怖い絵シリーズは全部持っています。おかげさまで、絵画鑑賞をより深く楽しめるようになりました。
やはり、印象的だったのは表紙になっているオフィーリアのモデルでラファエロ前派のミューズであったエリザベスの運命。
思わず、調べてしまいました。
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新 怖い絵 単行本 – 2016/7/30
中野 京子
(著)
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購入オプションとあわせ買い
「怖い絵」シリーズの大ヒットで知られる中野京子が、満を持して刊行する新刊。モネ、ミレー、シャガール……誰もが知るきれいな名画に、まさかこんな怖い物語が潜んでいたとは……。
- 本の長さ212ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/角川書店
- 発売日2016/7/30
- ISBN-104041046424
- ISBN-13978-4041046425
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/角川書店 (2016/7/30)
- 発売日 : 2016/7/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 212ページ
- ISBN-10 : 4041046424
- ISBN-13 : 978-4041046425
- Amazon 売れ筋ランキング: - 322,699位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 540位西洋画
- - 50,790位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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北海道生まれ。早稲田大学講師。専門はドイツ文学・西洋文化史(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (ISBN-13: 978-4334035662 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新シリーズとともに面白さも復活したように思う。
著者の他の本で、さすがに絵画ネタは書き尽くしてしまわれたかと
感じたこともあったが、今回は面白い。
表紙のオフィーリア、ミレーの「落穂ひろい」フラゴナールの「ぶらんこ」は
素人でも良く知っている絵なのに、解説から広がっていく話が面白い。
前シリーズの既刊と同様、素人がゆるーく美術鑑賞するのに助けになる
万人向けの一冊です。
個人的にはゲイシーのピエロの絵が一番怖かった。
少し前にアメリカでピエロ恐怖症というのが流行った、と耳にしていたが
ソレの正体がやっと分かった。納得。
著者の他の本で、さすがに絵画ネタは書き尽くしてしまわれたかと
感じたこともあったが、今回は面白い。
表紙のオフィーリア、ミレーの「落穂ひろい」フラゴナールの「ぶらんこ」は
素人でも良く知っている絵なのに、解説から広がっていく話が面白い。
前シリーズの既刊と同様、素人がゆるーく美術鑑賞するのに助けになる
万人向けの一冊です。
個人的にはゲイシーのピエロの絵が一番怖かった。
少し前にアメリカでピエロ恐怖症というのが流行った、と耳にしていたが
ソレの正体がやっと分かった。納得。
2020年7月17日に日本でレビュー済み
漫然と絵を見ていただけでは分からないことを、この本をたくさん教えてくれる。絵に描かれた情景の意味、背後に隠された意味、作者の思い・事情、モデルの運命までも語ってくれる。絵に隠されたことをこれだけ知ってしまうと、確かに怖い怖い。この怖さは、人間の情念・欲望・運命の怖さなのだろう。生きることはなんと辛いことよと嘆息してしまう。そんなことを思わせるのが名画たるゆえんかもしれない。中野京子さん、上手い、上手すぎる。そして博識だ。
フリーダ・カーロ「折れた背骨」
ミレー「落穂拾い」
フラゴナール「ぶらんこ」
