勢力を増したジシュカ率いるフス派・ターボル軍と、フス派撲滅を掲げ集結したカトリック十字軍との決戦”ヴィトコフの戦い”を描く第2巻。
神聖ローマ皇帝・ジギスムント率いるカトリック十字軍がフス派の根城プラハを包囲。
講話に傾くプラハに対し、援軍に駆け付けたジシュカは、ターボル軍単独で十字軍を迎え撃つと啖呵を切るが…。
寡兵ではあるが信仰による高い士気と徹底された戦術を持つターボル軍と、大軍ではあるが規律もなく戦術理解のない十字軍。
のちに戦場の主役となる火器を配備し、騎兵封じの野戦築城(ワゴンブルク)で態勢を整えるターボル軍に対し、騎士たちは得意の騎兵突撃を慣行する。
戦争は個人戦から集団戦へ…。カトリック派の騎士たちは時代の変遷を身をもって知ることになる。
この戦いを通して、シャールカは敵味方含め多くの人物と出会う。そして出会いがあれば別れもまた然り…。
戦火は容赦なくシャールカを翻弄するが、どうかその優しい純真が汚れず、真っ直ぐに育っていくことを願うばかりである。
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乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ : 2 乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ (アクションコミックス) Kindle版
1420年、ボヘミア王国。フス派の傭兵隊長ヤン・ジシュカは新兵器「ピーシュチャラ(初期の銃)」と「信仰心」を利用して農民や女性、子供までも軍へと編成した。フス派ターボル軍2千vsカトリック派十字軍10万。歴史を変える戦いが幕を開け、兵士となった12歳の少女シャールカは、凄惨な戦場の現実を目撃する!
- 言語日本語
- 出版社双葉社
- 発売日2014/5/10
- ファイルサイズ72513 KB
この本はファイルサイズが大きいため、ダウンロードに時間がかかる場合があります。Kindle端末では、この本を3G接続でダウンロードすることができませんので、Wi-Fiネットワークをご利用ください。
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商品の説明
著者について
漫画家。代表作『ダンス・マカブル~西洋暗黒小史~』『曹操孟徳正伝』(メディアファクトリー)、『女媧~JOKER~』(講談社)、、『おてんば珠姫さま! 』(北國新聞社)他。
登録情報
- ASIN : B00MB4BFO8
- 出版社 : 双葉社 (2014/5/10)
- 発売日 : 2014/5/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 72513 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効になっていません。
- X-Ray : 有効にされていません
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- 付箋メモ : 有効になっていません
- 本の長さ : 194ページ
- カスタマーレビュー:
著者について
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漫画家。
1973年生まれ。北海道出身。石川県金沢市在住。
1995年北海道大学文学部史学科を卒業。
1997年『豚王』で講談社アフタヌーン四季賞を受賞し、デビュー。
以後『女媧~JOKER~』『曹操孟徳正伝』『おてんば珠姫さま!』『ダンス・マカブル』『乙女戦争(ディーヴチー・ヴァールカ)』など歴史を題材にした漫画作品を多く手がける。
現在「月刊アクション」にて『星天のオルド タルク帝国後宮秘史』を連載中。
公式ホームページ:「LA GROTTA」 http://ohnishikoichi.jimdo.com/
公式ブログ:「巷にひとり在り」 http://blog.livedoor.jp/koichi0024/
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年6月11日に日本でレビュー済み
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2020年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プラハに迫る十字軍は皇帝ジギスムント率いる諸侯連合10万。対するジシュカ率いる農兵2000。彼我兵力差は50倍と攻城戦の目安である6倍を一桁上回る絶望的な戦いが始まる。
一部で使われ始めていたハンドガンと騎馬を足止めする戦法はプラス要素だったがこれだけではどうしようもない。だが、兵力の銃兵化と軍規による戦力集中が個兵で戦う騎士を各個撃破していく。
そんな中、一人の騎士が一点突破に成功し陣の一つを落とすが、その混乱でヒロインのシャールカは皇帝軍にとらわれる。捕虜となったシャールカの供述に皇帝は衝撃をうけジシュカの戦略に瞠目する。
