収録されている講話や討議の中に、一次史料の重さが感じられた。私は、日中の勘合貿易、そして南蛮貿易を理解し、更にはスペイン・ポルトガルと接触し、交易の利益の大なることを感知し、自ら朱印船貿易を設定した江戸幕府が、キリスト教に対応していく中、いつしか鎖国状態に入っていく。こうした当初において、過去に延々と続いてきた日中貿易をどう見ていたか、冊封・朝貢貿易を続けていた琉球をどう利用としていたかに興味をもっていた。この書籍は、「少なくとも江戸幕府は日中貿易に興味をもっていた。明はこうした江戸幕府のシグナルに対応する国力が既になくなっていた」ことを、より明瞭に認識させてくれた。
一次史料に近い事実が物語る重みを感じた。
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