バルデス・レアル「世の栄光の終わり」
ジロテ「眠るエンデュミオン」
ドローネー「ローマのペスト」
ティツィアーノ「パウルス三世と孫たち」
ミレイ「オフィーリア」
モネ「死の床のカミーユ」
ブラウン「あなたの息子を受け取ってください、旦那さ ま」他
モネとブラウンの絵が特に怖い、恐ろしい。
フリーダ・カーロ「折れた背骨」
ミレー「落穂拾い」
フラゴナール「ぶらんこ」
バルデス・レアル「世の栄光の終わり」
ジロテ「眠るエンデュミオン」
ドローネー「ローマのペスト」
ティツィアーノ「パウルス三世と孫たち」
ミレイ「オフィーリア」
モネ「死の床のカミーユ」
ブラウン「あなたの息子を受け取ってください、旦那さ ま」他
モネとブラウンの絵が特に怖い、恐ろしい。
2017年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テレビで特集がされていたのと、「怖い絵」というタイトルのインパクトで購入してみましたが、図書館で借りる程度で良かったのかも。絵が本の真ん中にあるので、見たいところを思い切り開いてみてもちゃんと見えない部分がある。解説部分の最後に余白があるのをみると、その分絵を大きく出来なかったのかとも思う。
「怖い絵」というのは確かに見た感じが既に怖いというのもあったけれど、意味を知ると怖いという意味、、かと思いきや全部がそうでもないなと思いました。オフィーリアも落穂拾いも怖いじゃなく、かわいそう。・・・と言うのも、絵にまつわる内容ではなく、その時の時代背景やモデルになった女性の半生などが書かれているからです。
解説はそこに描かれている花やモチーフなどの説明もあって、これから美術館に行ったら隅々までじっくり見るクセがつきそう。今まで美術館で絵を見ても、何となくで見てたのがほとんどだったので意味を知れると面白いなと思いました。
ただジョンゲイシーの絵は必要だったのかな?その絵にまつわる解説本だとばかり思っていたので、"殺人犯が描いた絵"がそれに当てはまるのでしょうか。
「怖い絵」というのは確かに見た感じが既に怖いというのもあったけれど、意味を知ると怖いという意味、、かと思いきや全部がそうでもないなと思いました。オフィーリアも落穂拾いも怖いじゃなく、かわいそう。・・・と言うのも、絵にまつわる内容ではなく、その時の時代背景やモデルになった女性の半生などが書かれているからです。
解説はそこに描かれている花やモチーフなどの説明もあって、これから美術館に行ったら隅々までじっくり見るクセがつきそう。今まで美術館で絵を見ても、何となくで見てたのがほとんどだったので意味を知れると面白いなと思いました。
ただジョンゲイシーの絵は必要だったのかな?その絵にまつわる解説本だとばかり思っていたので、"殺人犯が描いた絵"がそれに当てはまるのでしょうか。
2019年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
好評につき「怖い絵」シリーズ三冊に続いての発刊、角川の月刊誌に連載されたものが単行本になった。以前の単行本も角川文庫になったことだし、こういう関係なのかな、と思った。
肝心の内容だが、さすがにネタ切れ気味。もうめぼしい絵は採りあげてしまった。ミレーの「落穂拾い」がある、けど前作で同じ画家の「晩鐘」で解説していたことを繰り返している。ミレイ(別の画家です)の「オフィ―リア」が満を持して採用されたのはよかったけれど。
中野さんのコンセプトは、いっけん怖くないけど背景を知ると怖い、だ。したがって誰が見ても怖い絵はあまり採用されない。いっそ今まで゛落選続き”だった「叫び」を採りあげてもよかった。今さら、で見送ったのか。それとも「第五弾」の目玉絵になるのか?
肝心の内容だが、さすがにネタ切れ気味。もうめぼしい絵は採りあげてしまった。ミレーの「落穂拾い」がある、けど前作で同じ画家の「晩鐘」で解説していたことを繰り返している。ミレイ(別の画家です)の「オフィ―リア」が満を持して採用されたのはよかったけれど。
中野さんのコンセプトは、いっけん怖くないけど背景を知ると怖い、だ。したがって誰が見ても怖い絵はあまり採用されない。いっそ今まで゛落選続き”だった「叫び」を採りあげてもよかった。今さら、で見送ったのか。それとも「第五弾」の目玉絵になるのか?
