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ハッピーロンリーウォーリーソング (角川文庫 ま 21-1) 文庫 – 2001/7/1
話題のスキンヘッド歌人、枡野浩一のデビュー短歌集がついに文庫化。各界で絶賛の、まったく新しいことば表現が、ときに優しく、ときに刺激的に、触れたものの心を貫く。
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2001/7/1
- ISBN-104043594011
- ISBN-13978-4043594016
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商品の説明
著者からのコメント
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2001/7/1)
- 発売日 : 2001/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 190ページ
- ISBN-10 : 4043594011
- ISBN-13 : 978-4043594016
- Amazon 売れ筋ランキング: - 464,853位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1968年東京西荻窪うまれ。歌人。
大学中退後、広告会社勤務のコピーライター、フリーの雑誌ライター、作詞家などを経て、1997年『てのりくじら』『ドレミふぁんくしょんドロップ』(実業之日本社より二冊同時発売、絵=オカザキマリ※おかざき真里)で歌人デビュー。最新短歌集は『歌』(雷鳥社、写真=杉田協士)。
最新刊は実録小説『愛のことはもう仕方ない』(サイゾー)。イラストレーター目黒雅也とのコンビ「枡目組」にてババロア絵本『あれたべたい』(あかね書房)と猫絵本『ネコのなまえは』(絵本館)を続けて刊行。
短歌入門書『かんたん短歌の作り方』(ちくま文庫)では新鋭歌人のデビューを後押しし、加藤千恵、佐藤真由美の第一短歌集を監修。『かんたん短歌の作り方』出身歌人はほかに、天野慶、脇川飛鳥など。佐々木あららは唯一の公式の弟子。
石川啄木を現代語訳したエッセイ『石川くん』(集英社文庫、絵=朝倉世界一)はNHK(Eテレ)で映像化。短歌小説『ショートソング』(集英社文庫)は小手川ゆあ作で漫画化されている(集英社/全2巻)。
そのほか高校時代を題材にした小説『僕は運動おんち』(集英社文庫)、離婚経験をもとにした小説『結婚失格』(講談社文庫、絵=内田かずひろ)、新宿二丁目でうまれた掌編集『すれちがうとき聴いた歌』(リトルモア、絵=會本久美子)、ツイッター発の詩集『くじけな』(文藝春秋、絵=後藤グミ)など著書多数。『ドラえもん短歌』(小学館文庫、絵=藤子・F・不二雄)など公募短歌を集めた編著、漫画家の河井克夫とのコンビ「金紙&銀紙」名義のタレント本『似ているだけじゃダメかしら?』(リトルモア)も含め、43冊ほど。
2011年11月22日、明石家さんまのテレビ番組で「踊る!ヒット賞」に選ばれる。
2013年春より毎年、高校国語教科書(明治書院)に短歌掲載中。
短歌をより広める方法を常に模索し、ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)の芸人部門に所属(2013年4月から2015年6月まで。現在はフリー)して「短歌の出てくるコントや漫才」をやったり、漫画家を中心とした自主映画の会「古泉智浩よるひる映研」に参加して「短歌をタイトルにした超短編映画」を撮ったりしている。
五反田団、FUKAIPRODUCE羽衣などの演劇公演、松尾スズキ監督『恋の門』や杉田協士監督『ひとつの歌』などの長編映画、テレビドラマ『食べるダケ』(第11話)、コマーシャル(週刊CHINTAI、共演=加藤あい)にも出演。
阿佐ヶ谷の書店とは名ばかりの極小イベントスペース「枡野書店」店主。
結婚歴あり。2000年うまれの息子を元妻が扶養している。
好きな乗り物は竹馬。ババロア研究家としてババロアを手作りしたり食べ歩きしたり。
最近はとりわけ、漫画家の古泉智浩とのPodcast番組「本と雑談ラジオ」が話題になっている。
身長183/体重75/B90/W86/H95/靴28甲高
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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興味半分で購入しました。ハマってます。読書後の私の顔は。。。
にんまり〜です。
本書は、1997年に同時発表された短歌集Ⅰ『てのりくじら』、短歌集Ⅱ『ドレミふぁんくしょんドロップ』の収録短歌を一冊にまとめて再構成し、タイトルを新たにして2001年に文庫化したものである。尚、収録歌は当時糸井重里の「ほぼ日刊イトイ新聞」で毎日ひとつずつ連載された。
