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中国の科学思想: 両漢天学考 (中国学芸叢書 1) 単行本 – 1996/1/1

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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

自然科学と哲学・思想の関わりを中心に、中国・漢代のオピニオンリーダーたちの科学思想や、人文学中の自然科学的な要素を分析しようというもの。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 創文社出版販売 (1996/1/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1996/1/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 323ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4423194120
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4423194126
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川原 秀城
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上位レビュー、対象国: 日本

2019年5月26日に日本でレビュー済み
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著者の川原秀城(東大名誉教授)は京大数学科を卒業した後、中国哲学科に再入学し大学院で中国科学史のパイオニアである薮内清に学んだ逸材であり、「科学の名著 中国天文学・数学集」(朝日出版、1980)で「劉徽注九章算術」を翻訳・解説されているが、儒学についても造詣が深く「朝鮮儒学史」などの翻訳もある。(東大では文学部・中国哲学の教授であった) 師の薮内清(1906~2000)は京大で宇宙物理を学んだ後、京大人文研で中国科学史研究のリーダーとして活躍され、「中国の天文暦法」や「漢書律暦志の研究」などが高く評価されており、2017年から「薮内清著作集」(臨川書店)が刊行されている。(少し古くなったが、プトレマイオス「アルマゲスト」も翻訳されている)

 この本の副題である「両漢天学考」の両漢とは前漢・後漢の事であり、天学とは天文暦数学と天人の学を含む、中国独特の「天」についての学問という意味である。 古代中国では漢代に中央集権的な政治体制が安定し、武帝の頃に董仲舒の進言によって儒学が公認されるが、この董仲舒が唱えたのが天と人が相関するという天人の学であり、それを支える実学として天文暦数学(術数学)が発展した。 つまり中国の学問体系のパラダイムが形成されるのが漢代であり、そこでの“中国科学”の特質を、術数学(広義の数の学問)に焦点を合わせて解説しようというのが本書のテーマである。

 著者はまず漢代における公的な図書分類「七略」に注目する。 西洋的な自然科学の概念で考えれば、中国の科学は、数学・天文学・医学・農学、と分けられるが、漢代における学問分類はその様な見方では理解する事が出来ない。学術書は「七略」では、六芸・諸子・詩賦・兵書・術数・方技の6つに分けられるが、六芸は「易経」を筆頭とする儒学書(経学)であり、兵書・術数・方技がその経学を支える実学であると著者は説明する。 この術数の中に天文暦数学が含まれ、方技の中に医学が含まれ、諸子に農学が含まれるが、西洋科学と異なるのは、術数は古来より占いの書も含まれ、方技も神仙術を含む事である。

 中国では殷周の時代より「天」の意思をさぐる意味で占いが重要視され、儒学の筆頭となった「易経」も周易が起源であるが、単なる占いではなく天人相関・陰陽の思想と2進法の数理(合理性)が融合している事をふまえて、著者は術数学を「広義の数の学問」と規定している。 術数に含まれる天文も、いわゆる天文学の語源ではあるが、元々の意味は「天」の状態を占う事であり、従って天体観測で暦の数理を探る暦数学と結びつくのである。(中国の暦数学はヘレニズム天文学と同等なレベルにまで達していた、ここに薮内清の研究成果がある)
(注)「易経」の歴史・思想・数理については、金谷治「易の話(易経と中国人の思考)」講談社学術文庫、2003、がわかりやすい。  
 
 術数学は、易や暦数や音律に見られる数理的思考と、その背後にある天人相関・陰陽・五行の思想が密接に融合している、という意味では日本の理系・文系の両方に属している。 その事について著者は、「天の科学と天の哲学は複雑に絡み合い、その境界を正確に画定することは不可能であるが、それは科学と哲学がほんらい二物でないからであり、畢竟、天や数の二義性がその根源的理由にほかならない」と述べている。 中国の学術から西洋的な自然科学のみを取り出すのではなく、中国伝統の思想を背景に、中国固有の“科学”として術数学を論じた所に、本書のパイオニア的な意義があると思われる。 中国文化に関心のある多くの人におすすめしたい。

 ただ内容は術数学をテーマにしているので、方技学の医学やその思想背景である方術的な陰陽・五行説については、あまり触れられていない。 この方面については、同じ薮内清の門下である山田慶兒(京大名誉教授)の「中国医学はいかにつくられたか」岩波新書、「中国医学の起源」岩波、1999、などがある。
 また本書の続編として「数と易の中国思想史(術数学とは何か)」2018、が最近出版された。 著者のその後の術数学研究の成果が盛り込まれており、「術数学とは何か」について漢代から清代までの発展を深く知る事ができる。 特に「朱子学は術数学である」という論考は、著者の長年の研究から得られた結果であり非常に味わい深いものがある。
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