POGユーザーが重視するスタイルに分け、各POG媒体を評価する試みです。
競合他誌にも同様の口コミを載せています。
今季は既にドラフト終了のところが多いと思われますが、【来季以降の媒体選びの参考として】ご利用下さい。
POG大魔王丹下氏が青本から独立して刊行して数年経つ。競馬メディアの母、鈴木淑子さんを起用しているところがポイント。
写真☆☆☆☆☆
POGメディア取材時期と2歳馬デビュー時期の関係上、各メディアほぼ全て、仕上がりが早くて既に本州に移動になっている社台系の馬の写真が掲載されておらず、馬の名前は多く出ているのに写真なし、という事態になることが多いのだが、この本は取材時期を早めたのか、そういった「写真に載りにくい仕上がりの早い有力馬」の写真が多く掲載されている。これは、馬体写真の確認を重視するPOGファンへ強く推したいポイントである。
事実、「牧場関係者のコメントが多いのにこの本にしか写真がない」馬はかなり多い。写真掲載数こそ約370と標準的であるが、他にはない特化された選択がポイント。
リスト☆☆★★★
情報数は少ない。調教師別のリストがあるが、例えば池江厩舎入厩馬最多掲載数赤本の32頭に比べて、19頭に留まっている。おすすめクラブ馬という２ページに詰め込んだクラブ情報が補足的にあるものの、クラブ別リストなどはない。
情報
☆☆☆☆★
丹下氏自身が自重したのかはわからないが、彼の主観が多く込められた、名前を連ねるだけのページがごっそりなくなり、温和な鈴木淑子さんが丁寧にインタビューしているからか、吉田一族や各牧場関係者は優しく口を開いている印象。
吉田勝己から、ノーザンファームの取り組みについて諸々聞いているところは、流石競馬メディアの女王といったところ。品と中身がある。早期デビュー馬の写真掲載数を多くする試みのため、取材時期が他媒体よりも早め、言い換えれば多少古めのコメントが並んでいることと思うが、そのへんは好みの範囲。
血統
☆☆★★★
丹下氏の記事で気持ちふれているのと、日本主流血脈リストが少しだけ載っている程度。
社台系が海外から購入した新繁殖の海外レース実績が明記されているのは注目ポイント。最近のディープ産駒は、アメリカや南米などで好走実績のある母の子がよく走るので参考になる。
戦術
☆★★★★
戦術を意識した記事は少し載っているが、その戦術が選択されるべき説明ががないに等しいので、説得力に弱い。
外国産馬
☆☆★★★
一応各セールでの日本人購買馬はリストになっていて、情報も多少ある。
補足ポイント
☆☆★★★
鈴木淑子さんの知名度と人柄で牧場関係者との関係を良くしているのは強み。
本としては、誤字、リンクミス、なによりページ数表記がない箇所が多いので、索引から当該ページを開くという行為ができない箇所があり過ぎるのは、データ情報誌としてはいかがなものだろうか。あと、写真ページで母スタイリスティックの性別が違っていた。
寸評
繰り返しになるが、早期取材により、ほかのPOG誌には掲載されていない、発売日ころには既に本州に移動になっている馬の写真やコメントをできるだけ増やし、発売日も早めようという意欲が買える。例えばデビュー前調教で破格の動きを見せたダノンファンタジー（母ライフフォーセール）の写真と牧場コメントが載っているのはこの本だけ。当馬の最終成績如何はともかく、ここだけにしかない重要な情報がある、という点は強み。
今勢いのあるグラドル、川崎あやちゃんに記事を書かせているところにセンスを感じる。
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