一方で諸侯の自立性を御しきれない皇帝軍は戦力の逐次投入と全滅を繰り返し、ついには恐怖から瓦解する。
皇帝も逃走するがすんでのところで一点突破に成功した騎士に救われるが、今度は騎士が捕虜となり、戦争はフス派の勝利に終わる。だが、これはフス派が宗教、政治、軍事において東方のイスラム軍に匹敵する脅威であることを全欧州に宣伝することに他ならなかった。
ヒロインは騎士を救うためにジシュカに決然と啖呵を切るがこのセリフで現実主義のジシュカと理想主義かもしれないシャールカという構図が固まる。その意味でやや中途半端なキャラだった主人公が明確な人格を獲得したエピソードでもある。ここから可哀そうな少女から抜け出していくのだろう。
政治が動き出す第二巻です。
一部で使われ始めていたハンドガンと騎馬を足止めする戦法はプラス要素だったがこれだけではどうしようもない。だが、兵力の銃兵化と軍規による戦力集中が個兵で戦う騎士を各個撃破していく。
そんな中、一人の騎士が一点突破に成功し陣の一つを落とすが、その混乱でヒロインのシャールカは皇帝軍にとらわれる。捕虜となったシャールカの供述に皇帝は衝撃をうけジシュカの戦略に瞠目する。
一方で諸侯の自立性を御しきれない皇帝軍は戦力の逐次投入と全滅を繰り返し、ついには恐怖から瓦解する。
皇帝も逃走するがすんでのところで一点突破に成功した騎士に救われるが、今度は騎士が捕虜となり、戦争はフス派の勝利に終わる。だが、これはフス派が宗教、政治、軍事において東方のイスラム軍に匹敵する脅威であることを全欧州に宣伝することに他ならなかった。
ヒロインは騎士を救うためにジシュカに決然と啖呵を切るがこのセリフで現実主義のジシュカと理想主義かもしれないシャールカという構図が固まる。その意味でやや中途半端なキャラだった主人公が明確な人格を獲得したエピソードでもある。ここから可哀そうな少女から抜け出していくのだろう。
政治が動き出す第二巻です。
2017年11月22日に日本でレビュー済み
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ジシュカは荷車を使ったワゴンブルク戦術を生み出す。騎士が戦いの中心だった当時としてはまさに画期的。
ジシュカについていろいろと派生して調べたくなってきた。
しかし、宗教ってこわいな・・・
ジシュカについていろいろと派生して調べたくなってきた。
しかし、宗教ってこわいな・・・
2018年6月5日に日本でレビュー済み
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大変面白い。作者さんの経歴からいくと史実にかなり沿った内容になっているのではないでしょうか。歴史の勉強にもなります。
2015年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多くの日本人にとって、チェコというと、「チェコスロバキア」という言葉しか知らない程度の認識なのではないでしょうか?
私自身もそうでした。
チェコに1ヶ月ほど滞在する機会があり、素晴らしい国だと思ったのをキッカケに、
この作品を知りました。
ヨーロッパの混沌とした時代、宗教戦争の中で翻弄されるボヘミア(チェコ)。
それでも懸命に生きようとする人々と、いち早く鉄砲に目をつけたチェコ人の先見性、既存権力が徐々に時代遅れになっていく様…
これ以降のヨーロッパ史において分水嶺ともなるべき時代が、
ここチェコを中心に展開されたのだと思うと、
大変おもしろく読めました。
私自身もそうでした。
チェコに1ヶ月ほど滞在する機会があり、素晴らしい国だと思ったのをキッカケに、
この作品を知りました。
ヨーロッパの混沌とした時代、宗教戦争の中で翻弄されるボヘミア(チェコ)。
それでも懸命に生きようとする人々と、いち早く鉄砲に目をつけたチェコ人の先見性、既存権力が徐々に時代遅れになっていく様…
これ以降のヨーロッパ史において分水嶺ともなるべき時代が、
ここチェコを中心に展開されたのだと思うと、
大変おもしろく読めました。
2014年11月3日に日本でレビュー済み
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「騎士殺しのジシュカ」と「天使のシャールカ」が表紙を飾る今巻。
「大軍に対し少数の部隊で挑む戦い」と言えば歴史を題材とした作品で多く見受けられるエピソードです。
しかし本作品では敵・味方両方の視点から見た戦況がうまく描かれており、他の作品と比べても見劣りしません。
というかこの1冊だけでこのエピソード終わりか…そうとは思えないぐらいすごいボリューム。
また、何より嬉しいのは巻末の時代背景解説。西洋史に全く詳しくないため大変重宝しております。これを読んだ上でまた読み返すと新たな発見があったりするので二度おいしいですね。
次巻も待ち遠しい限りです。シャールカかわいいよシャールカ。
「大軍に対し少数の部隊で挑む戦い」と言えば歴史を題材とした作品で多く見受けられるエピソードです。
しかし本作品では敵・味方両方の視点から見た戦況がうまく描かれており、他の作品と比べても見劣りしません。
