遺伝子の発見から解明までの歴史を綴ったノンフィクション。
メンデルの遺伝子の発見、優生学への援用、病気の研究、ゲノムの解明まで、人類の辿った遺伝子研究の歴史が圧倒的スケールで語られております。
優生学の所で、優れた人だけ生きる価値があり、劣る場合は殺してもかまわないという風潮ができた、という所は恐ろしいですが、今でもおおかれ少なかれそういう考えの人もいるそうで(LGBTの人は生産性がない、とか)、今でも優性思想があるらしいです。
個人的な事ですが、読んだ理由でこの書にも少し出てくる統合失調症を患っているもので、その解明にも遺伝子の研究から応用された事などを知り、読んでみたくなりましてそうしました。
これも個人的な事なのですが、家系に理系の人が多くて、数学や物理に詳しい人が多いのですが、私は理系が全然ダメで、絶えず小説等を読んでいる文系なので、遺伝子の一般的な理解では特異なケースに思っておりましたが、必ずしもそういう物でもない事を本書で知りました。
それと、人間が長生きしたがったり、自分の子供を大切に守るのは遺伝子を継承する為という風に聞きますが、自殺が増えたり、生殖で子供を作る人が減ったり、とかつての遺伝子の考え方と逆行する行為の人もいるそうで、時代とともに遺伝子の質も変化したのかとか思いました。
通読して思ったのが、詰まるところ人間とは何かを極限まで追求した事が遺伝子の解明の歴史だったという事で、まだ完全に解明された訳ではないですが、今後は解明すると社会の役にたちそうなので、期待しております。
長いけど読む価値のある遺伝子の歴史を網羅したノンフィクション。是非ご一読を。
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遺伝子‐親密なる人類史‐ 上 単行本 – 2018/2/6
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《NYタイムズ》ベストセラー1位& 25万部突破!
ビル・ゲイツ、年間ベストブックに選出!
「ムカジーは、ゲノム科学の過去、現在、そして未来への案内役として最適な人物だ。ほれぼれするストーリー・テラーでもある」
ピュリッツァー賞受賞作『がん‐4000年の歴史‐』の著者が語る「遺伝子」全史。この本ですべてがわかる。
「本書は、科学の歴史上、最も強力かつ“危険"な概念のひとつである『遺伝子』の誕生と、成長と、未来についての物語である」――21世紀の最重要分野となった遺伝子研究。この科学はどのような歴史をへて、今日の隆盛を迎えたのか?
19世紀後半にメンデルが発見した遺伝の法則と、ダーウィンの「進化論」が出会ったとき、遺伝学は歩み始めた。ナチス・ドイツが利用した優生学による「民族浄化」という負の遺産を背負いながら、第二次世界大戦後のワトソンとクリックによるDNA二重らせん構造の発見をへて、遺伝学は生命科学そのものを変貌させてゆく。
『がん‐4000年の歴史‐』でピュリッツァー賞に輝いた医学者が、専門知識と巧みなストーリー・テリング、そして自らの家系に潜む精神疾患の悲劇を織り交ぜて「遺伝子」のすべてを語る、不世出の科学ノンフィクション。
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19世紀後半にメンデルが発見した遺伝の法則と、ダーウィンの「進化論」が出会ったとき、遺伝学は歩み始めた。ナチス・ドイツが利用した優生学による「民族浄化」という負の遺産を背負いながら、第二次世界大戦後のワトソンとクリックによるDNA二重らせん構造の発見をへて、遺伝学は生命科学そのものを変貌させてゆく。
『がん‐4000年の歴史‐』でピュリッツァー賞に輝いた医学者が、専門知識と巧みなストーリー・テリング、そして自らの家系に潜む精神疾患の悲劇を織り交ぜて「遺伝子」のすべてを語る、不世出の科学ノンフィクション。
- 本の長さ428ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2018/2/6
- 寸法13.8 x 2.9 x 19.4 cm
- ISBN-104152097310
- ISBN-13978-4152097316
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出版社からのコメント
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Forbes(3/4):書評(首藤淳哉氏)
朝日新聞(3/25):書評(佐倉統氏)
日経新聞(3/31):書評(長谷川眞理子氏)
