帝国はいまや上は皇帝、下は庶民にいたるまで、祖国は戦争に勝ち続けるしか無いと思い込む。軍部への圧力は増すばかり。徴募された若者たちの死体で戦場は赤く塗装される狂気の時代だ。だが、参謀本部の二大巨頭はそれぞれの視野から戦争の行方と祖国の未来を予見した。その結果、ルーデルドルフとゼートゥーアは袂を分かつしかなくなる。ただ、奇妙な偶然は二人を隔てる壁を築く役割を思わぬところに託す。
さて、気になっているのは連合王国の言うところの「ウルトラ」の正体だ。ミステリーでも推理小説でもどこかに伏線は張ってあるものだ。しかしここに至るまで見つからない。いや見落としているのかもしれないがわからない。帝国の外務か軍部の最高幹部で枢機に関わる人物となると限られる。特にルーデルドルフとゼートゥーアの頭の中を理解できる人間はわずかだ。なにしろターニャでも二人の腹の中を読み解くことは難しい。具体的な命令と周辺の事情を勘案して初めて思い至るようなことだ。わかるものがいるとすれば二人の上司格の人間だが、軍なら参謀総長と軍務所管の大臣しかいない。だがこの二人は実はここまで登場していない。
はたして「ウルトラ」は誰なのか。案外、連合王国の国王あたりがミサのときに存在Xの啓示をうけて下におろしていたりして、とかまで考えてしまう。だが、存在Xがほとんど登場しなくなったのも気味が悪い。マッドサイエンティストのことは結構ひいきにしているようだし、他にも神託をおろしていることは考えられる。
何にしても一神教の神は遠ざけるにしかず。神との距離感は次元を隔てた隣人くらいがちょうどよい。ときぞき地震や台風で困らせられるが、それ以外は山の幸海の幸、田畑の幸でお世話になっている。感謝と神様の居所を整えてお礼にするくらいがちょうどよい。帝国とその周辺はへんな神様に見込まれて終わりのない戦争を選ぶ必要に縛られてしまった。
ゼートゥーアの怒りが紙面からにじみ出てくるような迫力がある11巻だった。
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幼女戦記 11 Alea iacta est Kindle版
戦争を続ける愚かさは、誰の目にも明らかである。
講和派としてレルゲンがイルドアに飛び懸命の外交折衝を行うも
失敗した場合の予備計画を巡りルーデルドルフ大将が暗躍。
これに異を唱えた盟友・ゼートゥーア大将は必要の女神に奉仕する。
『障害物は排除されねばならない』と。
義務。
必要。
友情。
何が正しかったのかすら、見えなくなる総力戦。
昨日迄の正義は、今日の不正義。
それでもすべては祖国の未来のために。
講和派としてレルゲンがイルドアに飛び懸命の外交折衝を行うも
失敗した場合の予備計画を巡りルーデルドルフ大将が暗躍。
これに異を唱えた盟友・ゼートゥーア大将は必要の女神に奉仕する。
『障害物は排除されねばならない』と。
義務。
必要。
友情。
何が正しかったのかすら、見えなくなる総力戦。
昨日迄の正義は、今日の不正義。
それでもすべては祖国の未来のために。
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2019/2/20
- ファイルサイズ29006 KB
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登録情報
- ASIN : B07NRLKPXG
- 出版社 : KADOKAWA (2019/2/20)
- 発売日 : 2019/2/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 29006 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 382ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 9,712位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 2,085位ライトノベル (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前巻までに示唆された予備計画が実行され帝都でクーデターが起こるのかと思っていたら、まさかの展開です。
ゼートゥーア閣下が実権を握る点は一致しますが、その経緯が想像とはかなり異なり驚かされました。
軍事的合理性よりほかに与するもののない行動を始めるなど、本シリーズ(正確にはかつてのWeb版)のメインテーマ"末期戦"にまた一歩近づいたように思います。
個人的には、これほどまでに次巻が待ち遠しかったことはありません。