2016年9月3日に日本でレビュー済み
著者は2007年-2009年にかけて『
怖い絵
』、『
怖い絵2
』、『
怖い絵3
』(すべて朝日出版社刊)と3部にわたって西洋絵画に描きこまれた恐怖を「読む」書を上梓してきました。このシリーズを堪能し、多くの事柄を学んだ私は、最終第3部のレビューで「三巻で完結させてしまうのはもったいない」と書き込み、いつの日か第4部が書かれる日をこの7年ものあいだ待っていました。
巻頭を飾るのはフリーダ・カーロの『折れた背骨』です。若いころに交通衝突事故で瀕死の重傷を負い、その後遺症に一生苦しんだフリーダ自身のあまりにも痛ましい自画像です。
著者はフリーダの波乱の人生を簡潔明瞭にたどりながら、最後にこう綴ります。
「晩年は寝たきりにもなったが、それでも芸術家として満足のゆく作品群を残し、ひとりの女性として十全に愛し、愛された。短くも豊かな日々だった。素晴らしい人生だった。彼女はこうして全てを肯定し、静かに逝ったのだった」(20頁)
17世紀衰退期のスペインの画家バルデス=レアルの『世の栄光の終わり』も確かに怖い絵です。死後の三段階――直後、腐乱、白骨化――を手加減なく写実的に描いたこのバロック画は、正視し続けるのが困難なほどです。ですがこれは鑑賞者にいたずらに不快感を与えるための絵ではもちろんありません。これはヴァニタス画。メメント・モリ(死を思え)というメッセージを伝える絵です。それが当時の聖カリダード施療院に掲げられていたというのです。死を目前に控えた貧者たちにこの絵を突き付けたキリスト教の苛烈な現世観を思わないではいられません。
こうした一見して恐怖を与える絵画作品の一方で、読み解き方を学ばない限り恐怖よりもむしろ清涼感や陶酔感といった肯定的な感情をまず喚起させられてしまいそうな作品も取り上げられています。
農民画で名高いミレーの代表作『落穂拾い』は、夕暮れ時の素朴な農婦3人を描いた作品です。この絵画が放つ「怖さ」とは、ひょっとして貧農が置かれた経済的苦悩のことなのかといぶかりながら読み進めたところ、私の貧相な想像力などうけつけない時代背景について著者は指摘します。
当時は共産主義に対する恐怖がヨーロッパを覆い始めたころ。上流階級の人々はミレーの農民画は階級社会に向けた矢だとみなして恐れたというのです。
ラファエル前派の薫陶を受けたマルティノーの『我が家での最後の日』は、前景に笑顔でシャンパングラスを傾ける裕福そうな中年男性とその幼い息子が描かれています。住み慣れた屋敷を去るのは忍びないとはいえ、この後待ち受ける新生活への期待に胸膨らませた父子の邪気のない表情にほほえましさを感じてしまったのですが、この絵の主題はそんな能天気なものではありませんでした。
著者は画面左端に傾けて置かれた競走馬の絵に注意を向け、それをカギとして、『我が家での最後の日』は家長が競馬で財産を失い、豪華な邸宅を手放さざるをえなくなったと解説します。それでも男は事の重大さを理解できていないということの恐怖を描いているのです。
また、レーピンの『思いがけなく』も、男の突然の帰郷を驚きとともに迎える家族の姿を描いていて、久方ぶりの再会を喜ぶ温もりある作品かと思いきや、これまた画中画として壁に描きこまれた革命詩人たちの肖像を手掛かりにすると、男が政治犯としてシベリア送りになった末ようやく釈放されたのだということが読み取れるのです。
こんな具合に今回も学ぶ点が大いにある書でした。
この書のもととなった『小説 野性時代』での連載は残念ながらすでに終了してしまったようです。『新 怖い絵2』が出来(しゅったい)する日は来ないのでしょうか。
巻頭を飾るのはフリーダ・カーロの『折れた背骨』です。若いころに交通衝突事故で瀕死の重傷を負い、その後遺症に一生苦しんだフリーダ自身のあまりにも痛ましい自画像です。
著者はフリーダの波乱の人生を簡潔明瞭にたどりながら、最後にこう綴ります。
「晩年は寝たきりにもなったが、それでも芸術家として満足のゆく作品群を残し、ひとりの女性として十全に愛し、愛された。短くも豊かな日々だった。素晴らしい人生だった。彼女はこうして全てを肯定し、静かに逝ったのだった」(20頁)