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日経サイエンス(7月号):書評(中西真人氏)
文藝春秋(8月号):書評(橘玲氏)
WEDGE Infinity(7/27):書評(東嶋和子氏)
・《ニューヨーク・タイムズ》の選ぶ注目書
・《ワシントン・ポスト》、《シアトル・タイムズ》、〈ファイ・ベータ・カッパ・クラブ〉の年間ベストブックに選出
「おそらく史上最高の探偵物語のひとつ……今日の、そして来るべき未来に、“人間"の定義に対して遺伝子研究がどれほどの影響を及ぼすのかについて関心があるなら、本書は必読だ」
――アンソニー・ドーア(ピュリッツァー賞作家。『すべての見えない光』)
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――アンソニー・ドーア(ピュリッツァー賞作家。『すべての見えない光』)
著者について
■著者紹介
シッダールタ・ムカジー Siddhartha Mukherjee
医師、がん研究者(血液学、腫瘍学)。コロンビア大学メディカル・センター准教授を務める。1970年、インドのニューデリー生まれ。スタンフォード大学(生物学専攻)、オックスフォード大学(ローズ奨学生。免疫学専攻)、ハーバード・メディカル・スクールを卒業。
デビュー作『がん‐4000年の歴史‐』(2010年。邦訳は早川書房刊)は、ピュリッツァー賞、PEN/E・O・ウィルソン賞、ガーディアン賞など多くの賞を受賞し、《タイム》誌の「オールタイム・ベストノンフィクション」にも選ばれた。本書『遺伝子‐親密なる人類史‐』(2016年)も《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラー・リストの「ノンフィクション部門」1位を記録し、32カ国に版権が売れている。
■監修者紹介
仲野 徹(なかの・とおる)
大阪大学大学院・医学系研究科教授。1957年大阪生まれ。1981年大阪大学医学部卒業。内科医としての勤務、大阪大学医学部助手、ヨーロッパ分子生物学研究所研究員、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授をへて現職。専門は、エピジェネティクス、幹細胞学。著書に『こわいもの知らずの病理学講義』、『エピジェネティクス』、『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』など。
■訳者略歴
田中 文(たなか・ふみ)
東北大学医学部卒業。医師、翻訳家。訳書に、ムカジー『がん‐4000年の歴史‐』、カラニシ『いま、希望を語ろう』、オゼキ『あるときの物語』(以上、早川書房)など。
シッダールタ・ムカジー Siddhartha Mukherjee
医師、がん研究者(血液学、腫瘍学)。コロンビア大学メディカル・センター准教授を務める。1970年、インドのニューデリー生まれ。スタンフォード大学(生物学専攻)、オックスフォード大学(ローズ奨学生。免疫学専攻)、ハーバード・メディカル・スクールを卒業。
デビュー作『がん‐4000年の歴史‐』(2010年。邦訳は早川書房刊)は、ピュリッツァー賞、PEN/E・O・ウィルソン賞、ガーディアン賞など多くの賞を受賞し、《タイム》誌の「オールタイム・ベストノンフィクション」にも選ばれた。本書『遺伝子‐親密なる人類史‐』(2016年)も《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラー・リストの「ノンフィクション部門」1位を記録し、32カ国に版権が売れている。
■監修者紹介
仲野 徹(なかの・とおる)
大阪大学大学院・医学系研究科教授。1957年大阪生まれ。1981年大阪大学医学部卒業。内科医としての勤務、大阪大学医学部助手、ヨーロッパ分子生物学研究所研究員、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授をへて現職。専門は、エピジェネティクス、幹細胞学。著書に『こわいもの知らずの病理学講義』、『エピジェネティクス』、『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』など。
■訳者略歴
田中 文(たなか・ふみ)
東北大学医学部卒業。医師、翻訳家。訳書に、ムカジー『がん‐4000年の歴史‐』、カラニシ『いま、希望を語ろう』、オゼキ『あるときの物語』(以上、早川書房)など。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2018/2/6)