不満としては、あまりにも「参謀将校」を連呼していることでしょうか。
同志の癖、文体だとは分かっているものの、一行二行に四度も五度も同じ物言いが出てくると、正直読みづらさを感じます。
また、ターニャとドクトルの熱い再会が濃厚に描かれるのか思いきや、さらりと流されたのは残念です。
とはいえ、レルゲン大佐が相変わらず色々の板挟みに悩み、モグモグするヴィーシャが可愛い第11巻、是非ぜひおすすめです。
ゼートゥーア閣下が実権を握る点は一致しますが、その経緯が想像とはかなり異なり驚かされました。
軍事的合理性よりほかに与するもののない行動を始めるなど、本シリーズ(正確にはかつてのWeb版)のメインテーマ"末期戦"にまた一歩近づいたように思います。
個人的には、これほどまでに次巻が待ち遠しかったことはありません。
不満としては、あまりにも「参謀将校」を連呼していることでしょうか。
同志の癖、文体だとは分かっているものの、一行二行に四度も五度も同じ物言いが出てくると、正直読みづらさを感じます。
また、ターニャとドクトルの熱い再会が濃厚に描かれるのか思いきや、さらりと流されたのは残念です。
とはいえ、レルゲン大佐が相変わらず色々の板挟みに悩み、モグモグするヴィーシャが可愛い第11巻、是非ぜひおすすめです。
2019年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Web板を知らないので、的外れな感想もあるかもしれませんけど、ご容赦を。
今回でいえば、帝国を支え、友人だったゼートゥアとルーデルドルフ将軍の二人が見所でしょう。
もうすでに感想を書いている人がいますが、ある意味善良であるからこそ限界のみえたものと、非情に徹して国に対してよりよい決断をくだせるものとの差が描かれています。またこの「よりよい」ですら判断の悩むところでしょうが。
ゼートゥア将軍の今回の行動は最初は予想外で、まるで悪手をうつようなやりかたに驚きました。この奇策を弄するやり方はどこぞの「魔術師」さんを連想しましたが、あの魔術師さんにしても、戦術の勝利で外交を有利にするというまだまともなやりかたでした。それに対して、ゼートゥア将軍のやり方は悪手をうちながら利益をえるという、まさに「詐欺師」の名に恥じない方法でしょう。
今回のやり方は驚きましたが、神視点の読者であることや、過去の戦争やヨーロッパの歴史を知る人間としてはよく考えてみれば、なるほどというやりかた。このままでは東の大国の力が強すぎて飲み込まれるから、冷戦状態を作り出すための戦禍拡大方針かと。
正直、自国の未来のために、より死者のチップを積み上げる決断を下すゼートゥア将軍は怖いというか凄いという感想をもちました。
ベルリンの壁が壊された時の感動を与えてくれるような、この先の物語に期待してしまう展開でした。丁寧に描かれた架空戦記シリーズです。
今回でいえば、帝国を支え、友人だったゼートゥアとルーデルドルフ将軍の二人が見所でしょう。
もうすでに感想を書いている人がいますが、ある意味善良であるからこそ限界のみえたものと、非情に徹して国に対してよりよい決断をくだせるものとの差が描かれています。またこの「よりよい」ですら判断の悩むところでしょうが。
ゼートゥア将軍の今回の行動は最初は予想外で、まるで悪手をうつようなやりかたに驚きました。この奇策を弄するやり方はどこぞの「魔術師」さんを連想しましたが、あの魔術師さんにしても、戦術の勝利で外交を有利にするというまだまともなやりかたでした。それに対して、ゼートゥア将軍のやり方は悪手をうちながら利益をえるという、まさに「詐欺師」の名に恥じない方法でしょう。
今回のやり方は驚きましたが、神視点の読者であることや、過去の戦争やヨーロッパの歴史を知る人間としてはよく考えてみれば、なるほどというやりかた。このままでは東の大国の力が強すぎて飲み込まれるから、冷戦状態を作り出すための戦禍拡大方針かと。
正直、自国の未来のために、より死者のチップを積み上げる決断を下すゼートゥア将軍は怖いというか凄いという感想をもちました。
ベルリンの壁が壊された時の感動を与えてくれるような、この先の物語に期待してしまう展開でした。丁寧に描かれた架空戦記シリーズです。
2019年2月20日に日本でレビュー済み
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この巻を読み終えて最も印象に残ったのは総力戦という異常事態における国家、そして登場人物たちの「変質」の描かれ方です。
国家の殆どの資源が戦争遂行に費やされる総力戦では既存の常識はもはや通用せず、当事者たちは適応という名の変質を余儀なくされます。その結果は平時の価値観に照らせば常識破り、下手をすれば狂気と言ってもいいものです。
