薬理学関係の他の書籍をまったく存知ませんので、比較してのコメントはできません。また、当方、医・薬関連の専門的な知識ももちあわせておりませんので、ただ、当該書籍を手にして、ざっと目をとおしての印象にすぎません。が、それでも、書籍タイトルどおりの「やさしい」もの、「わかりやすい」内容と言っていいと思います。
当該書籍は（「初版序」をみると）、著者が同じく（学研から）出している『臨床に生かしたい薬の話』『処方がわかる医療薬理学』と3冊完結のシリーズとなっていて、先行の2冊と当該書籍の異なる点は、「薬理のメカニズム」、つまり「薬のもつ作用機序に的をしぼり解説したもので」あることです。3冊、あわせて読むことによって「薬に関する知識を段階的に」理解し、「医療の実践の場でそれを適用してくことに徐々に自信をもって」もらえるようになるであろうことが記されています。
ですから、基本的には、「医療の実践の場」医療現場で働く方たちを読者として想定した書籍であるようですが、シロウトであっても、処方された薬の効果だけでなく、自分のカラダのなかでドノヨウニ作用しているのか（しつつあるのか）踏み込んでくわしく調べようとするときに、たいへん役立つものであるように思います。
表紙にあるような画像、イラストが多く用いられています。目に見えない薬の作用のあり方を把握するために、コンピューターグラフィックの画像を作成し、動かすかのように、イメージしてみるなら、「薬理のメカニズム」が見えてくる・・と著者は勧めています。
全体は大きく二つの部分からなり、第1章「薬理作用の基礎」、第2章「各治療薬のメカニズム」となっています。（詳しい目次は、国立国会図書館のリサーチナビをみると2011年版のものをみることができます）。当該「第3版」では、改訂のポイントとして、〈「認知症に用いる薬」「抗ウィルス薬」の2項目を加えたこと〉〈新しい作用機序をもった薬について、多数の項目で新たな説明を加えたこと〉〈大幅な新規医薬品の追加、名称変更、発売中止の薬品の削除など全般的な整理を行ったこと〉があげられています。
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