17世紀衰退期のスペインの画家バルデス=レアルの『世の栄光の終わり』も確かに怖い絵です。死後の三段階――直後、腐乱、白骨化――を手加減なく写実的に描いたこのバロック画は、正視し続けるのが困難なほどです。ですがこれは鑑賞者にいたずらに不快感を与えるための絵ではもちろんありません。これはヴァニタス画。メメント・モリ(死を思え)というメッセージを伝える絵です。それが当時の聖カリダード施療院に掲げられていたというのです。死を目前に控えた貧者たちにこの絵を突き付けたキリスト教の苛烈な現世観を思わないではいられません。
こうした一見して恐怖を与える絵画作品の一方で、読み解き方を学ばない限り恐怖よりもむしろ清涼感や陶酔感といった肯定的な感情をまず喚起させられてしまいそうな作品も取り上げられています。
農民画で名高いミレーの代表作『落穂拾い』は、夕暮れ時の素朴な農婦3人を描いた作品です。この絵画が放つ「怖さ」とは、ひょっとして貧農が置かれた経済的苦悩のことなのかといぶかりながら読み進めたところ、私の貧相な想像力などうけつけない時代背景について著者は指摘します。
当時は共産主義に対する恐怖がヨーロッパを覆い始めたころ。上流階級の人々はミレーの農民画は階級社会に向けた矢だとみなして恐れたというのです。
ラファエル前派の薫陶を受けたマルティノーの『我が家での最後の日』は、前景に笑顔でシャンパングラスを傾ける裕福そうな中年男性とその幼い息子が描かれています。住み慣れた屋敷を去るのは忍びないとはいえ、この後待ち受ける新生活への期待に胸膨らませた父子の邪気のない表情にほほえましさを感じてしまったのですが、この絵の主題はそんな能天気なものではありませんでした。
著者は画面左端に傾けて置かれた競走馬の絵に注意を向け、それをカギとして、『我が家での最後の日』は家長が競馬で財産を失い、豪華な邸宅を手放さざるをえなくなったと解説します。それでも男は事の重大さを理解できていないということの恐怖を描いているのです。
また、レーピンの『思いがけなく』も、男の突然の帰郷を驚きとともに迎える家族の姿を描いていて、久方ぶりの再会を喜ぶ温もりある作品かと思いきや、これまた画中画として壁に描きこまれた革命詩人たちの肖像を手掛かりにすると、男が政治犯としてシベリア送りになった末ようやく釈放されたのだということが読み取れるのです。
こんな具合に今回も学ぶ点が大いにある書でした。
この書のもととなった『小説 野性時代』での連載は残念ながらすでに終了してしまったようです。『新 怖い絵2』が出来(しゅったい)する日は来ないのでしょうか。
2023年4月19日に日本でレビュー済み
中野京子の「怖い絵」シリーズについては、だいぶ以前から知っていた。その名に興味を持って本屋でも幾度か立ち読みしたのだが、その当時は余り関心を持つことができなかった。
ところが、ふとしたきっかけで、改めてページを繰ってみると、中野の博識に裏打ちされた分析の豊かさに感心するのだった。取り上げられている画家の生い立ち、その時代、そしてその絵の制作の背景、そういったものが次から次へと繰り出されてくる。読み進めていくうちに、いつの間にか引き込まれてしまうのであった。
例えばJean Fracois Millet(1814~1875)がパリの南に位置するバルビゾン村に移り住んだのは1849年、35歳の時で、それまでは“ポルノまがいの裸婦像”を生活のために“量産”していたのだという。後年の「種まく人」、「落穂拾い」、「晩鐘」と言った静かな感動を覚える絵を書き上げた人物からは想像できない。
Jean Honore Fragonard(1732~1806)の名前は知っていたが、彼の生きた時代背景、貴族の生活がまた凄まじいことに慄いた。Fragonardの絵が、ディズニーの「Frozen」(アナと雪の女王)に形を変えて登場していることを初めて知った。Fragonardは、その画風からやはりフランス王室に重用されたFrancois Boucher(1703~1770)の弟子だろういうことは推察していた。だが絢爛たるFragonardの絵の背景にあるのは、フランス貴族の男性が妻に対して抱く希望が、単に自分の後継者を産んでくれることだった、ということを初めて知った。それ以外は、自分も配偶者も、互いに干渉せずにプライベイトの生活を保つということが、夫婦の暗黙の前提であったらしい。自分たちの感覚から離れたそんな貴族たちの感覚が、庶民にとっては鼻持ちならず、1789年のフランス革命の遠因になったのかもしれない。
