監督はルイス・ブニュエル、脚本にサルバドール・ダリが加わっています。1930年の作品です。
子犬や少年、女性や盲人に暴力を振るい、ラストは無神論と反道徳を描いたサドの『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』そのものであり、堕落と淫蕩の限りを尽くした四人のうち、ブランジィ侯爵がイエスらしき人物として哀れな目つきでヨロヨロと城を出てきます。そして草の生えた十字架に雪が積もり妙に軽いBGMが流れて唐突に終わります。さすがにキリスト教徒の人たちは激怒すると思います。
ちなみにマックス・エルンストは前半の山賊らしき男たちの中の、白い帽子をかぶって黒い上着を着たリーダーの男です。
なおこの作品におけるダリの役割に関しては、シュルレアリストのアド・キルーが『映画とシュルレアリスム』(美術出版社 1968年)の中で手厳しく批判しています。