幼女戦記の魅力の一つは理性と知性を重視する帝国軍が理不尽ともいえる現実に直面し何とか対応しようとあがく事なのですが、この巻では中立国や戦前の考え方の人間たちとのコントラストによっていかに大戦によって帝国と登場人物たちが変貌したのかをはっきりと感じることが出来ました。
特にこれまでの11巻に渡って丁寧に描写されてきたレルゲンやゼートゥーアの人物としての変遷はこの為だけに最初から読んでもいい程良く出来ていると思います。
さて、前巻は最終盤への準備という感じで落ち着いていましたが、物語は遂に帝国の最期に向けて転がりだします。来るべき終焉に向けてターニャがどうあがくのか、終戦とその後に向けてこの世界がどう進んでいくのか、今から首を長くして次巻を待っています。
国家の殆どの資源が戦争遂行に費やされる総力戦では既存の常識はもはや通用せず、当事者たちは適応という名の変質を余儀なくされます。その結果は平時の価値観に照らせば常識破り、下手をすれば狂気と言ってもいいものです。
幼女戦記の魅力の一つは理性と知性を重視する帝国軍が理不尽ともいえる現実に直面し何とか対応しようとあがく事なのですが、この巻では中立国や戦前の考え方の人間たちとのコントラストによっていかに大戦によって帝国と登場人物たちが変貌したのかをはっきりと感じることが出来ました。
特にこれまでの11巻に渡って丁寧に描写されてきたレルゲンやゼートゥーアの人物としての変遷はこの為だけに最初から読んでもいい程良く出来ていると思います。
さて、前巻は最終盤への準備という感じで落ち着いていましたが、物語は遂に帝国の最期に向けて転がりだします。来るべき終焉に向けてターニャがどうあがくのか、終戦とその後に向けてこの世界がどう進んでいくのか、今から首を長くして次巻を待っています。
2019年2月20日に日本でレビュー済み
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ただ一言:面白かった
今までの流れから帝国の運命は自明だったが、どう畳んでいくのだろうと思っていたが、ここで、あのような手段を講じるとは思わなかった。
ここ数冊やや間延びしていたがらこの本からは展開新たになり、また面白くなっていきそうだという期待をもたせてくれた。
やはり幼女戦記は、戦争してないほうが面白い。
今までの流れから帝国の運命は自明だったが、どう畳んでいくのだろうと思っていたが、ここで、あのような手段を講じるとは思わなかった。
ここ数冊やや間延びしていたがらこの本からは展開新たになり、また面白くなっていきそうだという期待をもたせてくれた。
やはり幼女戦記は、戦争してないほうが面白い。
2019年3月24日に日本でレビュー済み
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暗く読むことが辛くなる流れから、前巻あたりから、幼女戦記らしさを取り戻したとほっとしてました。まだまだ、健在。
ただ、本巻は、それから、新しい色が加わります。
楽しみであるものの、巻が進むごとに、聖遺物なほどの演算宝珠と、才能があった主人公や、鍛えに鍛えられた部隊の一方的な強さがなくなっていくように感じられるのは、かなり残念。
でないと、主人公を執拗に追うロリコンや対処しようとする敵大国のみなさんの姿が魅力的でなくなってしまう。
ラインの悪魔、健在を激しく望みます!
ただ、本巻は、それから、新しい色が加わります。
楽しみであるものの、巻が進むごとに、聖遺物なほどの演算宝珠と、才能があった主人公や、鍛えに鍛えられた部隊の一方的な強さがなくなっていくように感じられるのは、かなり残念。
でないと、主人公を執拗に追うロリコンや対処しようとする敵大国のみなさんの姿が魅力的でなくなってしまう。
ラインの悪魔、健在を激しく望みます!
2019年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み終わるのがもったいない。
いつまでも続いて欲しいくらいだが、終わりは必ず来るのだ。
# 11巻で終わる訳じゃないけどね。
こんな感覚久しぶり。
いつまでも続いて欲しいくらいだが、終わりは必ず来るのだ。
# 11巻で終わる訳じゃないけどね。
こんな感覚久しぶり。
2019年2月28日に日本でレビュー済み
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なるほど、こういうテーマの話だったのかと感心したが、相変わらず幼女である意味が不明。いずれわかるのだろうか?あと、本文イラストは相変わらずひどいが、表紙は良かった。続きも読みたいです。映画は見たくないが。