私は50代の会社員で、最近短歌に興味を持ち始め、俵万智、穂村弘、東直子、木下龍也、岡野大嗣、九螺ささら等の歌集や短歌入門書、また、山田航の『桜前線開架宣言』、瀬戸夏子の『はつなつみずうみ分光器』、東直子/佐藤弓生/千葉聡の『短歌タイムカプセル』等の現代短歌アンソロジーを読み、半年ほど前から新聞歌壇に投稿している(最近ぽつぽつ採用もされるようになった)。
桝野氏については、上記アンソロジーの『はつなつ』と『タイムカプセル』に収録されており、また、入門書『かんたん短歌の作り方』も読んだが、大変参考になった。
本歌集については、残念ながら現在絶版となっているため、中古本で手に入れて読んでみた。
枡野氏は、『はつなつ』の中で、短歌を詠まない人(=歌人以外)にもわかるように短歌をつくっており、それが「かんたん短歌」(糸井重里が命名した)と呼ばれていると書かれ、また、穂村弘の『短歌という爆弾』の中では、「歌壇に完全に背を向けて存在感を維持できた初めての歌人」、「比喩ってかっこ悪いよねとか、これまでポエジーを支えるとみなされていた要素を否定してみせた」などと評されているのだが、それ故に(逆説的に、とも言えるが)、短歌の素人・初心者にはシンプルに「共感」や「納得感」を抱きやすいし、自らの作歌の参考にもなる。
また、私は、若手の木下龍也と岡野大嗣が好きで、彼らのような歌を志向しており、それは、彼らの歌が、近代短歌(現代短歌の多くもそうだが)の主流である、自分の存在を詠う“私小説的”な歌とは一線を画し、「ふとした瞬間に兆した感情を共有すること」を目的としたポストモダン的な歌だからなのだが、枡野氏は、最近の穂村弘との対談の中で、木下や岡野の作風は自分と近いと語っていることも、半分納得し、興味深く感じた。(ただ、木下や岡野は枡野氏よりもライトかつポジティブな印象の歌が多い)
尚、本書に限って言えば、見開き2頁の左側に写真、右側に歌一首が載っているのだが、ピンクと青の単色刷り(半分ずつ)でとても読みづらいのが難点である。(写真も含めモノクロの方が遥かにいい)
(2022年1月了)
ものすごく読みにくい。
思うに、幸福な時に詩など必要ではないのです。
悲しい時に。
自分ではどうにもならない心の中の澱みも、言葉や音によって輪郭を与えれば、すくい取って心の外にそっと逃すことができる…
そんな気がします。
この本は長く私の本棚にあります。
読む時によって、「いいな」と思う歌はまちまちです。
だけど必ず、「いいな」と思う歌があります。
ぜんぜん優しくもないし、希望にあふれた歌でもありません。
だけど明確で、潔い。
人を傷つける鋭さではなく、ただただ自分の身を切っているような潔い歌たち。
そうして、「いいな」と思った歌を何度か心の中で繰り返していると、「もうちょっとだけ頑張ろう」って思えるんです。
使症例 ・怒りに我を忘れそうになったとき (症例44)
→振り上げた握りこぶしはグーのまま振り上げておけ相手はパーだ ・迷い悩んだとき (症例62) →無駄だろう? 意味ないだろう? 馬鹿だろう? 今さらだろう? でもやるんだよ! ・孤独に打ちのめされたとき (症例64) →だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け ・風邪を引いたとき (症例132) →寝返りをうつたび右の鼻水は左へ(世界の平和のように) ・何もかもが愛しくてたまらないとき (症例186) →絶倫のバイセクシャルに変身し全人類と愛し合いたい
使用上の注意 1、表紙が真っ白だからと言って今晩のおかずをメモしないでください。 2、製品には毒が含まれることもありますが、 正常の成分ですので気をつけてお召し上がりください。
3、「はぴうそ」とひらがな表記しないでください。 みそ味のお菓子みたいになります。 4、三十一文字(みそひともじ)の短歌だからみそ味なのか! と勝手に納得しないでください。たぶん違います。 あれは著者です。
誰にでも一度はある、あの感情を呼び起こさせる珠玉の歌の数々。 一家に一冊、「ハッピーロンリーウォーリーソング」はいかがでしょうか。
短歌は、いうまでもなく五七五七七の三十一文字で描かれる詩の一形式であり、枡野浩一は、その不自由な短歌の形式に乗せて、平易な普段使いの言葉で日常の一瞬をつぶやくように切り取る。
「こんなにも ふざけた今日が あるのなら どんな明日でも ありうるだろう」
これが短歌なのかと一瞬戸惑いを覚えつつも、しかしその歌に広がる世界が私を捉える。学生時代の一こま、まだ何でも始められるという希望と、まだ何者でもないという不安を抱えながら、それでも毎日が楽しくあったあの頃。そんな原風景をすっかり切り取られ、現に追体験しているかのような、不思議な感覚に包まれる。
枡野は後書で「『一番いい歌はこれです!』と断言してくれる人も多いけれど、全員の『一番いい歌』が違うみたいです」と書いている。この歌集には余計なものが一つも無く、しかしそれぞれ読む者にとっての、まるで自分のためだけに切り取られたかのような世界がつまっている。彼はたったの三十一文字で、人の心に確かな足跡を残していくのだ。
1文字の過不足もなく、31文字きっちりできれいに完結している。
何の遠慮もなく心をえぐってくるような表現もあれば、
くすっと笑える温かさも感じる。
自分のもやもやをズバッと表現してくれている歌を見つけると、気持ちいい。
落ち込んだ時に読むと、ちょっと救われる本だと思う。