきっかけとなることがよくある。そのヨーロッパにおいて、言語による自己主張の渇望は、共通語の必要性をなきものにしないまでも、共通語の圧力を減らそうとする性質をもっている。こうしてみると、ヨーロッパは、英語に開かれていると同時に、言語的多様性を守ろうとする明確な態度を示していると言える」(本書より)。
社会言語学の泰斗による名著、待望の邦訳。巻末に、言語分布地図・言語名索引付。
- 本の長さ380ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2018/11/27
- ISBN-104560096597
- ISBN-13978-4560096598
商品の説明
著者について
1936年生まれ。フランスの言語学者。著書に『ホモ・ロクエンス』、『言語構造と普遍性』(白水社)、『絶滅していく言語を救うために──ことばの死とその再生』(白水社)ほか多数。
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2018/11/27)
- 発売日 : 2018/11/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 380ページ
- ISBN-10 : 4560096597
- ISBN-13 : 978-4560096598
- Amazon 売れ筋ランキング: - 851,831位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,321位人文・思想の言語学
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