- 発売日 : 2018/2/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 428ページ
- ISBN-10 : 4152097310
- ISBN-13 : 978-4152097316
- 寸法 : 13.8 x 2.9 x 19.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 32,624位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 20位遺伝子・分子生物学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年7月23日に日本でレビュー済み
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2022年9月6日に日本でレビュー済み
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本書で語られるメンデルとダーウィンから始まる遺伝子とその研究の物語は、上巻だけで2001年まで進む。あらゆる学問がこの100年余りの間に加速度的に進んだが、その中でも遺伝子DNAを中心とした分子生物学の進展は目覚ましく、また個性的な研究者が繰り広げる発見、発明の過程にドラマ性があるためか、これまでもジャドソンの『分子生物学の夜明け』という名著(残念ながら現在は絶版になっているようだが)などこの分野を扱ったノンフィクションは多い。その中で本書の特徴の一つは、取り上げている範囲がとても広いという点であろう。ちょっと詰め込み過ぎという気もするが、読者は遺伝子の物質としての本体がDNAであることが発見され、その構造がワトソン、クリックにより解明され、DNA→RNA→蛋白質というセントラルドグマの存在が明らかになり、遺伝暗号が発見され、といった分子生物学の進展を理解できると共に、遺伝子をクローニングしたり、別の生物に組み込んで発現させたりするといった遺伝子工学の研究史も知ることが出来る。
本書のもう一つの、そして最大の特徴は、遺伝子、遺伝と社会の関係に重点を置いている点であろう。遺伝子の実態も遺伝の仕組みも明らかになっていない時代に生まれた「優生学」という考え方、それが国家レベルの政策として遂行されたことでもたらされた悲劇がかなりのページ数を使って記述されている。ナチスドイツによる蛮行は多くの人に知られているとは思うが、それよりも早い時期にアメリカで「欠陥のある血統」を根絶するために「遺伝的な不適者を収容するための隔離所(「コロニー」)が設立され、州の法律により断種の手術が行われていたという事実(p162~)は今では半ば忘れられているのではないか。ナチスのアウシュビッツ収容所でメンゲレにより行われた双子を対象にした残忍な研究の話(p260~2)も含め「遺伝」に対する誤った考え方が(優生学の推進者は、社会をより良くするためにという言わば善意から行動していることが更に恐ろしいが)いかに悲惨な結果をもたらすかという事実が、本書の中では一番印象に残った。
『病の「皇帝」がんに挑む』もそうであったが著者のストーリーテラーとしての才能は本書でも遺憾なく発揮されており、上巻だけで500ページを超える大作で、専門的な知識がないと分かりにくいと思われる記述もあるもののついつい引き込まれて読了してしまった。遺伝研究の「今」と「未来」について述べた下巻も期待が持てる。
本書のもう一つの、そして最大の特徴は、遺伝子、遺伝と社会の関係に重点を置いている点であろう。遺伝子の実態も遺伝の仕組みも明らかになっていない時代に生まれた「優生学」という考え方、それが国家レベルの政策として遂行されたことでもたらされた悲劇がかなりのページ数を使って記述されている。ナチスドイツによる蛮行は多くの人に知られているとは思うが、それよりも早い時期にアメリカで「欠陥のある血統」を根絶するために「遺伝的な不適者を収容するための隔離所(「コロニー」)が設立され、州の法律により断種の手術が行われていたという事実(p162~)は今では半ば忘れられているのではないか。ナチスのアウシュビッツ収容所でメンゲレにより行われた双子を対象にした残忍な研究の話(p260~2)も含め「遺伝」に対する誤った考え方が(優生学の推進者は、社会をより良くするためにという言わば善意から行動していることが更に恐ろしいが)いかに悲惨な結果をもたらすかという事実が、本書の中では一番印象に残った。