というかこの1冊だけでこのエピソード終わりか…そうとは思えないぐらいすごいボリューム。
また、何より嬉しいのは巻末の時代背景解説。西洋史に全く詳しくないため大変重宝しております。これを読んだ上でまた読み返すと新たな発見があったりするので二度おいしいですね。
次巻も待ち遠しい限りです。シャールカかわいいよシャールカ。
2014年5月20日に日本でレビュー済み
読者を選ぶ作品であることは間違いない。
作中で繰り広げられるフス派と騎士団の戦いは凄惨そのものだが、それを描く作者の視点は冷徹だ。
巻末の時代背景の解説(これが非常に分かりやすい!)とも相まって、不思議と中世を舞台にした(殺戮・凌辱描写満載の)学習漫画を読んでいる感覚にもなる。
2巻でも主人公シャールカを取り巻く運命は苛烈で容赦がない。
しかし、敵の皇帝ジギスムントとの出会いから、受け身だった彼女も主体的に動き出すようだ。
後半ではシャールカに新しい幸せが訪れそうな展開もあるが、過酷な運命に翻弄された彼女に必要なものは与えられる幸福ではなく、自分を切り拓く理想と行動であるべきだろう。
騎士の時代の終焉に、少女の理想とする世界が来ることを祈りたい。
3巻にも期待する。
作中で繰り広げられるフス派と騎士団の戦いは凄惨そのものだが、それを描く作者の視点は冷徹だ。
巻末の時代背景の解説(これが非常に分かりやすい!)とも相まって、不思議と中世を舞台にした(殺戮・凌辱描写満載の)学習漫画を読んでいる感覚にもなる。
2巻でも主人公シャールカを取り巻く運命は苛烈で容赦がない。
しかし、敵の皇帝ジギスムントとの出会いから、受け身だった彼女も主体的に動き出すようだ。
後半ではシャールカに新しい幸せが訪れそうな展開もあるが、過酷な運命に翻弄された彼女に必要なものは与えられる幸福ではなく、自分を切り拓く理想と行動であるべきだろう。
騎士の時代の終焉に、少女の理想とする世界が来ることを祈りたい。
3巻にも期待する。
2014年9月15日に日本でレビュー済み
「フス戦争」という聞き覚えのないボヘミアの戦争が舞台。
日本で言えば室町時代に当たる。
とにかく、登場人物も何もかも初めて聞くものばかり。
しかし読んでみると、妙に現代の戦争にも通じることが多い。
この戦争で鉄砲(ピーシュチャラ)が、対人用に初めて実戦投入されたらしい。
もっとも劇中でも説明されているが、実に原始的なもので、射程も命中精度も威力も後に種子島に伝わった火縄銃と比べてもかなり劣るものと思われる。
それでもこれは、今日に至る近代戦の原型なのは間違いない。
その他主人公の居るフス派陣営の隊長ジシュカは軍規の父と言われるそうで、この時代既にいわゆる命令系統を統一し自軍を思い通りに動かし、詳細な作戦を遂行できる統一軍を作っていた。
農民や女子どもを軍に編入したこともだが、もっとも驚くべきは宗教戦争の本質を知っていたところ。
つまり現在の自爆テロにもつながる、死を恐れない軍隊を作っている。
この辺は日本人にはわかりずらいところで、「一向一揆」という日本最大の宗教戦争でも、マルクス史学のフィルター越しの「土一揆、国人一揆」という、領土争いや圧政への抵抗の戦争として理解させられてきた。
しかし宗教戦争の本質であり怖さは、兵士が金品や領土と言った見返りどころか、自分の命までも求めないところ。
むしろ死を救いと考えるといっても良い。
勿論そうなるには、貧困や恐怖と言った圧政があってのことであるが。
とにかく、そういった背景が実に面白い。
この物語の主人公は少女シャールカであるが、果たして彼女がこの先十数年に及ぶフス戦争においてどうなっていくのかが楽しみ。
日本で言えば室町時代に当たる。
とにかく、登場人物も何もかも初めて聞くものばかり。
しかし読んでみると、妙に現代の戦争にも通じることが多い。
この戦争で鉄砲(ピーシュチャラ)が、対人用に初めて実戦投入されたらしい。
もっとも劇中でも説明されているが、実に原始的なもので、射程も命中精度も威力も後に種子島に伝わった火縄銃と比べてもかなり劣るものと思われる。
それでもこれは、今日に至る近代戦の原型なのは間違いない。
その他主人公の居るフス派陣営の隊長ジシュカは軍規の父と言われるそうで、この時代既にいわゆる命令系統を統一し自軍を思い通りに動かし、詳細な作戦を遂行できる統一軍を作っていた。
農民や女子どもを軍に編入したこともだが、もっとも驚くべきは宗教戦争の本質を知っていたところ。
つまり現在の自爆テロにもつながる、死を恐れない軍隊を作っている。
この辺は日本人にはわかりずらいところで、「一向一揆」という日本最大の宗教戦争でも、マルクス史学のフィルター越しの「土一揆、国人一揆」という、領土争いや圧政への抵抗の戦争として理解させられてきた。
しかし宗教戦争の本質であり怖さは、兵士が金品や領土と言った見返りどころか、自分の命までも求めないところ。
むしろ死を救いと考えるといっても良い。
勿論そうなるには、貧困や恐怖と言った圧政があってのことであるが。
とにかく、そういった背景が実に面白い。
この物語の主人公は少女シャールカであるが、果たして彼女がこの先十数年に及ぶフス戦争においてどうなっていくのかが楽しみ。