原子力の専門家って何でしょうか。TVを見るたびに薬にもならない話をしていますし、○○委員会に出席すれば「落とし所」が決まっていて、その結論に権威を与えるための存在としか映りません。
国民のための安全だと思うのですが、どこかでその基本が忘れられてしまったようです。そんな基本を忘れた組織は放り捨てて、次の戦略を模索しなければなりません。そこで本書ですが、わずか54ページの小冊子ではありますが、自然環境エネルギー政策の第一人者と、原子力を取り巻く社会問題をテーマにしている映画監督の対談で構成されています。我々がどこに向かっていかなければならないか多くのヒントがあります。
3章で「エネルギーシフト」について記述されています。山口県祝島の100%自給への取り組みや風力発電、太陽光発電についてのデータに基づいた現実的可能性について、住民の意識が大切であることを学びました。さらに、原発のような大型の一極集中型発電への依存をなくす代わりに、小型の地方分散型発電を目指すことの大切さを訴えています。その強みは、(災害に対する)リスク分散、地域の経済的効果です。秋田県の取り組みやスウェーデンの取り組みが紹介されています。
送電設備というインフラは既に整っていますので、自然エネルギーにシフトしていく政策は国の縛りを緩めることで可能です。経産省を中心とした電力幕藩体制を解体し、エネルギー政策に民意が反映されるようにすべきだと感じました。理想はエネルギーのスマートグリッドです。エネルギーも自治で賄う時代です。海外にエネルギーを依存する弱い日本を、今回の震災をきっかけに、自立する日本へ再生したいものです。このまま子孫に弱い日本を残したくありません。リーダーの英断を期待したいところです。
(本ブックレットは『世界 5月号』の対談を加筆修正したものです)
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今こそ、エネルギーシフト――原発と自然エネルギーと私達の暮らし (岩波ブックレット) 単行本(ソフトカバー) – 2011/5/28
世界最悪の事故の一つとなり、いまだ終息のめどが立たない原発災害。この大災厄は、明らかに人災だ。私たちの努力と世界中の英知を結集し、なんとかこの事態を収めよう。そして、自然エネルギーで地域を再生し、安全で公平なエネルギーによる未来をつくりだそう。電力と暮らしは直結している。決めるのは、私達。今こそ!
- ISBN-104002708101
- ISBN-13978-4002708102
- 出版社岩波書店
- 発売日2011/5/28
- 言語日本語
- 本の長さ64ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2011/5/28)
- 発売日 : 2011/5/28
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 64ページ
- ISBN-10 : 4002708101
- ISBN-13 : 978-4002708102
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,078,483位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2011年5月29日に日本でレビュー済み
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2019年1月25日に日本でレビュー済み
再掲
図書館本
雑誌「世界」5月号の飯田哲也さん、鎌仲ひとみさんの対談。
一章、 二章は飯田さんの本を読まれている方には既出かもしれませんね。
自然エネルギーに関する備忘録的メモ
2010年、風力、太陽光、バイオマス(これをクリーン御三家というらしい)の世界での総発電量が、原子力の総発電量を追い越した。 あと3-5年で風力だけで原子力を追い越す試算。原子炉には寿命があるので、原発の時代は終焉を迎えている。
世界はいま、「第4の革命」と呼ばれるエネルギー革命の渦中にあるが、日本は残念ながらそのレースに参加出来ていない。
原子力ルネッサンスという日本の一人芝居がばれてしまった。
東西のヘルツ統一は可能(大口顧客が問題であるが、徐々に切り替えれる)
国外に支出されるエネルギー(石油、石炭等)代は23兆円(秋田だと1千億、あきたこまちの売上1千億がそのまま海外に出て行く計算)
鎌仲ひとみさんの映画は是非見たいと思います。
本日(2011年8月26日、再生可能エネルギー特別措置法成立、菅さん退陣)
図書館本
雑誌「世界」5月号の飯田哲也さん、鎌仲ひとみさんの対談。
一章、 二章は飯田さんの本を読まれている方には既出かもしれませんね。
自然エネルギーに関する備忘録的メモ
2010年、風力、太陽光、バイオマス(これをクリーン御三家というらしい)の世界での総発電量が、原子力の総発電量を追い越した。 あと3-5年で風力だけで原子力を追い越す試算。原子炉には寿命があるので、原発の時代は終焉を迎えている。
世界はいま、「第4の革命」と呼ばれるエネルギー革命の渦中にあるが、日本は残念ながらそのレースに参加出来ていない。
原子力ルネッサンスという日本の一人芝居がばれてしまった。
東西のヘルツ統一は可能(大口顧客が問題であるが、徐々に切り替えれる)
国外に支出されるエネルギー(石油、石炭等)代は23兆円(秋田だと1千億、あきたこまちの売上1千億がそのまま海外に出て行く計算)
鎌仲ひとみさんの映画は是非見たいと思います。
本日(2011年8月26日、再生可能エネルギー特別措置法成立、菅さん退陣)
2012年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テレビやCMなどを通じて、あたかも当然のように流布され続けてきた、原子力の安全神話。知らず知らずにその情報に洗脳されていたという事実に愕然としました。まさか、この日本が「情報鎖国」だったなんて。しかし、3.11の「東日本大震災」を境にしてあらゆるウソが露呈しつつあるように思います。マスメディアからによる情報を受身でとらえるのではなく、能動的に正しい情報を求めて情報を判断する必要があることを痛感しました。
2012年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の印税は100%寄付されます。こういう本は珍しいですネ。 内容は自然エネルギーに関して第1人者による対談です。
2011年6月4日に日本でレビュー済み
なんといっても54頁という薄さです。しかも字が大きめで読みやすいです。飯田さんと鎌仲さんの対談ですが、専門的なことは飯田さんが説明しています。レビュアーはツイッターでも飯田さんをフォローしていますがいつも冷静で状況に即した解説をしておられます。信頼できる方だと思っています。
20ミリシーベルト設定の話でも、それが過小評価されているICRP(国際放射線防護委員会)のモデルを使っても一万人に19人という数でがんで亡くなる人が増えると説明しています。一方、100ミリシーベルトでも大丈夫という宣伝をしている山下教授(長崎大学)のことを強く批判しています。
原子力行政への批判としては官僚が2年くらいで異動して専門的知識の蓄積がされないという欠陥を指摘されており、同時に規制する組織と推進する組織が経産省という枠で一体となっていることも批判をしています。国として責任をもって見る人がいないことが鋭くしてされています。
自然エネルギー(風力、太陽光、バイオマス)の世界での総発電量が原子力によるそれを上回ったということを知ることもできました。
新書や文庫よりも薄いブックレットで難しい原子力問題への入門が容易になります。
20ミリシーベルト設定の話でも、それが過小評価されているICRP(国際放射線防護委員会)のモデルを使っても一万人に19人という数でがんで亡くなる人が増えると説明しています。一方、100ミリシーベルトでも大丈夫という宣伝をしている山下教授(長崎大学)のことを強く批判しています。
原子力行政への批判としては官僚が2年くらいで異動して専門的知識の蓄積がされないという欠陥を指摘されており、同時に規制する組織と推進する組織が経産省という枠で一体となっていることも批判をしています。国として責任をもって見る人がいないことが鋭くしてされています。
自然エネルギー(風力、太陽光、バイオマス)の世界での総発電量が原子力によるそれを上回ったということを知ることもできました。
新書や文庫よりも薄いブックレットで難しい原子力問題への入門が容易になります。