Juan de Valdes Leal(1622~1690)と言うスペインの画家については、恐らく名前くらいは聞いたことがあると思うのだが、今回その画風を知ってその率直さに驚愕した。死の直後の騎士、死んでしばらくたって腐敗が進んだ司教、そして白骨化した亡骸……、あまりにも当然の経過なのだが、やはり眼前に突きつけられると、項垂れてしまう。そこにPride(虚栄)。Greed(強欲)、Wrath(憤怒)、Envy(嫉妬)、Lust(淫蕩)、Gluttony(貪食)、Sloth(怠惰)を表わす7種の動物、が描かれており、その対として、心臓、祈祷書、十字架、ロザリオ、パンなどが描かれている。キリスト教の信仰の希薄な人間にとってはさほど大きな打撃はないのだが、もしこうした宗教的背景を知って鑑賞する絵、そんな予備知識を持たずに眺める絵、の間には大きな違いがあることは否めないだろう。
漫然というのは失礼かもしれないが、いろいろな知識を持って絵を鑑賞するということが、美術品だけではなくて音楽についても、その観方を豊かにすることを教えてくれるのである。
ところが、ふとしたきっかけで、改めてページを繰ってみると、中野の博識に裏打ちされた分析の豊かさに感心するのだった。取り上げられている画家の生い立ち、その時代、そしてその絵の制作の背景、そういったものが次から次へと繰り出されてくる。読み進めていくうちに、いつの間にか引き込まれてしまうのであった。
例えばJean Fracois Millet(1814~1875)がパリの南に位置するバルビゾン村に移り住んだのは1849年、35歳の時で、それまでは“ポルノまがいの裸婦像”を生活のために“量産”していたのだという。後年の「種まく人」、「落穂拾い」、「晩鐘」と言った静かな感動を覚える絵を書き上げた人物からは想像できない。
Jean Honore Fragonard(1732~1806)の名前は知っていたが、彼の生きた時代背景、貴族の生活がまた凄まじいことに慄いた。Fragonardの絵が、ディズニーの「Frozen」(アナと雪の女王)に形を変えて登場していることを初めて知った。Fragonardは、その画風からやはりフランス王室に重用されたFrancois Boucher(1703~1770)の弟子だろういうことは推察していた。だが絢爛たるFragonardの絵の背景にあるのは、フランス貴族の男性が妻に対して抱く希望が、単に自分の後継者を産んでくれることだった、ということを初めて知った。それ以外は、自分も配偶者も、互いに干渉せずにプライベイトの生活を保つということが、夫婦の暗黙の前提であったらしい。自分たちの感覚から離れたそんな貴族たちの感覚が、庶民にとっては鼻持ちならず、1789年のフランス革命の遠因になったのかもしれない。
Juan de Valdes Leal(1622~1690)と言うスペインの画家については、恐らく名前くらいは聞いたことがあると思うのだが、今回その画風を知ってその率直さに驚愕した。死の直後の騎士、死んでしばらくたって腐敗が進んだ司教、そして白骨化した亡骸……、あまりにも当然の経過なのだが、やはり眼前に突きつけられると、項垂れてしまう。そこにPride(虚栄)。Greed(強欲)、Wrath(憤怒)、Envy(嫉妬)、Lust(淫蕩)、Gluttony(貪食)、Sloth(怠惰)を表わす7種の動物、が描かれており、その対として、心臓、祈祷書、十字架、ロザリオ、パンなどが描かれている。キリスト教の信仰の希薄な人間にとってはさほど大きな打撃はないのだが、もしこうした宗教的背景を知って鑑賞する絵、そんな予備知識を持たずに眺める絵、の間には大きな違いがあることは否めないだろう。
漫然というのは失礼かもしれないが、いろいろな知識を持って絵を鑑賞するということが、美術品だけではなくて音楽についても、その観方を豊かにすることを教えてくれるのである。