『病の「皇帝」がんに挑む』もそうであったが著者のストーリーテラーとしての才能は本書でも遺憾なく発揮されており、上巻だけで500ページを超える大作で、専門的な知識がないと分かりにくいと思われる記述もあるもののついつい引き込まれて読了してしまった。遺伝研究の「今」と「未来」について述べた下巻も期待が持てる。
2018年8月23日に日本でレビュー済み
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遺伝子とは、細胞の核の中にある長い線状の構造体(染色体)上に、鎖のようにつながった状態で存在し、生物の形や機能を生み出すタンパク質をつくるための、化学的なメッセージをコードする機能を持つ、あらゆる生物情報の基本単位と言えるものである。本書は、その遺伝子の発見に関わった研究者の功績を紹介しながら、遺伝の仕組みについて解説したものだ。
本書で登場する主な人物は以下の通りだ。まずはメンデル。エンドウ豆を使った実験を通じ、世代から世代への情報の流れをとらえることで、遺伝子の本質的な特徴を発見した、お馴染みの人物だ。遺伝子とは染色体上に一列に並ぶ物質単位であることを示したのは、モーガンとスタートバントである。DNAが遺伝分子であり、その構造が二重らせんであるという大発見をしたのは、エイヴリー、ワトソン、クリック。遺伝子はタンパク質をつくる情報をコードすることによって作用し、タンパク質が個体の形や機能を実現するという事実は、ビードルとテータムによって発見された。
ブレナーとジャコブは、遺伝子をもとに組み立てられる「メッセージ」の化学的な正体とはRNAであることを見つけ、メッセンジャーRNAはDNA鎖の複製だということを発見した。彼らはまた、DNAの三つの塩基が一組の暗号となって、タンパク質のひとつのアミノ酸を指定しているということにも気づく。DNAの塩基配列はRNA鎖をつくるために使われ、そのRNA鎖がアミノ酸の鎖に翻訳され、最終的にタンパク質が合成されるという仕組みなのだ。
後半では、遺伝子の組み換えやクローニングについても触れられる。遺伝子とは何か、どのようにして遺伝情報を個体に伝えるのか、そして遺伝子操作が与える影響などについてが主に上巻で述べられ、その後は下巻へとつながる。
著者であるシッダールタ・ムカジー は、血液学、腫瘍学を専門とする医師・がん研究者で、コロンビア大学メディカル・センターの准教授を務める。遺伝子の発見は、人間のゲノム(生物の持つ全遺伝情報)を理解し、操作する能力を手に入れつつある。これは、人間の身体と運命を支配できる可能性、自分たちの仕様書を解読したいという欲求につながり、この欲求こそが本書の中心テーマだと、著者は述べている。
本書で登場する主な人物は以下の通りだ。まずはメンデル。エンドウ豆を使った実験を通じ、世代から世代への情報の流れをとらえることで、遺伝子の本質的な特徴を発見した、お馴染みの人物だ。遺伝子とは染色体上に一列に並ぶ物質単位であることを示したのは、モーガンとスタートバントである。DNAが遺伝分子であり、その構造が二重らせんであるという大発見をしたのは、エイヴリー、ワトソン、クリック。遺伝子はタンパク質をつくる情報をコードすることによって作用し、タンパク質が個体の形や機能を実現するという事実は、ビードルとテータムによって発見された。
ブレナーとジャコブは、遺伝子をもとに組み立てられる「メッセージ」の化学的な正体とはRNAであることを見つけ、メッセンジャーRNAはDNA鎖の複製だということを発見した。彼らはまた、DNAの三つの塩基が一組の暗号となって、タンパク質のひとつのアミノ酸を指定しているということにも気づく。DNAの塩基配列はRNA鎖をつくるために使われ、そのRNA鎖がアミノ酸の鎖に翻訳され、最終的にタンパク質が合成されるという仕組みなのだ。
後半では、遺伝子の組み換えやクローニングについても触れられる。遺伝子とは何か、どのようにして遺伝情報を個体に伝えるのか、そして遺伝子操作が与える影響などについてが主に上巻で述べられ、その後は下巻へとつながる。
著者であるシッダールタ・ムカジー は、血液学、腫瘍学を専門とする医師・がん研究者で、コロンビア大学メディカル・センターの准教授を務める。遺伝子の発見は、人間のゲノム(生物の持つ全遺伝情報)を理解し、操作する能力を手に入れつつある。これは、人間の身体と運命を支配できる可能性、自分たちの仕様書を解読したいという欲求につながり、この欲求こそが本書の中心テーマだと、著者は述べている。
2018年10月7日に日本でレビュー済み
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This book taught me how exiting the gene studying was.
2018年2月18日に日本でレビュー済み
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話はダーウィンの半生から彼の著した進化論と紐解かれていく。続いてメンデルのエンドウマメの遺伝学。
さらには血友病のロシア皇帝家系の悲劇や、優性論からユダヤ人へ襲いかかる惨劇。
ついにワトソンとクリックの二重らせんの発見によって、遺伝子の研究はパラダイムシフトを迎える。
それまで目に見えないサムシンググレートであったものが、一挙に思うように自由に操ることができる対象へと変化したのだから。
そこからの遺伝子工学の隆盛は眼を見張るものがあった。
読み手へは、まるでその時代に居合わせているかのような、手に汗握るような熱量が伝わってくる。
本書は、刺激的かつエキサイティングな歴史書かつサイエンスの名著である。つづく下巻の内容にも胸高鳴る。
さらには血友病のロシア皇帝家系の悲劇や、優性論からユダヤ人へ襲いかかる惨劇。
ついにワトソンとクリックの二重らせんの発見によって、遺伝子の研究はパラダイムシフトを迎える。
それまで目に見えないサムシンググレートであったものが、一挙に思うように自由に操ることができる対象へと変化したのだから。
そこからの遺伝子工学の隆盛は眼を見張るものがあった。
読み手へは、まるでその時代に居合わせているかのような、手に汗握るような熱量が伝わってくる。
本書は、刺激的かつエキサイティングな歴史書かつサイエンスの名著である。つづく下巻の内容にも胸高鳴る。
2020年6月27日に日本でレビュー済み
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1864年、世界から隔離されたチェコの修道院から話は始まる。物静かなメンデルはひとりで生命の起源を見つけ、すぐ忘れ去られた。同じ頃に英国の聖職者ダーウィンは船の上で、生物の形(表現型)が時を経て変化する理由を見つけた。二人の想像力は「生物の表現型=遺伝型+環境+誘因+偶然」という方程式にたどり着き、表現型が荷馬車を引く馬のように遺伝型を引っ張り続けるという自然法則が明らかとなる。シュレディンガー、モーガン、ワトソンらはその荷馬車の物質的存在を予測し、証明した。日本人も含め人類は何度も彼らの理論を利用し、優生や断種や差別という方法で「進化を操作」しようと試み、手痛い教訓を得た。しかしその後、原子力やコロナも含めたあらゆる分野で「原理上可能なことはどんなことでもいずれ実現する」という不気味な法則も証明され続けている。同じ過ちは繰り返されるかもしれない。遺伝学の歴史が、膨大な文献と取材にもとづいて語られているのに、不思議と堅苦しさはなく、スリルと躍動感をもって描かれています。映画のように余韻が残り、最近いつも頭の中で反芻している本です。ぜひ
2018年9月24日に日本でレビュー済み
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前作「がんー4000年の歴史ー」もそうだが、科学史でありながらまるで優れたサスペンス小説のように「次は、次は」と読者を一気に最後まで誘導してしまう著者の類まれな技量に魅了される。著述内容に関してはこれまで読んできた多くの進化論、遺伝子に関する「一般読者」向け科学書で個々に書かれているものではあるが、それを時系列的に相互の関連を説明しながら最新の生命科学の状況説明に至るという手法は復習の意味も含めて非常に役にたった。難を言えば現在の生命科学研究で最も重要な課題である遺伝子編集(特に生殖系細胞での)での生命倫理に関する記述が物足りない。著者の危惧も理解でないわけではないが、現代進化論や遺伝子を語るうえで欠かすことのできない「利己的な遺伝子」の著者リチャード・ドーキンス(彼はそれが可能であればクローン人間を見てみたいとまで言っている。)やスティーブン・ピンカー(ダウドナの著書「CRISPER-究極の遺伝子技術の発見」にも記述されているように中国の科学者のヒト胚細胞での遺伝子編集実験に対するセンセーショナルな反応に“邪魔をするな”と注意喚起した。)、マット・リドレー(「徳の起源ー他人を思いやる遺伝子」の著者)など遺伝子技術やAIの将来を楽観的に見ている科学者、科学ジャーナリストの考え・主張とその真意も解説して欲しかった。さてさてムカジーは次に何を語ってくれるのだろうか。
2018年2月9日に日本でレビュー済み
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著者は腫瘍学研究者でインド系、かつ近い親族に統合失調症患者や双極性障害患者を3人もつ。だから公私にわたって遺伝子に関心を持つ強い理由がある。本書は遺伝子に関する学説史という骨格を持つ。上巻では、軽くプラトンやアリストテレスに触れた後、本格的な叙述はメンデルとダーウィンから始まる。遺伝学で重要な発見を辿りつつ(例えばモーガンによるハエの遺伝学、X線照射による突然変異体の取得、ワトソンとクリックによる二重螺旋構造の発見、セントラルドグマの解明などだ)、その当時の発見者を取り巻く環境や人物像に触れていくところが本書の特徴であり、すでに科学的な中身については熟知しているはずの読者もその点を楽しめるはずだ。書かれている科学的内容は高校生物から大学初年級の程度である。遺伝子組換え技術の確立やアシロマ会議のエピソードで上巻は終わる。一般書としてとても出来がいいと思う。